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04/30/2009

ディズニーリゾートを象徴する新アトラクション


東京ディスニーシーに「ファインディング・ニモ」を題材にした新アトラクションが登場します。

「タートル・トーク」というシアタータイプのアトラクションで開始時期は2009年秋。

内容は、海ガメの「クラッシュ」と話やゲームをするというもの。

――話?

ゲームはわかるとしても「話」というのは遊園地と合っていないように思うかもしれません。

喫茶店では話をする。

遊園地では遊ぶ。

そんなイメージが一般的でしょう。

でもディズニーシーの新アトラクションは「タートル・トーク」の名にもあるとおり「話」をするというのです。

皆さんご存知のようにディズニーリゾートのアトラクションは、ただの遊具ではありません。

それぞれのアトラクションには、それぞれの物語があります。

キャストとゲストがアトラクションを通して物語を体験します。

つまり、ディズニーリゾートは遊具施設の入場権や利用権を売っているというよりも、物語を売っているのです。

これはディズニーリゾートに限りません。あらゆる商売はモノやサービスを提供することで「物語」を売っているのです。

コーヒーを飲みたい多くの人々はなぜスターバックスに行きたがるのか。

遊園地で遊びたい多くの人々はなぜディズニーリゾートに行きたがるのか。

そんなことを考えると、同じ業種の商売をしていても「物語」を意識した会社や店のほうが成功する可能性が高くなると思えませんか?

物語は古来より語部によって伝えられてきました。それが紙に記されるようになり、芝居になり、映像となっていきました。

あらゆる物語は「語られます」。

あらゆる物語は「話されます」。

だからディズニーシーの新アトラクションは「タートル・トーク」という名であり、海ガメの「クラッシュ」と話す内容なのです。

「ファインディング・ニモ」を観ればすぐにわかりますが、カクレクマノミの主人公マーリンは出会う相手みんなに必死に話します。

息子がさらわれた。助けにいく。

出会う相手だけでなく、相棒となった魚のドリーにまで何度も旅の目的を話します。

なぜなら相棒のドリーは物忘れがヒドいからです。

主人公マーリンはさらわれた息子を取り返すという旅の目的を話し続けます。

話しつづけることで、やがて広い海のなかでマーリンの噂が広がります。

そしてマーリンの力になろうと、魚だけでなく鳥たちも協力してくれるようになるのです。

マーリンは話しつづけます。話つづけることでそれが広がり、さまざまな魚類や鳥類たちの参加によってニモの救出という物語がつくられるのです。

これが、ディズニーリゾートは遊具施設の入場権や利用権を売っているというよりも、物語を売っているといったほうがいいということの意味です。

ディズニーリゾートを訪れた人々が自分の連れと語り合い、他のゲストやキャストとも交流しながら物語を体験する。

物語を売るディズニーリゾートのまさに象徴的なアトラクションとなるであろうものが「タートル・トーク」なのです。

ディズニーリゾートのアトラクションはたいてい列に並びます。並んでいる時間に自分の連れと何をしますか?

話をしたり、ちょっとしたゲームをしたりするでしょう。

そこに海ガメの「クラッシュ」も混ぜてあげてください。

というより、そもそも海ガメの「クラッシュ」と話をするために列に並ぶのですから、話をすることがクローズアップされた「タートル・トーク」という名の新アトラクションは、まさにディズニーリゾートを象徴するものになるといえるでしょう。

ディズニーリゾートの理念や目的といったものがしっかりと新アトラクションの名や内容に盛り込まれているのですね。

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