ドラマ「今日から俺は!!」いよいよ怒涛の展開へ!


日曜夜は「今日から俺は!!」(10時30分~)が好調ですね。80年代のツッパリ全盛時代を背景に繰り広げられる学園青春ドラマ。


原作は有名な漫画なのでファンも多く、当時を知らない人にとっては金髪とトンガリ頭の不良コンビとその物語世界観が新鮮で話題に。


毎回のように有名俳優やタレントが意外な役でちょっとだけ出演することがあるので何気ないようなシーンでも油断はできません。




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ここ掘れワンワン『マジすか学園』シリーズ


※『マジすか学園』および『マジすか学園2(途中の第7話まで)』を範囲としたレビューです(放送中のため)

※キャラ紹介には、AKBアイドルとしてのキャラや活動についての記述も含まれます。物語内でのキャラと、AKBアイドルとしてのキャラの両方が密接にリンクするため。


「どうせアイドルドラマだろ」もしもそう思って見逃しているなら、妻が隠した1000万円当選宝くじとヘソクリに気づかぬまま、リサイクル料金を払って自宅の冷蔵庫を引き取ってもらい、やれやれひと仕事終えたな、と満足げに一服するようなものである。


妻が帰宅すれば、大変なことをしてしまった!と気づくが、そんなことをしでかすのは、たいてい嫁に逃げられた男である。そもそも妻がいなければヘソクリもないが、ここでの大事なポイントはロクに中身を確認しないまま冷蔵庫を手放したことである。(注・あくまで例え)


『マジすか学園』の各放送回の冒頭には

「このドラマは、学芸会の延長であり、登場人物の一部に、お見苦しい(?)演技がございますが、温かく見守ってご覧いただければ幸いです」
と表示される(回により多少変化アリ)


この表示は、いうなれば『花咲か爺』の犬である。親切にわかりやすく「ここ掘れワンワン」と教えてくれているのに、掘らない者がいるだろうか。


「やっぱり学芸会の延長か。アホらしい」と吐き捨て、掘らずに立ち去るだろうか。


『花咲か爺』の老人は鍬で畑を掘っていた。つまり、耕して作物を育てる意志を持って実際に動いていた。だから犬は教えてくれた。そして犬のことばに驚いた老人がその場所を掘ってみると……。


もしも心にいつも鍬を持って畑に出ているならば、誰にだって犬が教えてくれるはずだ。


『マジすか学園』冒頭のこの表示(但し書き?)に、私も驚いた。あんなに露骨に「ここ掘れワンワン」と教えてくれるなんて、そんなことってはたしてあるのだろうかとビックリした。こんな大胆なことができるのは、もちろん只者ではない。それだけは確かだ。


ということで鍬を持とうとせず、犬を追い払おうとするような人は、この先を読んでもまったく意味がないことだけは先に伝えておく。


前置きはこのぐらいにして、ドラマの話をすすめよう。


ざっと物語の基本情報を紹介しておく。
(『マジすか学園』を軸に紹介。『マジすか学園2』では四天王その他に変更アリ)


登場する学校は主に2つ。「馬路須加女学園(マジ女)」とそのライバル校の「矢場久根女子商業高校(ヤバ女)」だ。


メインとなる「マジ女」の、いわゆる番長は最強武闘派集団のラッパッパ(吹奏楽部)の部長である大島優子。そして副部長にサド(篠田麻里子)。


その下にラッパッパ四天王といわれるシブヤ(板野友美)、ブラック(柏木由紀)、ゲキカラ(松井玲奈)、トリゴヤ(小嶋陽菜)がいる。


そんなマジ女にある日、転校生がやってくる。前田敦子である。一見すると地味な前田は「マジ」の言葉に反応して眼鏡を外すと、ケンカ最強女子に変貌する。


キャラ設定の都合上、主人公の前田のセリフはけっして多くはない。孤独であろうとする前田は多くを語ろうとせず、いつも他人との接触を極力避けている。


主人公がしゃべらないとなれば、いったい誰が学校の様子やキャラ同士の関係を視聴者に知らせるのか。


そこで活躍するのが鬼塚だるま(なちゅ)である。前田と同じ日に同じ学年・組に転校してきた彼女は、前田の強さをいち早く知ると「あつ姐」と呼んで勝手に「舎弟」と称していつも付いてまわるようになる。


だるまは前田の代わりに、マジ女や生徒たちのことについて聞いて回ることで、視聴者に必要な情報を提供する。


このとき、噂話という体(てい)でだるまに情報を提供するのがチームホルモンだ(「マジすか学園2」ではチームフォンデュが該当)。ヲタ(指原莉乃)をリーダーとする彼女らはいつも教室でホルモンを焼いている。


ちなみに人が噂話をしやすい状況は、気の合う仲間と食事をしているときだという説もある。ホルモンを焼くのもチーズフォンデュを食べるのも、キャラに話をさせる(説明させる)自然かつお約束の設定である。


さて、チームホルモンは校舎の最上階にあるラッパッパの部室への出入りはできず、喧嘩もあまり強くない。どこにでもあるようなチームの代表という位置づけだが、前田やゲキカラなどと早い段階で激突することで、メインキャラの喧嘩の実力や人柄を視聴者に知らせる重要な役割を担っている。


注目すべきは、地味に思えるかもしれないがチームホルモンのリーダーのヲタを演じる指原莉乃(通称「さしこ」)である。その絶妙な配役がたまらない。


前回(第2回選抜総選挙)では19位ながら、そのヘタレキャラを買われてAKBメンバーで唯一、自身の冠番組(『さしこのくせに』)を持っている彼女は、その他バラエティ番組への出演がもっとも多いメンバーのひとりだ。単体(ひとり)でもキャスティングされるメンバーは他にはあまりいない。


お気づきかと思うが『マジすか学園』シリーズでの指原莉乃のキャラと位置付けは、見事にAKBでのそれと似ている。けっして正統派アイドルのエース候補とはいえないが、AKBの名でいちばんおいしく売れているのは彼女だといっていい。


『マジすか学園』ではたいていジャージ姿。ゲキカラに鼻エンピツの刑に処されたり、いろんな相手に向かって行ってはたいていボコボコにされたりする。そんなエースとはかけ離れたようにみえる位置でも、実はいちばんおいしく活躍できている「さしこ」。


そんな活躍は人気にも繋がっている。テレビでの露出が多すぎると誰かが投票するだろうという心理がファンに働いて順位が下がりやすいといわれるなか、もっとも露出が多いAKBメンバーのひとりでありながら、第3回選抜総選挙速報では見事7位に急浮上している(前回19位)。


愛される、応援されるキャラとはなんなのか。真のヒーロー(ヒロイン)とはなんなのかを良く体現するのが指原莉乃である。


たとえエースの位置とかけ離れているように見えても、真(裏?)のエースとして花を咲かせることができることを、チームホルモンのリーダーという位置・役柄を通して教えてくれているのである。ほんとよくやるよ「さしこのくせに」(笑)


さて、そんなチームホルモンとだるまのおかげで、視聴者は『マジすか学園』という物語世界でまったく迷わなくて済むのである。彼女らはスターウォーズシリーズでいえばC3P0とR2-D2といったところだ。


こうしてわかりやすく物語の舞台と人間関係が伝えられるので、たとえAKB48のメンバーを誰ひとり知らなくても、まったく問題がない。


普通だったら、こういったアイドルドラマは出演するアイドルを知っている視聴者だけを対象としがちである。だが『マジすか学園』シリーズはそういった従来のよくありがちな例には当てはまらない。


企画・原作を務めた総合プロデューサー秋元康氏は以下のように語っている。


「AKB48をアイドルっぽく見せないドラマを作りたい、そしてこの人数の多さと各メンバーの個性を生かしたい。そう思ってこのドラマを企画しました」(秋元康)


その言葉から推測できるのは、ファンのみならずより多くの人々にメンバーを知ってもらいたいという気持ちで作られたということだ。


つまり、開かれたドラマなのだ。だるまやチームホルモンの例にはじまり、あれほど多い各々のキャラの個性が光るよう、それでいて物語が停滞しないよう、細心の注意と絶妙なバランス感覚で職人技を使ってみせた。そんな魅力的なドラマなのである。


「各メンバーの個性を生かす」という点については、登場キャラの名前に注目してほしい。


キャラの名前のつけ方は大きく3つに分類することができる。


(1)ニックネームを用いない

前田敦子と大島優子はそのままだ。ニックネームが付いていない彼女らは、第2回選抜総選挙でのそれぞれ2位と1位である。


既に広く名前が知られている主要中の主要メンバーに関しては、ストレートに個性をさらに前面に打ち出すよう、そのままの名前で演じさせている。アイドルとしてのイメージとドラマのキャラとしてのイメージもほぼ同じ。いわば、期待を裏切らない役どころを演じて基礎を固めている。


