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08/16/2008

HEROES/ヒーローズ

「HEROES/ヒーローズ」

HEROES / ヒーローズ DVD-BOX 1HEROES / ヒーローズ DVD-BOX 1
マイロ・ヴィンティミリア.マシ・オカ.ヘイデン・パネッティーア.センディル・ラママーシー.アリ・ラーター.エイドリアン・パスダー.サンティアゴ・カブレラ.グレッグ・グランバーグ


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アメリカ合衆国/2006~

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
ニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガス、テキサス、インド、東京。

世界各地でそれまで普通の生活をしていた平凡な人たちが次々に超能力が備わる。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ピーター・ペトレリ
男性。看護士。共感能力を持つ(出会った超能力者の能力を手に入れることができる)。

△ヒロ・ナカムラ
男性。日本人。サラリーマン。時空間を操る能力を持つ。

▽クレア・ベネット
女子高校生。チアリーダー。再生能力を持つ。

△ネイサン・ペトレリ
男性。元検事。下院議員候補。政治家。ピーター・ペトレリの兄。飛行能力を持つ。

△モヒンダー・スレシュ
男性。インド・マドラスの大学の遺伝学教授。

▽ニキ・サンダース
一児の母。怪力能力の持ち主。

△マット・パークマン
ロサンゼルス市警の警官。心を読む能力を持つ。

△ノア・ベネット
クレアの養父。製紙会社に勤めるビジネスマンだが、実は「組織」の敏腕エージェント。

△サイラー(ガブリエル・グレイ)
男性。連続殺人犯。物事の動きや仕組みを理解する能力を使い、超能力者を殺害してその能力を自分のものにする。

コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
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■ 「HEROES/ヒーローズ」とは

「HEROES/ヒーローズ」は米国のテレビシリーズ。超能力者たちが活躍するSF作品。

2007年のピープルズ・チョイス・アワードでは「最も好きな新作ドラマ部門」で最優秀作品賞を受賞している。ほかにもさまざまな賞にノミネートされたり、受賞したりしている。

日本人マシ・オカ(本名:岡 政偉 おか・まさより)が主要キャストとして登場して「ヤッター!」と叫ぶシーンがあることから、日本でもかなり名が知れたアメリカンドラマである。

「HEROES/ヒーローズ」の魅力を語り始めたらきりがないので、今回は日本人マシ・オカが演じるヒロ・ナカムラと、ヘイデン・パネッティーアが演じるクレア・ベネットに焦点を合わせて紹介しよう。


■ ヒロ・ナカムラが「ヒロ」である理由

米国映画やドラマに登場する日本人といえば、チョンマゲに丸メガネ。カメラを首からさげ、しゃべるのは「ハラキリ!」だったりする。

そんなステレオタイプな日本人なんぞいまどきいねぇーよ! とツッコむ声がきこえてきそうだが、一般的な米国映像作品を観るときには、まぁそんなものだと思っていたほうが、日本人(らしき)の登場人物にイチイチつっこみを入れなくて済むのでラクである。

「HEROES/ヒーローズ」のヒロ・ナカムラも一見すると丸メガネこそないものの、メガネにスーツ。ときにサムライよろしく刀を持っていたりするのでたいして変わらないと思えるかもしれない。

会社では朝のラジオ体操をするために整列。スーツを着たサラリーマンがパソコンが並んだブースでカチカチと仕事にいそしむ。漫画を片手に米国にやってきたヒロ・ナカムラは笑顔を絶やさず人探しをはじめる。

こんなふうに聞くと、なんだいつもの日本人像そのままではないかと思うだろう。

しかし、なぜヒロ・ナカムラが「ヒロ」なのかを考えるとき、従来のステレオタイプの日本人像を利用しつつも、それだけでないとわかるだろう。

ヒロ・ナカムラの「ヒロ」は「HEROES/ヒーローズ」にかけたものだからである。

「HEROES/ヒーローズ」の登場人物たちの多くは、超能力のあるなしに関わらずヒーローであるからこそ「HEROES」という複数形になっているのであるが、そういったヒーローたちの中でも、そのものズバリの「HERO」の名の一部を与えられたキャラクターがヒロ・ナカムラなのである。

さらにドラマのキャスト表でもヒロ・ナカムラ役のマシ・オカは上位にクレジットされていることからもわかるとおり、彼は非常に重要なキャラクターとして位置づけられている。

