「幸せのポートレート(THE FAMILY STONE)」
監督:トーマス・ベズーチャ
アメリカ/2005年/103分
笑い、涙、シリアスありのメリハリの良い、女性限定ではないファミリードラマ。
ストーリー(概要)
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ニューヨークのキャリアウーマンであるメレディスはクリスマス休暇を恋人の実家(ストーン家)で過ごすことになる。
しかしストーン一家になかなか馴染めず、なにをしても浮いて空回りする。
主な登場人物の紹介
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△メレディス
ニューヨークのキャリアウーマン。
▽シビル
エヴァレットの母親。
△エヴェレット
男性。メレディスの恋人。
△ベン
映画編集者
△サッド
聾者。ゲイ
▽エイミー
末娘
コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
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笑い、涙、シリアスありのメリハリの良い、女性限定ではないファミリードラマ。
■ 男性でも楽しめる
作品タイトルと簡単な映画紹介文を読むと、あぁよくありがちな女性向け作品だな、と男性は思うかもしれない。
しかし女性に限らず男性でもじゅうぶんに楽しめる作品だ。
なぜなら、作品がだれにも媚びを売っていないからだ。
大抵の女性向けと言われる作品は、当然のように女性に受け入れられなくてはならないので、女性心というか乙女心にドンピシャリなキャラクターを主人公にして、一部の女性にとって居心地にいい作品を作り出すことに力を注ぐ。(例「アメリ」「かもめ食堂」)
「幸せのポートレート」はそのタイトルからして、そういった女性向け作品と同じ匂いを感じてしまうかもしれない。だがそうではない。
女性からみてもちょっと空回りしている主人公は、けっしてはじめから観客に受け入れられやすいキャラクターとはいえない。
■ 愛されない主人公?
主人公のメレディスはニューヨークのキャリアウーマンで、マナーもしっかりしているのだが、ストーン家の面々には好かれない。
ストーン家は養子をもらったりゲイを受け入れたりとリベラルでだれに対してもオープンな家庭を自負しているが、息子が連れてきたメレディスだけは、表面上は歓迎しても心から受け入れようとはしない。
ストーン家の顔ともいうべき母親のシビルは特に息子のエヴェレットがメレディスと結婚することに反対だ。
聾唖者のサッドを養子にしてたり、その彼のパートナーであるアフリカンアメリカンの男性を家族として受け入れたりしているシビルが、なぜキャリアウーマンで世間的には非のうちどころのないメレディスを受け入れられないのか。
そこにはある理由がある。
このあたりのシビルの事情の用い方に抑制が効いているのである。
■ いかにもお涙頂戴にしない巧さ
シビルの事情というのは、ともすればついつい観客の涙を誘おうと大げさにしてしまいがちだ。
たとえば、ほれ泣け、ほれ笑え、ほれ悲しめ、と何度も言われたとししたら、もそんな気持ちになるどころかかえって冷めてしまうことがあるだろう。
某韓流ドラマや映画におけるお約束の●●のように、作品を劇的にするために登場人物が次から次に●●に冒されいく、もしくは交通事故にあってしまうというのは、それがお約束だから。
観客や視聴者もそれを覚悟の上で観ているのだからまぁいいのだろうけれど、一般の観客にとっては「またか……」と思われしまうのはいたしかたない。
ところが「幸せのポートレート」では、シビルの事情はお約束ではない。あくまで、シビルがメレディスを受け入れられない動機のひとつなのだ。
これは、この作品が「女性向けというお約束」に終始するものではないこととも相まって、観客に好印象を残す要因にもなっている。
■ 笑いは「間」をつくる
家族を題材とした作品ではとくに、要所にコミカルなシーンを入れやすい。
そもそも笑いという「間」は家族(家庭)を舞台とした喜劇とは相性がいい。作品のテンポをコントロールする「間」を笑いが作り出してくれるため、微妙な家族間の関係や雰囲気を「間」で描き出しやすいからだ。
本作でも笑いのシーンが「間」をつくって和ませてもくれる。
■ クリスマスシーズンと家族
な家族(家庭)を一年で最も意識するのがアメリカ合衆国ではクリスマスだという。
日本に生まれ育った若い人のなかには、恋人と過ごせないクリスマスは惨めだという思いがあるという。
クリスマスに恋人と過ごさなければ!という思いはホテル業界が仕組んだキャンペーンだという説もあるとかないとか……。
クリスマス休暇は家族で過ごすという習慣が根付いているアメリカ合衆国において、家族を題材とした作品の時期設定がクリスマスシーズンというのはど真ん中ストライクなのだ。
そういうわけで本作は恋人限定のクリスマスストーリーではない。家族の物語なのだ。
■ ひとこと
はじめはストーン家の家族構成がわかりづらいかもしれない。しかしリベラルな家庭というキーワードを知っていればすぐにわかるようになる。
後半は多少ドタバタして(ほんとうにキッチンでドタバタするシーンがあってなかなイイ)そういうまとまり方はちょっとくるしい気もしたが、ありきたりな定番ハッピーエンドな収まり方をしていないのが「味」ともいえる。
いまのところ日比谷のシャンテ シネでしか上映していないようだが、多少時間をやりくりしても観にいく価値はじゅうぶんにある作品だ(夏シーズンの映画作品では他に評判のいいおすすめ作品が比較的少ないように思えるので)
作品内容とは関係ないが、それにしてもシャンテ シネは作品上映前の、他の映画関連の予告編上映時間が長い。たっぷり20分ぐらいはあるんじゃないだろうか。もしくはそれ以上か。予告編を観るのが辛くなるぐらいに多いような気がする。
単館系映画館はCMを入れないと運営がたいへんかもれないが、いつものことながらチト長い。近所の高級志向珈琲店のCMなどは地元の雰囲気が漂っていてなかなかなのだが……。
俳優ファン ○ 「SEX AND THE CITY」のジェシカ・パーカー出演
ファミリー ○
デート ◎
フラっと ○
脚本勉強 ○
演出 ○
笑い ○
リアル △
謎解き -
人間ドラマ ◎
社会 ◎
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Comments
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