はるな愛の目線

テレビ番組「紳助社長のプロデュース大作戦!」の企画で、宮古島に民宿「夢来人」をオープンしてお笑い芸人とイケメンボーイズがお客をもてなすというものがあります。


すでにオープンして営業中のそこに、ちょくちょく芸能人や著名人が訪れて宿のお手伝いをする様子が放映されています。


タレントのはるな愛さんが訪れたときのことです。彼女(彼?)がやってきた目的は、男性スタッフばかりの宿を女性目線で改善点をみつけるためです。


ご存知のようにはるな愛さんは男性目線と女性目線の両方を持っていることから、いろんなところに気がつくんですね。さらに自身で飲食店を数軒経営している実業家でもあります。


そんなはるな愛さんが気づいた主な点はトイレ。


民宿「夢来人」のターゲットとするお客さんは女性です。女性同士で宿泊されることが多い宿で、プライベートな空間というのは個室ではなくトイレだというのです。


仲のいい女性同士でも食後に歯に詰まったものをケアする際には誰もいないとろでしたいもの。そこでトイレに鏡と各種ケア用品を揃えてセッティングしました。


また、床に置いていた予備のトイレットペーパーを腰から上の高い位置に置き換えました。


便器近くの床においておくと男性が用を足したときに「しずく」がトイレットペーパーに降り注ぐ可能性があるためです(そのトイレは男性スタッフも使うことがある)。


ほかに玄関のスリッパには「抗菌・消毒済」といった紙を添えて清潔であることをしっかり伝える配慮も必要とのこと。


たしかに誰が使ったかもわからないスリッパを素足で使うときの抵抗感は男性でも感じたことがある人は多いでしょう。


使い捨ての新品スリッパを用意できないなら「抗菌・消毒済」であることを伝えるサービスが大事ですね。

私が思うに大雑把な傾向としては、男性はいろんな意味で用を足せればそれでOKみたいなところがあります。


だからつい自分がOKなら他人もOKだろうと思いがちに。だからこそ他人ならどう思うだろうか・どう感じるだろうかということを意識して想像しなければならないのですね。


はるな愛というタレントも、ほかにニューハーフタレントはこれまでもたくさんいたのですから、それらの人たちと同じだったらこれほど売れないでしょう。


視聴者(お客)の希望を読み取り、それに応える意気込みと技術、それに実行力があるからこそ売れっ子であり続けているのですね。


芸能界では島田紳助さんや番組スタッフがはるな愛のそういった能力に気づいてそれを活かすオファーをしましたが、私たちの日常では黙っていても誰も教えてくれません。


はるな愛さんのような視点と能力を持った人をみつけて、こちらから働きかけて意見を言ってもらう。


それができればアナタの店も、アナタ自身もみるみる魅力が増すでしょう。


★大事なのは想像力。ゲスト、お客、読者などの目線でイメージしてみること。


ちなみに、対象の魅力をひき出すタイトル作成法は私がこちらで紹介しています。

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モーニング娘。とディズニーの意外な関係!?

先日、モーニング娘。の卒業生たちが集まって、今だから言える当時の秘話といった企画の番組がTBSテレビで放映されました。


低視聴率に悩むTBSが少しでも数字を取れそうな企画を! という並々ならぬ願いを感じずにはいられない企画ではありましたが「うたばん」で石橋氏にイジられることで各メンバーのキャラクターが発掘・クローズアップされてますます人気グループになったことからも、TBSとしてはこれなら数字がとれると鼻息を荒くしたのではないでしょうか。


そんなTBSの思う壺夫くん状態でまんまと番組を見た私は、やはりモーニング娘。はディズニーと似ている部分があるなぁと思いました。


ご存知のようにモーニング娘。(最後のマル「。」まで入って固有名詞です)のメンバー数は5人から十数人ぐらいで、卒業と新規加入を繰り返しています。


現在のモーニング娘。のメンバーには、グループ結成時の初期メンバーはひとりもいません。それでもモーニング娘。なのです。


ディズニーのキャラクターに卒業は基本的にありませんが、次から次に新たらしいキャラクターが加入していく。それでもディズニーなのです。


常に新しい物語が生まれ、物語に登場する新しいキャラクターがディズニーの仲間に加えられていく。


ディズニーというのはたとえるならばひとつのファミリーのようなもので、そこには新たな物語と新たなキャラクターがどんどん加わっていくのです。


これはほんとうの家族と似ています。人と人とが出会い、新たな家族が生まれ、家族に新たな新メンバーが加わっていく。まさに人間の家族そのものと同じなのです。


モーニング娘。はそこに「卒業」という名の「旅立ち」を演出することで常に新しいキャラクターを追加し続けて、メンバーの若返りと低年齢を維持しつづけています。


アイドルグループという性格上、メンバーの若返りは必然ですが、モーニング娘。出現以前のアイドルグループとの決定的な違いは、モーニング娘。というファミリー名はそのままで、その構成メンバーだけを次々に入れ替えていくその手法です。


ディズニーもこの手法を用いています。ディズニーにはキャラクターの卒業がないじゃないかと思われるかもしれません。たしかに卒業はありません。なぜなら「卒業」の必要がないからです。