その他の多くのメンバーたちには、たいがいニックネームが付けられてる。


それらは主に2つの系統に分けることができる。


(2)AKB48のアイドルとしてのキャラの歴史や由来にのっとったもの

・デビュー初期は黒髪だったものの、やがて見た目や雰囲気が渋谷系ギャル路線になった板野友美(シブヤ)

・清楚だが実は裏表があるとかないとか噂されるブラックな柏木由紀(ブラック)。ちなみに本人曰く、ブラックと呼ばれるのはたまたま黒い服を着ていたことが由来にすぎないという。よく、私服がダサいとメンバーたちにイジってもらっている。

・男装がイケメンすぎると話題の宮澤佐江(学ラン・洋ラン)。男装電子写真集を出すほど好評。

・テレビ出演時に安定してしゃべれてカメラに映る時間が多め。つまり尺を取れる峯岸みなみ(「尺」 マジすか学園2から名乗る)「もしドラ」原作のモデルでもある(映画版の主役は前田敦子)

・AKB48じゃんけん選抜で第1位となった内田眞由美(ジャンケン)。かつて大島優子に下克上な「やっぱりセンターに立ちたい」発言をしたり、じゃんけん選抜で「私が1位を取ります」と宣言したりで話題に。実際に1位となりセンターポジションを獲得。有言実行の強運という才能の持ち主。


(3)新たな個性(魅力)を引き出されたもの

・「ねぇ、怒ってる?」と前田敦子を挑発して壮絶な死闘を繰り広げ、猟奇的な役での狂気度MAXな演技で大ブレイクを果たしたSKE48の松井玲奈(ゲキカラ・甘口)

・正統派アイドル美少女系を逆手に、頭脳派のいわゆる悪役の演技が好評の渡辺麻友(ネズミ)
 

このように「メンバーの個性を生かす」手法を、それぞれのメンバーに合わせて用いている。


そもそも、この人数の多さを考えてみてほしい。ちょっとやそっと器用なぐらいでは、とてもじゃないがそれぞれのキャラの個性・魅力を伝えることはできない。まして新たな魅力を引き出すことなど夢のまた夢だ。


しかし『マジすか学園』シリーズでは、これほどの数のメンバーの個性をしっかり伝えつつ、物語を停滞させることなく前へ前へと進めている。


お約束のコネタ格言っぽい深いセリフも散りばめられ、また有名ヤンキー作品へのオマージュともとれるパロディっぽい設定やセリフといったおちゃめなところもありつつ、それでいて「AKB48をアイドルっぽく見せないドラマを作りたい」の言葉どおり、視聴者がちょっと引くかもしれないほどにガンガン殴り合うシーンもかなりある。


映像作品は語るより見せろの基本に忠実に、彼女たちは「喧嘩」というアクションをどんどん披露していく。


その喧嘩シーンでは血糊の量がハンパではない。前田敦子との激闘の撮影の合間であろういわゆるメイキング映像では、ゲキカラ役の松井玲奈は両手を血糊で真っ赤にしながら、手が冷たくてしょうがないと笑顔でコメント。おそらく撮影が寒い時期かなにかで、血糊のため手が濡れて冷たかったのだろう。


そのぐらい多くの血糊をつけて殴るは蹴るわ、凶器・卑怯攻撃はあるわの、かなり過激な喧嘩シーンが多い。


だが、そんなアクションシーンを撮ることがメインではない。それら派手なシーンはむしろ脇役で、登場人物の心情を丁寧に掬いあげて描くことがメインとなっている。


それは最強武闘派集団ラッパッパ四天王のひとりでありながら力技の攻撃をしないトリゴヤ(小嶋陽菜)が、読心術やマインドコントロール能力で前田を追い詰ることで主人公の背景(みなみとの過去)を明かす回にも顕著にあらわれている。


また、戦いを通して心を通わせるという物語のスタンスは、ラッパッパ部長の大島優子のセリフとしてしっかり語られる。


このように、喧嘩を通して心を通わせて成長していく様子がしっかりとわかりやすく描かれているのである。


この「わかりやすさ」に徹底できるのがプロだ。妙に凝ろうとせず、メンバーの個性を生かすことに集中しているからこそ、人数が多くても物語が破綻しないのだ。


妙に凝ろうとすれば、必ず制作者の思い入れが灰汁となってにじみ出る。そうなってはメンバーの個性をボヤけさせてしまう。


だから『マジすか学園』シリーズで用いられる物語構築上の仕掛けはどれも基本の型ばかりである。奇をてらわない素直なつくりに徹している。


基本・素直をベースに、遊び心をほんの少し加えるだけで、メンバーの個性がどんどん発揮されて物語に彩りが増していく。


これがオトナの仕事というものだ。あまりに徹底したプロの姿勢ため、照れ隠しで「学芸会の延長」とおちゃらけてみせるそこには、えって真剣さが滲み出ているかのようだ。


ここで引き合いに出してはたいへんかわいそうではあるが、不良を題材にした作品で、ほんとうに「学芸会の延長」になってしまったものがある。見比べれば(本来は見比べられるようなレベルではないが……)その違いがハッキリと浮かび上がってくるだろう。

さて「妙に凝ろうと…」に関してもう少し話を続けよう。物語づくりで実力がモロに出やすいのは群像劇だ。多くのキャラを登場させてうまくやれば「上手な人」と思われるので、制作サイドはつい群像劇に手を出したくなる。


だから必要もないのにわざわざ登場キャラを増やして、実力がないために案の定ハチャメチャになって自滅した作品のなんと多いことか。


生半可な気持ちやちょっと器用なぐらいでは、手を出して散々な目にあうのが群像劇である。


そんななか『マジすか学園』シリーズは、そもそも登場キャラの多さに必然性がある。なんてったって、大人数アイドルグループなのだから。(小泉今日子を思い浮かべたあなたはきっとマツコ世代)


人数が多いことを始まりとして、アイドルだからという甘えを排除して各メンバーの個性を生かすことに集中した『マジすか学園』シリーズがどんな物語かは、先に紹介した秋元康氏のことばにすべて表れている。


「AKB48をアイドルっぽく見せないドラマを作りたい、そしてこの人数の多さと各メンバーの個性を生かしたい。そう思ってこのドラマを企画しました」(秋元康)


型にとらわれず、それぞれの個性(魅力)を生かす。この心がけさえあれば、どんな分野でも大きな結果を出すことができる。


それをアイドルを用いて具体例で見せてくれるのが『マジすか学園』シリーズである。


これにはとても及ばないが、ちなみに私(タカ)は、それぞれの個性(魅力)を生かすことをタイトル作成において行い、その具体的な方法や例を以下のメルマガで紹介している。

▼わかりやすい日本語で (Plain Japanese)


さて『花咲か爺』の有名なセリフに「枯れ木に花を咲かせましょう」がある。


もちろんAKB48のメンバーは枯れ木ではないが、そのままだったら魅力を伝えるチャンスがなかったかもしれないみんなに、各々の個性という花を咲かせる機会を与える。それがアイドルをプロデュースするということであり、その具体的な方法のひとつが『マジすか学園』シリーズなのだ。


そして「ここ掘れワンワン」と犬に教えてもらい、鍬で畑を掘り、金貨(大判・小判)を掘り出した老人はどうしたかを思い出してほしい。老夫婦は喜んで近所の人々に振る舞い物をした。


私も金貨(『マジすか学園』シリーズ)を教えてもらったのだから、ひとりでも多くの人にそれを知らせることで振る舞い物の代わりとさせていただければ幸いである。


最後に『マジすか学園』より、主人公・前田敦子とみなみ(高橋みなみ)の両名が言うセリフを紹介しておこう。


「世の中、マジしかねぇんだよ!」


マジになれることを探すのではない。だってマジしかないのだから。なんでもマジ(一生懸命)でやろう! という青春ドラマなのだ。


個性を生かし、魅力を引き出し、心の成長を描く『マジすか学園』シリーズ。タダ(無料)のテレビドラマで見せちゃっていいのだろうか? と心配したくなるほどの作品である。


