映画「サバイバル・オブ・ザ・デッド」
「サバイバル・オブ・ザ・デッド(Survival of the Dead)」
ジョージ・A・ロメロ監督 2009年 米
頑固爺ちゃん同士の意地の張り合い対決。
死者がよみがえるようになって間もなく、ふたりの男の意見が対立していた。
オフリン一族は、死者は眠らせるべきとし、マルドゥーン一族は死者は生かしておくべきとする。
両者は一歩も譲らない。絵に描いたような頑固爺ちゃんふたりが命をかけた張り合いが続く。
その場所はデラウェア州沖の大西洋に浮かぶプラム島。
場所を限定。対立する勢力構図。これは典型的な西部劇の設定そのままである。
西部劇が幾度となくリメイクされ続けている理由は、とてもシンプルだから。
数で勝る勢力が、同じ町(土地・地域)で暮らすもうひとつの勢力を追いやり、己の理想郷を作ろうとする。
そこに他所者が現れてひっかきまわす。
本作では島を追放された爺ちゃんが他所者をおびき寄せ、島に再び舞い戻り、意地の張り合いを再開する。
ここまで聞くとぜんぜんゾンビが出てこないようにおもえるかもしれないが、ちゃんと出てくるのでご安心を。
いつものように、ゾンビではなく人間が脅威であることは同じだが、その描き方がよりストレートになっている。
どこぞの国と国の関係だけでなく、アナタの職場の派閥争いやご近所さんの見栄の張り合戦まで、なんでも当てはまるとてもわかりやすい構図で物語はすすんでいく。
こうなるともうゾンビは風景の一部といってもいい。だからゾンビ自体のインパクトや恐怖を期待しないほうがいい。
ゾンビ映画が描くのはそもそも人間であることから、じっくりと原点に立ち返り、人と社会をみつめなおすきっかけを与えてくれる。
そんなふうに考えれば観た甲斐があるというもの。
とにかくコミカルにさえみえる頑固爺ちゃんたちの意地の張り合いをとくとご覧あれ。
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