ディズニーのキャラクターは基本的に歳をとりません。ずっと同じような年齢設定のままです。


そのため、キャラクターの若返りをする必要がありません。


実はモーニング娘。には若返りの必要はありますが、より大きなファミリーという捉え方をすると、必ずしも「完全に卒業」しているわけではありません。


元モーニング娘。の中でもほんとうに芸能界を引退して一般人に戻った人もいますが、たいていの元モーニング娘。メンバーたちは、同じ系列の所属事務所に所属したまま、ハロープロジェクトの一員として活躍する場合がほとんどです。


このようにみてみるとモーニング娘。もディズニーと同じように次から次に新しいキャラクターを追加していき、全体でみると大きなファミリーとしてずぅっと続いていけるようになっています。


メンバーの入れ替えによるアイドル名のブランド化と存続を、モーニング娘。のプロデューサーのつんく氏がどこまで見据えて計画的に行っていたのかはわかりませんが、最盛期の人気ぶりから比較すれば人気低迷とはいえ、現在でもモーニング娘。が存続していることをおもえば、少なからずショービジネスを研究していたことは確かでしょう。


研究の結果、ディズニーと似ている部分が出てきたとうのは、多くの人々に愛されるブランドというものをとことんまで煮詰めると、分野は違えども共通項が出てくるのは当然のことなのかもしれませんね。


以上にように考えてみて、あらためて気づいたディズニーのスゴいところは、キャラクターが卒業しないために、ずっとキャラクター名が残っていくことにですね。


元モーニング娘。のメンバーの名前は、その後の各タレントのがんばりによってもっと知れたり忘れ去られたりしますが、ディズニーのキャラクターは一度その名を覚えてもらえれば、ずぅっと残っていきます。


ずぅっと残っていけるのは、そのキャラクターが誕生した時点ですでにしっかりした物語世界に裏づけされ、確立されたキャラクターがあるからです。


あたらなディズニーの物語が誕生した時点で、その物語に登場するキャラクターはディズニーというファミリーの一員としてずぅっと活躍していく要素を持っているのです。


アイドルグループの場合は、誰かに上手にイジられることでキャラクターが見出され、それを発展させていく必要があります。


モーニング娘。は幸運にもTBSの「うたばん」で石橋氏によってそれがなされました。


ディズニーには、そしてピクサーにも、モーニング娘。の場合の石橋氏のような人物が何人もいるのでしょう。


だからディズニーやピクサーのキャラクターは誕生したときからすでにキャラクターがしっかり確立しているのです。


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そもそもキャラってなんだ?~キャラをめぐる勘違い~

人気アイドルグループSMAPのメンバーである草なぎ剛氏が酔って裸になって騒いだことが影響して、日本民間放送連盟は地上デジタル放送への完全移行をPRする新キャラクターとして「地デジカ」を発表しました。

▼「地デジカ」に関するニュース


そもそも、たいていのマスコットキャラクターが人間ではないのはなぜでしょう。


キャラクターといえば「ひこにゃん」があります。
▼ひこにゃん特設サイト
戦国時代は泣く子もだまる赤備えの鎧兜で有名な彦根藩の井伊家。そんな赤備えの兜をかぶったのは武士ではなく猫ちゃん。それが「ひこにゃん」です。


それから「はばタン」。
▼「はばタン」プロフィール紹介
震災からの復興を不死鳥(フェニックス)で表現したのが兵庫県のマスコットキャラクターです。スポーツ万能男子という設定にもかかわらず、日射病で倒れるというツッコミどころも。さすがは関西のキャラクターですね。


ところが、奈良県の平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターは「かわいくない」という声が相次いだことがありました。


この平城遷都祭のキャラクターをみると……たしかにあまりかわいくありません。
▼せんとくん紹介


かわいくないというより、ちょっとコワいかも。


なぜコワいかというと、今にもしゃべり出しそうだからです。


「ひこちゃん」と「はばタン」は、その容姿からしてしゃべりそうにありません。しゃべったとしても「にゃぁ」とか「カァー(フェニックスがどう鳴くかわかりませんが)」とかいったかんじでしょう。


「ひこちゃん」と「はばタン」がしゃべるのかどうかは知りませんが、たとえしゃべったとしても、きっとアニメっちくな声をしているだろうな、とイメージすることができます。


一方の平城遷都祭のキャラクター「せんとくん」は「ふつう」にしゃべりそうだったのです。なぜなら童子のイメージでデザインされたキャラクターだから。


童子といえば人間の子供・少年(菩薩の別名でもあります)。


子供や少年がしゃべるのよくある光景です。たとえ外見はかわいい子供でも憎まれ口をたたくばかりでちっともかわいくないという子供もいるかもしれません。


そもそも人間の子供がかわいいかどうかは、その子供との距離(親類・友人・知人)で決まります。


見ず知らずの子供が憎まれ口をたたいていたら、かわいいとは感じにくいかもしれません。


みんなウチの子がいちばんかわいいと思っているのですから、もしも特定のだれかの子供をマスコットキャラクターにしたら、ウチの子のほうがもっとかわいいのに、と思う人が続出してしまう。


こうなってはみんなに愛されるマスコットキャラクターにはとうていなれそうもありません。


もう一度「ひこちゃん」と「はばタン」を思い浮かべてみてください。


ウチの子よりも……と考えるでしょうか。たいていの人はそんなことは考えません。


なぜなら「ひこちゃん」と「はばタン」は人間の子供をモチーフにしたキャラクターではないからです。(猫と鳥をモチーフにしたの)。


ウチの子や親戚の子や近所の子と比較しようもないものであって、容易にしゃべり出しそうもないもの。


それが広く愛されるキャラクターの条件です。


平城遷都祭のキャラクター「せんとくん」は童子にシカの角を生やしたものです。


もしもウチの子供にシカの角が生えていたら?