ただし、出演者たちの多くは演技の初心者なので、セリフが多少聞き取りにくかったり、棒読みっぽい感じだったりすることもないこともない。そこは愛嬌だ。


ちなみにAKB48のメンバーだけでなく、姉妹グループのSKE48やSDN48のメンバーも出演する。


○オマケ補足情報1
『マジすか学園』ではメディアに登場することが多い前田敦子、大島優子、篠田麻里子らの出番が多い(なちゅも)。

『マジすか学園2』では松井珠理奈、横山由依など新鋭メンバーの出番が多い。

どちらにも安定して出演場面が多めなのは渡辺麻友、松井玲奈、宮澤佐江、それに板野友美といったあたり。


○オマケ補足情報2
『マジすか学園』シリーズでもっともおいしい出番を用意してもらい、それに見事に応えたのはゲキカラ役の松井玲奈とネズミ役の渡辺麻友だろう。

松井玲奈はAKB48ではなく、SKE48のメンバーであり、ゲキカラで大ブレイクする前は、同じSKE48の松井珠理奈のほうが知名度も人気も高かったといっていい。ゲキカラを演じたことで「W松井」といわれるSKE48のエースと呼ばれるようになった。
また『マジすか学園』放送後に秋元康から直々にお褒めのメールを受け取ったという。
(SKE48は東海地方を中心に活動。「SKE」は劇場所在地の名古屋の中区「栄」に由来)

渡辺麻友はもともと人気があったが、ネズミ役で存在感をさらにアピール。何をやっても頭ひとつ目立つ子。それは演技にもハッキリとあらわれている。画面に映っただけで瞬時に空気を作れる貴重な逸材だ。『マジすか学園』『マジすか学園2』のどちらにおいても、もっとも存在感がある。


○オマケ補足情報3
第3回AKB48選抜総選挙 最終順位は6月9日発表


▼「マジすか学園2」のキャスト 人物相関図


▼テレビ東京では毎週金曜深夜0時12分~放映中。
その他の地域の放送の詳細はこちらで確認を。

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そのほか不良系青春作品のおすすめを紹介しておこう。女性目線の「不良モノ」の金字塔だ。もちろん男性もおさえておくべき作品である。その世界観と読者の心の琴線に触れる手法は一読の価値がありすぎる。
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上手く凝ったドラマ『モテキ』

ドラマ24「モテキ」

深夜0:12~毎週金曜日テレビ東京系列放送

出演:森山未來、野波麻帆、満島ひかり、松本莉緒、新井浩文、リリー・フランキー、菊地凛子ほか

原作漫画:久保ミツロウ『モテキ』

<人生のどこかに訪れるらしい、異性との縁が重なる時期…それが「モテキ」
 (テレビ東京「モテキ」公式サイトより引用)>


Comments(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
注:ドラマ単体でのコメントです。

最近のテレビドラマのなかで、基本を抑えた素直な作りで良かったのが『ヤンキー君とメガネちゃん』だ。

基本は1話でひとつの話題が完結し、回を重ねるほどキャラに深みを、物語に奥行きができた。『ヤンキー君~』は物語の基本をおさえた秀作であった。

タイトルもイイ。「ヤンキー・メガネ」はカタカナで見た目もテンポもよく、正反対に思えるキャラがぶつかり合う躍動感に溢れ「君・ちゃん」でコメディ調だとわかる

「ベタ」だがドラマは作りにおいてヘンな気負いや勘違いが見当たらないのもいい。ストーリー、キャラ、演出のどれもが抑制が効いてバランスがよかった。

下手に凝ったドラマが多いなか、お約束の王道をわかりやすくキッチリやりきる。だからこそ『ヤンキー君とメガネちゃん』はキラリと輝いたわけだ。

では下手じゃなく、上手く凝ったらどうなのか。

そこで登場するのが『モテキ』である。


■ 上手く凝った『モテキ』

主人公の心情を伝える主人公によるナレーション、タイムマシン風の演出、ミュージカル風なダンス、過去の「自分キャラ」の登場と己との会話、数々の人気楽曲の挿入……さまざまな手法を取り入れているにもかかわらず、物語世界のバランスを絶妙に保っている。

これは「下手凝り」ではなく「上手凝り」である。

ふつうだったらこれだけ凝ると収拾がつかなくなり、暴走気味になる。観客はおいてきぼりになり、制作者側だけが楽しいか、制作者側もわけがわからなくなってしまう。

ところが『モテキ』は収拾がついている。

ではなぜ『モテキ』はそれができるのか。


■ 脳内世界の映像化

主人公・藤本幸世に突然訪れたモテキ。

突然のようにおもえて実はそうでもない、と思わせるところがまず上手い。

誰とも接点がない人間に、いきなり接点はできない。当人は突然とおもっても「訪れる」だけの背景がある。

これはたいていの人間にはよくある話だ。孤独とはいいつつ、学生時代の友人とはたまに連絡をとっていたり、職場ではふつうに同僚と会話したり、親戚とはたまに会っていたりする。

自分から積極的に動いたつもりがなくても「縁」はつながっていたのである。

だから突然ではないのだが、突然のように思えることは誰にでもあると思えるところが視聴者の共感を得やすいのだ。

さて、そもそも藤本幸世は自己評価が低い。自身の魅力に気づいていない、もしくは気づこうとしない。

こんな人間はどこにでもいる。だからイイ。

その魅力に気づかせてくれるきっかけがモテキと思えるものの到来だ。

本人は「なんで俺みたいなヤツにモテキが?」と思うので、ただでさえ自虐思考傾向が強い彼はさらに思い悩むことになる。

そういった心の内、つまり脳内世界を映像化するのはたいへん難しい。

うまくできている映画の例は『エターナル・サンシャイン』であり、そこでは記憶除去手術(マシン)を受けるというSF要素によって映像化する理由と効果をもたらすことに成功したといえよう。

一方の『モテキ』はいわゆるSFの要素という助けを借りずに脳内世界を映像化している。たしかにタイムマシン風の仕掛けと過去の自分との出会いと会話がSFといわれればそうかもしれいが、どちらかとうとそれらは「愛嬌」や「おちゃめ」な演出の範囲内である。

こうした脳内世界を含めた主人公の回想を映像化するにあたり、その手法が複数で「グチャグチャ・ハチャメチャ」」におもえても一定の世界観を保てる理由は、そもそも「そういうものだ」と視聴者に納得させてしまう物語内容ある。


■ 表現方法と物語内容がリンクしている

主人公を中心とする主要キャラクターの年齢はだいたい20代。だから『モテキ」はいわゆる青春物語だ。

もしも10代の青春ならウソでも「さわやか系」の作品を作りたがる傾向があるものだが、20代半ば以降の青春物語ではさわやかよりも「グチャグチャ・ハチャメチャ」な要素が色濃く出やすい。

20代から30代にさしかかる青春は、さわやかというよりも泥臭さが滲み出やすい。甘酸っぱくもなく、どちらかというと苦々しい。

10代の青春で無理をしても「味」になる。「絵(画)」になる。

だが20代から30代の青春で無理をすると「グチャグチャ・ハチャメチャ」になる。

初々しさもへったくれもないわけだから、そうなってもしかたない。そういうものである。

とはいってもそのままでは観るに耐えないので「仕事と恋と結婚」といった題材で「ウソ」を重ねる。

もともとドラマは基本としてフィクションなのでウソではあるが、ウソの世界をウソで厚塗りする(ウソが悪いわけではなくウソの種類という意味)こうして同じような青春ドラマが量産されていく。

ところが『モテキ』は本来といってもいい「グチャグチャ・ハチャメチャ」な青春を真っ向から描いている。

いわゆる脳内世界という「グチャグチャ・ハチャメチャ」が『モテキ』において「活きる」には理由がある。それは、物語の中盤に至るまで主人公には相談できるような友人・知人が登場しないからだ。

ありがちな20~30代の青春ドラマでは、仕事や恋や結婚に悩む主人公にはかならず友人や同僚や先輩といった相談できる相手がはじめから準備されている。

主人公は彼ら(彼女ら)との会話を通して自分の気持ちを表したり整理したりできる。それと同時に視聴者に主人公の背景となる物語を知らせることができる。

ところが『モテキ』の主人公・藤本幸世には、相談できるような友人はいない(島田雄一という友人はいるが、心を許して話せる親友ではない)。

だから主人公の心情と過去は、独り言を彷彿とさせる自身によるナレーションや、タイムマシン風の仕掛けと過去の自分の登場と会話といったもので表現される。それしか方法がないからだ。

表現手法そのものが主人公の現状を表しているのだ。だからあれもこれもと「グチャグチャ・ハチャメチャ」のようにみえて、それでもちゃんと収拾がつくのである。


■ 走り続けたからこその出会い

そんな主人公・藤本幸世にも地元の同級生でシングルマザーの林田尚子との出会いによって、心情と感情をつぶける(表現する)相手ができた。

心の内をぶつけることができる林田尚子と出会えたのも、藤本幸世が脳内(気持ち)をこねくり回して「グチャグチャ・ハチャメチャ」になりながらも土井亜紀や中柴いつかや小宮山夏樹と会ったり話したりキスしたりしてきたからだ。

