映画「墨攻」
監督:ジェィコブ・チャン
中国/日本/香港/韓国/2006年/133分
標識というおしつけがましさがほとんどない。質実剛健な作風をどう受け止めるかによって評価が分かれる。「墨守」ではなく「墨攻」となっている意味とは?
ストーリー(概要)
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紀元前370年頃の中国春秋時代。趙軍10万が全住民4千人の梁城に攻め寄せていた。梁王は墨家に救援を求めた。やってきたのは革離ひとりだった。
主な登場人物の紹介
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△革離
墨家
△巷淹中
趙軍指揮官
▽梁適
梁王の息子
△子団
弓隊統括
▽逸悦
梁・近衛軍騎馬兵
コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
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標識というおしつけがましさがほとんどない、質実剛健な作風をどう受け止めるかによって評価が分かれる。「墨守」ではなく「墨攻」となっている意味とは?
■ 20秒でわかる「いきさつ」
ごく簡単に状況を説明しよう。
大国の趙の目的は燕を攻めること。そのためにはまず、趙と燕の中間にある小国・梁を攻め落とさなければならない。
趙10万の大軍にとってみれば、総住民4千人の梁城は、燕攻めへの踏み台に過ぎない。
一方、いま、まさに大軍に攻め込まれようとしている梁にとって、唯一とも思える生き残りの方法は、墨家に救援を求めることだ。
なぜなら墨家は、軍事的な側面としては、優秀な守り専門の戦闘集団だとみなされていたからだ。
しかし、援軍要請からしばらしくしても、墨家は現われない。そこで梁王は趙軍に降伏を申し入れようとする。
――と、そこへひとりの男が梁にやってきた。彼は墨家だという。
そう、救援にやってきたのはたったひとり。防衛専門の戦闘集団のはずが、やってきたのはひとりだ。いうなれば「軍団ひとり」。お笑い芸人でいうならば「劇団ひとり」みたいなものである(笑)
援軍を要請したのに、それに応じたのはひとりだけって……。
しかもやってきた墨家・革離は、梁王から墨家への援軍要請の印となる品を持ってくるのを忘れたという(これには理由がある)。
そんな間抜けに思える男がひとりやってきただけで、はたして10万の敵軍の侵略を食い止めることができるのか。
墨家は思想家なので、人々に語りかける術に長けている。人を説得する方法を知っているともいう。それで梁王は説得されて、近衛軍を除く梁軍すべての指揮権を革離に授けることにした。
■ 淡々とした物語運びがいい
「墨攻」にはおしつけがましさがほとんどない。
他の作品でありがちなのは、主人公の恋人や戦友が亡くなるときや、大事な一戦のときに、シーンを盛り上げようと大袈裟な効果音や音楽を流したり、コマ送りの画面かのようにしたりすることだ。
これらは、物語という道のいたるところに標識を立てているようなものだ。
ここで笑う。ここで悲しむ。ここでくやしがる。そしてここで泣く。
そんな標識は、おおきなお世話である。標識をつくっているヒマがあるなら、内容で観客の感情を動かすにはどうすればいいかを考えよう。
こういった手抜きともいえる「標識」を「墨攻」ではほとんど使っていない(一部アリ)。
そのため、標識に慣れた観客にとっては、物語が淡々と進んで行くかのように感じられ、おまけに墨家とはなんぞや? という説明がほとんどないので、キツネにつままれたかのようにポカンと口を半開きにしたまま観終わってしまうだろう。
だが実は、墨家とはなんぞや? という説明がほとんどないことは、物語内容と関係があるのだ。
■「標識なし」で、感じて考える
漫画の主人公にとってとてもショッキングなことが起こったとき「ガーン!」と書いて表現されることがある。
しかし現実には「ガーン!」なんて音は鳴らない。ショックを受けた本人が「ガーン!」と口に出ぜば別だが……。
「ガーン!」と書いてくれることに慣れてしまうと、ほんとうに自分がショックを受けていなくても「ガーン!」とあったらショックを受けなくてはいけないと思わせれてしまうことにもなりかねない。
これは、自分の感情を他人にコントロールされてしまい、ゆくゆくは判断までも他人に委ねてしまう危険性をはらんでいるといえよう。
標識なしの「墨攻」は、墨家である革離が梁城を守りながらも苦悩するかのように、観客もまた作品を観てどのように感じてどのように考えるかの機会を与えてくれるのであり、観客におしつけがましいことはほとんどない。
というわけで「墨攻」はおしつけがましいことが親切だと捉えている人にとっては、つまらない作品だと感じることだろう。
■ 墨家の説明がほとんどないことには意味がある
作品中に墨家についての説明がほとんどないのは、おそらく意図しているのだ。感じて考えるためには、受身だけではいけない。
必要な情報は自ら手に入れなければならない。とはいってもこれだけインターネットが普及した時代なのだから、わずかの時間で墨家について調べて、必要な知識を得ることができる。
待っている(受身)だけでは、攻め入られるだけである。
墨家は、弱小国といえども大国に攻め入られることのないよう、国内をよく治めて侵攻を断念させる努力の必要性を説く。大国の意のままに攻め入られるだけでは、小国は搾取されるだけに終わると
映画を観るとは、けっして受身だけではないのだ。観客が映画作品の良し悪しを評価するのと同時に、映画作品の側も観客の「物語を楽しむスキル」を試しているのだ。
映画を観てなにかしらを得ようと思うならば、例えるならば大国に攻め入られることのないよう、小国は自国をよく治め、大国の情報を収集して研究しなければならない。
墨家は防衛戦略・戦術・戦闘の専門集団の側面ももっていたため、その守りはたいてい「墨守」といわれるが、守るためにすべきことがすなわち「生き抜く攻め」にもなる。そんな意味でタイトルが「墨攻」になっているのだと思う。
■ ひとこと
渋めなので、いい意味で観客を選ぶ作品だ。
デート △
フラっと ○
脚本勉強 △
演出 ◎
リアル ◎
キャラクター ○
笑い ‐
ファミリー ‐
雰囲気 ○
奥深さ ◎
お気楽 ×
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試写会、ひさびさに見てきました。
といっても、自分で当てたのではなく、Mixiのコミュニティの方から譲っていただいたもの。
で、見てきたのは、「墨攻(ぼっこう)」。
全然知らなかったんだけど、これは日本のコミックスが原作なんだね。
日中韓合作の結構大掛かりな映画でした。
<↑クリックすると拡大します>
主演は、アンディ・ラウ。「インファナル・アフェア」とか、まあいろいろ出てますな。ア... [Read More]
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「墨攻」★★★
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馬上の戦士達の群れが
砂埃をあげて荒涼たる山野を走る、
遥かに連なる山々をバックに
かなり壮大な物語が始まる。
そして主人公の登場、
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2006年 ジェイコブ・C・L・チャン 監督 川井憲次 音楽 酒見賢一 原作アンディー・ラウ 劉徳華 アン・ソンギ ワン・チーウェン ファン・ピンピン チェ・シウォン
日・中・韓 合作なのね。
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