シカの角みたいな寝グセぐらいならまだかわいいですが、ほんとうにシカの角が生えたら?


そんなこと、考えたくもないでしょう。


考えたくもないオソロシイ事が起こったそのまんまの容姿を持ったキャラクター。


だから「かわいくない」という声が相次いだのではないでしょうか。


新キャラクターの「地デジカ」は角が生えており、2本足で立ち、色いレオタードを着ていますが、その容姿は人間に近いものではありません。鹿をイメージさせる容姿をしています。


鹿は人間のことばをしゃべりますか?


フジテレビのドラマ「鹿男あをによし」に登場する鹿は人間のことばをしゃべりましたが、一般的にはしゃべりませんよね。

▼「鹿男あをによし」フジテレビ 
 ↑あまり話題にならなったようですが、スゴクおもしろいドラマです。いやホンマ最高です☆


だから「地デジカ」は2本足で立ってレオタードを着ていても、鹿をイメージさせる容姿をしているのです。


そもそもマスコットキャラクターというのは、人畜無害なものが好まれます。好まれるというのはキャラクターを作ったり用いたりする側にとって好まれることを意味します。


さらに、好まれるというよりも、人畜無害でなければならないと困るのです。


作られたキャラクターはギャラを要求しませんし、ご飯を食べませんし、トイレも使いません。


人気がなくなって倉庫の奥に押し込まれても、文句のひとつもいいません。


もちろん、お酒も飲みません。


そもそも人間をイメージさせる容姿をしていませんから、人間の言葉をしゃべりようもありません(イベントでは人間の言葉を音声機器を使って発することがありますが……)。


見た目がかわいくて、愛着を持ってもらえればいい。そこに人間臭さは不要です。人間味という言葉とはかけ離れた、都合のいいように作られた「かわいさ」だけがあればいい。それがマスコットキャラクターに求められる要件の典型的なものです。


そうすると、地上デジタル放送への完全移行をPRするキャラクターに草なぎ剛氏が選ばれたことは、その目的と要件からすると無理があったことになります。


どれほど人畜無害の「いいひと」のイメージが強いとはいえ、草なぎ剛氏は人間です。


人間をキャラクターに選んだからには「ひこにゃん」や「はばタン」と同じものを求めてはいけません。


人間ですから、当然のように人間味がある。そういったあたりまえのことも含めた「キャラクター」として起用したのなら、今回の草なぎ剛氏の件をきいた鳩山邦夫総務相が「最低の人間だ。絶対許さない!」とまで激怒することはなかったでしょう。


おそらく、タレントとキャラクターの違いがわかっていなかったのでしょう。


あのタレントは人気があるからキャラクターにしようと安易に思っただけ、と思われてもいたしかたありません。


人気があるタレントには、そうなった理由があります。また、愛されるキャラクターだから人気があるタレントになったともいえます。


人間味があるからその「人となり」=「キャラクター」が愛され、人気のタレントになる。


それが「人間」というものです。


「人気があるからPRキャラクターに」というのは根本からおかしいのです。


そのおかしさに気づいていないから「最低の人間だ。絶対許さない!」という発言が飛び出すのです。これは「血の通った人間」は必要なく「作られた形だけのキャラクター」だけが欲しかったんだと言っているようなものです。


人間味を排除した魂の抜けた「キャラクター」で、人間不在のPRを押し進めていく。もしそんなふうに国民に思われたなら、たいへん遺憾です(←政治家みたいだ)。


あるアンケートによると約9割の人たちはに草なぎ剛氏に同情的だそうです。
▼「草なぎ謝罪会見、アンケートで92%が同情」:イザ!


また、それまで彼のファンでなかったが、人間味ある人だと知って草なぎ剛のファンになった人もいるという話も耳にします。


キャラクターの意味のみならず、キャラクターになってもらうタレントの人気の意味を理解する努力さえしなかったことが浮き彫りになったという意味でもたいへん遺憾ですね(←だぁかぁら政治家みたいだってば)。


キャラクターがどういうもので、キャラクターをいかに活用すべきか。


そういった大事なことはやはりディズニーに学ぶのがいいでしょう。


ミッキーもミニーもマイクを通してはしゃべりますが、直接言葉は発しません。


それに、人気のタレントがディズニーのキャラクターになったという話は聞いたことがありませんよね。


逆はあります。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のアトラクションか映画になって、海賊の役にジョニー・デップが起用された例はあります。それもあくまで、ジャック・スパロウというキャラクターを演じる仕事をジョニー・デップが受けたということです。
▼「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち(PIRATES OF THE CARIBBEAN)」映画作品レビュー


ジョニーデップがいくら人気者だからって、ジョニー・デップはディズニーキャラクターにはなりません。


なにはともあれ、政治家の皆さんは一度真剣にディズニーリゾートで遊んでみる必要があるかもしれませんネ。


ちなみに「地デジカ」についてのあるアンケートでは、8割以上が「良くない」と回答しているそうです。
▼【日本のアンケ】地デジ代役「地デジカくん」8割が「良くない」


それから「地デジカ」は「ちでじか」と読むようです。


はじめ「ちでじりょく」ってなんだ? と思ったのは私だけ……?