実際「HEROES/ヒーローズ」のストーリーにおいてもヒロ・ナカムラの存在は大きく、あらゆる登場人物を結びつける位置にあるだけなく、ストーリーを先へおし進める重要なメッセージを発するのも彼だ。

そのメッセージは「チアリーダーを救え!世界を救え!」である。

「HEROES/ヒーローズ」のシーズン1において最も有名な「標語(?)」でもあるこのメッセージは、よくみるとオカシイ。

世界を救うこととチアリーダーを救うことが並列して語られているからだ。

世界を救うためにはチアリーダーを救わなくてはならない、という図式にみてとれる。

「テロ組織に盗まれた核弾頭を取り返して世界を救え!」みたいなものだったらハリウッド映画にはゴロゴロしている。

ところが「チアリーダーを救え!世界を救え!」もしくは「チアリーダーを救い、世界を救え!」である(どちらも同じ意味だが……)。

なぜチアリーダーを救うことが世界を救うことになるのだ? とチラッとでもそう思ったアナタは、もぅ「HEROES/ヒーローズ」が気になりだしているに違いない。

アメリカ人がチアリーダーにどれほどの思い入れがあるのかよくわからないが、チアリーダーといえば花形であることは容易に想像がつく。

みんなから愛される象徴としてのチアリーダー。それも高校のチアリーダーを大人たちが大真面目で救おうと世界を奔走するのである。。

「チアリーダーを救え!世界を救え!」

ドラマの中でこのフレーズが登場したとき、タカはとてつもなくおもしろいものに遭遇しつつあるのではないかとう予感がビンビンきていることを実感した。

そしてこのオモシロオカシイ最高のフレーズをメッセージとして伝えるのが、ヒロ・ナカムラなのである。

地下鉄の列車の中で時間が止まったとき、乗客たちの間からいつの間にか男が登場する。威風堂々として、刀を持っているその男は、ピーター・ペトレリに「チアリーダーを救え!世界を救え!」といった意味のメッセージを残すのだ。

このときの刀の男はメガネをかけておらず、堂々として威厳がり、なにもかも知っているかのような雰囲気を醸し出している。それが「ヤッター!」と無邪気に叫ぶ、あのメガネ姿のヒロ・ナカムラであった。

このギャップによって、地下鉄でピーター・ペトレリにメッセージを残したヒロ・ナカムラは、未来からやってきたことがわかる。

あのメガネをかけた陽気で漫画好きな日本人青年に、いったいなにがあればあれほど精悍な顔つきの戦士(だって刀背負ってたし)になるのか。未来はいったいどうなってしまうのか、と一気に興味がそそられるというわけだ。

この地下鉄のシーンは、シーズン1の第5話に登場する。多くの登場人物がそれぞれの土地でそれぞれの事情を抱え、それぞれ自分の超能力にとまどう様子を描きつつ、視聴者には世界に危機が迫っていることを予感させつづけるというお膳立て、いわゆる壮大なセットアップが、この第5話の地下鉄に登場するヒロ・ナカムラとそのメッセージによって一気に物語に向かうべき方向と目的が示されるのだ。

つまり、多くの登場人物の関係性に頭がパンクしそうになりながらも、なんかおもしろそうな匂いがプンプンするから観つづけていた視聴者が、地下鉄のヒロ・ナカムラのメッセージに出会うことで、おもしろさのメーターと期待値のメーターが一気に振り切れるのだ。

そういった重要なシーンに登場して重要なメッセージを残すことからも、ヒロ・ナカムラが「HEROES/ヒーローズ」においていかに大きな役であることがおわかりいただけることだろう。


■ チアリーダーを救え!

みんなが救いたいと思える人物とは?

