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07/27/2006

ブレイブストーリー(BRAVE STORY)

監督:千明孝一
日本/2006年/111分
原作:宮部みゆき「ブレイブ・ストーリー」

奇しくもタイトルがすべてを表してる。借り物競争をやめ【勇気をもって研究して】ストーリーから作りこんでほしい。さらに奇しくもピクサー短編映画「ワンマンバンド」のストリートミュージシャンを地でいっちゃったのは愛嬌というしかない……。

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
小学生のワタルは両親の離婚による父親の家出と母親の自殺未遂で自分の運命を変えるため、転校生ミツルとの出会いで知った運命を変える世界への扉を開けて旅立つ。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ワタル
少年。小学校五年生。

△ミツル(芦川美鶴)
少年。転校生。

▽カッツ
町の保安官。

△キ・キーマ
運送業者(?)

▽ミーナ
サーカス団員。空中ブランコ担当。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
奇しくもタイトルがすべてを表してる。借り物競争をやめ【勇気をもって研究して】ストーリーから作りこんでほしい。さらに奇しくもピクサー短編映画「ワンマンバンド」のストリートミュージシャンを地でいっちゃったのは愛嬌というしかない……。

■ どなた向け?

たぶんお子様向けなのかな。宮部みゆきの同名小説は未読だけど、たぶん原作はもう少し大人向けなのかもしれないね。

イマドキのお子様にかぎらずだけど、子供の目を侮ってはいけましぇん。

ほら「機動戦士ガンダム」だって、単純な勧善懲悪ロボットアニメだったらあんなにファンはできなかったハズ。細かい内容はたとえよくわかなかったって、お子様にだって他とは何かが違うゾって雰囲気は敏感に感じ取れるんだよね。

ロールプレイングゲームみたいな。

人間じゃないキャラクターを登場させるみたいな。

剣と魔法の世界で冒険させるみたいな。

「~みたいな」ってばかり言ってないでちゃんとしゃべれぇ。と叱られちゃうかもしれないね。でもね「~みたいな」というのがピッタリなんだ。

子供にゃぁこんなかんじでどぅスか? みたいな……さてさて、この作品はいったいどういった層(誰)に向けて作ったのやら。

私は他のアニメ系作品と比較するという楽しみがあるから観たけれど、そうでなかったらいったいどんな層が観にいけばいいのか悩むような作品だね。


■ 子どもは敏感

小学生の主人公ワタルくんは父親が家を出ることを知って愕然とするんだ。まるでさっきまで晴天だったのに、突然に天から槍が降ってきたみたいにビックリしちゃう。

両親と一緒に住んでいる少年がいくらなんでも寝耳にミミズ、いや寝耳に水みたいに驚いてしまうなんて。そんなに鈍感な子はイマドキなかなかいないよぉ。

それでいて父親の家出の理由というのがとってつけたようなものなんだ。

住んでいる集合住宅の外観や内装や学校への道などはとてもリアルなのに、そこで生活している人たちの内面がどうにもステレオタイプ(固定的・画一的)なんだね。

なんだかワタルくんがひとり漫才で延々とスベリ続けているみたいで、ちょっと気の毒になってきちゃう。


■「がんばってたで賞」もあやうい

日本のアニメといえば、すぐに思いつくのはスタジオジブリと日本テレビ。仮にこれらを富士山としましょ。

富士山越えを狙いたいのはGONZOとフジテレビ。「フジテレビ」っていうぐらいだら「富士」山は越えたいもの。

フジテレビは東映アニメーションとのアニメ「ワンピース」でのヒットはあるものの、世界的な有名作があるスタジオジブリ/日本テレビの富士山をぜひとも越えたい。

そこで「青の6号」「最終兵器彼女」「銀色の髪のアギト」をはじめ多数のアニメ作品で有名なGONZOとともに、夏の一押しアニメに!と投入した作品。それが「ブレイブストーリー」なのだ。

富士山越えをしたい。だから一生懸命作りました。がんばりました。

でもね、がんばる方向がちょっと違うんでなぃの?


■ 原作ありきってどうなの?

スタジオジブリのいくつかの作品にも原作があるから、じゃぁウチもそれに負けないようにというので大御所・宮部みゆきさんの小説を、ということになったのかな。

原作は読んでないのでなんともいえないけど、すくなくとも原作から脚本を作ったわけでしょ。エンドロールによると脚本担当はたしか2人(ちがってたらごめんなさい)。

一概に人数の問題じゃないけれど、ストーリー担当がわずか2人。

はやい話が、ひとりの大作家先生におんぶにだっこってかんじだね。

日本では作家さんに頼りすぎ。小説がおもしろいのは、それが小説だから。小説を映像作品にする場合は、映像専門のチームでしっかり映像に向くように脚本からじっくり作らなきゃ。そうしないと、小説までつまらないと思われてしまうかもしれないんよ。

そもそも、いつまでも原作に頼ってちゃ富士山越えは難しいよ。


■ 富士山越えても……

たとえ富士山を越えても、海外にはもぉ~とたかぁ~い山があるのだ! その山の名は……ディズニー/ピクサー。

ピクサーの作品づくりの期間は通常4年。そのうち半分の2年間をストーリーとキャラクターづくりに費やすという。はじめにストーリーを組み立てるんだ。

どこかからストーリーを借りてくるんじゃないんよ。「はじめにストーリーを組み立てる」のさ。

そしてCGの技術力の高さと優秀な人材がいるピクサーが、必然性のあるCGの使い方をしてるっていうんだから、こりゃあもういまの装備じゃぁ登山道入り口で帰らせられちゃいますぞ。

必然性のあるCGの使い方ってどんなの? はこちら↓

「カーズ」レビューの【CGとスピードのマッチングの良さ】


■ 剣と魔法の世界にもお約束を!

たとえばSFの世界はなんでもアリだからこそ、制約をきっちりつくるのだ。

人はなんでもアリの世界では不安で落ちつかないから。

たとえば剣と魔法の世界だけど、体力ゲージと魔法ゲージがいっぱいにならないかぎり普通の人と変わらないとか、そういったお約束事がないと、なにが起こってもアリになってしまって、まるでいつまでも陸地がみえないままパラシュートで風まかせに延々と流されていくかのようで不安が大きくなって楽しむどころではなくなってしまうのだ。

有名傑作漫画「ベルセルク」の主人公ガッツはモンスターみたいなものと闘いつづけているけど、特殊能力があるわけじゃぁない生身の人間だ。人間ばなれはしてるけど、人間なのだ。この設定だけで「ベルセルク」が傑作といわえる所以の一部がわかるよね。


■ ツッコむのもめんどいわ~

「ブレイブストーリー」には、いろんなアニメやゲームを彷彿とさせるところが多々あるんだ。でもひとつひとつツッコんむ楽しさという種類のちりばめ方じゃぁない。

あえてどんな作品の真似っ子に見えるのかというと、ドラゴンボール、スターウォーズ、ドラゴンクエスト……等々。

なんだかツッコむのがめんどうというよりも、はずかしくなるんよね^^;


■ 研究ではなく寄せ集め

いろんなアニメやゲームを研究してヒット作を作ろうとしたんだけど……。という言い方をするのはやさしい、イイヒトなんだろうけど、ズバリいっちゃうね!

研究したんじゃなくて寄せ集めたの。

研究っていうは、この場合でいうと、過去のいろんな作品の特徴をいっぱい調べて書き出して、それをグループに分けたり並べ替えたりして整理する。そこから傾向や法則を導き出して、それについて考えたり意見を出し合ったりしてどうしてヒットしたかを明らかにすることなんだ。

でも、今作でやったのはたぶん……いろんな作品の特徴を寄せ集めてみました……みたいな(笑)

そもそも研究する目的のひとつは、隙間をみつけること。他がやっていないことがないかと探すこと。それがこれから作ろうとしている作品の特徴になるんだからさ。


■ ヒットがほしくてたまらない

フジテレビジョンのヒットメーカーといわれるプロデューサー亀山千広さん。ドラマ『ロングバケーション』『ビーチボーイズ』『踊る大捜査線』で手腕を発揮して、映画でもヒットを飛ばしたい。実際に映画でも『踊る大捜査線 THE MOVIE』シリーズ』『スウィングガールズ』とヒット作や話題作をおくり出しているんだ。

とにかくヒットがほしい。これはだれだってそうだろうけど、特に劇場アニメ-ション作品においては日本テレビに差をつけられているフジテレビとしては、なんとしてもヒット作がほしい。

でも、いちからストーリーを練ってじっくりとはしていられない。すぐにほしい。じゃぁ大御所作家先生の原作とアニメで有名なスタジオでいっちゃいましょう! てな雰囲気がするんよね。

日本のアニメーションは世界でも注目度が高いのだからもったいないよ。

アニメでほんとうにちゃんとしたヒット作・話題作・みんなが楽しめる作品を作りたいなら、即席の借り物競争みたいな真似は避けたほうがよかった。

ストーリー担当チームをつくって、じっくり腰を据えてオリジナルストーリーづくりをしなきゃ、とてもじゃないけどピクサーの背中さえも見れないよ。


■ ワンマンバンドに出演してる?

そんな「ブレイブストーリー」の様子は、ピクサーの短編映画「ワンマンバンド」のストリートミュージシャンであるベースとトレブルが少女が持つ一枚のコインを得るために繰り広げる演奏合戦を彷彿とさせてくれるんだ。

ベースとトレブルは結局、たった一枚のコインさえも手に入れることができなかったね。

それと「ワンマンバンド」にはセリフがないんだ。顔の表情と身振り手振りと音楽だけで表現している。映像のもつ特質をよぉ~く研究してわかっているからこそできることだね。

一方「ブレイブストーリー」はクライマックスでしっかりと作品のメッセージを語っている。小説ではなく映画なのだから、映像でじわぁ~と伝わるようにがんばってほしかったな。

役者(キャラクタ)にしゃべらせればいいのだったら、それこそ小説のほうが向いているのだから。

「ワンマンバンド(One Man Band)」作品レビュー


■ たか子の顔が浮かぶ

声優に有名俳優が名を連ねてて、主人公ワタル役は松たか子さん。少年役に女性の声優さんというのはけっして珍しくないけれど、どうしても「ワタル」じゃなくて「たか子」の顔が浮かんじゃうのだ。

アニメーションは特にキャラクターが大事。ワタルだけどたか子というのでイメージが安定しないのがいまいちキャラクターに入りこめない原因だね。

アニメーション作品では宣伝のため声優に有名タレントを起用するのがあたりまえになっているけれど、それって裏を返せば作品に自信がないからと受けとめられもする。

日本は声優文化(?)があるのだから、そういった土壌のベテランや才能豊かな声優さんを起用して、脇役のひとりに実は話題のタレントが! というぐらいがちょうどいい。

今作でいうと、キ・キーマ役に大泉洋さんぐらいにしておけばバランスがGOOD。そうできなかったのは、ほかがみんな有名タレントを起用してるからうちも、という理由なのだろうね。そういった流されやすい体質を匂わすのは、作品の質をも観客予備軍にある程度予測させちゃうことになるのにね。


■ ひとこと

今回は久しぶりに辛口になっちゃった。

でもね、なにかコメントするというのは少なくとも関心があるから。ノーコメントというのが一番ヒドいから。

宮部みゆきさんの本はいくつか読んだことがるよ(「ブレイブストーリー」は未読だけど)。
有名な作品で「クロスファイヤー」。読者にページをめくらせるのがとても上手な作家さんだと思った。そして実際に巧い。でも映画版も観たけど、こちらは矢田亜希子ちゃんが出ているだけの作品で、小説の良さを感じられなかった。

