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02/15/2009

「ナイツ」に学ぶわかりやすい文章術

「ナイツ」に学ぶわかりやすい文章術
~「人気お笑い芸人」に学ぶ、わかりやすくする文章術~


文部科学省が日本漢字能力検定協会(通称「漢検」)本部の立ち入り調査をはじめました。


漢検が公益事業では認められない巨額の利益を得ていたというのがその理由です。


日本漢字能力検定協会は公益法人です。


公益法人としてはちょっとおかしいんじゃないの? と思われるのではないか。


もしもそんなふうに感じることができたなら、今回のような事態にはならなかったでしょう。


「公益法人としてまっとう」というラインがわかっていれば、ラインから離れていってしまうことはなかったはずです。


「ラインを見極める目を持つ」ことが大事です。


これはお笑いと似ています。


一般的にみておかしいんじゃないか、という「ボケ」ができるのは、一般的にみてまっとうなラインをわかっているからです。


まっとうなラインを離れてボケる。そしてツッコム。


観客もまっとうなラインがわかっているからボケに気づく。ツッコミにうなづきながらまっとうなラインに戻る様子に安心できるから笑えるのです。


日本のお笑い芸人の多くがコンビを組んでいるのは、ふたりでまともなラインを確認し合えるという意味で、とても良いことなのです。


もちろん、ひとりだってOKです。


ラインを見極める目を持つために、一般的にみておかしいかな? とちょっと想像してみればいいのですから。


日本語力を高めるにはどうすればいいか。


わかりやすい文を書くにはどうすればいいか。


その答えのひとつは、お笑い芸人の感性と技術を真似することです。

「ナイツ」というお笑い芸人コンビがいます。


ナイツは2008年のM-1グランプリで第3位になった実力派のお笑いコンビです。


ナイツの塙宣之(はなわ のぶゆき)さんは「ガッツ伝説」などでお馴染みの、ベースギターを使った歌のネタで有名な「はなわ」の弟さんとうのも知られるようになりました。


ナイツのネタは、だれにでも非常にわかりやすい題材を使い、数十個のボケをちりばめます。


はじめはたいしたボケじゃないなぁ、なんだか小粒なボケだなぁと思わせておいて、その小粒なボケがだんだん笑いのボディブローのように効いてきます。


漫才の理想のカタチとして後半に向かってどんどん面白くなっていくのが良いというのがありますが、ナイツの漫才はまさに小粒のボケのなかにも後半になるとさらに笑いを誘うボケをチョイチョイとしっかり仕込んでいます。


しかもひじょうにテンポがいい。リズム感が心地いい。


普段は寄席で活躍しているからなのか、いわゆる若者向けのパッと見の派手さやフレッシュさといったものは感じられませんが、おそらくあえてそれらを封印して地味そうにみせることが彼らの狙いなのでしょう。


地味そうだなぁという印象で笑いのメーターをマイナスにもっていかせておいて、漫才が終盤にさしかかるころには笑いのメーターはプラスへ一気に振り切れるようにしているのではないでしょうか。


そんなナイツのネタはヤフーをヤホーと言い違えるという有名なボケを筆頭に、話題のキーワードを軸にそれに関連した情報やエピソードの随所に駄洒落っぽいボケをいくつも仕込んでいくというものです。


一言でいえばオヤジの駄洒落なのですが、あるキーワードに語感が近くて置き換えるとおかしな意味にとれる絶妙なワードをボケとしてテンポよく連発していく様子は、まるで音楽を聴いているかのようです。

ナイツのネタづくりはこうです。


まず、ボケ担当の塙さんが話題のキーワードに関する紹介文の原稿のなかにボケを次々に書き込んでいきます。


次に、その原稿を受け取った相方の土屋さんがボケに対するツッコミを考えていきます。


正しい情報をズラしてボケる。ボケに反応して気の利いた一言を添えてツッコム。


ツッコミは「おかしなことを言うボケ」に対し、その間違いを素早く指摘して訂正する役割があります。


ツッコミは、それがどんなふうにおかしいかをわかりやすくしつつ、その間違いを素早く指摘して訂正します。


訂正して、本来の正しいとされるラインに引き戻します。

いかがですか?