みんなに好かれている人。それが一番わかりやすい答えだ。

学校の人気者の定番といえば、アメフトのイケメンクォーターバックかチアリーダーかというのが定番。

救うのは女の子のほうがいい。そうなればチアリーダーに決定だ。

みんなに好かれるキュートなチアリーダー。そのクレア・ベネット役にヘイデン・パネッティーアは適任だ。ヘイデン・パネッティーアは赤ん坊の頃からショービジネスの世界に入り、子役俳優として活躍。TVドラマ「アリーmyラブ」ではアリーの娘マディ役もしている。

そんなヘイデン・パネッティーアは小柄で丸顔。ブロンドの巻き髪(シーズン2ではストレートに)が似合うたいへんキュートな女の子だ。

そんな彼女が演じるクレアは、再生能力の持ち主。高所から落ちても首に木片が刺さっても銃で撃たれても死なない(頭を撃たれるか首を切られるかすれば致命傷になるかもしれないが……)。

この再生能力が世界を救う重要なカギになるということで、ヒーローたちはチアリーダー(クレア)を探す。しかもクレアの養父は製紙会社の社員(中間管理職)なのだが、実は「組織」のエージェントということもあり、数多い登場人物のなかでもクレアの出番は比較的多い。

みかける機会が多ければ多いほど、人はその相手に親近感を持つ。それがキュートな女の子ともなれば、少なくとも世の男どものハートは鷲づかみにされるのである。

さらに日本の芸能人でいえば安倍なつみ系といえよう、そのキュートな容姿のクレア役のヘイデン・パネッティーアは「日本人ウケ」がよさそうな米国人女優である。

ヒロ・ナカムラ役のマシ・オカの活躍を観てみようとおもったのが、いつの間にかクレア役のヘイデン・パネッティーアにばかり注目してしまった日本人男性も多いことだろう。(タカそのひとりか!笑)

「殺したいほどアイ・ラブ・ユー」というコメディ映画があるが、殺したいほど好きになる心理というのは、それを実行するかしないかは別にしても、気持ちとしてはわかるというのもあるだろう。

チアリーダーのクレアは、想いを寄せる同級生(だったと思う)の男の子とふたりっきりになる。男のほうはクレアを好きなのだろうが、なにせ若い。すぐに欲情してそこが野外もかかわらずクレアを押し倒してしまう。

そのとき近くにあった棒切れがクレアの首に突き刺さってしまう! 

男の子はクレアを殺そうとしたわけではないが、性欲というのは攻撃的な面をみせるときもある。精神科医や心理学者ならば性行為と殺人衝動の関連を解説できそうだが、要は愛すべき対象・ヒロインに対するある種の衝動をストーリーの中に取り込んで描く最も効果的な方法がクレアの場合は殺人なのである(通常はセックスシーン)。

そういった意味も含めて、救うべき対象が不死身の再生能力を持つチアリーダーというのは、ほんとうによく考えられた設定であり、のヘイデン・パネッティーアをキャスティングしたことも大当たりである。


■ その他

ヒロ・ナカムラ役のマシ・オカは、日本のテレビ番組に出演して「HEROES/ヒーローズ」の裏話を語っていた。

ヒロ・ナカムラ役のオーディションでは、早い段階ですでに「この役はキミだよ」といった意味のアイコンタクトらしきものを受けていたそうだ。

またヒロ・ナカムの有名なセリフ「ヤッター!」も、当初の脚本には「Bonsai」と書いてあったという。おそらく脚本は「万歳(バンザイ!)」を意図していたのだと察したマシ・オカは、バンザイ!は戦争を連想させるので「ヤッター!」ではどうか、と提案したという。

それ以来、脚本の日本語部分の微妙なニュアンスは自由にアレンジしていいといわれたとか。とはいえドラマのなかでのヒロ・ナカムラの日本語は上手いだか下手なんだかビミョーなかんじのときがけっこうある。それがわざとなのかどうかもまたビミョーである。

ちなみにシーズン2では日本人の娘役で田村英里子出演している。

日本の地上波でも日本テレビをはじめ複数の局で放映しているようだから、ぜひチェックしてみてはいかがだろう。
はっきり言って、あれほどの数の登場人物がいるだけでもスゴい。しかも、その絡め方の巧さにおもわず唸ってしまう。

やはり群像劇を作らせたらアメリカンドラマの右に出るものはそうそういないかもしれないなぁ、と思わせもする。
アメリカ映画にありがちなコスプレヒーローものでしょ、と思う人にこそおすすめしておこう。

「HEROES/ヒーローズ」では超能力を発揮する際にわざわざコスプレすることのないヒーロー物語である。コスプレっぽいのはクレアのチアリーダーぐらいなもの。もちろん、超キュートですがなにか?(笑)

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Tracked on 08/16/2008 at 17:43

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