やはり、小説と映画は違うというあたりまえのところからはじめなければならんぞぉ。

映画「ブレイブストーリー」を観るかぎり、原作作家宮部さんはゲームが好きなのかな。好きだとしたらそれが邪魔をしている。好きだということは、自分が世界に入りきってしまう可能性がある。冷静に物語を構築することが難しくなるんだね。

仮にこれがひとりではなくチームでストーリーを作っていると、だれかがストーリーに熱く入り込んでも、だれかは冷静に分析・判断することがきる。ところがひとりだと「時間をあける」というぐらいしか冷静な目でみるチャンスがないんだ。
好きこそが及ぼすウィークポイントが目立ってしまったのかも。

なんだかんだいいつつ小説「ブレイブストーリー」は未読なのでなんともいえないけどね。

さて映画「ブレイブストーリー」だけど、お金はそこそあるのだろうから、じっくりとストーリーづくりかたはじめてほしい。そのときはもちろん私も力になるよ(笑)

観客不在という意味では、観客に「無礼」(ブ)な物語ともいえなくもない。

いやいや、タイトルは奇しくも「ブレイブストーリー(BRAVE STORY)」だったね。

ぜひ、借り物競争をやめ、勇気をもって研究してストーリーから作りこんでいってほしい。

さぁまずはキミ【が】勇者になることからはじめよう☆ 

……キミってだれ?(笑)

俳優ファン  - 有名タレントの声がきければOKなら
ファミリー   △ 最近の子どもの目は肥えてるから……。
デート    × 
フラっと   ×
脚本勉強  △ 反面教師としてならマル
演出     - 
笑い     × パロディでもないし笑えない
リアル    - 日本CG・アニメ界を表している意味ではリアル?
謎解き    - 
人間ドラマ - ありがち
社会     △ 町の様子はなかなかリアル 
CG      △ もっと活躍できる場所があるのでは? 使い方の問題。

4043611110 ブレイブ・ストーリー (上)
宮部 みゆき
角 川書店 2006-05-23

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07/26/2006

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
(PIRATES OF THE CARIBBEAN/DEAD MAN'S CHEST)

監督:ゴア・ヴァービンスキー
アメリカ/2006年/151分

ジャック・スパロウが活躍する世界観を楽しむ作品。間延び感はあるが、笑いのコネタが満載で大冒険活劇の名に偽りナシ!

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
ウィル・ターナーとエリザベス・スワンは結婚式の日に海賊ジャック・スパロウ逃亡を助けたとして投獄される。
ウィルはエリザベスを救うため、ジャック・スパロウが持つ携帯コンパス(羅針盤)を手に入れるため旅立つ。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ジャック・スパロウ
海賊船ブラックパール号の船長。

△ウィル・ターナー
鍛冶屋。

▽エリザベス・スワン
総督の令嬢。ウィルターナーの婚約者。

△デービー・ジョーンズ
幽霊船“フライング・ダッチマン”の船長。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
ジャック・スパロウが活躍する世界観を楽しむ作品。間延び感はあるが、笑いのコネタが満載で大冒険活劇の名に偽りナシ!

■「ジャック・スパロウわーるど」全開

2作目となる今作のはじめのジャック・スパロウ登場シーン。棺おけから出た手、そして顔を出したジャック・スパロウの姿に観客から思わず「オォ」という声が漏れた。

これがちょいと昔の劇場なら「いよっ!まってましたスパロウちゃん!」なんて掛け声が出るのだろうけれど、主役の登場シーンで客席から思わず声が出るというのは、ファンがたくさん観にきていたとうこと。

そのなかのひとりに私がいたことはいうまでもない。

早い話がこの第2作におけるジャック・スパロウ初登場シーンだけでファンはとりあえずOKなのだ。あとはこの作品世界をまるでディズニーアトラクションに参加するかのごとく楽しばいい。そんな作品である。


■ ちょっと間延び

いろんなところで言われてることだが、上映時間がちと長い。151分である。見せ場はたくさんあって大冒険活劇の名に相応しい作品なのだが、抑揚のテンポがいまいちだ。

もしもジャック・スパロウわーるどに入り込めなかったならば、途中で少し間延び感を味わうかもしれない。

本作は第3作へつづく「つなぎ」的な要素もあるわけで、程ほどの盛上がりをみせつつ、次へつなげる余韻を残して観客に先を期待させなければならないために、船でいえば沖に出ずに陸地に沿って浅瀬に気をつけながら航行をつづける巧みな航海技術を要する微妙な匙加減が必要である。

そのあたりを考慮すれば、ちょっとした間延び感さえも長い航海をたっぷり楽しめるというお得な要素と思えばそれもまた楽しいだろう。


■ 笑いのコネタが満載

どんなシーンも笑いのネタが豊富に散りばめられている。楽しみながら演じて(つくって)いる様子が伝わってくる。客席からも幾度も笑い声が上がった。

ちなみに2人組み(コンビ)で登場する海賊は映画によく使われるキャラクターの使用方法で、2人の掛け合いで場を和ませつつテンポも調整する役割を持っている。
こうしたコンビの元はといえば、黒澤明の「隠し砦の3悪人」の2人組みの農民だ。これからヒントを得てジョージ・ルーカスが作ったのが「スター・ウォーズ」シリーズにC3POR2‐D2というわけである。


■ ひとこと

第1作「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」と密接にリンクした内容になっているので、話の流れや登場キャラクターなどを忘れてしまっているともったいない。

ぜひ、第1作を観て間をあけずに観にいこう。

ジャック・スパロウというキャラクターがお気に入りなら楽しめること間違いなしだ。

作品世界の雰囲気を楽しむという性格の作品なので、全くの予備知識なしで観にいくような作品ではない。

エリザベス・スワン役のキーラ・ナイトレイはさすが旬の女優、紅一点輝いているゾ。


俳優ファン  ◎
ファミリー   ○
デート    ◎
フラっと   △ 
脚本勉強   △
演出     ○
笑い     ◎
リアル     -
謎解き    -
人間ドラマ  -
社会     -
アクション  ◎
世界観    ◎
キャラクター ◎

「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち(PIRATES OF THE CARIBBEAN)」作品レビュー

海賊ジャック・スパロウ役のジョニー・デップの主な出演作の紹介とインタビュー内容はこちら

▼前作はこちら↓

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07/24/2006

ワンマンバンド(One Man Band)

監督:マーク・アンドリュース

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
願いごとをしようとコインを一枚持ってやってきた少女・ティッピーは、広場にいたストリートミュージシャンの演奏に気を惹かれる。
ふたりのストリートミュージシャン(ワンマンバンド)はティッピーの持つコインをめぐって演奏対決を繰り広げる。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ベース
ストリートミュージシャン。打楽器と吹奏楽器中心のワンマンバンド。

△トレブル
ストリートミュージシャン。新入り。弦楽器中心のワンマンバンド。

▽ティッピー
少女。広場の噴水に願いごとをしようとコインを一枚持ってやってくる。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
一般的な意味でのワンマンバンドとは大道芸の一種で、ひとりで多くの楽器を同時に演奏するパフォーマンスです。
「ワンマンバンド」は映画「カーズ(CARS)」で同時上映される短編映画です。

この短い作品に込めれたメッセージは「カーズ」のテーマやメッセージをギュッと凝縮したものとなっています。長編(「カーズ」)と短編(「ワンマンバンド」)は共通したテーマやメッセージを持っているのです。


■ どこで1番になるの?

「カーズ」の冒頭では、主人公ライトニング・マックィーンがレースで1位になろうと、がむしゃらにがんばっていました。でも、レースで1位になることよりも大事なものをみつけた彼は王者にはなりませんでした。

レースで1位にならなライトニング・マックィーンみんなから尊敬され愛されるヒーローになることができたのです。

「ワンマンバンド」では、ふたりのストリートミュージシャンが、少女ティッピーのもつ一枚のコインを得るために演奏で競い合います。ふたりとも多くの楽器で音楽を奏でることができますが、その目的はコインです。一枚のコインを得るためにがむしゃらにがんばって演奏します。


■ こう考えてみよう

こう考えてみましょう。
ストリートミュージシャンは映像制作会社。楽器は映像表現技術、ここではCGとします。そして楽器の数や種類はCGをはじめとするビジュアルエフェクト技術の数々とします。

多くの楽器(CG技術)を駆使して次から次にライバルと競い合ってがむしゃらに演奏(CG作品制作)するワンマンバンドがいるとします。

コイン1枚というご褒美をめぐって過熱する演奏(CG作品制作)対決がはじまります。対決は激しさを増し、ついにはふたりのワンマンバンドが同時に演奏(作品制作)をはじめます。

すると演奏(CG作品)は騒音(駄作)へと変わり、おもわず両耳をふさぐ少女ティッピー。……すると小さな手からこぼれたコインは地面に落ちてコロコロと転がっていきます……。


■ 少女ティッピーの願いはなんだろう

CGという新しい表現技術を手に入れ、年々高性能になっていくコンピュータによって、それまで不可能とされていた映像をつくれるようなるにつれて、我先に最新のCG技術を使って作品を作りつづけてきたCG業界(みたいなもの)の有様を風刺的にあらわしたワンマンバンドの対決は、観客(少女ティッピー)がはたして何を求めているのかを読み取る作業を忘れているのでないかという大事なことに気づかせてくれます。

そもそも、少女ティッピーは1枚のコインをもって広場になにをするためにやってきたのでしょうか。

ストリートミュージシャンの演奏を聴きにきたのではありません。広場の噴水にコインを投げ入れて願い事をしようとやってきたのです。

少女ティッピーの願いごとはなんなのかと想像することもなしに、コイン目当てに少女の気を惹くために演奏合戦を繰り広げるワンマンバンドの姿はあなたの目にどのように映るでしょう。


■ ちょっとした演奏なら誰でもできる

少女ティッピーは小さな弦楽器のひとつを手にとると、さっさとチューニングを済ませてすぐに演奏をはじめます。なかなかの腕前です。すると見知らぬ通りすがりの人がコインがぎっしりと入った袋をドサッと置いていきます。

これはシャレのきいたシーンですね。

楽器の演奏、つまりCGを使った映像制作はパソコンとCGソフトさえあれば小さな子供だってはじめられます。

子供が作ったにしてはスゴい! 未来のCG作家現る! な~んてとりあげられて、それを観た投資家が融資してくれるなんてちょっとアリそうと思わせるところがシャレてますね。


■ 結婚式で例えるなら

どっさりとたくさんのコインを手に入れた少女ティッピーが2枚のコインをちらつかせてワンマンバンドたちの注意を惹き付けます。

はたしてワンマンバンドたちは念願のコインを手に入れることができるのか。

そして作品のラストシーンでワンマンバンドたちがとった行動こそが、結婚式で例えるならケーキ乳頭(ナイナイ岡村さんのギャク)、あ、いやケーキ入刀(はじめての共同作業)です。

ワンマンでがむしゃらに演奏(CG)技術を競い合ってきたきた者同士のはじめての共同作業とは?

それは作品を観てのおたのしみ。

ひとついえることは、とってもオチャメで、江戸っ子でいうなら「粋」な風刺画といったところです。


■「ワンマンバンド」のメッセージとは?