これはわかりにくい箇所(ボケ)に気づき、それがどんなふうにわかりにくいかを分析し、指摘して訂正する「わかりやすくするためのリライト術」と基本は同じだとおわかりいたけたと思います。


メルマガでお伝えしてきた「わかりやすくするためのリライト術」は、ずっと昔からお笑いの世界で行われてきたことにたいへん似ています。


日本語の勉強や文章の勉強というと、机に向かって真面目にやらなければならないと思いがちです。


いやいや、そうではありませんね。


楽しみながら学んだっておおいに結構。


真面目はいいことですが、真面目すぎる話を聞いているとたいていあくびが出てしまいますよね。


人を楽しませることができれば、自然とあなたの話に耳に傾けてくれ人は増えていきます。


それに、人を楽しませるには自分が楽しむことが基本です。


お笑い芸人たちは、嫌々に芸人をやっているのでしょうか。


もちろん、芸人をやっていれば辛いこともあるでしょう。


でも、芸人をやっているのが楽しくてしょうがないから続けていけるのだとおもいます。


ナイツの漫才は言葉を使う芸の本質を表していますので、たいへん興味深く、楽しませてもらっています。


ぜひ、皆さんもナイツのネタをご覧になってみてくださいね。


ナイツの漫才「宮崎駿」

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現代日本における国語力の目安とは

麻生首相が世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」の特別講演で、以下のように漢字の読み違えをしました。

「決然」を「けんぜん」

「見地」を「かんか」

「基盤」を「きはん」

麻生首相は以前にも「踏襲」を「ふしゅう」、「頻繁」を「はんざつ」、「未曾有」を「みぞゆう」と読み違えていましたね。


ダボス会議での漢字の読み違えは、また誤読するんじゃないの? という国民の期待(?)にこたえたのでしょうか。


お笑い芸人ならそんなボケも大歓迎でしょうけれど……。


正しくは以下のように読みます。

「決然」→ けつぜん

「見地」→ けんち

「基盤」→ きばん

一般的にみてもけっして難読とはいえないような漢字の読み間違いを繰り返しては、国語の基礎や基本ができていないのではないかと疑われるのもいたし方ないのかなとも思います。


それこそ日本語の使い方の基盤が固まっていないということなのでしょうか。


この影響なのか、こんな本がたいへん売れているそうです。


「読めそうで読めない間違いやすい漢字」

本屋だけでなくコンビニでもワンコインで買えるのが好評の理由だとか。


パソコンの普及によって漢字が書けないのは致し方ないとしても、漢字が読めければキーボードで漢字を入力・表示することもできません。


漢字が読めるかどうかは、現代日本においてその人の国語力をはかる基準になっているといってもいいでしょう


まずは基本となる漢字の読み方と意味を学習することからはじめてみるのも良いですね。


読めそうで読めない間違いやすい漢字読めそうで読めない間違いやすい漢字
出口 宗和

読めないと恥ずかしい漢字1500 -日本人なら、これくらいは知らなくちゃ! そんな言葉づかいでは大恥をかく―常識知らず、とバカにされないために 書けそうで書けない漢字2000―あいまい書き・うっかり書き実例集 (講談社プラスアルファ文庫) 間違えると恥ずかしい日本語500 知らないと恥をかく常識な日本語700問―あなたの日本語チェックと、言葉力アップが同時にできる本 (KAWADE夢新書)

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映画「椿三十郎」

B0014B89YS椿三十郎 通常盤 [DVD]
織田裕二, 豊川悦司, 松山ケンイチ, 鈴木杏
エイベックス・エンタテインメント 2008-05-23

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「椿三十郎」
監督:森田芳光
日本/2007年/119分

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
――夜。社殿の中。

九人の若侍たちが上役の汚職を暴き出そうと密議の真っ最中に、ひとりの浪人が現れる。

浪人が若侍たちが頼りにする大目付の菊井こそが黒幕だと見抜いた、その矢先であった。

案の定、菊井の手の者たちによって社殿が包囲される。若侍たちは死を覚悟して刀を手に飛び出そうとするが、それを浪人が止める。

命びろいした若侍たちは浪人と共に、とらわれた城代家老睦田の救出に向かう。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△椿三十郎
浪人

△室戸半兵衛
黒藤(次席家老)の部下

△睦田
城代家老

△竹林(国許用人)、黒藤(次席家老)、菊井(大目付)
汚職の中心人物の面々

△井坂伊織
 睦田(城代家老の甥)。9人の若侍のひとり。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
――――――――――――――――――――――

■ ただただおもしろい

この作品は黒澤明監督の「椿三十郎」のリメイクである。

リメイクするとなれば現代風のアレンジを加えて新ヴァージョンの作品を世に送り出したいと願うのがふつうだろう。

しかし、黒澤明という名に遠慮したのか、オリジナルの脚本そのままにしたことが結果的によかった。

そもそも黒澤明監督の「椿三十郎」の脚本は複数の脚本家たちによって書かれた共同脚本であるから、余分な部分を徹底的に削ぎ落として、だれにでもわかる、だれにでもたのしめる作品になっている。そんな脚本はいじりようがない。

