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映画「ハンコック」


「ハンコック(HANCOCK)」

監督:ピーター・バーグ
アメリカ/2008年/分

スティッチと似たもの同士の、根はいい奴「ハンコック」。

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
飲んだくれでの強大な力を持つハンコックは、凶悪犯を懲らしめる際に街を壊しまくるガサツな嫌われ者。
ある日偶然助けた男から、イメージチェンジによってみんなに愛されるスーパーヒーローにならないか、と話をもちかけられる。


主な登場人物の紹介
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△ジョン・ハンコック
嫌われ者のスーパーヒーロー

△レイ・エンブリー
PRマン。

▽メアリー
レイの妻。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
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スティッチと似たもの同士の、根はいい奴「ハンコック」。

■ 根はいい奴「ハンコック」

街のベンチで横になって寝ている男。どう見ても酒を飲んでベロンベロンだ。ベンチの前にある街頭テレビには、武装した強盗グループが発砲しながら車で逃走をつづけているニュースが流れている。

ベンチで寝ている男・ハンコックを男の子が起そうとする。強盗たちを退治しにいくよう促しているのだ。

ハンコックは二日酔いの頭を抱えるようにしてめんどくさそうにする。それでもベンチの下から酒瓶をひとつ掴むと、空を向かって飛び出していった。

二日酔いなのでハンコックの飛行の軌跡はあっちこっちへとフラフラする。案の定、ハイウェイの標識にブチ当り、大破した標識の破片で何台もの車が走行不能になる。

強盗たちを懲らしめたものの街は大損害を被る。ハンコックが現れるところでは破壊が起こり、人々の日常生活に支障をきたす。おかげで街の財政は危機に瀕している。

このセットアップでわかることは、たとえ飲んだくれであっても悪を懲らしめて市民を救おうとする心を持つだけでなく、そのために行動する憎めない男だということ。

ただその強大なパワーの使い方が乱雑で、その言動に品格の欠片も感じられないため、市民からは嫌われているのです。


■ 嫌われてもスーパーヒーローのワケ

強大な力。たとえば大きな権力を行使できる地位にある人(Aさん)は、一般市民の何倍、何十倍も気をつけなくてはなりません。

権力への恐れと保身の願いから、周囲の人たちはだれもAさんに意見をいわないからです。たまに言う人がいても、すぐにどこか遠くへ飛ばされてしまうなどしていろんな意味で消されてしまいます。

ハンコックのような強大な力や能力を持った人や、大きな権力を行使できる地位にある人こそ、人間性が問われるのです。

人を助けたいと願えばそれを実現する力を行使することができる一方、既得権益を守り私腹を肥やそうと願えばそれを実現する力も行使できるからです。

嫌われ者のハンコックがまがりなりにもスーパーヒーローと呼ばれるのは、そのやり方はブーイングを浴びても、人を助けたいという願いだけは持ちつづけているからなのです。


■ ハンコックとスティッチは似たもの同士

嫌われ者は愛されるキャラクターに変化する可能性を持っています。

ディズニーのアニメーション作品「リロ アンド スティッチ」のスティッチは宇宙のお尋ね者で憎まれ役でした。

追っ手から逃れて地球にやってきたスティッチはペットのふりをしてリロという女の子のそばに身を寄せることに成功します。

暴れん坊のスティッチを家族として受け入れたリロの愛によって、スティッチは徐々にみんなに愛されるキャラクターへと変化していきます。

スティッチにとってのターニングポイントがリロとの出会いであったように、ハンコックにとってのターニングポイントはレイとの出会いです。

命を助けてもらったレイは、嫌われ者のスーパーヒーローのハンコックをみんなに愛されるスーパーヒーローにする計画を立てます。

レイがなぜそんな計画を立てたのか。

PRマンという職業が彼を駆り立てたといえますが、それでも見込みのない者をPRしようとは思わないはず。

レイはみんなに嫌われているハンコックの、人を助けたいという願望を持つ「良心」の存在に気づいたからです。

リロも宇宙の暴れん坊626号にスティッチという名をつけてオハナ=家族して受け入れたのも、積み木おもちゃを作っては壊して遊ぶ様子などから、だれかとの関係を作ることができるのに孤独とさみしさによって暴れん坊になってしまったと気付いたからです。

レイはPRマンなので、ハンコックを皆に好かれるスーパーヒーローにする具体的な方法を考えます。

その計画にのることにしたハンコック。彼をその気にさせたのはレイの家族のあたたかみに触れたからです。


■ 「ハンコック」はコメディ

ここまで読むと、なんだかまじめ~な心温まる物語だと思われるかもしれません。

でも「ハンコック」はコメディです。いわゆるおバカ映画。

おバカを大真面目にやると、こういう愛すべきおバカ映画ができるのですネ。

後半の肝はレイの妻メアリーの秘密です。その秘密が明らかになると「Mr.&Mrs. スミス」のパワーアップバージョンみたいになっていきます(ちょいネタバレ)。


■ その他

ハンコックがその強大な力の使い方を適切にコントロールできなかったためにみんなの嫌われ者だったという設定は、観客に希望を持たせます。

だれでもタラント(才能や能力)を持っているとするならば、それを上手に活かすことができないために孤独やさびしさの中にあるのは、ハンコックだけではないと思えるからです。

みんなに愛されるスーパーヒーローの第一条件は、人々の共感を得る者であること。

ハンコックとは私のことだ、僕のことだ、と思える。だからハンコックは憎まれ者でもスーパーヒーローという称号を与えられているのです。

基本構造は「リロ アンド スティッチ」と同じです。スティッチのディズニーキャラクターとしての人気を考慮すれば、ハンコックが人気者になり得る可能性をどの程度持っているかは容易に想像がつくでしょう。

さまざまな映画作品で幾度も地球の危機を救ってきたウィル・スミス。ヒーローと呼ぶにふさわしい(?)人気俳優を憎まれ役のスーパーヒーローにしただけでも、あっぱれですネ。

こういう映画はポップコーンを頬張って時折それをふきだして笑いながら観るのがいいでしょう。

けっこうオモロいっスよ。


デート      ◎
フラッと     ◎
演出       ○
キャラクター   ○
笑い       ◎
映像       ○
ファミリー    ○


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Tracked on 08/29/2008 16:35

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