「ワンマンバンド」という作品を、CG作品として作る。これこそピクサーのメッセージなのです。

CG技術(多数の楽器と演奏技術)をがむしゃらに競い合って一枚のコイン(数字上だけの作品順位トップ)を手に入れる競争を続けていくことの滑稽さをCG作品で描いたピクサーの思いやメッセージはどんなものなのでしょうか。

それは、ストーリーの重要性です。

ピクサーの作品づくりでは通常、台本や絵コンテを作成しながらはじめにストーリーを組み立てます。ピクサーがひとつの作品を完成させる期間は4年間。そのうち半分の2年間をストーリーとキャラクターづくりに費やすといいます。

作品のはじめにするのはストーリーづくりです。それも2年。

「ワンマンバンド」のメッセージとはズバリこれです。

「ピクサーはCG屋ではない。ストーリーテラーである」

そしてこのメッセージをCGを使った物語で伝えていることが、作ればヒット!の常勝軍ピクサーのチョットばかり、いや、かなり超越しちゃった感アリのオチャメさも忘れない貫禄といったところなのですネ。

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07/23/2006

『LIMIT OF LOVE 海猿』2種類の涙

映画『LIMIT OF LOVE 海猿』がニューヨークで上映されて、船がまさに転覆しようとしているなかで主役の男性が携帯電話を使って恋人にプロポーズするシーンで爆笑をさそったそうです。

さて「ねるとん告白タイム効果でわかる、海猿人気の秘密」の記事でも触れましたが、「LIMIT OF LOVE 海猿」を単体の映画作品として観ると、ストーリー構築や演出に限っていえば、お世辞にも上手とはいえません。

それにもかかわらず日本中が涙した……いや観客の多くが涙したのはなぜでしょうか。……ニューヨークでは爆笑したというのに。

その秘密を解く鍵は「親密度」と「感情移入」です。

はじめて会う知らない人よりも、何度も会っているよく知っている人のほうが親近感がわくのと同じことが映像作品にも当てはまるのです。

日本では「海猿シリーズ」といわれるだけあって、原作漫画、映画、テレビドラマと様々な形で観客・読者と接してきた「海猿」は、日本人にとっては見知らぬ外国人ではなく親しいご近所さんだと思える存在になっていたのです。

一方、ニューヨークの多くの人々にとって「海猿」との出会いは、ほとんどが「はじめまして」だったと考えられます。

これは、映画単体でみればコントにしかなりえないような内容で「爆笑涙必至」

でも、漫画・映画・ドラマといった一連の流れに乗った人々には「感動涙必至」になるというわかりやすい例になっています。

「笑い」と「涙」。

笑いすぎると涙が出てくることがありますよね。「海猿」はいちげんさんには笑いを提供し、常連さんには涙を提供するふたつの楽しみ方ができるようになっているのです。ってこれは狙ってそうしたのかな?

映画『LIMIT OF LOVE 海猿』を単体として観ると、コントしか思えない内容ですので、おそらく狙ってそうしたのでしょう。

個人的には第1作の映画「海猿」のほうが断然好きです。若者のひと夏の恋物語といったかんじで抑えた地味さ加減が絶妙だったから。

連続ドラマを挟んだ第3作『LIMIT OF LOVE 海猿』はお金も話題も集まったからちょっと遊んじゃえ! というような愛嬌あるワルガキくんがイタズラを思いついたて頬を緩ませる、そんなニオイがしました。

ツッコんで笑って涙するか、信頼の物語(友情・愛)に涙するか。

あなたはどちらの楽しみ方をしたかな?☆ 

『LIMIT OF LOVE 海猿』作品レビュー

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07/21/2006

「サイレントヒル」の評判がいいワケ

映画「サイレントヒル」のクチコミでの評判が上々だ。

ウェブログの映画レビューをはじめとするネットのクチコミをみてまわると、おおむね評判がいい。

「サイレントヒル」はホラーであり、かなりグロテスクな描写もあって惨たらしいと思えるようなシーンもある。

それにもかかわらず、映画館はカップルや若い女性の姿が多いという声もきこえてくる。

私が足を運んだ映画館でも、ホラー作品の上映館では普段あまり見かけない客層(ファミリーや若い女性客)が多かった。

ゲーム「サイレントヒル」は4作あり、全世界でシリーズ累計530万本以上を売り上げた。そのためゲームファンの関心が高かったことからウェブログをはじめとするネット上での作品への感想・レビューが多くUPされたようだ。


では、なぜ「サイレントヒル」は評判が上々なのか。

それは、ゲームをプレイしたことがある人にとって最も大事なところがしっかり押さえられているからだ。

最も大事なこと、それは「雰囲気」だ。

ビデオゲーム(テレビゲーム)は映像も音もある。それだけに作品の世界観を小説よりも限定されている。

小説は基本的に文章だけなので、読者の脳内世界に浮かび上がった作品世界という雰囲気は読み手の数だけ多種多様だ。そのため、小説が映画化された場合、作品世界感について自分がイメージしたものと多少ちがっていたとしても、ある程度は許容範囲となる。

ところが原作が映像を含む作品の場合、今回の例ではビデオ(テレビ)ゲームの映画化ということになると、小説の映画化とおなじ許容範囲とはならない。

ゲームをプレイしたことがある人が、自分が感じ取った作品世界の雰囲気のイメージと合うと判断できる許容範囲は小説のそれよりもはるかに狭くなる。

なぜなら、ビデオ(テレビ)ゲームは文字のほかに映像も音もあるため、作品世界のイメージがほぼ固められているからだ。


映画「サイレントヒル」は評判がいい理由のひとつは、ゲーム版の雰囲気をとてもよく表現しているところにある。

監督はゲーム版がたいへん好きで、映画化にかなり力を入れたようだ。するとゲーム好きな人が映画化にあたってなにを一番重視するかを監督はよく理解していたことになる。

そういった熱心なファンの期待にじゅうぶんに応えることは作品の宣伝にきわめておおきな効果がある。映画の感想やレビューを書いてUPするのは、もともそ映画好きか、その作品を好きな人がおおいからだ。

こんにち、映画の宣伝を真にうけて観にいく作品を決める人はずいぶん少なくなった。

映画作品のテレビCMで、作品を観た観客の感想という形をとって宣伝しているのをよくみかけるのは、人が信頼しやすいのは宣伝マンの言葉ではなく、自分に近い一般の観客だということをある程度知っているからだ。

とはいえ、映画のテレビCMなので作品に肯定的な感想を述べる観客のカットしか使っていないのはあたりまえだが……。

いまどき、制作会社や宣伝会社からお金を貰って宣伝している有名人や評論家やライターの言葉を鵜呑みにする人をみつけるのは日本で太陽族をみつけるよりも難しい。

観客のリアルな感想はどうなの? というのを皆は知りたいのだ。

映画「サイレントヒル」については原作がビデオ(テレビ)ゲームのため、積極的に作品について感想を述べる(書く)、マーケティングのイノベータ理論でいうところの「アーリーアダプタ 」が重要なのだ。

アーリーアダプタは、ある商品・サービスが良いと感じたら、いち早くそれを手に入れ、感想をまわりの人々に話すからだ。

作品の性質を見極めて、よい宣伝になりうる可能性が最も高いポイントをしっかりおさえること――ゲームにおける「作品世界の雰囲気」――が大切なのだ。

というわけで映画「サイレントヒル」は、ゲームをプレイしたことがない人にとっては、主人公の身のまわりでいったいなにが起こっているのかわからないまま物語が進んでいくので戸惑うことになる。

しかし、こうした戸惑いは不安感を煽られて主人公と同じような気分を味わえるので、それを味わえるならばゲームをプレイしたことがない人でもじゅうぶんに作品を堪能できるだろう。

「サイレントヒル(SILENT HILL) 」作品レビュー

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海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)がついにやってきた!

「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」がいよいよ7月22日から公開です。

一足早く観た友人の話では、はやく次がみたい~! という終わりかただそうです。

第3作目へのつなぎ的なつくりなのかともちょっと思ったりもしますが、すでに「ジャック・スパロウわーるど」にハマっているわたくし「たか」としては、パイレーツ・オブ・カリビアンの世界観を堪能できると思うだけでドキドキです。

え? もっとクールに観て、客観的なレビューを書けって?

いつもそのつもりですが、やはり好きな作品の続編ということで楽しみなのです。

前作を観ていない方はぜひ観てから。観たひともぜひおさらいしてから劇場にいくほうがよいそうですよ。


第1作目のレビューはこちら↓

「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち(PIRATES OF THE CARIBBEAN)」作品レビュー


「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズはなんといっても海賊ジャック・スパロウのキャラクターが立っています。

ジャック・スパロウ役のジョニー・デップは先日、来日しましたね。そのときはたしか平日だったと思うのですが、空港にはたくさんのファンがつめかけました。

ジョニー・デップってだれだっけ? というアナタ。

彼は元々ロック歌手を目指していたんだけど、やがて「ある人」の紹介でニコラス・ケイジに会ったことがきっかけで俳優業もするようになったのです。

こんにちの俳優ジョニー・デップがあるのもその「ある人」のおかげかもしれないですね。――で、その「ある人」ってだぁれ?

その謎が明らかになるっているのはこちら→ジョニー・デップの主な出演作の紹介とインタビュー内容もあります。


さぁこれでジョニー・デップのおさらいは完了!

あとは「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」をおもいっきり楽しみましょう!

ちなみにディズニーリゾートがある舞浜駅、のすぐ隣にあるイクスピアリでは、いたるところに「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」のオブジェがあります。

広場のステージ上にはなんと宝箱が!

さすが日本のディズニーリゾートに一番近いところにある映画館が入っている施設ですネ。

観る前からテンションがあがりまくりになることはまちがいなしです。

たかも早く観たいです!☆

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07/19/2006

カーズ(CARS)

監督:ジョン・ラセター
アメリカ/2006年/122分

カーズ [DVD]
カーズ [DVD]ジョン・ラセター

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2006-11-08
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star自動車の擬人化に成功している。
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テーマ・メッセージ選びの段階ですでに成功の常勝軍ピクサー(ディズニーに買収された)貫禄の一品。無意識レベルの観客の願望を読み取って解消するヒアリング能力の高さとそれを形にする最適任スタジオがどこかを知らしめ、CGとスピードのマッチングの良さも見事に披露している。

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
ピストン・カップ史上最年少優勝をめざして人気沸騰中の若きレーサーであるライトニング・マックィーンはある日、ルート66号線沿いの地図から消えた田舎町ラジエイター・スプリングスに迷い込む。
街のみんなと触れ合ううちにライトニング・マックィーンは人生で(車生)で大事なものに気づく。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ライトニング・マックィーン
レーシングカー。ルーキー・レーサー。

△メーター
レッカー車

▽サリー
2002年型ポルシェ911。弁護士。

△ドック・ハドソン
1951年型ハドソン・ホーネット。町医者。修理工場経営。

△チック・ヒックス
ベテラン・レーサー。万年2位。姑息な手を使って上位を狙う。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
テーマ・メッセージ選びの段階ですでに成功の常勝軍ピクサー(ディズニーに買収された)貫禄の一品。無意識レベルの観客の願望を読み取って解消するヒアリング能力の高さとそれを形にする最適任スタジオがどこかを知らしめ、CGとスピードのマッチングの良さも見事に披露している。

■ 徹底した車社会

本作には人間が登場しない。人間に限らず、他の動物も登場しない。徹底した車社会になっている点はあっぱれだ。

「ファインディング・ニモ」は海の生物を中心としていたが、それでもやはり人間が少し登場した。ニモが人間のダイバーにとらわれたという設定のため、どうしても人間が登場するシーンが必要だったわけだが、人間が少しでも登場することで観客の視点がたとえ一瞬でも魚から人間に移ってしまうのは、まるで夢の世界から現実の世界へ引き戻されてしまうかのようでちょっぴり残念だった。

しかし「カーズ」には人間は登場しない。登場するのは車だけである。にもかからわらず車の種類というのはたくさんあり、車ほどキャラクターを反映するものもほかにない。


■ どんな車に乗っているか?

