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08/18/2009

映画「モンスターVSエイリアン(MONSTERS VS. ALIENS)」


「モンスターVSエイリアン(MONSTERS VS. ALIENS)」
監督:ロブ・レターマン
2009年/アメリカ/94分


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【モンスター紹介】

▽スーザン ジャイノミカ
 隕石に遭遇して15m21cmに巨大化。

△ボブ
 体はゼラチン質でできており、なんでも消化してしまう。

△コックローチ博士
 天才的な頭脳を持ったゴキブリ。

△ミッシング・リンク
 半猿半魚の生物。

▽ムシザウルス
 小さな虫が放射能をあびて100mに巨大化。


「モンスターVSエイリアン」のドリームワークス・アニメーションといえば「シュレック」が有名です。「シュレック」は緑色の怪物として人々におそられているという設定でしたね。


どうもドリームワークス・アニメーションはモンスターという題材が大好物のようです。


「モンスターVSエイリアン」では、普通の人間をいきなりモンスターにしてしまいます。


一般女性のスーザンを隕石に遭遇させて15mに巨大化したモンスターにしてしまうのです。


スーザンにしてみれば、モンスターになった自覚はなく、ただ体が大きくなってしまっただけ。彼女は元の生活に戻ることを切望します。


しかし、エイリアン来襲による危機にモンスター仲間たちと立ち向かううちに、これまで幸せだと自分に思い込ませていたことが、実はそうでもないことに徐々に気づきはじめます。


それは恋人デレクとの関係です。


デレクはふたりの幸せのためといいながら、自分のキャリアアップのために結婚式直前に新婚旅行先をいきなり変更しちゃうほど自分勝手な男。


そんなデレクに対してもスーザンは致し方ないと目をつむります。


男性のために我慢する典型的な女性像として描かれる前半のスーザン。


しかし巨大化してモンスター扱いされ、エイリアンと戦う経験をしてからの後半のスーザンは、婚約相手デレクの本質を見極められるようになります。


なによりスーザンが変わったのは、自分の願いや思いといった感情に素直になれるようになったことです。


あれほど元の生活に戻りたいと切望していたスーザンが、あれほど新しい名前を使うことを嫌がっていたスーザンが、モンスター仲間たちと共にエイリアンとの戦いを経験した後は、あたらしい名前を自ら名乗り、婚約者デレクに逆に三行半(通常は夫から妻に対する離縁状)をつきつけました。


正確にはスーザンとデレクの結婚式は教会ごと途中で崩壊しましたから、まだ夫婦ではなかったわけですが……。


それはさておき、こうした男女関係のあり方を軸にひとりの女性が困難に遭遇しながらもアイデンティティを確立していく物語はたくさんありますが、モンスターとエイリアンを題材にやってのけてしまったのはスゴいですね。しかもわずか94分間に収めています。


また、スーザンが突然巨大化する要因がエイリアン来襲の要因なっており、その要因をスーザンは手放したいと願い(元の生活に戻るため)もう一方でエイリアンはその要因を手に入れたいと願っています。


ところがその要因によって生まれ変わった(アイデンティティを確立した)スーザンは、あれほど要らないとおもっていて、やっと手放すことができたその要因を再び手に入れようとします。


その要因というのは物語構築上の用語で「マグフィン(Maguffin):悪者が欲しがっていてヒーローが持っているもの」を指します。


これほどわかりやすく、そして巧みにマグフィンが機能的に用いられているのは、観ていて気持ちいいですね。


ほかにも「エクスターナル・コンフリクツ(External Conflicts)外的葛藤(主人公を危険や不安に陥れようとする敵や第三者によって作りだされる困難)=エイリアン来襲」により「リレーショナル・コンフリク(Relational Conflicts)(相対的葛藤)→婚約者デレクとの関係」や「インターナル・コンフリクツ(Internal Conflicts)内的葛藤(矛盾または未解決な問題)→自分の気持ちを素直に表現できないスーザン」といたコンフリクツ(物語構築上の障害)を通してスーザンの「キャラクター・ディベロップメント(Character Development)(キャラクター・アークを作り出す、キャラクターのゆるやかな変化)」を促すあたりも、非常に上手です。


このように、物語づくりの教材としても最適です。


もしもシノプシスに書き出してみたら、これ以上ないほどにシェイプされた物語の設計図が浮かび上がることでしょう。


テーマが深く、子供も楽しめ、名作モンスター作品にちなんだキャラクターを登場させるいい意味での憎らしさもある「モンスターVSエイリアン」は、幅白い層にマッチする作品です。


作品として安心して観れる、ある一定以上の水準値をしっかりクリアしています。


さすがドリームワークス・アニメーションですね。


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