海外ドラマ「スーパーナチュラル」
日本テレビで放映せれている海外ドラマに「スーパーナチュラル(SUPERNATURAL)」というのがあります。
これは超常現象を題材にしたドラマです。
私はたまに観るぐらいなのですが、兄弟二人が失踪した父を探す旅に出て、行く先々で出会う人々の家族の問題に関連する超常現象を解明、もしくは超常現象から人々を救うという話です。
超常現象を題材にしているから子供だましという人もいるかもしれませんが、1話でも観れば(私は2・3話ぐらいしか観ていませんが)家族をテーマにした人間ドラマだということがすぐにわかります。
超常現象はあくまで題材です。描き出すのは家族のドラマ。とくに父と子の関係です。
幼いころから父の悪霊狩りを手伝ってきた兄ディーンと、悪魔ハンターの父とは距離を置き、普通の生活を求めて父や兄から距離を置いていた弟サム。
そんな兄弟だから父親探しをはじめても、どこかギクシャクしています。
自分は父親に愛されていなかったのではないか。
自分よりも兄のほうが、自分よりも弟のほうが、愛されていたのではないか。
そんな思いを秘めたまた旅は続くわけです。
それは旧約聖書においてヨセフの物語に通じるものがあります。ヨセフが父親ヤコブの寵愛を受けていたことについて、兄たちは快く思っていませんでした。そのためあるきっかけで兄たちは怒り、ヨセフを商人の一隊に銀二十枚で売ってしまうエピソードがあることを思い出させます。
また長子の特権をめぐるエソウとヤコブの話や、人類初の殺人が行われたカインとアベルの話を思い出させます。
どれも兄弟に関する話です。
実はこれら兄弟に関する話には共通点があります。それは、父親との関係です。
父親との関係を軸に、兄弟間の問題が起きるのです。
長子の特権(エソウとヤコブ)は、神へのささげもの(カインとアベル)、そしてヨセフが商人に売られたことにも、父親と息子たちの関係によって生じたことです。
聖書に登場する父と息子、兄弟のエピソードを軸に、視聴者の興味をひくための題材を組み合わせる。
ということは「スーパーナチュラル」での題材は超常現象ですね。
だから物語づくりにおいての軸は、長年にわたって知られているものでいいのです。
聖書の話だったり、ギリシャ神話だったり。
そうした「軸」がしっかりあれば、あとは時代や状況を見極めて「題材」を汲みわせればいいのです。
相撲がブームだから。サッカーがブームだから。アキバがブームだから。有名な歴史上の人物がブームだから。昭和がブームだから……等々は「題材」にすぎません。
「題材」は重要です。でも、題材を組み合わせる「軸」をしっかり持っていなければ、題材だけがフラフラと浮遊してなんとも落ち着かないものとなってしまいます。
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