まぁキャラの絵をみれば、鹿とかけているのはわかるのですが、文字だけだとわかりにくいかも。


そんなこんなで、キャラってなんだ? というのを今一度よく考えてみると、ディズニーのおもしろさが一層増すかもしれないですね。


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ディズニーの「非日常マジック」


2008年度の東京ディズニーランドと東京ディズニーシー合わせての来園者数が過去最高を更新したそうです。

テーマパークはリピート率が命ともいわれます。

そのため、多くのテーマパークはアトラクションの追加や増設を行います。

しかし、新アトラクションでお客を呼べるのはたいてい1回まで。

その新アトラクションで遊んだら、次に来園するのは、さらに新しいアトラクションが誕生したとき、というのがありがちでしょう。

なかには春にはお花見ができることや夏には花火を打ち上げることで集客を図るテーマパークもありますが、それも一時期の効果を期待できるにすぎません。

だからといって季節を題材にしたイベントをやめればもっと来園者数は落ちますから、できることはなんでもやっていくわけです。

それでも来園者数を伸ばすところか維持することさえ困難なテーマパークが多いなか、ディズニーリゾートの来園者数はなぜ過去最高を更新したのでしょうか。

ディズニーリゾートのアトラクションの数は開園当初は32でしたが、現在はディズニーランドで41個、ディズニーシーで26個です。

しっかりと確実に新アトラクションを増やしていくという「テーマパークの王道戦略」を実行しています。

さらに、季節ごとのイベントについては様々ありますが、注目すべきは花火です。

花火はふつう夏ぐらいにしか見ることができません。人々にとって花火は非日常のお祭りのときに見るもの、という意識があります。

ところがディズニーリゾートは原則として毎夜花火を打ち上げます。

だいたい20時30分前後でしょうか。毎夜花火をみることができるのです。

非日常の花火を毎夜打ち上げるディズニーリゾート。来園者にとっては、来園したその日がたとえ平日であったとしても、その日は非日常です。お祭りの日なのです。

ディズニーリゾートにいけば、いつでも非日常のお祭りのワクワク感を抱くことができる。

これがディズニーリゾートのリピータ率の高さの要因です。

非日常は清掃にも表れています。

ディズニーリゾートの清掃員のなかには、パーク内の地面に掃除道具と水を使ってディズニーキャラクターの絵を描いてみせる人がいます。

ふつう、清掃といえば「しなければならないもの」「早く確実に綺麗に目立たずに」というのをイメージするでしょう。

「早く確実に綺麗に」は共通しますが、しかしディズニーリゾートの清掃の仕事は、ゲスト(お客さん)を一番身近に接することができて、絵を描いてみせることでゲストを楽しませることもできる魅力的なものとなっています。

日常行わなければならない掃除が、非日常のワクワクする楽しい事に変わる。

ゲストだけでなく、キャストも非日常の仕事を楽しみながらできる。

サービスを提供する側の人が楽しそうだと、サービスを受ける側の人も楽しくなる。これはディズニーマジックといえるかもしれません。

それぞれが非日常の空間を楽しむ環境と仕掛けがいたるところにある。

だからディズニーリゾートは100年に一度の不況ともいわれる現在の経済環境下であっても、来園者数が過去最高を更新することができたのではないでしょうか。

もちろん、不況のために遠出したくないという心理が働いたのも要因でしょうけれど……。

ネーミングも良いですね。

だって東京ディズニーリゾートですよ。

実際は千葉にあるんですけどね。

限りなく東京に近い千葉にあるディズニーリゾート。関東地方には間違いないけど、東京じゃない。

だけど、東京ってつけちゃおうヨ。

そんなノリだったのかどうかはわかりませんが、千葉ディズニーランドよりは東京ディズニーランドのほうが集客力がありそうなのは誰の目にも明らかです。

それはさておき、非日常を演出する仕掛けがゲストだけじゃなくキャストにもあるというのが今回のポイントです。


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ストーリーはどこから生まれるのか

ストーリーはどこから生まれるのか。


その答えを、ピクサーの映画監督であるジョン・ラセターが提供してくれています。


アニメ作家のジョン・ラセターが新しい世界を作り出す要素として一番大切にしているのはキャラクターだそうです。


「ストーリーはそこから生まれる。そしてそこからユーモアも生まれる。
 心、キャラクター、ユーモア、この3つの要素に素晴らしいストーリ
 ーが加わることで、最高の映画になるんだ」(ジョン・ラセター)


どんな物語にもキャラクターが存在します。


物語ありきではありません。キャラクターが存在するから物語ができるのです。


作家によって作品づくりの手法はそれぞれですが、優れた作家といわれる人々のなかには、たとえ物語を先に思いついてもキャラクターのイメージがわかなければよい作品にならないという人もいます。