車を買う場合を想像してもらいたい。たとえ買わなくても、どんな車を運転したいか(乗りたいか)と想像してほしい。

それはあなたが他人からどのように見られたいかを反映している。

特に田舎では、どんな車に乗っているかは、ファッションの一部にとどまらず、その人物の性格や考え方といった内面をも他人にイメージさせる重要な要素となっている場合が少くない。

いわゆる都会の、車をあまり利用しない地域や状況においては、車にとってかわるものはファッションだったり携帯電話だったりする。

都会に限ったことではないかもしれないが、特に若者の会話においてはどんな携帯電話を使っているかが話題になることが多い。

新しいモデルが出るごとに機種変更をしたり、2つも3つも携帯電話を持っていたりする人もめずらしくない。

わたしは携帯電話は基本的に使えればいいと思っているので、機械の調子が悪くでもならない限り同じ機種を使いつづるようにしているが、都会に住む比較的若い人たちの会話には携帯電話の品番(型番?)がたくさん登場する。さらに新しい機能についてあれやこれやと皆とても詳しい。

それってそんなに熱心に話すこと……? と思ってしまうあたりがもうアダルト(?)なのかもしれないが、もしかしたら当り障りの無い話題で会話のとっかかりをつかもうとしているだけなのかもしれない。そう、一昔前のプロ野球の話題をすればよかった古きよき(?)時代のように……(笑)。

アメリカ合衆国はよく車社会といわれるが、もしろん車をもっていない人もたくさんいる。しかし車はアメリカ合衆国にかぎらず、それに乗る人の生活水準と趣味を最もよく表す記号として使われている。こんなにキャラター付けがしやすい記号もないだろう。

というわけで、車というキャラクターが登場する世界で繰り広げられる「カーズ」はCGやアニメーションにおいて重要なキャラクターという面でたいへん優位であるといえよう。


■ CGとスピードのマッチングの良さ

主人公はライトニング・マックィーンはレーシングカーだ。当然、レースシーンがある。そこで描かれるのはスピードである。

前作「Mr.インクレディブル」は「カーズ」の監督とは違う人が監督した作品だが、そこに登場した少年ダッシュは、時速300kmで走り抜けるスーパー・ランナーで、自分の走りのあまりの早さに、自分でも気がつかなかった能力を発見してしまうほどだった。

ほかにも「Mr.インクレディブル」ではミサイルをかわそうとする飛行機のシーンがスピード感に溢れていた。

このことから、ピクサーはかなり早い段階からCGとスピードの相性の良さに着目していたようだ。その集大成が「カーズ」なのである。

「Mr.インクレディブル(THE INCREDIBLES)」作品レビュー


■ お初? 悪役登場!

これまでのピクサー作品には単純な悪役はあまりいなかった。
「Mr.インクレディブル」の悪役シンドロム(バディ・パイン)でさえ、元スーパー・ヒーローオタクで発明好きな少年がちょっとした心の傷を負ったがためというものであった。単純な悪役ではなく、見方を変えれば悪役とはいえない事情をもっていたともいえる。

しかし「カーズ」におけるベテランレーサーのチック・ヒックスは、車体をぶつけるなど、ありとあらゆる姑息な手を使ってもレースで優勝しようという悪役として登場する。

しかしながらここでもヒッチ・ヒックスはほんとうに悪い奴なのかという問いが浮かぶが、かならずしもそうともいいきれない。レースにかぎらずどんなスポーツであれ、あらゆる手をつかって勝とうとするのが普通だからだ。勝つための方法が、人の見方によては「姑息」と映ることもあるということだ。

カーレースをはじめとするスポーツの現場ではチック・ヒックスみたいなのはあたりまえだとすると、ではありきたりな悪役を登場させるわけとはなんだろうか?


■ 常勝軍だからこそのメッセージ(一部ネタバレあり)

チック・ヒックスみたいな奴がゴロゴロいる社会で必死に1位になることがそれほど大事なのか? いいや、1位になることよりも大事なことがあるんだよ。

そんなメッセージが込められている「カーズ」は、作った作品すべてがヒットしている常勝軍ピクサー(ディズニー/ピクサー)だからこそいえることなのだ。

ライトニング・マックィーンにしたって、若くてルーキーだが走りの才能があってレースで優勝できる実力があるとだれもが認めるからこそ、1位にこだわらなかったことでヒーローになれたのだ。

1位になれる実力がある、もしくは1位になったことがあるからこそいえること。それが1位になることよりも大事なことがあるというメッセージなのだ。

このメッセージを伝えるのにピクサーほど適任はいない。テーマ・メッセージ選びの段階ですでに成功している。これぞ常勝軍の貫禄である。

大金はむなしい。と大金持ちが言ったとしても庶民はお金がほしいもの。なぜならそんな大金を持ったことがないからだ。

たぶんこれからも大金など手にすることはない。ならば、大金はむなしいと大金持ちが言ってくれることで、大金を持ったことがなくこれからも持つことが無いであろう自分が「大金を持つ」という叶わぬ度99パーセントの「しがらみ(別名は『夢』)からひとときでも自由にさせてくれたらいいなぁという庶民の無意識レベルの願望を見事に聞き入れた内容でもある。観客の願望をよく知っているのである。

もちろん、自分の価値観を持って周囲の家族や友人を大事にすることのすばらしさを伝えていることにはかわりない。

ちなみのこのメッセージは同時上映の短編作「ワンマンバンド」の根底にも含まれている。

「ワンマンバンド(One Man Band)」 作品レビュー


■ 期待が大きすぎるのか……。

「カーズ」は他のピクサー作品にもれず、たいへん完成度が高い。独走状態である。――それ故に、大きな期待を寄せてしまう。

例えるなら、毎日最高級の大トロを食べつづけて、おいしいものの感覚がちょっとおかしくなってしまったかのようなものである。

つまり、とてもよく出来た作品にもかかわらず、もうひとつ何かがほしかったようなに思えてしまうのだ。

それは、若くて勢いがある新人レーサーだが友人もサポートクルーもいない主人公が、田舎町で素朴でいい車たちに出会って変化するというのは、いかにも予定調和と感じてしまうということだ。ってそれはゼイタクというものである。

ありがちな話というのはそれだけみんなに愛されているということだから、あとはそれをどのように描くかが大事だ。その点「カーズ」は車を主人公にしてきれいなCGで物語ってくれた。それだけで充分すぎる程である。


■ 友人(友車)ができるまで

物語のはじめにライトニング・マックィーンが唯一、友達と思っていたのは電話でしか話したことがなかったエージェントだ。エージェントが自分に親身になってくれているように感じたライトニング・マックィーンだったが、それは彼が金ヅルだからだ。

利害関係だって立派な「関係」だが、友人関係とは違う。ライトニング・マックィーンはラジエイター・スプリングスでメーターという友人(友車)を得る。やがてメーターだけでなく街の車たちみんなが友人(友車)になるのだ。


■ ひとこと

一見すると子供向けではないようで、実は「大人が楽しめて子供にも観せたい」と思わせるところがほんとうにウマイなぁと思う。

大人が見ても楽しめる作品というよりも「子供が見ても楽しめる大人向け作品という売り方」が一歩も二歩も先を行く独走状態の秘訣というかんじでニクイところだ(^^)


おすすめレビュー
京の昼寝~♪さんの「『カーズ』(字幕版)」
マックィーンとドッグ・ハドソンとの関係について、ハドソンの声を担当したポール・ニューマンを中心に書かれています。

俳優ファン ◎ 声優が豪勢
ファミリー  ○
デート    ○
フラっと   ◎
脚本勉強  ○
演出     ◎ 
笑い     ○
リアル    - 車が喋ってますから!
謎解き    - 
人間ドラマ - 車社会ですから!
社会     ○ 
CG      ◎ 


ピクサー関連作品レビュー

○「Mr.インクレディブル(THE INCREDIBLES)」レビュー

○「ファインディング・ニモ (FINDING NEMO)」レビュー

○「モンスターズ・インク(MONSTERS,INC.)」レビュー

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07/16/2006

キミも船長に―横浜マリタイムミュージアム(帆船日本丸)―

横浜マリタイムミュージアムは、横浜みなとみらい21地区にある海事博物館です。

ここは日本丸メモリアルパークという緑地、帆船日本丸、そして横浜マリタイムミュージアムの3つからなる地区で、桜木町駅から歩いて3分ほどの場所にあります。

日本の博物館のなかでも江戸末期~明治・大正・昭和といった時代はけっこう好きで、横浜はそのあたりの歴史が色濃く残っているので、時間を作っては少しずつ博物館や歴史ゆかりの地をめぐっています。

そんななか、横浜マリタイムミュージアムは桜木町駅前にあるので、いつでも行けると思いつつなかなか機会がありませんでしたが、やっと足を運ぶことができました。

横浜マリタイムミュージアムのある場所はちょっとわかりづらいんです。なぜなら、帆船日本丸の隣にある扇形の建物の地下にあるためです。地下は海面より低いところにあります(窓はありません)。

扇形の建物の屋上は、海に向かったスロープになった芝生の広場になっています(この芝生からちょうと正面あたりにコスモクロックという観覧車が見えます)。

なぜ扇形の建物の地下に博物館があるかというと、帆船日本丸が周囲からよくみえるように配慮したためです。


では横浜マリタイムミュージアムでの私のお気に入り展示をご紹介しましょう。

まず、19世紀以降の船の発達を、船の模型と42メートルの壁画に描かれたシルエットで知ることができる展示です。

特に42メートルにわたって壁画に描かれた船のシルエットがいいんです。どこがいいかというと、お気に入りのある船が、他の船と比べてどのくらいの大きさなのかがひとめでわかる、というところです。

さらにシルエットで描かれている利点は、船の形がより強調されて、商船、艦船といった種類の特徴が浮き彫りになりところにあります。

たとえば、船の模型がひとつだけ展示されていたとします(【注】マリタイムミュージアムにはたくさんの船の模型が展示されています)。模型がひとつだけだと、たとえキャプションに船の全長と総トン数がが表示されていたとしても、船の大きさというのはピンときません。

でも、42メートルの壁画に描かれた船のシルエットを見れば、他の同時代の船との大きさの差が一目瞭然となるのです。すばらしい!

贅沢をいえば、壁画に描かれた船のシルエットは左から右へ時代順になっているので、できれば映像装置かなにかで1868年ごろのある船と1950年ごろのある船とをならべてシルエットを表示できるようになっていたら、時代を超えてさまざまな船と比べることができるのでなお良いと思います。

船好きはあの壁画を一日中見ていても飽きないでしょう!