つまり、突然にモテキがおとずれたのではない。「グチャグチャ・ハチャメチャ」になりながらも、出会いと成長の機会をつかんで走り続けたからこそ林田尚子=心を開いた相手との出会いができたのだ。

そして、こうした気づきと成長は主人公・藤本幸世だけでなく、土井亜紀や中柴いつかにおいても描かれている。

それがよくわかるのは、内語(登場人物の心の声)の使い方だ。はじめは藤本幸世だけだった内語が、早い段階から土井亜紀にもみられるようになり、やがて中柴いつかにも。

登場人物たちが出会い、悩み、さまざまな気持ちをぶつけ合い、倒れ、再び立ち上がる。

これほどまっすぐに青春に向き合った作品は、なかなかない。

役者もいいし、作品の「質感」もいい。

テレビ東京できしかできないと思わせもするところがまたニクい。

おすすめドラマである。

視聴可能な地域におられる方はぜひ。

ちなみにシングルマザーの林田尚子役は、映画『バベル』で米アカデミー助演女優賞にノミネートされた菊地凛子である。


▼深夜0:12~毎週金曜日テレビ東京系列放送


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ドラマ離れ層にダイレクトに響く「JIN -仁-」


~バランス感覚に優れ、妙な「イヤラシサ」がないのが人気の理由~


「JIN -仁-」は視聴率がいいそうで、TBSにとってはこれ以上うれしいことはないんじゃないでしょうか。


「MR.BRAIN」を放映したTBSとは思えない安定した作りの「JIN -仁-」にはオドロキです。


やっとドラマのTBSの本領発揮というか、原点へ戻れたということなのかな。


「JIN -仁-」は原作がいいから、というのもあるだろうけれど、キャスティングにしろCGにしろセットにしろ、それぞれが節度をもっているところがいいね。


やはり、人気があるだけのアイドルといった類がキャスティングされていないのがGOOD.


アイドルっぽいのは小出恵介ぐらいだけど、彼はアイドルというより俳優といったほうがしっくりくる。俳優がアイドルっぽい人気をたまたま得たというかんじだ。


綾瀬はるかはコメディからシリアスまでこなせる女優であり、どんな作品でも役柄をきっちり演じる逸材です。「JIN -仁-」でもいい演技みせています。また、麻生祐未もひじょうにいい味を出しています。


吉原の『大門切手』とか、ご飯の盛り方とか、産婆が大名行列を横切るとか、当時の江戸の様子がわかるあたりも歴史ファンにはたらまらないでしょう。


幕末江戸の町並みを再現したCGもさらりと使われているぐらいで、ほかはセットでの撮影がメインってかんじなのも抑制がきいています。


なまじCG屋がシャシャリ出てくると「3丁目の夕日」とかいうモロお涙頂戴の「イヤラシサ」がにじみ出てしまう危険があるので、必要なところだけ使う抑制の効いた正しいCGの使用法を守っていることに好感がもてます。


それから歴史上の有名人も登場しますが、ヘタにいじらずに視聴者のイメージをなぞらえた俳優を使っています。


現代は幕末と似たような歴史的転換期にあるとみる人々も多いですから、時代を反映しているともいえます。


なんでタイムスリップしたのか? あの胎児はなんなのか? などのミステリーの要素もある。


こういうドラマありきのドラマってこの頃はほとんどなくなっていましたから、「JIN -仁-」はドラマ離れしていた層にダイレクトにうったえかける魅力をもっていたんだとおもいます。


こちらは原作漫画↓

JIN―仁 (第1巻) (ジャンプ・コミックスデラックス)
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stars英雄譚と現代医学の融合
stars江戸時代に、21世紀の医学を持ち込んだ男JIN!
stars『JIN-仁-』その魅力とは
starsやっぱり漫画の方がおススメ
stars幕末にタイムスリップした医師の大活躍を描く意欲作!。

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TBS迷走「MR.BRAIN」で顕著に

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ちょっと前に、TBSの視聴率低下に歯止めがかからず、番組改編を断行して危機脱却を狙っているという話を耳にしました。


TBSの迷走ぶりは、TBS ドラマ『MR.BRAIN』に顕著にあらわれていました。


『MR.BRAIN』を一話でも見た人はおわかりだとおもいますが、このドラマは豪華出演者陣を揃え、お金がかかっていそうなセットと機材など、気合の入れようはバンバン伝わってくきますよね。


でも、ドラマ自体はいただけません。


ヒトコトでいえば「散らかりっぱなし」です。


どんな連続テレビドラマであれ、そこには世界観が存在するのが普通です。レギュラーの出演メンバーたちでひとつの物語をつくっていくと、そこにはそのドラマならではの「世界」が誕生します。


つまり、連続ドラマは「雰囲気」が作れるかどうかが肝心なのです。


ドラマが醸し出す「雰囲気」に来週も浸りたいと視聴者に思わせることができなければなりません。


ところが『MR.BRAIN』は出演者が豪華で、なおかつ多すぎる。ドラマの主役もしくは重要な脇役をこなしてもおかしくない面々が、研究所の研究員のチョイ役で出ていたりするのですから。


お目当ての俳優が毎週テレビ画面にチョイとオマケ程度に出たところで「ウォーリーを探せ!」みたいなゲームならまだしも、ドラマではあまりうれしくもないでしょう。


ファンは、お目当ての俳優がドラマで活躍するところを見たいのすから。


豪華なセットに豪華な俳優陣がチラ見できえるだけでは、ドラマの世界に浸ることなんでできません。


そもそも「チラ見」だけでは、ドラマの雰囲気を作り上げることもできません。


ドラマの雰囲気が作れなければ、視聴者がドラマの世界に浸るなんてことはとうていできません。


それに、雰囲気は借り物では醸し出せません。


『MR.BRAIN』を観るとどうしても思い出させられるのは、キムタク主演のフジテレビのドラマ『HERO』です。


『HERO』がヒットした要因のひとつは、基本となる出演者たちの数が決まっていて、それぞれの出演者たちが演じるキャラクターが生き生きとしていたことにあります。


また『HERO』は大金をかけて豪華なセットを使っているようにはみせずに、比較的地味にみえるセットでキャラクターをじっくり育てていきました。その結果、ドラマに特有の雰囲気が醸し出されたのです。


さらに『HERO』特有の雰囲気のなかで展開する物語は、ドラマの定石のとおりに1話でひとつの事件が解決しました。こうした安定感と安心感に後押しされた視聴者は、ドラマが醸し出す雰囲気にまた浸りたいと願い、次週の回を楽しみにすることができたのです。


ところが『MR.BRAIN』はどうでしょう。


そもそもドラマ開始時期が他の同時期のドラマと比べれるとちょっと遅らせ気味であるばかりでなく、ひとつの事件が1話で解決せずに、次週の頭まで引っ張ったこともあります。2週に分けて前半と後編に分けるドラマはよくありますが、なんと一話が「一話+次週の四分の一(ぐらい)」で完結という超変化球を使いました。


もうこうなると収拾がつきません。「散らかりっぱなし」です。


『MR.BRAIN』というドラマ自体が、大金をかけたセットと豪華な多数の出演陣をいくら揃えても、どこまでも空回りの迷走ぶりを見事に表してしまっている。


かつては「ドラマのTBS」なんていわれていなかったでしょうか?


そもそもTBSはニュース部門の力が強いそうですが、ゴールデンタイムの19時にバラエティ色が濃い小林麻耶アナウンサーでニュース番組を放映しています。


報道志望が多い女子アナ。そんな例にもれずなのでしょうか、人気がある小林麻耶アナを局につなぎ止めておくためなのかはわかりませんが19時台にバラエティ色ムンムンの女子アナがニュースを読んだところで、この時間帯にニュースを見たい視聴者の多くは昔からの習慣でNHKにチャンネルを合わせることでしょう。


結局、TBSでそこそこ安定して視聴率がとれるのは再放送の「水戸黄門」と、借り物の韓流ドラマだけのようです。


どうしちゃったのでしょうかTBSは。


きっといいスタッフが揃っているでしょうから、TBSをうまく舵取りできる人が現れるといいですね。


今後に期待しましょう!

