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06/08/2007

「パイレーツ ワールド・エンド」宝箱は開けないほうがいいの意味


「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」作品レビューで、宝箱は開けないほうがいい、という話をしました。

▼「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」作品レビュー

そのあたりについてもう少し掘り下げてみましょう。


まず「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」を、CGアニメにして宝箱を閉じたままにすれば良かったのでしょうか?

ジョニー・デップという実在の俳優がジャック・スパロウを演じないほうがよかったのでしょうか?


できれば実在の俳優さんではなくCGやアニメーションのほうがいいと思います。

でも、ジョニー・デップ以上にうまくジャック・スパロウを演じれる俳優さんはなかなかいないと思いますヨ。

というか、ジョニー・デップが良過ぎるんですね。キャラクターの魅力を開花させる才能に溢れた俳優さんであるがゆえに、他のキャラクターのみならず、物語自体をも飛び越えちゃうみたいな。

それは俳優さんがいけないのではなくて、脚本家や演出家や監督などがうまく舵取りをしていくべきなのですが「ワールド・エンド」ではジャック・スパロウというキャラクターに「ワル乗り」しちゃったようにおもいます。

まぁ、作ればヒット間違いなしという状況では、多少遊んでもいいかな、ぐらいの感覚でいたのが、いつの間にか観客との距離がどんどん開いて行ったのかな、と推測できます。


いい映画=ヒット作とするならば、ジョニー・デップ出演の実写映画でいいと思います。ただ、キャラクターの脳内世界をあのような形で披露した意味が「ワル乗り」以外に見当たらないのが残念ですが……。

いい映画=心を揺さぶる、感動作とするならば、CGでもアニメでも実写でもなんでもいいとおもいます。ただ、ディズニーリゾートの雰囲気に合うようにするなら、CGやアニメのほうが良いと思います。


ですがディズニーアニメは最近イマイチなようで、アニメだけでなく、積極的に実写映画の製作にも取り組んでいるようです。

「ホーンテッドマンション」(2003年)

「ナショナル・トレジャー」(2004年)

「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」(2005年)

それにフジテレビ製作の『南極物語』のリメイク作品「南極物語 EightBelow」なんかも手がけてますね。

おそらくディズニー的にはアニメーションだけでなく、実写でもヒットの実績をガンガン作っていきたい(CGはピクサーの独壇場だし。それにピクサーはもうディズニーだから)その願いが見事に実ったのがパイレーツ・オブ・カリビアンシリーズというわけで、うれしくって☆つい遊び過ぎちゃったのかもしれませんね。


いい作品=感動作ということでは「リロ・アンド・スティッチ Lilo & Stitch」が参考になります。

▼「リロ・アンド・スティッチ Lilo & Stitch」作品レビュー

スティッチは宇宙のならず者・おたずね者です。宇宙の海賊といってもいいですね。

一匹狼。アウトロー。ワルモノ。

でもスティッチは大人気です。私もスティッチのストラップやぬいぐるみならほしいくらいです(笑)。

海賊(ワルモノ)だからダメということはなく、たとえワルモノとされるキャラクターであっても、他のキャラクターとの出会いを通して変化していく、その物語の過程で感情移入してもらえれば、いい作品になるのではないでしょうか。

スティッチはしゃべりません。もちろんスティッチの脳内世界も映像化されません。でも、観客はいつしかスティッチの気持ちが手に取るようにわかるような気がしてくる。

「スティッチの気持ち」という宝箱は、観客がいつの間にか開けている。

制作者側が宝箱を開けてみせるのではなく、観客がいつの間にか宝箱を開けているのがいい。

それが「宝箱は開けないほうがいい」の意味です。


いかがでしたか? 

ジャック・スパロウというキャラクターの人気の秘密は「ダメ親父」じゃないかなと思います。

ハードディスクレコーダーでテレビ番組の予約操作ができない親父。

燃えるゴミと燃えないゴミの区別がつかない親父。

ブロッコリーを買ってきてと頼むと、カリフラワーを買ってくる親父。

休みの日はパチンコ以外にすることがないように見える父親。

そんな頼りないと思えるダメ親父でも、いざ家族旅行となったら渋滞の高速道路で皆が寝ているなか、ひとりハンドルを握りつづけるその後姿に、ふと頼もしさを感じたりもする。

ジャック・スパロウもいつもはラム酒に酔っ払っているようで、剣術はけっこう達者で、ちょいと機転をきかせてウィルターナーとふたりで出港準備を済ませた船をまんまといただいちゃう(第1作より)。

ほんといいかげんで、なにを考えているんだかわからない奴なんだけど、ほんとうはちゃぁんと考えていて、いざとなったら頼もしい。

そんな「愛すべきダメ親父」の片鱗をジャック・スパロウに垣間見た観客は、彼に頼もしさを感じるのです。

ところが第3作では「愛すべきダメ親父」であろうと確信していた観客の期待を裏切り、ただのいきあたりばったりのおかしな奴、というキャラクターにしてしまった。すくなくともそう見えてしまう。

あぁ、なんともったいないことか!

もったいないお化けが出る象(ぱおぉ~ん)←もうヤケクソ^^;

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