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映画「アイアンマン3(IRON MAN 3)」

「アイアンマン3(IRON MAN 3)」

監督:シェーン・ブラック
アメリカ/2013年/133分


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【注】以下には物語の内容を一部明かすものが含まれます。あくまで一部ですが、まっさらの状態で作品を楽しみたい場合は、作品鑑賞後に読まれることをおすすめします。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
本作は『アイアンマン2』の、というよりは『アベンジャーズ』の続編と捉えるといい。


『アベンジャーズ』においてエイリアンとの戦いで精神的なトラウマを負い、不眠症に悩まされ続けるトニー・スターク。


エイリアンとの戦いを思い起こしたり、ちょっとしたきっかけがあったりするとパニック障害の症状が出たりするトニーは、観客が感情移入しやすい「弱さを持った主人公」の条件をよりクリアにしている。


強いだけではヒーローにはなれない。観客の多くが共感できるような弱さをもつからこそ応援される。だからヒーローなのだ。


ただでさえひとクセもふたクセもあるキャラで人気のトニーが、観客に共感されるような弱さを手に入れたとき、彼は物語における最強のキャラとなる……。


■ 相棒交代?


さて、トニーがよく話す相手は誰だろうか。


ペッパー? たしかにそうだが他にトニーの身近にいる話し相手を忘れていないだろうか。


それは人工知能のJ.A.R.V.I.S.だ。


パワードスーツ(通称「アーマー」)を着たときはもちろん、そうでないときも通信機器を使っていつもJARVISと話している。


戦闘状況の確認、アーマーの充電状況・損傷箇所と程度、作戦実行可能性……等。


「それはおすすめできません」など、控えめ(?)ながらもトニーにとって最善の方法を伝えるJARVISはかけがえのない相棒だ。


だからこそJARVISがシャットダウンしてアーマーがただの鉄(正確には鉄ではない)の塊になったときもトニーはそれを引きずって町まで行った。


そして再び話せるようになるまでの間は、新たな相棒と組むことになる。それは町に住む少年だ。


かくしていつも的確なアドヴァイスをしてくれる頼れるJARVISではなく、頼りないように思いがちな人間の少年との交流を通じてトニーはエイリアンとの戦いで負ったトラウマとパニック障害を乗り越えるきっかけを得るのだ。


■ 「絆」をアクションで魅せる


JARVISがシャットダウンしている間、トニーは町の公衆電話からアクセスしてペッパーにメッセージを残した。


ペッパーはそのメッセージをどうやって受信することができたか? 


敵の襲撃によって破壊されたスターク邸に佇むペッパーが、バラバラになったアーマーの一部(頭部)を拾って被ってみたときにトニーからのメッセージを受信することができたのだ。


そもそもトニー邸が襲撃される前のことだ。帰宅したペッパーをリビングで迎えたのはトニーであって実はトニーではなかった。つまり本人は階下のラボにいて、リビングに置いたアーマーに自身のフリをさせて遠隔操作していたのだ。


このいわば「前フリのシーン」があるからこそ、のちに襲撃を受けて行方不明になったトニーの安否を知ることができたメッセージがそのアーマーの一部(頭部)によるものであったことは、一見すると同じアーマーを通したコミュニケーションでありながら、以前のそれとはまったく違うことを表現する象徴的なシーンとなっている。


なぜならトニーはJARVISを介して自身の安否をただ伝えたのではなく、自ら公衆電話からペッパーに、危険な目にあわせてしまった謝罪と、愛する人を守る約束を再びするためにメッセージを残したのであるから。


■ 女性ウケがいい理由


さぁスターク邸が襲撃されたときにもう一度戻ってみよう。トニーは真っ先にアーマーをペッパーに装着させて爆風や衝撃などから彼女を守った。そしてアーマーを装着したペッパーは自ら盾となって生身のトニーを守った。


エイリアンとの戦い以後のすれ違いによって広がった溝を埋める機会がなかなかつくれなかったふたりだが、お互いに気持ちは根底ではしっかりつながっていたことをアクションを通してズバッと提示したのがこのシーンだ。


スターク邸襲撃という危機によって、根底ではしっかりつながっていることを観客にしっかり提示してみせて、今後の物語展開におけるふたりの「絆」を象徴的なものとしたのである。


こういった気持ちのやりとりの表現がとてもうまい。だからこれはただのヒーロー物語ではなく、女性が楽しめる作品にも仕上がっているのである。


■ 男も女もトニーに夢中


「アイアンマン3」ではアーマーの脱着がとても多い。しかもアーマーの一部だけ装着して戦ったりもする。さらにすべて装着しているようで実は遠隔操作だった……ということも。


アーマーを着たからアイアンマンなのではなく、一部を装着しても全く装着しなくてもトニースタークである。


アイアンマンであることとトニースタークであることはひとつなのだが、アーマーの力が強大であればあるほど、それに没頭したり依存したりもする。さらにはその力を恐れられたりもする。


そしていつしかそんな「力」はどんどん数を増してより増大・強力になっていく。


だからこそトニーは一度アーマーから離れる事態になったことで、自らの原点に立ち返り、自身の頭と生身の肉体を駆使して敵陣に乗り込んでみせたりもする。


「力」の象徴であり自身そのものでもあるアーマーから一旦離れるといういわば「自分を見つめなおす旅」をする男。


それは愛するペッパーとの関係がアクションを通して描かれる魂の物語でもある。


だから男も女もトニーに夢中になるのだ。


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