ほかにいくつか興味深い展示をご紹介しましょう。

■「ロープワーク」

帆船で使われるロームの結び方を実際のロープで結んでみることができるものです。
私は小学生のころに少年冒険団といったような、いわゆるボーイスカウトみたいなものに参加していたので、ひさしぶりに目にした結び方――もやい結び――に思わず懐かしさがこみ上げてきました。


■「帆走シミュレーション」

これは風向きにあわせて帆をはり、島や浅瀬をさけてゴールを目指す映像によるゲームみたいな体験展示施設です。予定している航海日数以内にゴールにたどり着かなければならないので、風向きをみながらゴールをめざしましょう。


■「生きている横浜港」

これは横浜港内の3ヶ所のカメラによる港の生中継映像を、手元の装置でカメラを操作(回転・上下・ズーム)して見ることができるというもの。

この生中継映像画面が3つあるのですが、これがデカい! しかもかなりズームインできます。たとえば大桟橋のウッドデッキにいる人の判別がしようと思えばそこそこできるほどです。


■「操船と航海計器」

これは操船シュミレーションです。横浜港を航行する船の操縦席からの映像を使って体験できるシュミレーションで、実際に操縦席から操船している気分になれます。

でも、音声による船長の指示(低速・中速・高速、面舵30度など)どおりにしないとどんどん減点されて、ゼロになるとゲームオーバーになってしまいます。

コツは面舵・取舵の操作を早く勢いよくすることです。ゆっくり回していると操作が遅いとすぐ減点されますよ~。


ほかにも、映像による紙芝居(5~6分9)みたいな展示があったり、横浜港の埋め立て方法を説明する展示があったりと、船好きならじっくり見て回ったらまる一日たのしめるでしょう。


横浜マリタイムミュージアム(帆船日本丸)

入館料 高校生以上 600円
      小・中学生  300円

入館チケットで帆船日本丸も見学できます。
(わたしは時間が無くてまだ日本丸を見学していません。日本丸見学チケットに有効期限はないそうなので、次回に乗船するのが楽しみです)

(博物館の詳細は上記HPにてご確認ください)

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07/15/2006

ドラマ「タイヨウのうた」

TBSドラマ「タイヨウのうた」金曜日22時放送

映画版では女性目線の作品作りだと感じたけど、ドラマ版は男性目線の作品づくりのようですね。

というのは藤代孝治(山田孝之)のキャラクター設定に深みが出ていたから。

映画『タイヨウのうた』作品レビュー

映画版では孝治クン高校生だったがドラマ版では19歳のフリーターになっていた。

住み込みでお弁当工場で働く孝治クンはタコ型ウィンナーを作り続けてウン年。でも、突然解雇されてしまいます。業績悪化によるリストラの対象になったのです。

中年男性社員によると、君は若いし夢があるだろうからこんなところでバイトなんてちまちまやってちゃいかんというのです。

「マッドシティ」という映画があります。これはジョン・トラボルタとダスティン・ホフマンによる社会派ドラマです。この作品では、博物館の警備員のサム(ジョン・トラボルタ)はリストラで解雇されます。

警備員をひとり解雇しなければならなくなったのでサム(ジョン・トラボルタ)が選ばれた理由(タテマエみたいなもの)は、彼が白人だから。たしかもうひとりいた警備員はアフリカン・アメリカンだったような気がしたけど、とにかく白人ではないので、解雇されたら再就職はたいへんだろう。だから白人のサム(ジョン・トラボルタ)を解雇するというものでした。

白人にだって貧しい人はいる。いわゆるプァホワイトといわれる人たちのなかには、低賃金で働くアフリカンアメリカンが自分たちの職を奪っていると怒っている人もいます。

さて、ドラマ「タイヨウのうた」では、孝治クンは19歳という若さのために解雇されます。弁当工場の中年男性社員が言う、君は若くて夢があるだろうから、というタテマエは実際にありそうなところが現代日本をよく表しているかも。

こうして孝治クンは学生でもなく、成人でもなく、フリーターでもなくなってしまいます。

若い女性の青春モノってけっこうありますが、若い男の青春モノって少ないかも。そこで孝治クン役に山田孝之さんを抜擢。彼はイケメンですが ただのイケメンではありません。影があるイケメンです。演技も上手ですのでいい配役だと思います。

がしかーし。雨音薫役の沢尻エリカさんはどぅなんでしょう……?

映画版のYUIと比べてしまうからなのかもしれないけど、沢尻エリカさんはという雰囲気をうまく醸し出せていないようです。タイヨウに当れないで夜にひとりで公園(駅前)で歌ってきた孤独感が薄いのです。

これはイメージに過ぎませんが、夜はクラブ通いでブイブイいわせ、もしもバブル期ならジュリアナお立ち台よ~ってなかんじ、もしくは今夜の集会ビシっとキメるんでそこんところ四露死苦ぅ! みたいな雰囲気が沢尻エリカさんからはプンプンしてます。

そもそも彼女はスタイルもよくて綺麗だし、沢尻エリカさん演じるところの雨音薫ちゃんが住んでる家も映画版の庶民系からリッチ系に、まるでトレンディドラマ(死語?)に出てきそうな部屋になっているしで、ちょっと感情移入しにくいんです。

そして、他の登場キャラクター。特に女性陣がみな同じ人にみえるのは私だけ……? 系が似ているんですよね。もちろんみんな綺麗なんです。

あ、ベッキーはすぐわかりましたヨ。

映画版の岸谷五郎みたいな、パンチのある俳優さんを起用してほしかったな。

とはいっても、まだドラマ1回目。回を重ねるほどにうまくはまっていくかもしれないですね。

それにしても沢尻エリカさんって、矢田亜希子さんに似てませんか?

B00005HC7Oマッド・シティ
コスタ・ガブラス ダスティン・ホフマン ジョン・トラボルタ
ワーナー・ホーム・ビデオ 2000-04-21

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07/14/2006

サイレントヒル(SILENT HILL)

監督:クリストフ・ガンズ
アメリカ・日本・カナダ・フランス/2006年/126分
ホラーアドベンチャービデオ(テレビ)ゲーム『サイレントヒル』の映画化作品

じわじわと忍び寄る、人間の弱さを負の側面から炙り出す恐怖を効果的なビジュアルエフェクトで描いた上質ホラー作品。ダーク・ナース集団との「サバイバルdeだるまさんがころんだ」は手に汗握るゾ。ホラーが苦手でなければ観逃すな!

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
少女シャロンはときおり悪夢に魘され、幾度もサイレントヒルの名を口にする。そこで母親ローズはウェストバージニア州の街サイレントヒルにシャロンを連れて行く。町の入り口で自動車事故にあい、ローズはシャロンを見失う。
ローズは娘シャロンを探して、現在も地下火災が続いて廃墟となったといわれるサイレントヒル内を捜索する。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
▽ローズ
女性。シャロンの母親。

▽シャロン
少女。ローズの娘(養女)。

▽アレッサ
謎の少女。シャロンとは瓜二つ。

▽シビル
女性。警官。

△クリストファー
男性。ローズの夫。

△グッチ
男性。刑事。

▽クリスタベラ
女性。サイレントヒルの権力者。狂信的宗教団体のリーダー。

▽ダリア
女性。サイレントヒルを徘徊する。住人から忌み嫌われている。

▽アンナ
女性。サイレントヒルの住人。

--------------------------
▲レッド・ピラミッド
三角形の頭を持つ。巨大な剣で破壊の限りを尽くす。

▲グレイ・チャイルド
幼児のような風貌。集団で襲い掛かる。

▲アームレス
顔と腕がなく、強力な酸を放出する。

▲ジャニター
ミイラ化した元小学校清掃員。闇に包まれると動き出す。

▼ダーク・ナース
顔のない元ナースたち。光に反応して動く。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
じわじわと忍び寄る、人間の弱さを負の側面から炙り出す恐怖を効果的なビジュアルエフェクトで描いた上質ホラー作品。ダーク・ナース集団との「サバイバルdeだるまさんがころんだ」は手に汗握るゾ。ホラーが苦手でなければ観逃すな!

■ ビジュアルエフェクト

サイレントヒルを闇が包み込んでいくときの、まるで建物の壁が焼け落ちて朽ちていくかのようなビジュアルエフェクトの使い方がいい。ゲーム版の雰囲気や世界観とてもよく表現している。

ここでひとつ大事なことをおさらいしておこう。
ビジュアルエフェクトの基本は、なにかを表現するために用いられる補助的なものである。ビジュアルエフェクト自体が目的になってはならない。

なぜなら、ビジュアルエフェクトが主目的になった作品が向いている方向は観客ではなく、制作者になりがちだからだ。

この点において「サイレントヒル」はきちんと観客のほうを向いている。ビジュアルエフェクトはサイレントヒルという場所とそこを闇が包み込む際の様子を表現する方法のひとつとして用いられているのであり、ビジュアルエフェクト自体が主役ではないからだ。

因みにビジュアルエフェクト・CG自体が目的になっているかのような印象を与える作品の例としては「ローレライ」がある。

「ローレライ(LORELEI)」作品レビュー

さらにビジュアルエフェクト・CGの用い方にもおおまかに2つの方向性がある。

ひとつは新たな世界観や独自の世界観を表現するために使うもの
(例)「嫌われ松子の一生(Memories of Matsuko)」作品レビュー

もうひとつは過去の現象・時代を再現するために使うもの
(例) 「ALWAYS 三丁目の夕日」作品レビュー


■ 主人公~母親~

ビデオ(テレビ)ゲーム版では父親が主人公だったはずだ。しかし映画化にあたり、母親を主人公へと変更している。

聖書には「いなくなった羊」を探す羊飼いのたとえ話があるので、愛する子を探すのは父親でも違和感はさほどないが、やはり欧米にかぎらずアジアでも母親の深い愛というのは共感を得やすい。

たとえ父親から母親に主人公が変更になったとしても、キャラクターの能力には大差はない。というのは「サイレントヒル」の主人公はスーパーヒーローでもなければ、特別な能力を持つ者でもない、普通の人間なのだ。

PS版「サイレントヒル」の主人公の父親の体力は人並みで、しばらく走ればハァハァと息を切らす。舞台がアメリカ合衆国とはいえ銃器の扱いには慣れておらず、拳銃を手に入れても、射撃の訓練をしたことがないであろうことから至近距離でしか威力を発揮しない。戦うよりも危険を回避して娘を探し回るといった、一般人そのままのキャラクターが主人公なのだ。(ちなみに映画版「サイレントヒル」のローズが使う武器というアイテムはジッポと小さなナイフぐらいなものである)

そんな頼りになりそうもない主人公でいいものかと思われるかもしれない。だが子を想う親の愛はなによりも強いというではないか。たとえその子(シャロン)が養女であったとしてもだ。

そもそも観客は自分との共通点を全く見つけられないような主人公には感情移入しにくいものだ。「ロード・オブ・ザ・リング」の主人公だって、魔法もできないし、剣術だってほとんどできない。それは多くの観客と共通する点だ。


■ 恐怖の対象はなにか

人々が何を恐れているのかを知れば、その社会・時代を最もよく知ることができる。そういった意味で、ホラーというのは風刺と相性がいい。

例えば68年の『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』における恐怖の対象とはヒッピーであったともいえよう。恐怖の対象はアメリカ国外の脅威ではなく、自国内の若者=ヒッピーという得体の知れない不気味な存在がいつの間にかジワジワと自分のテリトリーを侵蝕していくかのような不安感を見事に映像化したもの、それがゾンビ映画だったわけだ。詳細はこちらのレポートをどうぞ。

【深夜の課外授業】ゾンビでわかるアメリカ合衆国
  ~けっして日没前には読まないでください~

さて今作「サイレントヒル」での恐怖とはなにか。それは「盲信」である。

信じるものがあるのはいいことだが、それに頼りすぎると自らの判判断力を鈍らせることになる。人は弱いものである。判断と決断を信頼できるだれかに委ねることができるというのはとてもでもある。