もちろん、ジョン・ラセターもそのような作家のひとりですね。


さて、映画やドラマにはスピンオフ作品というものがあります。


これは、元となる既存の作品と同じ世界観のままで、本編では脇役であったキャラクターを主人公として新しい作品をつくることをいいます。


スピンオフ作品は、キャラクターの魅力によって新たな作品が生み出される好例です。


本編では脇役であったキャラクターがひとり歩きをはじめ、作家の想像力を刺激して新たな作品を生み出させる。


これこそまさに、ストーリーがどこから生まれるのかの答えを提示していますね。


さて、スピンオフは元となる作品が存在します。でも物語づくりは作品が元になければできないわけではありません。


作品がなくても、タレントがいればOKです。


テレビや映画に出演するタレントをみて、物語がつくれそうかどうか考えてみるのです。


あるタレントがどんな役柄で登場する物語だったら観てみたいなぁ、と思うだろうか。


そんなふうに想像してみればいいのです。


実際、物語の大まかなイメージをもった作家がテレビでタレントをみてキャスティングを決めるなんてことはよくあるそうです。


想像力をかきたてられるタレントに出会えば、作家はどんどん物語を紡ぎ出していくことができます。


このとき、想像力をかきたてられるのは作家だけではありません。


観客も想像力をかきたてられるのです。


言い方を変えれば、観客の想像力をかきたてるタレント(キャラクター)でなければ、物語はできあがらないのです。


たとえば、天才外科医役にネプチューンの堀内健。


いかがですか?


バラエティ番組でみる通称「ホリケン」のイメージからはかけ離れていると感じませんか?


いったいどんな外科医役を演じるのだろう? と想像力をかきたてられたら、すでに物語づくりははじまっています。


これは「ホリケン」というキャラクターの下地があるからこそ、そこからどの方向へどのくらい飛躍させればおもしろそうかを考えることができる物語づくりの方法です。


そういった意味でも「キャラクター」は物語づくりの不可欠なものなのです。


よく「キャラクターが薄い」といわれる人が、それを悩むことがあるといいます。


ですが「キャラクターが薄い」もキャラクターです。


キャラクターが薄いように感じても、キャラクターが無いわけではありません。


どんな人もキャラクターがあるのです。


元のキャラクターを認識して、観客や視聴者が通常抱くであろうイメージをよい意味で裏切るキャラクターが浮かんでくれば、おもしろい作品げできる匂いがプンプンしてきます。


物語づくりとはなにも映画やドラマだけではありません。


会社のブランドづくりも商品の宣伝も自身のイメージもすべて、そこに物語を醸し出すことができれば、仕事もプライベートもうまくいくでしょう。


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行列ができるマーケティング


ある道沿いに蕎麦屋が2軒。お互いの距離は30メートルほど。

片方の蕎麦屋の駐車場はいっぱいで、店の前には行列。

もう片方の蕎麦屋の駐車場は空で、店の前では店員が窓拭き。

行列の蕎麦屋に「手打ち」の文字があるほかは、どちらの店の大きさも外観もそんなに変わりません。

でも、行列ができている蕎麦屋にはさらなる行列ができそうな勢いです。

日本では特に、行列ができる店はおいしい料理を出すと思われがちです。

料理がおいしいから行列ができると考えるわけです。

たしかにそういうこともありますが、もしもあなたが店を経営する側なら、もうひとつ考えなくてはなりません。

それは「行列ができるからうまい」ということです。

行列を作ることからはじめる。そんな発想をしてみるのが、お店を繁盛させる秘訣のひとつなのですね。

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ディズニーリゾートを象徴する新アトラクション


東京ディスニーシーに「ファインディング・ニモ」を題材にした新アトラクションが登場します。

「タートル・トーク」というシアタータイプのアトラクションで開始時期は2009年秋。

内容は、海ガメの「クラッシュ」と話やゲームをするというもの。

――話?

ゲームはわかるとしても「話」というのは遊園地と合っていないように思うかもしれません。

喫茶店では話をする。

遊園地では遊ぶ。

そんなイメージが一般的でしょう。

でもディズニーシーの新アトラクションは「タートル・トーク」の名にもあるとおり「話」をするというのです。

皆さんご存知のようにディズニーリゾートのアトラクションは、ただの遊具ではありません。

それぞれのアトラクションには、それぞれの物語があります。

キャストとゲストがアトラクションを通して物語を体験します。

つまり、ディズニーリゾートは遊具施設の入場権や利用権を売っているというよりも、物語を売っているのです。

これはディズニーリゾートに限りません。あらゆる商売はモノやサービスを提供することで「物語」を売っているのです。

コーヒーを飲みたい多くの人々はなぜスターバックスに行きたがるのか。

遊園地で遊びたい多くの人々はなぜディズニーリゾートに行きたがるのか。

そんなことを考えると、同じ業種の商売をしていても「物語」を意識した会社や店のほうが成功する可能性が高くなると思えませんか?