―――――――――――――――――
【補足】


『MR.BRAIN』はおもしろいんだよ。


ここでいうおもしろいっていうのは、ドラマづくりの方法とかマーケティングとかテレビ局ごとの性格と特徴とか、そういう意味ね。


『MR.BRAIN』の脳科学っていうのはすでにブームになっていた題材で、そのブームにのっかって(利用して)キムタクにキャラを付けようとネズミのペットを飼わせたりバナナを食べさせたりしたけど、どうもしっくりこない。


それに比べて「HERO」は「ラフな格好の中卒変わり者の検事」っていうインパクトがどーん! とあって、なんだそれ? って気になって観てるうちに、主人公の通販大好きキャラにどんどんハマっていくっていうしっかりした道筋があった。


フジテレビはなんだかんだいって今までみたこともないと思わせるようなものをおもいきって「どうだ!」って出してくるところがある。


TBSはなんだかんだいって今までどっかでみたことがあるように思わせるものをチョイチョイと料理して出してくるところがある。


どちらも作品づくりとしてはアリなんだけど「雰囲気づくり」という点ではどうしても新しいと思わせる題材や物語のほうがじっくり世界観を構築しやすいってのはあるだろうなとおもう。


ドラマづくりっていうのはどこも大変だとおもう。特に『MR.BRAIN』の科警研のセットは通常のドラマセットとは違った作り方をしたために、撮影に時間がかかって大変で、なおかつガラス張りの研究室なのでよくスタッフの姿が映り込んでしまって、時間が押してるのにもぉ! っていうことがよくあったそうだ。


またスタッフは睡眠時間が少ない中で何日にもわたって撮影し続けるため、ADが本番中に立ったまま寝てしまい、手に持っていた台本かなにかを落として音が出て、コラーッ! なんてこともあったとか。


まぁTBSは今はなにをしても空回り感があるけれど、この時期を乗り越えればきっと断然おもしろくなる可能性はじゅうぶんあるヨ。


そのためには、各部門のスタッフが自分が観たいものを気兼ねなく思いっきり作っているなと視聴者に思われることが必要かもしれないネ。


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HEROES/ヒーローズ

「HEROES/ヒーローズ」

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アメリカ合衆国/2006~

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
ニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガス、テキサス、インド、東京。

世界各地でそれまで普通の生活をしていた平凡な人たちが次々に超能力が備わる。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ピーター・ペトレリ
男性。看護士。共感能力を持つ(出会った超能力者の能力を手に入れることができる)。

△ヒロ・ナカムラ
男性。日本人。サラリーマン。時空間を操る能力を持つ。

▽クレア・ベネット
女子高校生。チアリーダー。再生能力を持つ。

△ネイサン・ペトレリ
男性。元検事。下院議員候補。政治家。ピーター・ペトレリの兄。飛行能力を持つ。

△モヒンダー・スレシュ
男性。インド・マドラスの大学の遺伝学教授。

▽ニキ・サンダース
一児の母。怪力能力の持ち主。

△マット・パークマン
ロサンゼルス市警の警官。心を読む能力を持つ。

△ノア・ベネット
クレアの養父。製紙会社に勤めるビジネスマンだが、実は「組織」の敏腕エージェント。

△サイラー(ガブリエル・グレイ)
男性。連続殺人犯。物事の動きや仕組みを理解する能力を使い、超能力者を殺害してその能力を自分のものにする。

コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
――――――――――――――――――――――

■ 「HEROES/ヒーローズ」とは

「HEROES/ヒーローズ」は米国のテレビシリーズ。超能力者たちが活躍するSF作品。

2007年のピープルズ・チョイス・アワードでは「最も好きな新作ドラマ部門」で最優秀作品賞を受賞している。ほかにもさまざまな賞にノミネートされたり、受賞したりしている。

日本人マシ・オカ(本名:岡 政偉 おか・まさより)が主要キャストとして登場して「ヤッター!」と叫ぶシーンがあることから、日本でもかなり名が知れたアメリカンドラマである。

「HEROES/ヒーローズ」の魅力を語り始めたらきりがないので、今回は日本人マシ・オカが演じるヒロ・ナカムラと、ヘイデン・パネッティーアが演じるクレア・ベネットに焦点を合わせて紹介しよう。


■ ヒロ・ナカムラが「ヒロ」である理由

米国映画やドラマに登場する日本人といえば、チョンマゲに丸メガネ。カメラを首からさげ、しゃべるのは「ハラキリ!」だったりする。

そんなステレオタイプな日本人なんぞいまどきいねぇーよ! とツッコむ声がきこえてきそうだが、一般的な米国映像作品を観るときには、まぁそんなものだと思っていたほうが、日本人(らしき)の登場人物にイチイチつっこみを入れなくて済むのでラクである。

「HEROES/ヒーローズ」のヒロ・ナカムラも一見すると丸メガネこそないものの、メガネにスーツ。ときにサムライよろしく刀を持っていたりするのでたいして変わらないと思えるかもしれない。

会社では朝のラジオ体操をするために整列。スーツを着たサラリーマンがパソコンが並んだブースでカチカチと仕事にいそしむ。漫画を片手に米国にやってきたヒロ・ナカムラは笑顔を絶やさず人探しをはじめる。

こんなふうに聞くと、なんだいつもの日本人像そのままではないかと思うだろう。

しかし、なぜヒロ・ナカムラが「ヒロ」なのかを考えるとき、従来のステレオタイプの日本人像を利用しつつも、それだけでないとわかるだろう。

ヒロ・ナカムラの「ヒロ」は「HEROES/ヒーローズ」にかけたものだからである。

「HEROES/ヒーローズ」の登場人物たちの多くは、超能力のあるなしに関わらずヒーローであるからこそ「HEROES」という複数形になっているのであるが、そういったヒーローたちの中でも、そのものズバリの「HERO」の名の一部を与えられたキャラクターがヒロ・ナカムラなのである。

さらにドラマのキャスト表でもヒロ・ナカムラ役のマシ・オカは上位にクレジットされていることからもわかるとおり、彼は非常に重要なキャラクターとして位置づけられている。

実際「HEROES/ヒーローズ」のストーリーにおいてもヒロ・ナカムラの存在は大きく、あらゆる登場人物を結びつける位置にあるだけなく、ストーリーを先へおし進める重要なメッセージを発するのも彼だ。

そのメッセージは「チアリーダーを救え!世界を救え!」である。

「HEROES/ヒーローズ」のシーズン1において最も有名な「標語(?)」でもあるこのメッセージは、よくみるとオカシイ。

世界を救うこととチアリーダーを救うことが並列して語られているからだ。

世界を救うためにはチアリーダーを救わなくてはならない、という図式にみてとれる。

「テロ組織に盗まれた核弾頭を取り返して世界を救え!」みたいなものだったらハリウッド映画にはゴロゴロしている。

ところが「チアリーダーを救え!世界を救え!」もしくは「チアリーダーを救い、世界を救え!」である(どちらも同じ意味だが……)。

なぜチアリーダーを救うことが世界を救うことになるのだ? とチラッとでもそう思ったアナタは、もぅ「HEROES/ヒーローズ」が気になりだしているに違いない。

アメリカ人がチアリーダーにどれほどの思い入れがあるのかよくわからないが、チアリーダーといえば花形であることは容易に想像がつく。

みんなから愛される象徴としてのチアリーダー。それも高校のチアリーダーを大人たちが大真面目で救おうと世界を奔走するのである。。

「チアリーダーを救え!世界を救え!」

ドラマの中でこのフレーズが登場したとき、タカはとてつもなくおもしろいものに遭遇しつつあるのではないかとう予感がビンビンきていることを実感した。

そしてこのオモシロオカシイ最高のフレーズをメッセージとして伝えるのが、ヒロ・ナカムラなのである。

地下鉄の列車の中で時間が止まったとき、乗客たちの間からいつの間にか男が登場する。威風堂々として、刀を持っているその男は、ピーター・ペトレリに「チアリーダーを救え!世界を救え!」といった意味のメッセージを残すのだ。

このときの刀の男はメガネをかけておらず、堂々として威厳がり、なにもかも知っているかのような雰囲気を醸し出している。それが「ヤッター!」と無邪気に叫ぶ、あのメガネ姿のヒロ・ナカムラであった。

このギャップによって、地下鉄でピーター・ペトレリにメッセージを残したヒロ・ナカムラは、未来からやってきたことがわかる。

あのメガネをかけた陽気で漫画好きな日本人青年に、いったいなにがあればあれほど精悍な顔つきの戦士(だって刀背負ってたし)になるのか。未来はいったいどうなってしまうのか、と一気に興味がそそられるというわけだ。

この地下鉄のシーンは、シーズン1の第5話に登場する。多くの登場人物がそれぞれの土地でそれぞれの事情を抱え、それぞれ自分の超能力にとまどう様子を描きつつ、視聴者には世界に危機が迫っていることを予感させつづけるというお膳立て、いわゆる壮大なセットアップが、この第5話の地下鉄に登場するヒロ・ナカムラとそのメッセージによって一気に物語に向かうべき方向と目的が示されるのだ。

つまり、多くの登場人物の関係性に頭がパンクしそうになりながらも、なんかおもしろそうな匂いがプンプンするから観つづけていた視聴者が、地下鉄のヒロ・ナカムラのメッセージに出会うことで、おもしろさのメーターと期待値のメーターが一気に振り切れるのだ。

そういった重要なシーンに登場して重要なメッセージを残すことからも、ヒロ・ナカムラが「HEROES/ヒーローズ」においていかに大きな役であることがおわかりいただけることだろう。


■ チアリーダーを救え!