明日からなにをするか自分で決めなければならないとなったらどうだろ? 普段からしたかったことを喜んでしても、数週間後にはやり尽くしてしまう。たとえ世界中を旅しても1年もあれば十分だ。

明日なにをするか自分できめなければならないのは実はけっこう辛い。明日はあれをしなければならないと決まっているのは実はなのだ。

1ケ月も好きな事をしていたら、あなたはふと思う。明日も明後日も、来週も再来週も、何をやるかを誰かに決めてもらえたらどんなにいいことか――と。

●●さえ信じてそれの指示の従っていればよいと、己の判断と決断をすべて誰かに委ねてしまいたいと思う、そんなあま~い誘惑から逃れることはなかなか難しい。

サイレントヒルの住人たちの大多数がクリスタベラが率いる盲信的宗教団体にすがるのは、闇から逃れて助かりたい願いの根底に、そもそもこのあま~い誘惑に打ち勝つ事ができないからだ。

盲信的団体運営のために必要なこと、それは差別である。なにか(だれか)を差別することで、差別から逃れた者に優越感と感謝と安心の気持ち持たせることで結束を保つのだ。

映画「サイレンヒル」で差別の対象とされたのは少女アレッサであるが、作品の肝の部分なので詳細は書かない。

さて結束において「内部における区別」よりも強力な効力が期待できるのは「外敵の設定」である。外なる敵に対抗する為に内なる敵とも手を結ぶなんてことはありがちだ。

ということで、集団・組織の運営には欠かせないものが内においては差別であり、外においては外敵なのである。

そして差別と外敵を利用する集団・組織は、個人プレーを嫌う。

「集団・組織 × 個人」といった構図で読み解くとわかりやすい。

主人公ローズがサイレントヒルでひとりで娘・シャロンを探すのも、女性警官シビルがたいていは相棒とコンビを組んで仕事するにもかかわらずひとりで動いているのも、謎の少女アレッサがいつもひとりで姿をあらわすのも、ダリアがサイレントヒルの住人たちから忌み嫌われてひとりでいるのも、こられはすべてクリスタベラ率いる妄信的宗教団体との対比を明確にすることで、作品における恐怖=盲信を浮き彫りにするためである。


■ じっくりじわじわと浸透していく恐怖

じわじわと忍び寄る恐怖。人間の弱さを負の側面から炙り出した恐怖。これが「サイレントヒル」の恐怖だ。

逆にいえば、遊園地のビックリお化け屋敷みたいな仕掛けや演出はしていない。

「ブギーマン」にみるように、ホラーにはデートムービーという需要に合致する「ワーキャー絶叫ショッキングホラー」というジャンルがある。

「ブギーマン(BOOGEYMAN)」作品レビュー

「サイレントヒル」はホラーだが「ブギーマン」とは種類が違うホラーなのだ。

お化けで怖がらせようというのもでもなく、ビックリドッキリ演出で怖がらせようというのでもない。

人間の弱さを負の側面から炙り出す恐怖を、サイレントヒルという街を舞台に、じっくりとじわじわと侵食してくるかのように味わえるホラーなのである。


■ ひとこと

監督は「ジェヴォーダンの獣(2001)」のクリストフ・ガンズ。独特の映像センスで世界観を構築できる監督だ。アクションや格闘技が好きな方には特に「ジェヴォーダンの獣(2001)」はおすすめだ。

「サイレントヒル」は品質がいい。ビジュアルエフェクトの使い方も絶妙だし、作品世界の雰囲気をしっかり醸し出しているし、恐怖の題材・テーマも明確だ。

光に反応するダーク・ナース集団との「だるまさんがころんだ」みたいなシーンも手に汗握る。ダークナースってネーミングもいいし、その動きがえぐい!

レッド・ピラミッドの巨大な剣で襲い掛かってくる迫力もすごいゾ。

サイレンの使い方は日本映画「サイレン」よりも格段に身震いができる使い方をしている。

「サイレン FORBIDDEN SIREN」作品レビュー

ゲーム版でもそうだが、闇に包まれたときにのバックミュージックというか効果音が映画でも使われていて、なんともいたたまれない恐怖感を煽っている。

エグイ系の描写があるのでそういうのが苦手な人には向かないが、かなりの上質ホラー作品なので、普段ホラー作品にあまり縁がないという方も、夏なのでおもいきって観にいってみよう。おすすめだ。

繰り返しになるが「サイレントヒル」はワーキャーと盛り上がれるデートムービーとしてのホラーではないので、はじめてのデートで観るのはやめておこう(デート相手がゲーム版「サイレントヒル」のファンならば別だが)。

ちなみに建物の名前などがホラー関連のものになっているそうで、あなたは気づいたかな?
どこにどんな名前が? はこちら↓をどうぞ。
arudenteな米さんの「サイレントヒル」

おすすめレビュー
映画をささえに生きるさんの「サイレントヒル」
↑風刺的なところと、恐怖の根源についてとても深くわかりやすく書いてあります。ぜひ読んでみて。

俳優ファン  ○
ファミリー   ‐
デート    × デート用ホラーではない
フラっと   ◎ 
脚本勉強  ◎
笑い     -
リアル    - 
謎解き    ○
人間ドラマ ○ 人間の弱さ
社会     ◎ 風刺
映像     ◎ 造形・美術・映像が上手
世界観   ◎ 


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W杯ジダン頭突きと映画「隠された記憶」

W杯決勝戦。フランス × イタリア。


ジダン選手がイタリアのマテラッツィ選手に頭突きしたことでクローズアップされたのが「移民」です。


アルジェリアはフランスの旧植民地であることからも、フランスにはアルジェリアからの移民が数多くいます。


移民や難民を積極的に受け入れてきたフランスは、サッカーフランス代表選手にも移民2世、3世がいます。


ジダン選手はアルジェリア移民二世です。また、アンリも移民の子です。


フランスでは過去に、経済格差・貧困・差別によって移民の若者を中心とした暴動が起きたことがあります。


アルジェリア移民2世のジダンがサッカーで活躍すればするほど移民たちは喜びます。


ジダンは移民たちの希望の星であり、フランスの人種・民族政策の成功の象徴にもなっているのです。


こういった背景が、ジダンがフランスで英雄となった理由のひとつでもあります。


サッカーの試合、とくにW杯には各国の歴史背景が様々に反映されます。


今回の「頭突き」によって、フランスでの暴動以外では、日本ではあまりクローズアップされることが少なかった移民問題に注目が集まりました。


サッカーを観ることで見えてくるもの。今回は移民問題ですが、こういったことは映画にもリンクします。


フランスのアルジェリア移民が重要な鍵となる映画作品に『隠された記憶』 (監督:ミヒャエル・ハネケ/2005 / フランス、オーストリア、ドイツ、イタリア) があります。


『隠された記憶』は観客に楽をさせてはくれませんが、その観方や読み取り方の多様性を楽しめる作品です。


物事を読み解く鍵――今回でいうところのフランスのアルジェリア移民――は、いたるところにあります。サッカーや映画を観ることは娯楽だけではなく、広い知識と様々な視点を得る絶好の機会でもあります。


サッカーから学ぶこと、そしてジダンから教わることはまだまたくさんありそうですね。

『隠された記憶』作品レビュー

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「美しいものが嫌いな人がいて?」~ガンダム~

「キャスバル兄さん……」

「美しいものが嫌いな人がいて?」

「ほんと、好きだったよ、坊や......」

「軟弱者!!」

「俺を踏み台にしやがった」


これを読んでピンときた方はかなりの「通」ですね。

これはいま巷で流行っている(?)と噂のガンダムしりとり

別に末尾の文字からはじめなくてもOK。古今東西ガンダム編みたいなものです。

使用例としては、同世代の主に男性数人が一泊キャンプでの消灯後のバンガローまたはテントにおいて、なかなか寝付けないときにすると……盛り上がってますます寝れなくなります(笑)

さて、いったい何の話をしているのか? と思われる方のために説明しますと、これらのセリフは「起動戦士ガンダム」というテレビアニメ(映画もある)での登場人物の有名なセリフなんです。

ガンダムファンはどのセリフがどの場面で誰が言ったものかを答えずにはいられなくなるという魔法のセリフみたいなものです。

ガンダムが人気なのには理由があります。ガンダムはロボットアニメという枠では捉えきれないほど奥が深いんです。単純に善悪に割り切れない内容で、世界観もしっかりしていて登場人物に厚みがあるからです。

ガンダムは、勧善懲悪の単純ロボットアニメとは違うんですね。そのあたりを書くと無料レポート1本分にはなってしまいますので今回はひかえますが、ガンダム世代と言われる方だけの集まりがあるときは、飲み会などでする「ガンダム有名セリフしりとり」はけっこう盛り上がりますのでやってみてはいかがでしょう。

私がやったときはかなり盛上がりましたヨ。

ガンダムの登場人物の名前をド忘れしたしまったかつて少年(少女)だった方。モビルスーツの造形は思い出せるのに名前が思い出せない方。少年(少女)の頃はあんなにガンプラ(ガンダムのプラモデルの総称)を作ったのに……としょぼんとする、そんなあなたに朗報です。

ガンダム専門ストアがアマゾンに登場!

ガンダムストア


とりあえず1年戦争はおさらいしておかなくちゃってかんじですね。ある程度オトナになってから観かえすと、少年(少女)の頃にはわからなかった奥の深いやりとりやシーンに、そういうことだったのか! と何度もうなってしまうことでしょう。

とくにジオン、ザビ家、シャアの関係のあたりなど、なんとな~くわかっていたような、わかってないような点にも新たな発見もあるはず。

機動戦士ガンダムDVD-BOX 1


モビルスーツでは、私はこれ↓がいいなぁ。

「俺を踏み台にしやがった」でお馴染みの……

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07/13/2006

iPod nano

もうすっかり旅の友、いやお出かけのお供になっているのがiPod nano

私はiPod nanoで音楽だけでなくポッドキャストで番組を楽しんだりもしている。

ちなみにCNNやABCのニュースもダウンロードできるので英語のリスニングにも役立つので受験生にもいい。

なんといってもnanoは小さい。ほんとうにズボンのポケットにすっぽりと入ってしまう。

気軽に持ち歩けて、空き時間に好きな音楽を聴いたり、ポッドキャストを楽しんだりする。

気軽にワクワク。

これが映画でもデジカメでもiPodでも成功・ヒットの秘訣だ。

そうそう、iPodは車とも相性がいい。もうCDチェンジャーに何枚も入れ替える作業の必要はなくなる。

車に乗ってポンと専用スタンドに挿入すれば、すぐにいつもの音楽が聴けるのだ。


私が使っているiPod nanoはこれ!

