ドラマ離れ層にダイレクトに響く「JIN -仁-」
~バランス感覚に優れ、妙な「イヤラシサ」がないのが人気の理由~
「JIN -仁-」は視聴率がいいそうで、TBSにとってはこれ以上うれしいことはないんじゃないでしょうか。
「MR.BRAIN」を放映したTBSとは思えない安定した作りの「JIN -仁-」にはオドロキです。
やっとドラマのTBSの本領発揮というか、原点へ戻れたということなのかな。
「JIN -仁-」は原作がいいから、というのもあるだろうけれど、キャスティングにしろCGにしろセットにしろ、それぞれが節度をもっているところがいいね。
やはり、人気があるだけのアイドルといった類がキャスティングされていないのがGOOD.
アイドルっぽいのは小出恵介ぐらいだけど、彼はアイドルというより俳優といったほうがしっくりくる。俳優がアイドルっぽい人気をたまたま得たというかんじだ。
綾瀬はるかはコメディからシリアスまでこなせる女優であり、どんな作品でも役柄をきっちり演じる逸材です。「JIN -仁-」でもいい演技みせています。また、麻生祐未もひじょうにいい味を出しています。
吉原の『大門切手』とか、ご飯の盛り方とか、産婆が大名行列を横切るとか、当時の江戸の様子がわかるあたりも歴史ファンにはたらまらないでしょう。
幕末江戸の町並みを再現したCGもさらりと使われているぐらいで、ほかはセットでの撮影がメインってかんじなのも抑制がきいています。
なまじCG屋がシャシャリ出てくると「3丁目の夕日」とかいうモロお涙頂戴の「イヤラシサ」がにじみ出てしまう危険があるので、必要なところだけ使う抑制の効いた正しいCGの使用法を守っていることに好感がもてます。
それから歴史上の有名人も登場しますが、ヘタにいじらずに視聴者のイメージをなぞらえた俳優を使っています。
現代は幕末と似たような歴史的転換期にあるとみる人々も多いですから、時代を反映しているともいえます。
なんでタイムスリップしたのか? あの胎児はなんなのか? などのミステリーの要素もある。
こういうドラマありきのドラマってこの頃はほとんどなくなっていましたから、「JIN -仁-」はドラマ離れしていた層にダイレクトにうったえかける魅力をもっていたんだとおもいます。
こちらは原作漫画↓
JIN―仁 (第1巻) (ジャンプ・コミックスデラックス) | |
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