みんなが救いたいと思える人物とは?

みんなに好かれている人。それが一番わかりやすい答えだ。

学校の人気者の定番といえば、アメフトのイケメンクォーターバックかチアリーダーかというのが定番。

救うのは女の子のほうがいい。そうなればチアリーダーに決定だ。

みんなに好かれるキュートなチアリーダー。そのクレア・ベネット役にヘイデン・パネッティーアは適任だ。ヘイデン・パネッティーアは赤ん坊の頃からショービジネスの世界に入り、子役俳優として活躍。TVドラマ「アリーmyラブ」ではアリーの娘マディ役もしている。

そんなヘイデン・パネッティーアは小柄で丸顔。ブロンドの巻き髪(シーズン2ではストレートに)が似合うたいへんキュートな女の子だ。

そんな彼女が演じるクレアは、再生能力の持ち主。高所から落ちても首に木片が刺さっても銃で撃たれても死なない(頭を撃たれるか首を切られるかすれば致命傷になるかもしれないが……)。

この再生能力が世界を救う重要なカギになるということで、ヒーローたちはチアリーダー(クレア)を探す。しかもクレアの養父は製紙会社の社員(中間管理職)なのだが、実は「組織」のエージェントということもあり、数多い登場人物のなかでもクレアの出番は比較的多い。

みかける機会が多ければ多いほど、人はその相手に親近感を持つ。それがキュートな女の子ともなれば、少なくとも世の男どものハートは鷲づかみにされるのである。

さらに日本の芸能人でいえば安倍なつみ系といえよう、そのキュートな容姿のクレア役のヘイデン・パネッティーアは「日本人ウケ」がよさそうな米国人女優である。

ヒロ・ナカムラ役のマシ・オカの活躍を観てみようとおもったのが、いつの間にかクレア役のヘイデン・パネッティーアにばかり注目してしまった日本人男性も多いことだろう。(タカそのひとりか!笑)

「殺したいほどアイ・ラブ・ユー」というコメディ映画があるが、殺したいほど好きになる心理というのは、それを実行するかしないかは別にしても、気持ちとしてはわかるというのもあるだろう。

チアリーダーのクレアは、想いを寄せる同級生(だったと思う)の男の子とふたりっきりになる。男のほうはクレアを好きなのだろうが、なにせ若い。すぐに欲情してそこが野外もかかわらずクレアを押し倒してしまう。

そのとき近くにあった棒切れがクレアの首に突き刺さってしまう! 

男の子はクレアを殺そうとしたわけではないが、性欲というのは攻撃的な面をみせるときもある。精神科医や心理学者ならば性行為と殺人衝動の関連を解説できそうだが、要は愛すべき対象・ヒロインに対するある種の衝動をストーリーの中に取り込んで描く最も効果的な方法がクレアの場合は殺人なのである(通常はセックスシーン)。

そういった意味も含めて、救うべき対象が不死身の再生能力を持つチアリーダーというのは、ほんとうによく考えられた設定であり、のヘイデン・パネッティーアをキャスティングしたことも大当たりである。


■ その他

ヒロ・ナカムラ役のマシ・オカは、日本のテレビ番組に出演して「HEROES/ヒーローズ」の裏話を語っていた。

ヒロ・ナカムラ役のオーディションでは、早い段階ですでに「この役はキミだよ」といった意味のアイコンタクトらしきものを受けていたそうだ。

またヒロ・ナカムの有名なセリフ「ヤッター!」も、当初の脚本には「Bonsai」と書いてあったという。おそらく脚本は「万歳(バンザイ!)」を意図していたのだと察したマシ・オカは、バンザイ!は戦争を連想させるので「ヤッター!」ではどうか、と提案したという。

それ以来、脚本の日本語部分の微妙なニュアンスは自由にアレンジしていいといわれたとか。とはいえドラマのなかでのヒロ・ナカムラの日本語は上手いだか下手なんだかビミョーなかんじのときがけっこうある。それがわざとなのかどうかもまたビミョーである。

ちなみにシーズン2では日本人の娘役で田村英里子出演している。

日本の地上波でも日本テレビをはじめ複数の局で放映しているようだから、ぜひチェックしてみてはいかがだろう。
はっきり言って、あれほどの数の登場人物がいるだけでもスゴい。しかも、その絡め方の巧さにおもわず唸ってしまう。

やはり群像劇を作らせたらアメリカンドラマの右に出るものはそうそういないかもしれないなぁ、と思わせもする。
アメリカ映画にありがちなコスプレヒーローものでしょ、と思う人にこそおすすめしておこう。

「HEROES/ヒーローズ」では超能力を発揮する際にわざわざコスプレすることのないヒーロー物語である。コスプレっぽいのはクレアのチアリーダーぐらいなもの。もちろん、超キュートですがなにか?(笑)

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海外ドラマ「スーパーナチュラル」


日本テレビで放映せれている海外ドラマに「スーパーナチュラル(SUPERNATURAL)」というのがあります。

これは超常現象を題材にしたドラマです。

私はたまに観るぐらいなのですが、兄弟二人が失踪した父を探す旅に出て、行く先々で出会う人々の家族の問題に関連する超常現象を解明、もしくは超常現象から人々を救うという話です。

超常現象を題材にしているから子供だましという人もいるかもしれませんが、1話でも観れば(私は2・3話ぐらいしか観ていませんが)家族をテーマにした人間ドラマだということがすぐにわかります。

超常現象はあくまで題材です。描き出すのは家族のドラマ。とくに父と子の関係です。

幼いころから父の悪霊狩りを手伝ってきた兄ディーンと、悪魔ハンターの父とは距離を置き、普通の生活を求めて父や兄から距離を置いていた弟サム。

そんな兄弟だから父親探しをはじめても、どこかギクシャクしています。

自分は父親に愛されていなかったのではないか。

自分よりも兄のほうが、自分よりも弟のほうが、愛されていたのではないか。

そんな思いを秘めたまた旅は続くわけです。

それは旧約聖書においてヨセフの物語に通じるものがあります。ヨセフが父親ヤコブの寵愛を受けていたことについて、兄たちは快く思っていませんでした。そのためあるきっかけで兄たちは怒り、ヨセフを商人の一隊に銀二十枚で売ってしまうエピソードがあることを思い出させます。

また長子の特権をめぐるエソウとヤコブの話や、人類初の殺人が行われたカインとアベルの話を思い出させます。

どれも兄弟に関する話です。

実はこれら兄弟に関する話には共通点があります。それは、父親との関係です。

父親との関係を軸に、兄弟間の問題が起きるのです。

長子の特権(エソウとヤコブ)は、神へのささげもの(カインとアベル)、そしてヨセフが商人に売られたことにも、父親と息子たちの関係によって生じたことです。

聖書に登場する父と息子、兄弟のエピソードを軸に、視聴者の興味をひくための題材を組み合わせる。

ということは「スーパーナチュラル」での題材は超常現象ですね。

だから物語づくりにおいての軸は、長年にわたって知られているものでいいのです。

聖書の話だったり、ギリシャ神話だったり。

そうした「軸」がしっかりあれば、あとは時代や状況を見極めて「題材」を汲みわせればいいのです。

相撲がブームだから。サッカーがブームだから。アキバがブームだから。有名な歴史上の人物がブームだから。昭和がブームだから……等々は「題材」にすぎません。

「題材」は重要です。でも、題材を組み合わせる「軸」をしっかり持っていなければ、題材だけがフラフラと浮遊してなんとも落ち着かないものとなってしまいます。

▼日本テレビ「スーパーナチュラル」サイト


ちなみに海外ドラマのことなら超くわしいこのサイトがおすすめ
▼TVグルーヴ・ドット・コム
http://www.tvgroove.com/index.html
海外ドラマ情報・ニュースサイト。メルマガも発行してるよ。海外ドラマ好きには超有名&外せないところですよ。

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【のだめ式】キャラクターの作り方

ドラマ「のだめカンタービレ」(以下「のだめ」)を観たかな?