もし脚本をいじろうものなら、観るも無残なリメイクの失敗作の代表になっていたかもしれない。

さて、とにかく黒澤明監督作品を褒めておけばまちがいないと思っている人がいないとも限らないが、なぜ彼が巨匠といわれ、なぜ彼の作品が世界中で愛されているかは、作品を観ればわかる。

「椿三十郎」にしても、ただただおもしろいのである。

人はなぜ映画を観るのか。

ただ単に、楽しみたいから。

そんなことはないという人もいるだろう。だが「ただ単にたのしみたい」という基本をしっかり理解していないと、たいしておもしろくもない作品を作ってる側の人間がおもろがってせっせと作り、ふたを開けてみたら大コケなんてことになってしまう。

その原因のひとつが「ただ単にたのしみたい」というもっとも基本となる観客の願いを忘れてしまうことにある。

黒澤明監督はこのもっとも基本となる観客の願いにどこまでも貪欲に応える。だから、ただただおもしろいのだ。

世界中のだれが観ても、どの時代のだれが観ても、わかりやすくておもしろい。

そんな作品はめったにあるものではない。

最近でいえば、ピクサーのアニメーション作品群がこれに近い。なぜピクサーにそのようなことができるのか。なぜなら、ピクサーも「椿三十郎」の脚本づくりと同じように、複数のストーリーづくりのスタッフたちによって脚本が作られているからであり、なによりストーリーづくりにじっくりと時間が費やされるからである。


■ つまみながら悪事を謀る

竹林(国許用人)と黒藤(次席家老)と菊井(大目付)は悪役である。

悪役の3人は茶室で悪事を図る。なかなか予定どおりに事が運ばないことにイライラを募らせつつ次の悪事の一手を考えるときの描写がいい。

茶室でなにやら「つまみ」を口に運びながら、落ち着かない様子で悪事を謀るのだ。

名探偵金田一耕助はトリックを見抜くべく考えるとき、自分の頭の髪の毛をグシャグシャにしてみせる。

人はなにかまとまらない考えを整理してどうしたらいいか思案するとき、普段よくしていることや、癖や習慣や出るもの。

ものを食べるというのは、人が普段からよくする動作のひとつである。

ものをつまみながら悪事を謀るこのシーンは、なるほどキャラクターに人間性を加味する演出なのだと感心させられた。


■ 主人公の名は

さて、主人公の名は何というであろう。

椿三十郎?

たしかに作品の題名が椿三十郎だから、主人公の名は椿三十郎にちがいない。

だがそれは名をきかれた浪人が庭に咲く椿の花と自身の年齢を合わせてその場で作った名前だ。

武家社会の時代にあって浪人の彼は、名も無きに等しい男であった。

武家社会であろうと現代であろうと、圧倒的多数の人々は名も無きに等しい人間である。

名も無き人間にもドラマがある。

名も無き人間だからこそ、みえることもある、わかることもある、できることもある。

名も無き人間が主人公だからこど、多くの観客は椿三十郎に感情移入する。


■ 架け橋となる男

さらに椿三十郎はその名と、自身がいうところの40前という言葉から、30歳代であることがわかる。

上役の汚職を暴こうとした若侍9人たちは20歳代。

そして汚職の中心人物の3人は50~60歳代といったところ。

このふたつの世代の間をとりもつ30歳代の男。この年頃の男で才覚と腕に覚えがある者は、室戸半兵衛のように悪に組することはたやすい。たやすいどころか、裏で藩政をあやつることだってできる。

実際、物語の中で室戸半兵衛はそれを画策しており、自分に匹敵する才覚と腕の持ち主の椿三十郎と手を組んでその計画を万全なものにしようとしていた。

椿三十郎はその誘いにはのらなかった。だが椿三十郎も室戸半兵衛の能力を高く買っており、自分とそっくりなことにも気づいていた。

だからこそ藩の汚職事件が一件落着したのちに、椿三十郎は室戸半兵衛と斬り合いたくないなかったのだ。

観客はふたつの世代や時代をとりもつ男が、容易に室戸半兵衛にもなれることを知っている。それにもかかわらずその男は、たいして自分の益になりそうもないのに若侍たちを命がけで助けようとする。

人は得意なことをして私腹を肥やしたくなるもの。

得意なことをして有利に楽しんで生きていったい何がわるい? と思いがちだ。

しかし、名も無き男はそれをしなかった。人として越えてはならない線をしっかり見極め、自分の信念を貫いた。自身の良心に従ったのだ。

だから、将軍様でも天下の副将軍(副将軍ていうポストあったっけ?)でもない、名も無き男の生き様に観客は心打たれるのだ。

ほんとうにおもしろい作品は、場所や時代が変わっても、そのおもしろさは色あせることはない。

まさに、そのとおりですな。

デート      ○
フラッと     ○
演出       ○
キャラクター   ○
笑い       ○
映像       ○
ファミリー    -


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