B000A40NGWApple iPod nano 4GB ブラック [MA107J/A]
アップルコンピュータ 2005-09-08

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M:i:III

監督:J・J・エイブラムス
アメリカ/2006年/126分

トム・クルーズブランドの「M:i:III」というテーマパークを楽しみに行くという感覚で安心して観れるスパイアクション娯楽大作。マグフィンの用い方がちょこっと風刺ちっく。制限時間で盛り上げる手法は基本テクとしてぜひ勉強しよう。

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
現場を離れ、訓練教官をしているイーサンは看護士のジュリアと婚約中に、かつての教え子の救出作戦チームのリーダーになるよう招集がかかる。
やがてブローカーのディヴィアンとの戦いで最愛のジュリアを誘拐されたイーサン。救出のために与えられたのは48時間。
イーサンはジュリアを救うため、とうてい不可能と思えるような困難なミッションに挑む。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△イーサン・ハント
IMFエージェント(スパイ)。スパイチームのリーダー。

△オーウェン・ディヴィアン
武器・情報ブローカー。

△ルーサー
IMFエージェント(スパイ)。イーサンのパートナー。メカ担当。

▽ゼーン
IMFエージェント(スパイ)。女性。武器担当。

△デクラン
IMFエージェント(スパイ)。乗り物担当。

▽ジュリア
看護士。女性。イーサンのフィアンセ(妻)

△ブラッセル
IMF組織の指揮官。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
トム・クルーズブランドの「M:i:III」というテーマパークを楽しみに行くという感覚で安心して観れるスパイアクション娯楽大作。マグフィンの用い方がちょこっと風刺ちっく。制限時間で盛り上げる手法は基本テクとしてぜひ勉強しよう。

■ マグフィン(Maguffin)

マグフィンとは、悪者が欲しがっていてヒーローが持っているものをさす。

たとえば『ギャラクシー・クエスト(Galaxy Quest)』(ディーン・パリソット監督/1999年/アメリカ/102分』)では、マグフィンは「オメガ13」として使われている。「オメガ13」はテレビシリーズで最後の切り札として使われるものの名前。それがなんなのか、俳優たちもよくわかっておらず、敵(サリス)は「オメガ13」というものがあることを知る。強力な武器だろうと思い、手に入れようとするのだ。

▽「ギャラクシー・クエスト(Galaxy Quest)」作品レビュー

これと似たようなものが『M:i:III』にも登場する。それは「ラビットフット」だ。『M:i:III』における「マグフィン」=「ラビットフット」がなんなのかは観客に明らかにされない。主人公イーサンにさえもだ。

まぁとにかく重要なアイテムという設定なのであるが、それをみつけないと恋人を救うことができないので、イーサンはがんばって「ラビットフッド」を手に入れるのである。

映画ではいちおうラビットフットとされる「モノ」は登場するが、それがなんなのかわからないという意味では、実は存在しないかもしれない名前だけの「モノ」と仮に受け止めてみよう。するとその「モノ」は時と場合によっては様々な名前で呼ばれることに気づく。――忠誠心、信仰、愛といったものだ。

または「ラビットフット」というモノが実際に存在するかどうは別として、そう呼ばれるモノがきっかけでイーサンとディヴィアンは派手にドンパチするのであってあくまで「きっかけ」とも受け取れる。


■ ちょっと違う味のハリウッド娯楽大作

一般的なハリウッドアクション映画では「ラビットフット」に相当するものがなんなのかを観客に明示する。それは核の原料になるものだったり、人類を危険に晒すウィルスだったり、といったぐあいだ。

しかし「M:i:III」では明らかにされず、ただ「ラビットフット」という名前が出る。先にも書いたように、いちおうラビットフットとされる「モノ」は登場するが、それがなんなのかはわからない。

つまり、ラビットフットが何なのかはたいして重要ではないのだ。核の原料でもウィルスでもいい。重要なのは内容ではなく「レビッドフット」という名前=言葉だけである。

作品中の悪黒幕(悪役)のセリフにぜひ注目していただきたい。そこに、ラビットフットの存在意義の一端が語られている。

というわけで、一般的なハリウッド娯楽映画とはチョット違う味を感じてもらえるはずだ。それをひとことでいうなら「ちょこっとアメリカ合衆国を風刺」といったところか。


■ ちょっと違うのはトム・クルーズだから

作品のプロデューサーはポーラ・ワグナーとトム・クルーズ。制作はクルーズ/ワグナー・プロダクションとなっている。

というわけでトム・クルーズはただの役者として参加しているのではない。

「M:i:III」はトム様によるトム様プロデュース主演の「トム様ブランド映画」といってもいい。

トム・クルーズは自分がいいとおもったものは海外の作品でも買い付けしてリメイクしてみたり(スペイン映画『オープン・ユア・アイズ』をリメイクした『バニラスカイ』)、外国を舞台にした作品を制作したり(『ラストサムライ』)と、自らの価値観を持って作品づくりをしている。

アクション娯楽作品をつくっても、他の一般的なハリウッド映画とチョット違うのは、やはり自分の価値観を持っているからだ。他の映画製作者たちだって己の価値観を持っているだろうが、トム・クルーズが独特だとされる一因は、彼が宗教団体(と認めていない国もある)「サイエントロジー」の会員ということにも関係がありそうだ。

「ラスト・サムライ (THE LAST SAMURAI)」作品レビュー


■ 制限時間で盛り上げる

サッカーは前半45分、後半45分の計90分だ(アディショナルタイムや延長戦の場合もあるが)。

時間が限られているからこそ緊張感が高まるのだ。

一方、野球は9回までいくら時間がかかろうがOKだ。60分で終われるかもしれないし、6時間で終わるかもしれない。1球を投げる間隔にどれくらい時間をかけるのかは投手のペース次第だ。

どちらのスポーツにも魅力はあるが、あるイベントを盛り上げようとおもったら、制限時間を設けるのはとても有効だ。

「M:i:III」においても、イーサンがフィアンセ(妻になる)のジュリアを救出するために与えられた猶予は48時間である。制限時間内に「ラビットフット」を手に入れなくてならない。

制限時間は他にも巧みに使われている。電気ショック装置の充電時間(30秒程)だったり、蘇生するまでの時間だったり。

どの制限時間も単独で用いられているのではなく、他のイベント(ヘリコプターチェイスや銃撃戦)とセットになっている。ハラハラドキドキ感を盛り上げるこの種の手法はたいへん勉強になるので、ぜひ日本の映画制作でも使ってみるとよい。

日本映画「戦国自衛隊1549」の見せ場になっていない「見せ場」は、作り手に盛り上げる気はそもそもないのでは?と思わずにはいられない。そもそもハリウッド映画と比べてはいけないのだろうけれど……。

「戦国自衛隊1549」作品レビュー


■ 自分で任務を作り出すイーサン

今回イーサンは、最愛のジュリア救出のために自らミッションを設定し、作戦を練り、行動する。

IMFエージェントであるイーサンは通常ならば与えらたミッションを遂行するだけだが、はじめのエージェント救出作戦以外は、なんとイーサン自らミッションを設定するのである。

最愛の人・ジュリアとの出会いで、与えられたミッションをこなすだけでなく、自らの価値観と規範と信念と目的をもって行動する人間味溢れるキャラクターへとイーサンが変化していく「成長の物語」にもなっているのだ。


■ ひとこと

スパイアクション娯楽大作であり、トム・クルーズブランドの「M:i:III」というテーマパークを楽しみに行くという感覚で安心して観れるデートムービーとしてもイイ感じである。

しかし、相変わらずといういうべきか、暴力シーンは多い。まぁハリウッドアクション映画の一般的なレヴェルといえばそれまでだが……。

おすすめレビュー
(タイトルが決まらないブログ)さんの「MI3(ミッションインポッシブル3) レビュー」
 ↑「微妙」なワケを的確にレビューされてます。そうそう、そうなんだよね、と思わずうなずいちゃいました。

俳優ファン  ◎
ファミリー   -
デート    ◎
フラっと   ◎
脚本勉強  △
演出     ◎ 
笑い     -
リアル    -
謎解き    -
人間ドラマ △
社会     ○ 米国風刺として
アクション  ◎ トム本人がんばってます!  

▽おすすめレビュー
(タイトルが決まらないブログ)さんの「MI3(ミッションインポッシブル3) レビュー」
↑「微妙」なワケを的確にレビューされてます。そうそう、そうなんだよね、と思わずうなずいちゃいました。


▽関連作品

B000EPFQ5Uミッション:インポッシブル
ダニー・エルフマン ブライアン・デ・パルマ トム・クルーズ
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2006-04-21

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B000EPFQ64M:I-2(ミッション:インポッシブル2)
ブルース・ゲラー ジョン・ウー トム・クルーズ
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2006-04-21

by G-Tools

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07/07/2006

中田英寿引退-伝えるむずかしさを知ることからはじめる-

サッカー日本代表選手の中田英寿さんが現役引退を発表しました。

まず、「Hide's Mail」の全文を転載します。


--ここから-----


“人生とは旅であり、旅とは人生である”2006.07.03

~1985年12月1日 - 2006年6月22日~

俺が「サッカー」という旅に出てからおよそ20年の月日が経った。
8歳の冬、寒空のもと山梨のとある小学校の校庭の片隅からその旅は始まった。

あの頃はボールを蹴ることに夢中になり
必死でゴールを決めることだけを目指した。
そして、ひたすらゲームを楽しんだ。
サッカーボールは常に傍らにあった。

この旅がこんなに長くなるとは俺自身思いも寄らなかった。
山梨の県選抜から関東選抜、U-15、U-17、ユース、そしてJリーグの一員へ。
その後、自分のサッカー人生の大半を占める欧州へ渡った。

五輪代表、日本代表へも招聘され
世界中のあらゆる場所でいくつものゲームを戦った。

サッカーはどんなときも俺の心の中心にあった。
サッカーは本当に多くのものを授けてくれた。
喜び、悲しみ、友、そして試練を与えてくれた。

もちろん平穏で楽しいことだけだったわけではない。
それ故に、与えられたことすべてが俺にとって素晴らしい“経験”となり、
“糧”となり、自分を成長させてくれた。

半年ほど前からこのドイツワールドカップを最後に
約10年間過ごしたプロサッカー界から引退しようと決めていた。

何か特別な出来事があったからではない。その理由もひとつではない。
今言えることは、プロサッカーという旅から卒業し“新たな自分”探しの旅に出たい。
そう思ったからだった。

サッカーは世界で最大のスポーツ。
それだけに、多くのファンがいて、また多くのジャーナリストがいる。
選手は多くの期待や注目を集め、そして勝利の為の責任を負う。
時には、自分には何でも出来ると錯覚するほどの賞賛を浴び
時には、自分の存在価値を全て否定させられるような批判に苛まれる。

プロになって以来、「サッカー、好きですか?」と問われても
「好きだよ」とは素直に言えない自分がいた。
責任を負って戦うことの尊さに、大きな感動を覚えながらも
子供のころに持っていたボールに対する瑞々しい感情は失われていった。

けれど、プロとして最後のゲームになった6月22日のブラジル戦の後
サッカーを愛して止まない自分が確かにいることが分かった。
自分でも予想していなかったほどに、心の底からこみ上げてきた大きな感情。

それは、傷つけないようにと胸の奥に押し込めてきたサッカーへの思い。
厚い壁を築くようにして守ってきた気持ちだった。

これまでは、周りのいろんな状況からそれを守る為
ある時はまるで感情が無いかのように無機的に、またある時には敢えて無愛想に振舞った。
しかし最後の最後、俺の心に存在した壁は崩れすべてが一気に溢れ出した。

ブラジル戦の後、最後の芝生の感触を心に刻みつつ
込み上げてきた気持ちを落ち着かせたのだが、最後にスタンドのサポーターへ
挨拶をした時、もう一度その感情が噴き上がってきた。

そして、思った。

どこの国のどんなスタジアムにもやってきて
声を嗄らし全身全霊で応援してくれたファン――。
世界各国のどのピッチにいても聞こえてきた「NAKATA」の声援――。
本当にみんながいたからこそ、10年もの長い旅を続けてこられたんだ、と…。