物語は古来より語部によって伝えられてきました。それが紙に記されるようになり、芝居になり、映像となっていきました。

あらゆる物語は「語られます」。

あらゆる物語は「話されます」。

だからディズニーシーの新アトラクションは「タートル・トーク」という名であり、海ガメの「クラッシュ」と話す内容なのです。

「ファインディング・ニモ」を観ればすぐにわかりますが、カクレクマノミの主人公マーリンは出会う相手みんなに必死に話します。

息子がさらわれた。助けにいく。

出会う相手だけでなく、相棒となった魚のドリーにまで何度も旅の目的を話します。

なぜなら相棒のドリーは物忘れがヒドいからです。

主人公マーリンはさらわれた息子を取り返すという旅の目的を話し続けます。

話しつづけることで、やがて広い海のなかでマーリンの噂が広がります。

そしてマーリンの力になろうと、魚だけでなく鳥たちも協力してくれるようになるのです。

マーリンは話しつづけます。話つづけることでそれが広がり、さまざまな魚類や鳥類たちの参加によってニモの救出という物語がつくられるのです。

これが、ディズニーリゾートは遊具施設の入場権や利用権を売っているというよりも、物語を売っているといったほうがいいということの意味です。

ディズニーリゾートを訪れた人々が自分の連れと語り合い、他のゲストやキャストとも交流しながら物語を体験する。

物語を売るディズニーリゾートのまさに象徴的なアトラクションとなるであろうものが「タートル・トーク」なのです。

ディズニーリゾートのアトラクションはたいてい列に並びます。並んでいる時間に自分の連れと何をしますか?

話をしたり、ちょっとしたゲームをしたりするでしょう。

そこに海ガメの「クラッシュ」も混ぜてあげてください。

というより、そもそも海ガメの「クラッシュ」と話をするために列に並ぶのですから、話をすることがクローズアップされた「タートル・トーク」という名の新アトラクションは、まさにディズニーリゾートを象徴するものになるといえるでしょう。

ディズニーリゾートの理念や目的といったものがしっかりと新アトラクションの名や内容に盛り込まれているのですね。

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伝説になった沢尻エリカ様 

伝説になった女 

~そんなの関係ねぇ!(小島よしお)を地でいくエリカ様~

エリカ様。

日本のエンターティンメント業界はこの話題でモチキリですね。

映画「クローズド・ノート」の舞台あいさつで、短い挨拶のほかは「特にないです」「別に」と、ほとんど話さずに不機嫌な態度を見せた沢尻エリカさん。

もしもこれを演じたのなら、スゴい女優さんですね。

でもきっと、普段から不機嫌モードのときはあんなかんじなのだとおも思わせもするのが沢尻エリカさんの「やんちゃ」なところかもしれません。

舞台挨拶やテレビに限らず、普通の人は不機嫌でも仕事のときはそれとわからないようにと努力します。

だからテレビは安心して見れるんです。突然怒り出す芸というのもありますが、それはあくまで「芸」として番組内に収まっているから観ているほうは安心して楽しめる。

ところが「そんなの関係ねぇ!」(小島よしお)を地でいくとばかりに不機嫌のときはそれを仕事でもモロに出しちゃうところが沢尻エリカさんのスゴいところですね。

だから普通じゃないんです。特別なんです。

芸能人としての素質があるとこうことですね。

いろんな持ち味を持った芸能人がいますが、沢尻エリカさんの芸風(?)の芸能人は最近はいませんでした。

だから注目される。

沢尻エリカさんもそれをある程度は狙ってやっている部分もあるのでしょう。

そして所属事務所もそういう沢尻エリカさんの気分屋的なところをうまくハンドリングしつつ芸風として売りながらうまくやっていこうとしていた。

沢尻エリカさんは売れっ子です。CMも多いですし、テレビや映画の出演も多い。

エリカ様キャラが定着して話題にもなる。

事務所としてはそれなりにハンドリングしてきた感はあるものの、売れっ子になればなるほど「やんちゃ」ぶりにブレーキが効かなくなったときにとり上げられる規模が大きくなってしまった。

その頂点が映画「クローズド・ノート」の舞台あいさつだったのかもしれません。

どんなに不機嫌モードでも、映画の舞台あいさつで普通はあんな態度はとれません。

やろうと思っても、できません。

しかし、沢尻エリカさんはやり通した。

不機嫌な態度の良し悪しは別にして、そのやり遂げようはスゴすぎます。

舞台挨拶のときの沢尻エリカさんの絵(画)って、近年まず見たことがありませんから。

もしかしたらどんな映画よりもインパクトが強いかもしれません。
(これぞほんとのディープ・インパクト!って言うてる場合か(笑))


デトロイト・タイガースに入団時、記者会見に羽織袴姿で登場した野球選手の木田優夫さんは、周囲を見回してひと呼吸の間を開け、皆の注目を集めたところで「ロボコップはどこ?」「ロボコップに会えなくて残念」というようなジョークを飛ばして笑いをとったそうです。
(デトロイドは映画「ロボコップ」の舞台ですね)

日本人からやってきた選手として壇上にあがり、一生懸命がんまります!と挨拶しただけでは印象が薄い。だからジョークのひとつも入れて強烈な印象を残したのですね☆

(木田選手は毎年のようにテレビ番組「明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー」に出演しています)


一方、映画の舞台挨拶で「みなさん、きょうはお越しいただきありがとうございました」と挨拶。その後は「特にないです」「別に」で終わらしただけでは……印象が薄いどころか、日本の芸能界がひっくりかえるほどの大騒ぎになりました。