けっこう評判が良くて、視聴率も高かったようですね。

そこで今回は「のだめ」を例に、主要キャラクターの作り方をみてみましょう。

ドラマ「のだめカンタービレ」の主要キャラクターはふたり。

千秋真一と野田恵。

千秋真一は、いわゆるイケメンで、音大の女学生のアイドルで「千秋さまぁ~」なんて呼ばれてます。

野田恵は、くいしんぼうな変わり者で、友達から「のだめ~」なんて呼ばれています。


そもそも物語の舞台は音大。登場人物たちも音大生や音楽評論家や著名音楽家など、音楽に関わる人たちばかりです。

音楽の世界って、一般からしたらちょっと特殊な世界にみえますよね。

音大生というだけで、どこかゲイジュツの匂いを感じたり、アタイらパンピー(一般人)とは住む世界が違うお坊ちゃまお嬢ちゃまの集まりだろう? なんていう人もいるかもしれません。

音大を卒業してもプロのオーケストラに入れるのは一握りだというし、楽器の先生になったり、調律師になったりして音楽に関わる仕事に就ける者さえごく一部ともいいます。

短大や4大の経済系の学部を卒業するよりずっと就職には向いていないのが音大生というワケ。

それに有名な音楽の先生にレッスンをつけてもらうと、かなりの高額とか。新幹線や飛行機をつかってレッスンを受けに行くなんてよくあることだとか。

そんな知られざる音大生の生態とは? うーん、なかなか興味をそそられますね~。

そんなわけで「のだめ」にかなり変わり者のキャラクターが登場したとしても、パンピー(一般人)は、ある程度は納得してくれます。

だってあたいらとは住む世界が違うから(笑)というわけでもないですが、いわゆる一般人からしてみれば、音楽大学に通うというだけで、かなり普通ではないと思っているところがすくなからずあるからです。

それで、千秋さまは学園のアイドル「千秋さま」なんです。「千秋くん」ではありません。「千秋さま」です。

超イケメンでピアノが超上手の千秋さまは女学生たちの超人気者。でもそれは所詮、大学内でのお話。

学外ではちょっとうわさになっても、海外の留学経験もコンクール入賞経験もない千秋さまは、カッコイイ以外はほぼ無名の状態。

実は千秋さまはピアノだけでなく、ヴァイオリンも超上手で、目指しているのは指揮者なのです。そのため、もとからの音楽の才能はもちろんのことだけど、それに加えて幼い頃から猛勉強してきました。

超イケメンで音楽の才能がある千秋さまも、実は勉強の虫だったわけです。さらに、千秋さまには秘密があります。

それは飛行機恐怖症。
そのため海外に留学することができません。だったら船と鉄道で留学すれば? というツッコミはさておき、大事なことは音楽の才能に恵まれた者でも、弱点があるということです。

無名と飛行機恐怖症。この2つの弱点を克服するための強力なヘルパーが、世界的な指揮者フランツ・シュトレーゼマンとのだめです。

では野田恵こと「のだめ」はどうでしょう? 彼女はいつも友人のおべんとうを盗み食いしている、ピアノ科のおちこぼれだとみなされています。

愛嬌はありますが才色兼備とはいえず、部屋はゴミだらけでお風呂にはあまり入らず髪が臭う不潔系の天然娘といったかんじです。

千秋さまが完璧にみえる一方で、のだめはダメダメにみえるようになっています。

ところが、のだめは一度聴いた曲はすぐに暗譜して弾けてしまうという才能を持っています。


千秋さまは完璧(あこがれ)だけどひとつだけ弱点がある。

のだめはダメダメ(共感)だけどひとつだけ強点(?)がある。


ほら、主要キャラクターのふたりはそれぞれに視聴者が求める要素、つまり「あこがれ」「共感」する面をもっているのがわるでしょう。


千秋さまへの……あこがれ8 共感2

のだめへの ……共感8 あこがれ2


千秋さまとのだめがお互いに足りない部分を補なっていく。その過程が物語となっています。

あこがれだけの完璧なキャラクターには共感しずらい。

共感だけのダメダメキャラクターにはあこがれることはできない。

だからちょっとずつアンバランスにして、ふたつのキャラクターでお互いを支え合ってバランスがとれるようにします。

バランスがとれる状態とは「調和」ともいいます。

調和をもたらすキャラクターを置くという方法もありますが、主要なキャラクターの関係性によって調和をもたらすよう物語っていく方法は青春モノや恋愛モノとは相性がいいのです。

ドラマ「のだめカンタービレ」は音大生が主人公です。それぞれの「音色」を持ったキャラクターたちがオーケストラによって交わり、物語に「調和」をもたらす音楽を奏でる。

う~む、なかなかうまいことできていますな☆

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ドラマ「下北サンデーズ」だれをターゲットにした?

テレビ朝日のドラマ「下北サンデーズ」(原作:石田衣良『下北サンデーズ』幻冬舎)が放送終了した。


全10話の予定が、シンクロナイズドスイミングの放送のため1話繰上げで打ち切りとなったとしている。


――が、視聴率が良ければそんなことはしないだろうから(最終公演、つまり最終回の視聴率は6.3%)、一般的に見ても資料率低迷の影響だと推測される。


そんな全9話になった「下北サンデーズ」をすべて観たという方はいらっしゃるだろうか。


私は第1話だけを見逃しただけで、ほかはすべて観た。


はじめてこのドラマを観たときの感想は、題材(下北沢・演劇)がマニアックで、キャラクターが濃い味で、ノリにくいといったものだった。


早い話が深夜向きだと感じた。深夜枠、例えば23時台や0時台に30分から40分ほどの尺のドラマならば、一部のコアなファンを獲得できたかもしれない。


しかしゴールデンタイムであの作風はツライ。


たかはなんとな~く観つづけているうちに、これをゴールデンで放送する思い切ったジャレンジ精神が、回が重ねるごとにいったいどうなっていくのかちょっぴり興味が出てきて「下北サンデーズ」を観つづけた。


結論からいうと、どうにもならなかった。


ゴールデンらしからぬノリと雰囲気は新鮮味があってよかったが、なぜ下北沢なのか、なぜ演劇なのか、がイマイチ伝わってこなかった。


下北沢がワカモノに人気がある街だから。原作が売れっ子作家の小説だから。そこで上戸彩と藤井フミヤをキャスティングして、勢いだけで走り出してしまったかのようだ。


そもそも、下北沢はなぜ人気があるのだろう。


地方在住の中高生のなかには、吉祥寺、三軒茶屋、下北沢という街に憧れをもっている者がすくなくないという。


ではそれらの街に行ってなにがしたいのかというと、ある地方在住の少女は下北沢に行って道端のガードレールかなにかに一日中腰掛けて道ゆく人々をを眺めているだけで、あぁここが私の居場所なんだなぁ、とホッとするのだというのをテレビのインタビューかなにかで見たことがある。


それって街のホットステーション? 


ならば下北沢でなくても、地元にもあるかもしれないぞ(笑)


なぜ下北沢の道端でホッとするのか。それは使い古された言い方をするならば「カタログ文化の申し子」とでもいえよう。


テレビや雑誌でいつも見ている下北沢は、たとえそこに1度も行ったことがなくても、よく知っている馴染みの場所に思えてしまう。


テレビでよく見る芸能人を街で見かけておもわず親しげに話し掛けたAさん。芸能人にしてみれば、当然にAさんのことなど知らない。


これと同じことが下北沢にも当てはまる。
下北沢という街はAさんのことなど知らないが、Aさんは下北沢をよく知っていて(と思っている)、親しみを持っている。


では、なぜ地方のワカモノは下北沢に憧れを持つのだろうか。


自分の地元が、自分がよく見るテレビや雑誌にとりあげられることはめったにないが、下北沢はよくとりあげられる。


つまり、自分の地元にはないものが下北沢にはあるというわけだ。


地元になくて下北沢にあるもの。それが何なのか。


具体的なものである必要はない。地元ではない、他人がうらやむ場所や雰囲気に自分も参加できていると感じるだけで充足感を得られるのである。


だから、下北沢にやってきた地方のワカモノはそこでなにをするわけでもなく街をブラブラする。それでいいのだ。なぜなら彼ら(彼女ら)は、なにかをするために下北沢にやってきたのではなく、下北沢という街にいることが目的なのだから。


