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12/01/2009

人気の秘密は人間力~「君に届け」~


▼アニメ「君に届け」
 原作:椎名軽穂『君に届け』(「別冊マーガレット」連載)


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少女漫画が原作だときいてスルーしてはもったいない作品をご紹介しましょう。


少女漫画の典型といえば学校を舞台にした男女の恋愛劇。今回紹介する「きみとど」こと「君に届け」はたしかに舞台は共学の高等学校だし、絵に描いたような爽やかイケメン優等生の男子(だんしぃ☆)と地味だけど気立てのいい女子(じょしぃ☆)が登場します。


ところが「きみとど」はちょっと変わっています。どこが変(へん?)かというと、はじめから「恋愛ありき」ではないところ。


黒沼爽子は純粋で天然な明るい女の子。でも、長い黒髪で控えめなため周囲からは超陰気だと思われています。


なまえは爽子なのに、見た目の印象から友達に「貞子」と呼び間違えられてから、あだ名が「貞子」となって定着。


貞子と3秒以上目が合うと不幸になるといった噂が広まり、学校ではいつもひとり。


でも風早翔太だけは別です。気さくで爽やかな笑顔が印象的な彼のまわりにはいつも人の輪ができています。そんな風早君だけは噂にとらわれることなく、笑顔で話しかけてくれます。


爽子はそんな風早君に「あこがれ」ます。


はい。みなさんちゅうもぉくぅ! 


いま大事なポイントをいいましたよヨ。


「きみどと」の魅力はズバリ、爽子が風早君に「あこがれる」ところからはじまります。


学校で「貞子」なんてあだ名が広まるだけでなく、そのあだ名さえめったに呼んでもらえない爽子。あだ名は本人をその名で呼ぶから機能するのに、爽子は面と向かってあだ名を呼んでもらえません。


これってただの陰口みたいなものです。ふつうだったらそんなあだ名をつけた友達を憎み、そんなあだ名を広めて陰で使う同級生たちを尻目に「なにくそぉ」と思うものでしょう。


そんな状況でクラスの人気者の爽やかイケメン男子が笑顔で声をかけてきたら「貴様のセルフイメージアップのために私を利用しおってこの計算高い野郎めッ」とちょぴりでもおもわないはずはありません。


ずいぶんひねくれた考えだと思うでしょうけれど、もしも自分が爽子と同じような状況にあったらどうでしょう?


普段自分を避ける同級生たちは仕方ないにしても、気さくに話しかけてくる爽やか男子のフリをしたアイツだけは許せない! とひねくれるてもなんら不思議ではありません。


むしろそれがふつうの人間というもの。そういう人間こそリアルです。


ところが爽子は、笑顔で自分に声をかけてくれる風早君に「あこがれ」ます。


風早君が声をかけてくれたおかげで新しい道が開けていくことを喜び、感謝し、みんなの役に立てるようもっとがんばろうとします。


実は爽子はみんなの期待に応えられるよう図書室で怪談本をいっぱい借りて勉強もしています。


そんな「がんばり屋」な面が、風早君との会話をきっかけに、クラスメイトの吉田千鶴や矢野あやねに知られるようになります。


そして徐々に爽子のまわりにも人が集まるようになり、自然な笑顔をみせるようになります。


爽子はそんなひとつひとつの変化が風早君のおかげだとしてますます感謝して、変化をもたらした彼の力にただただ感動します。


そして風早にしても、入学式の日に自分にみせてくれた爽子の笑顔に胸キュンして以来、貞子の噂を耳にしてもそんなことは信じずに、自分が見聞きした黒沼爽子のすばらしさをますます確信していきます。


風早は一見すると絵に描いたような爽やかイケメン優等生の男子(だんしぃ☆)ですが、実は周囲に流されずに自身で相手を見たり聞いたりしたもので判断して行動する魅力的な男性でもあるのです。


だから「きみとど」は爽子と風早君の恋愛ありきではなく、それぞれの魅力、人間力によってひかれあったふたりが共に成長していく物語なのです。


はじめから好きだ嫌いだといった恋愛モードありきだったら、私はわざわざ紹介しません。


でも「きみとど」はそうじゃない。まずはキャラクターの魅力をしっかり描き出し、それによって人間力を浮き彫りにして、そこから恋愛へとつなげていきます。


私は原作漫画は未読です。アニメしか観ていませんが、エンディングテーマ「片想い」(Chara)も物語の雰囲気に合っています。


episode.8の「自主練」のラストからエンディングテーマへのつながりは秀逸で、おもわず☆ジン☆ときました。


映画(映像)好きな人にしてみれば、登場キャラクターの心情はアクションで表されることに慣れていますから、アニメ「君に届け」の爽子の独白(モノローグ、内語)の多さには少々違和感を持たれるでしょうが、原作が少女漫画ですからそんなものだと思ってしばらくガマンして観つづけましょう。きっとなくしかけていたものがみつかるはずです。


人生のすばらしさを忘れかけているあなたへ。


10代の心を失いかけているあなたへ。


それでも、ひたむきな気持ちを持っているあなたへ。


――君に届け。


(日本テレビ系火曜深夜24時59分~放映中)


こちらは原作漫画↓

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Posted by: 日本インターネット映画大賞 | 12/25/2009 at 11:43

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