日本人大リーガーになること。女優になること。

それだけでも、ものすごく大変です。

でもそういった世界で生き抜いていくことは、もっと大変です。

映画の舞台あいさつで3言しかしゃべらなかった主演女優。この称号は得ようと思っても手に入れられるものではありません。

この称号があれば沢尻エリカ(エリカ様)の名は伝説となります。

ガッツ伝説・伝説の男~♪(はなわ)に並び立つ、伝説の女~♪はエリカ様にキマりですナ。

沢尻エリカさんについては、沢尻会があるとか、超ワガママだとか、いろいろな噂がありました。

ナインティナインのバラエティ番組に出演した沢尻エリカさんは、砂漠に行ったときの感動を目を輝かして語っていました。

おそらく、とても純粋でまっすぐな人なのでしょう。

そんな純粋さや真っ直ぐさは状況によってはワガママとされることがあります。

そういたった噂の数々が映画の舞台挨拶で、ひとつもふたつも先の段階へ進化(?)しました。

では、今回の映画「クローズド・ノート」舞台挨拶で何がどうなったのかをまとめましょう。以下の2点です。


●映画「クローズド・ノート」の大宣伝になった

●エリカ様は伝説となった(このネタで一生食べていける)


ちなみに舞台挨拶前に出演したテレビ番組で映画「クローズド・ノート」の宣伝コメントを求められた沢尻エリカさんは、ほんとふつーの話なんで、といったふうに映画を紹介していました。

普通は、宣伝する映画をふつーの話なんで、とは紹介しませんよね。

ここがおもしろいとか、こういうところを観てほしいとか、そんなふうにコメントするのが普通です。

ところが沢尻エリカさんは、ほんとふつーの話なんで、というふうにコメントしていました。

それを聞いた私は、ふつーでないといわれるエリカ様がふつーだと言い切る物語って逆に気になるやん! とその計算された(かもしれない)宣伝手法に斬新さを感じていました。

そしてあの舞台挨拶。

あの、ふつーの話ですからというコメントは、作品自体よりも映画主演の自分がふつーでないことを知らしめた舞台挨拶のための前フリだったのかだろうか……。

だとしたら、それもスゴい!


映画「クローズド・ノート」ではラストに秘密が明かされるという噂です。

「クローズド・ノート」にはいったいどんなことが書かれているのか。

ってそれよりも脳内メーカーではありませんが「沢尻エリカ」というノートには何が書かれているのかのほうが、よっぽど気になります(笑)。

そのうち、エリカ様に冷たく「別に」とあしらわれたことを喜ぶ風潮が出てくるかもしません。

まるでダウンタウンの浜ちゃんに頭をペシっとツッコまれたいと願う歌手たちのように……。


最後にひとつ。

物語のひとつのパターンに、それまで悪玉だったキャラクターが善玉になるというのがあります。

ドラゴンボールでいえばピッコロですね。

これは実社会でもよくあります。

元暴走族ヘッドの俳優。元暴走族の相撲力士。

人気者になるには、一度大きく悪玉方向に振り子を振っておくという方法があります。

これは「飼いならされた猛獣効果」もしくは「ピッコロ効果」ともいって、はじめからいい人よりも、はじめは怖い悪い人っぽかったんだけど、いい人になりました、としたほうが人々の人気を集めやすいことをいいます。

映画の舞台挨拶後に、涙の謝罪をした沢尻エリカさん。

すでに話題性のある人気者に違いありませんが「ピッコロ効果」を使っていい人キャラになるのか、それともエリカ様キャラで通すのか、今後も注目ですね。


なにはともあれ、そんなの関係ねぇ!(小島よしお)を地でいくエリカ様は、M男諸君にはたまらんでしょうネ。

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プロダクト・プレイスメントと「メッセンジャーPC講座」

映画やテレビ番組の中に商品の広告を入れ込む手法にプロダクト・プレイスメントというのがあります。

プロダクト・プレイスメントをわかいやすく描いた映画に「トゥルーマンショー(THE TRUMAN SHOW) 」があります。

アメリカ市民であるトゥルーマンは生まれたときから24時間隠しカメラによってTV番組「トゥルーマン・ショー」として世界中に放送されていました。

彼が住む町も住民も家族さえもすべてフィクションであり、これを24時間放映するテレビ局の収入源のひとつが、トゥルーマンの日常生活の中でさりげなく(ともいえないかも)紹介される商品です。

ハリウッド映画ではプロダクト・プレイスメントを取り入れるのはよくあることです。

例えば「X-MEN2」ではマツダのRX-7。

[アイ・ロボット」では主人公が履く靴にコンバース、トンネル内でのカーチェイスで主人公が乗る車にアウディ。

特に意識して観ていなくても、お気に入りの主人公が着る服や使う道具を自分もほしくなったことはあるでしょう。

映画やテレビでよく使われるこの手法は、実はインターネットと相性がよいのです。

ネット上のコンテンツの画像やテキストをクリックすると、それに関連した商品やサービスの案内ページに飛ぶというのはよくありますね。

ネット上でのプロダクト・プレイスメントの利点は、コンテンツ内にちりばめた商品・サービス紹介へのリンクを埋め込むことで、興味を持った人にダイレクトにアプローチできる点にあります。