それは、ひとむかしもふたむかしまえの「アメリカ合衆国に行ってきました。ニューヨークに住んでいました」というだけで「おぉ!」と思われたあの感覚とたいして変らない。


ニューヨークに、東京に、下北沢にいるだけで自分がなにかすごいことをしている、すごい状況にいると感じることができる。これはある意味で特権である。


ニューヨークで、東京で、下北沢で生まれ育った人にとっては、その街は日常である。


ニューヨークにいるから、東京にいるから、下北沢にいるから、ということは日常であって、そこに特別な意味を見出すことはない。


しかし地方・地元を持つ者は、地方・地元との比較・対比によって下北沢で過ごす時間を特別なものとすることができる。


だから「下北沢でなにもする必要はない」のである。ましてけっしてもうワカモノとはいえない者が貧乏をしながら演劇を続ける苦労話なんぞに、地方のワカモノは興味がないどころか、そういうものはなるべく見たくはないのだ。


カタログ文化で醸成された、自分によって居心地のいい場所に、泥臭く貧乏く、まるで地元の共同体を彷彿とさせるかのような小さな劇団という集団生活なんぞを混ぜたくはないのである。


六本木や銀座で派手な暮らしをすることははじめからあきらめているが、下北沢あたりの雰囲気を味わいながらまったりのんびりと暮らしたい(とはいっても下北沢あたりは家賃高いゾ)。


そんな夢の世界に、貧乏やしがらみのある小さな共同体はいらないのである。


では、都市部に生まれ育った人たちにとって下北沢はどうかというと、夜遅くまで営業している飲み屋が多いといった利用価値としての評価が多い。


ではでは、下北沢あたりで実際に演劇をしている人たちにとってはどうか。


ドラマのように本多劇場で芝居をできる劇団はそうそうないだろうし、芝居をすればするほど金がかかる。そんな状況をおもしろおかしくテレビドラマ化されたところで、あまりいい気はしないだろう。


小劇団で演劇をするというのは、ある意味お金と時間をかけた趣味ともいえる。趣味についてとやかく言う人はいないのだし、好きでやっていて本人が満足ならそれでいいのである。


趣味の基本は自己満足や自己完結なので、趣味という枠の外のことについては、はっきり言ってどうでもいいのである。


さて、以上のように考察してみてふと思う。


「下北サンデーズ」はいったいだれが観ればいいのだろうか?


テレビドラマ好きだろうか?
しかし、主人公里中ゆいかはテレビドラマというメジャーの世界を選ばずに、劇団というマイナーの世界に戻っていった。


テレビドラマを否定したのである。そして戻っていた先は劇団という小さな世界。


これではテレビドラマ好きな人は、まるで自分を否定されたかのように感じてしまうだろうし「下北サンデーズ」というテレビドラマを作ってるあなたたちは、こうしたテレビドラマの世界の描かれ方が笑いにもなっていないことについてどう思っているのか、自分たちの仕事に誇りはないの? と首を傾げてしまうだろう。


また、夢をかなえるとか夢をあきらめないとか、そういったありきたりなフレーズがたくさん使われた「下北サンデーズ」だが「夢」という言葉さえ連呼しておけばワカモノ向きでいいだろうという安易さが露骨に出てしまったところもイマドキのワカモノを小馬鹿にしているのではいかと思われるリスクがある。


かわいいアイドルとして人気の上戸彩も、前髪そろえたおかっぱ頭にジャージ姿が多い。それもまたかわいいといえばかわいいが、やはりアイドルが綺麗でかわいい服で登場するシーンをある程度用意しておいたほうがいい。


ということで、いったいだれがどこをどう楽しめばいいのかさっぱりわからないドラマになってしまった。


こういったハチャメチャ破滅系とでもいうドラマの味は、深夜でこそ味わい深くなる。


深夜向けのドラマをあえてゴールデンにもってきたところに何か秘策があるのかもと思ったが、どうやらノープランだったようである……。


それで「下北サンデーズ」から学べることはなにかといえば、それは日本のほとんどのワカモノは地方在住であり、進学や就職を機会に都会にやってくるという点をあらためて認識することだ。


地方のワカモノが「カタログ文化」によって地元との対比でで思い描くまだ見ぬ世界(例:ニューヨーク、東京、下北沢)でどうしたいのか? を読み取ることができれば、あとはそれに合致するものをチラ見(下北沢で演劇をみせる必要はない。だた道端に座らせる)させるだけでいいのだ。


ニーズを読み違えるな、ということである。


≪ひとりごと≫
こんな記事を書けるネタを提供してくれたし、個人的にはけっこう楽しめたぞ「下北サンデーズ」!

ちなみに私は駅前劇場では観劇したことがある。劇団新感線の若手の役者さん(中谷さとみ・タイソン大屋)を中心としたユニットの演劇を観た。

そうえば「下北サンデーズ」には劇団新線の所属俳優・古田新太さんが、サンデーズにスタジオを貸しているオーナー・下馬伸朗役で出演していたなぁ。

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ドラマ「タイヨウのうた」

TBSドラマ「タイヨウのうた」金曜日22時放送

映画版では女性目線の作品作りだと感じたけど、ドラマ版は男性目線の作品づくりのようですね。

というのは藤代孝治(山田孝之)のキャラクター設定に深みが出ていたから。

映画『タイヨウのうた』作品レビュー

映画版では孝治クン高校生だったがドラマ版では19歳のフリーターになっていた。

住み込みでお弁当工場で働く孝治クンはタコ型ウィンナーを作り続けてウン年。でも、突然解雇されてしまいます。業績悪化によるリストラの対象になったのです。

中年男性社員によると、君は若いし夢があるだろうからこんなところでバイトなんてちまちまやってちゃいかんというのです。

「マッドシティ」という映画があります。これはジョン・トラボルタとダスティン・ホフマンによる社会派ドラマです。この作品では、博物館の警備員のサム(ジョン・トラボルタ)はリストラで解雇されます。

警備員をひとり解雇しなければならなくなったのでサム(ジョン・トラボルタ)が選ばれた理由(タテマエみたいなもの)は、彼が白人だから。たしかもうひとりいた警備員はアフリカン・アメリカンだったような気がしたけど、とにかく白人ではないので、解雇されたら再就職はたいへんだろう。だから白人のサム(ジョン・トラボルタ)を解雇するというものでした。

白人にだって貧しい人はいる。いわゆるプァホワイトといわれる人たちのなかには、低賃金で働くアフリカンアメリカンが自分たちの職を奪っていると怒っている人もいます。

さて、ドラマ「タイヨウのうた」では、孝治クンは19歳という若さのために解雇されます。弁当工場の中年男性社員が言う、君は若くて夢があるだろうから、というタテマエは実際にありそうなところが現代日本をよく表しているかも。

こうして孝治クンは学生でもなく、成人でもなく、フリーターでもなくなってしまいます。

若い女性の青春モノってけっこうありますが、若い男の青春モノって少ないかも。そこで孝治クン役に山田孝之さんを抜擢。彼はイケメンですが ただのイケメンではありません。影があるイケメンです。演技も上手ですのでいい配役だと思います。

がしかーし。雨音薫役の沢尻エリカさんはどぅなんでしょう……?

映画版のYUIと比べてしまうからなのかもしれないけど、沢尻エリカさんはという雰囲気をうまく醸し出せていないようです。タイヨウに当れないで夜にひとりで公園(駅前)で歌ってきた孤独感が薄いのです。

これはイメージに過ぎませんが、夜はクラブ通いでブイブイいわせ、もしもバブル期ならジュリアナお立ち台よ~ってなかんじ、もしくは今夜の集会ビシっとキメるんでそこんところ四露死苦ぅ! みたいな雰囲気が沢尻エリカさんからはプンプンしてます。

そもそも彼女はスタイルもよくて綺麗だし、沢尻エリカさん演じるところの雨音薫ちゃんが住んでる家も映画版の庶民系からリッチ系に、まるでトレンディドラマ(死語?)に出てきそうな部屋になっているしで、ちょっと感情移入しにくいんです。

そして、他の登場キャラクター。特に女性陣がみな同じ人にみえるのは私だけ……? 系が似ているんですよね。もちろんみんな綺麗なんです。

あ、ベッキーはすぐわかりましたヨ。

映画版の岸谷五郎みたいな、パンチのある俳優さんを起用してほしかったな。

とはいっても、まだドラマ1回目。回を重ねるほどにうまくはまっていくかもしれないですね。

それにしても沢尻エリカさんって、矢田亜希子さんに似てませんか?

B00005HC7Oマッド・シティ
コスタ・ガブラス ダスティン・ホフマン ジョン・トラボルタ
ワーナー・ホーム・ビデオ 2000-04-21

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