サッカーという旅のなかでも「日本代表」は、俺にとって特別な場所だった。

最後となるドイツでの戦いの中では、選手たち、スタッフ、そしてファンのみんなに
「俺は一体何を伝えられることが出来るのだろうか」、それだけを考えてプレーしてきた。

俺は今大会、日本代表の可能性はかなり大きいものと感じていた。
今の日本代表選手個人の技術レベルは本当に高く、その上スピードもある。
ただひとつ残念だったのは、自分たちの実力を100%出す術を知らなかったこと。
それにどうにか気づいてもらおうと俺なりに4年間やってきた。
時には励まし、時には怒鳴り、時には相手を怒らせてしまったこともあった。
だが、メンバーには最後まで上手に伝えることは出来なかった。

ワールドカップがこのような結果に終わってしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
俺がこれまでサッカーを通じてみんなに何を見せられたのか、
何を感じさせられたのか、この大会の後にいろいろと考えた。
正直、俺が少しでも何かを伝えることが出来たのか…
ちょっと自信がなかった。

けれどみんなからのmailをすべて読んで
俺が伝えたかった何か、日本代表に必要だと思った何か、
それをたくさんの人が理解してくれたんだと知った。
それが分かった今、プロになってからの俺の“姿勢”は
間違っていなかったと自信を持って言える。

何も伝えられないまま代表そしてサッカーから離れる、というのは
とても辛いことだと感じていた。しかし、俺の気持ちを分かってくれている“みんな”が
きっと次の代表、Jリーグ、そして日本サッカーの将来を支えてくれると信じている。

だから今、俺は、安心して旅立つことができる。

最後にこれだけは伝えたい。

これまで抱き続けてきた“誇り”は、
これからも俺の人生の基盤になるだろうし、自信になると思う。
でもこれは、みんなからの“声”があったからこそ
守ることが出来たものだと思う。

みんなの声を胸に、誇りを失わずに生きていく。

そう思えればこそ、この先の新たな旅でどんな困難なことがあろうと
乗り越えていけると信じられる。

新しい旅はこれから始まる。

今後、プロの選手としてピッチに立つことはないけれど
サッカーをやめることは絶対にないだろう。
旅先の路地で、草むらで、小さなグラウンドで、誰かと言葉を交わす代わりに
ボールを蹴るだろう。子供の頃の瑞々しい気持ちを持って――。

これまで一緒にプレーしてきたすべての選手、関わってきてくれたすべての人々、
そして最後まで信じ応援し続けてきてくれたみんなに、心の底から一言を。

“ありがとう”


ひで 


転載元 「nakata.net - 中田英寿オフィシャルホームページ」「Hide's Mail」

(中田英寿オフィシャルホームページ制作プロジェクトチーム様より転載・引用許諾を受けています)


--ここまで-----


さて、特に注目していただきたい箇所は以下です。


------

俺は今大会、日本代表の可能性はかなり大きいものと感じていた。
今の日本代表選手個人の技術レベルは本当に高く、その上スピードもある。
ただひとつ残念だったのは、自分たちの実力を100%出す術を知らなかったこと。
それにどうにか気づいてもらおうと俺なりに4年間やってきた。
時には励まし、時には怒鳴り、時には相手を怒らせてしまったこともあった。
だが、メンバーには最後まで上手に伝えることは出来なかった。

引用元 「nakata.net - 中田英寿オフィシャルホームページ」「Hide's Mail」

----


なにを上手に伝えることができなかったかといえば、日本代表選手たちが自分達の実力を100%出す術を知らなかったこと、それに気づいてもらおうとしたが最後まで上手に伝えることができなかった、というのです。

日本代表選手個人の技術レベルはとても高いといいながらも、実力を100%出す術を知らなかった。

これはとても注目すべき言葉です。

これは、ある人がとてもよいセンスと技術を持っていても、それを100%出す術を知らなければ世界では通用しないことを教えてくれます。

例えば、○○さんにサッカーをやらせたら世界中のどのサッカー選手よりも上手くなる運動神経とセンスと可能性を大いに秘めていますが、○○さんはコンビニエンスストアの店員だったとします。

こういった場合、まずは自分が何に向いているかを知ることからはじめなければなりません。

自分がサッカーというスポーツに向いていることを知って、一生懸命練習してサッカーの技術を身につける。ここまで到達できる者はごく一部でしょう。

しかしそれだけでは「サッカーが上手な人」にすぎません。

実力を100%出す術を知らなければ世界で勝ち抜いていくことはできないのです。


サッカーに限らず、あらゆる仕事においても基本は同じです。能力が高くてもそれを100%活かす術を知らなければならないのです。

100%生かす術を知らないということがどういったときにわかってしまうのか。

それは主に仕様書やEメールや連絡文といった「伝達文」によって明らかになります。

例えば、とあるプロジェクトAでの連絡メールの内容を1度読んだだけでは意味がわからずにもう一度読み直すといった経験はないでしょうか。

プロジェクトAに関する連絡メールを一度読んだあなたは、おそらくこれこれといったことを伝えたいのだろうな、ということはおぼろげながら推測できたとします。

次にしなければならないことは、自分の推測を検証するためにさらにもう一度読み直すことです。するとさらにもうひとつの推測も成り立つことに気が付くかもしれません。つまり幾通りにも解釈できる内容になっている場合があるのです。

こういった連絡メールでは、プロジェクトはいっこうには進みません。

サッカーでいうならば、選手個人の技術は高いのに、選手同士のパスがつながらないようなものです。

ではどうすればわかりやすい伝達文を書くことができるか。実はその前にしなければならない大事なことがあります。

それは技術を身に付けるまえに「知らなければならないこと・気づかなければならないこと」をしっかりと認識することです。

それを具体的にいうと、自分の能力・技術を100%活かす術を知らない、ということを知ることです。

ほかに、自分の能力・技術を100%生かす術を知らないかもしれないという可能性に気づくことです。

そして「知らないということを知ってもらうよう伝えること」がいかに大変かを実感することが大事なのです。


中田英寿さんはメールの中でこう書いています。


----

ワールドカップがこのような結果に終わってしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
俺がこれまでサッカーを通じてみんなに何を見せられたのか、
何を感じさせられたのか、この大会の後にいろいろと考えた。
正直、俺が少しでも何かを伝えることが出来たのか…
ちょっと自信がなかった。

引用元 「nakata.net - 中田英寿オフィシャルホームページ」「Hide's Mail」

----


中田英寿さんでさえ、伝えることやコミュニケーションに自信がなかったといっているのです。

逆にいえば、絶えず「自分は何を伝えることができるだろう」「どのように伝えることができるだろう」と考え抜いていたからこそ、サッカーというフィールドで選手として活躍することができたのです。

まず知るべきこと、まず気づくべきことが何なのか。そして、何かを伝えるむずかしさを実感する大切さを知ることからはじめなければなりません(自戒を込めて)。

中田英寿さんの今後の更なるご活躍をお祈り申し上げます。

そして、こちらこそありがとう。


▼引用・転載元
「nakata.net - 中田英寿オフィシャルホームページ」「Hide's Mail」
(中田英寿オフィシャルホームページ制作プロジェクトチーム様より転載・引用許諾を受けています)

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音で楽しむ作品群


『バイオハザード』『サイレントヒル』『かもめ食堂』の意外な共通項とは?


まず『かもめ食堂』で印象的だったのは余計な音楽を使っていないことだ。


セリフのない部分に音楽を流してなんとなく間を埋めるというのは映画によくあることだが『かもめ食堂』にはセリフ意外の音――生活音がある。


食堂で働く店員の靴音だったり調理の音だったり合気道のすり足の音だったり。


足音というのは印象的だ。


大理石の床に響くハイヒールの音。


夏祭りの神社へ急ぐ下駄の音。


水溜りを駆け抜ける長靴の音。


どれも頭の中にその音を鮮明に思い描くことができるだろう。


頭に思い描ける音を効果的に映像作品に取り入れることができたなら、音楽に頼らずとも印象深い作品に仕上げることができる。『かもめ食堂』がそうであるように。


テレビゲーム(ビデオゲーム)ソフト『バイオハザード』シリーズで印象的なのはゾンビではなくだ。


ゾンビという題材は使い古されたもので、作品の世界観も主にアメリカ中西部の架空の町を舞台としており、ソフトの発売当初はさておき目新しさはない。


それにもかかわらず『バイオハザード』が記憶に残るのは、その雰囲気を醸し出すが耳の奥に残っているからだ。


アスファルトを歩く音。


木の床を歩く音。


草むらを歩く音。


下水道を歩く音。


階段を上る音。


鉄はしごを下る音。


地面の状況によってさまざに変化する足音は、ほとんど音楽がない作品世界において絶えず自分がプレイするキャラクターが発する音を耳にする数少ない音だ。


そしてあるとき、自分(が操作するキャラクター)意外の「なにか」が動く音や、うめき声が聞こえる。


自分以外の、自然現象(雨.風等)以外の音だと認識した瞬間に訪れるいいようのない緊張感こそ『バイオハザード』シリーズを楽しむ醍醐味なのである。


さて、7月8日より公開予定の映画『サイレントヒル』は、全世界で530万本を売り上げた人気テレビゲーム(ビデオゲーム)を原案とする作品だ。


題名からもわかるように音に特徴がある。深い霧に包まれたサイレントヒルは視界がほとんどきかず、静けさに包まれている。


PS版のパート1のゲーム『サイレントヒル』ではたしか(記憶が確かならば)主人公は男性で、ゲームの冒頭に携帯ラジオを手に入れる。


視界の悪い街中をあるくうちに、ラジオに雑音が入ることがある。雑音がひときわ大きくなると……。


こういった音によって恐怖を煽る仕掛けが施されたこのゲームは、制限された視覚によって敏感にならざるをえない聴覚を刺激して作品に緊張感を持たせ、独特の世界観をもたせている。


もうひとつ「サウンドノベル」というゲームジャンルがある。有名なところでは『かまいたちの夜』がある。


電気を消した部屋でひとりヘッドホンを装着してゲームスタート。一通りのエンディングまで約2時間じっくりと作品世界に浸れると好評だった作品だ。


吹雪にみまわれた山のペンション。ふいに響きわたる悲鳴。


作品の世界観を作り上げ、観客にそこへ入ってもらうときに重要なのは「音」である。


映画館が暗いのはなぜか。映写機によってスクリーンに映像を映し出すため。


それもあるが、作品世界にどっぷりと浸かってもらうためにスクリーンに映し出されるもの以外をシャットダウンするためでもある。


さらに「音」である。最近は音響設備が整った映画館も増えたので「音」によってより一層世界観を堪能してもらえる効果を期待できるのである。


もしあなたが自宅で映像作品(ゲームや映画)を存分に楽しみたいなら、音によりいっそうの注意を払ってほしい。


たとえ小さな画面サイズにテレビであったとしても、奮発して大画面薄型テレビを購入したとしても、自宅の地下室などに防音設備がなければ大音量で映像作品を楽しむことはなかなか難しいだろう。


そんなときでも、部屋の証明を落としてヘッドホンをすれば、いままで以上に作品世界に入り込んで楽しむことができるのである。


ヘッドホンひとつで作品の印象もずいぶん変るものだ。


できれば耳がすっぽり入るヘッドホンで気持ち良く鑑賞してもらいたい。


ヘッドホンで映画を楽しむ
お気に入りのヘッドホンがみつかる。
映画や音楽を一層楽しめるヘッドホンがきっとある。
モニタ用ヘッドホン。携帯電話用ヘッドホン。
インナーイヤーヘッドホン。巻き取りヘッドホン。
折りたたみヘッドホン等各種。

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