映画やテレビだと、作品を見終わったあとにあらためて印象に残ったアノ品物を調べて、気に入ったら買うというように、時間に空きが生じます。

しかしネットでは興味を持ったそのときすぐにリンクをクリックすることで知りたい商品・サービス情報を得ることができるのです。

では、プロダクト・プレイスメントを行う場合、映画やドラマなどの作品と、ネット上の記事形式のコンテンツと、どちらがより高い効果を期待できるでしょうか。

映画の場合はストーリーという強力な装置によって商品をより魅力的に印象深く演出することができます。

一方、ネットの記事形式の場合は興味を持った商品・サービスにすぐにアクセスできるという即効性・利便性があります。

どちらを利用するかは、商品・サービスの質や内容によって変える必要があります。


でも、どちらの利点もある程度活かしたい場合は?

その答えの参考になるのが「ストーリー性を持ったプロダクト・プレイスメント」です。

例えばネットにストーリー性のある記事コンテンツをつくり、そのなかで記事内容と連動した形で商品やサービスを紹介・提示するのです。

ポイントは、連続したストーリー性です。それはまるで連続テレビドラマのように、次回が楽しみとなるような仕掛け=ストーリー性を持たせるのです。

ネット上での商品紹介というのはもう履いて捨てるほどあります。そのため、読み手はそれが商品・サービス案内や紹介ためだけに、その場限りで作られたコンテンツかどうはすぐにわります。

プロダクト・プレイスメントはすでに「日常」となっている現在、たとえ商品・サービスの案内や紹介だとモロバレでもいいのです。

読み手にとってそれが有用で、なおかつ楽しみながら得る情報ならば、むしろ歓迎されるでしょう。

では具体的にどんな「型」が考えられるのか?

その例としては「メッセンジャーPC講座」が参考になります。

タイトルからも想像がつくとおり、メッセンジャーを使うという状況設定で行うPC関連の講座です(無料)。

これは、モバイルコンテンツのひとつで、男性社員と派遣女性がメッセンジャーを使ってやりとりするなかで、PCの技(ショートカットキー)を学べるというものです。

週2回更新。1回の分量は1000文字程度。
最大の特徴は、1回完結ではない、連続性のあるストーリーとなっている点です。

モバイルコンテンツですので、1回に多くの分量はありませんが、連続ドラマのように続けて読むと楽しい仕掛けがいろいろと施されています。

映画やドラマといった(連続性のある)ストーリーに、PC技という名の商品・サービスを盛り込む。

ネットとプロダクト・プレイスメントについて大いに参考になる事例はぜひ抑えておきましょう。


※公式モバイルサイトにて約1年3ヶ月連載していた【メッセンジャーPC講座】は、載終了しました。


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旭山動物園


テレビのドラマ仕立ての番組で、行動展示で有名な旭山動物園の物語が放映していました。

旭山動物園の噂(月間入場者数で上野動物園を抜いた。展示方法に特徴がある等)はよく小耳に挟んでいたのでその番組を観てみました。

それで再確認した大切なこと。

それは、来場者に動物のことを知ってもらおうと思ったら、その動物の一番身近にて、一番よく知っている者の意見・提案に耳を傾けるということ。

テレビ番組の内容によると、旭山動物園の園長はどんな展示方法がよいかを飼育係のみんなに訊いてみたのです。

動物と一番身近に接している者だからこそ、動物のためにも、来園者のためにもなる動物園のアイデアを出すことができる。

この最も大事なポイントをわかっていて、さらにそれを活かすことができたから旭山動物園の盛況に繋がったのだと思います。

飼育員の意見に耳を傾ける。

これに気づくことが第一ステップです。このステップに気付かない、またはこのステップに足を乗せようとしない場合が多々あるなかで、この第一ステップにしっかりと立つことはすべてのはじまりです。

しかし第一ステップに立つフリをするのはありがちです。つまり、現場の人間の声に耳を傾けます(傾けています)というアピールを形としてだけするということです。

ところが重要な第二ステップに足を乗せる段階になると、ごく一部になってしまいます。第二ステップとは現場の人間(飼育員)のアイデア・意見を「活かす」ことです。

旭山動物園の園長は飼育員の意見・アイデアをもって実際に市長にプレゼンテーションします。これが成功して、動物園に新しい施設を作るための予算が出ることになるのです。(第二ステップ達成)

その後も飼育員の意見・アイデアを豊富にとりいれた新施設を次々に作っていくと、来園者に大変好評となったのです。(第三ステップ〈結果〉)

旭山動物園における飼育員とは、例えるならば「翻訳者」です。

動物の一番近いところにいて一番よくわかっているAさん。Aさんは人間(人間も動物の一種だけど)なので、来園者の立場にもなれます。

動物と人間の両方にとってベストな環境を整えるためには、両方のことを熟知する必要があります。
動物と人間の間に立って「翻訳」することで、動物のためにも、人間のためにもなる施設を作ることに成功した旭山動物園は、あらゆる業種で活かせる良き手本なのです。

重要なポイントは、第一ステップだけでなく第二ステップに立つこと。

一番やってはいけないのは、第一ステップに立つフリだけをすること。

ぜひ旭山動物園に行ってみたいです!


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