« May 2006 | Main | July 2006 »

06/28/2006

タイヨウのうた

監督:小泉徳宏
日本/2005年/119分

すれ違うことさえ無いはずだった出会いが二人の世界を広げる、女性目線の恋愛環境を持ったYUIプロモーションのサラっと系音楽青春物語。音楽界のポスト浜崎か? 売ろうという意気込みと、売れようというYUIの根性と意志を魅せてくれる。恋の吊り橋理論の実践も見どころ。二人の純愛というより、薫をとりまく家族・友人・恋人の「愛の輪」といったほうがいい。

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
夜しか活動できない難病の少女が意中の彼と出会い、家族や友人の愛に囲まれて精一杯生きる。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
▽雨音薫
 少女。色素性乾皮症(XP)。ギターで歌う。

△孝治
 男子高校生。サーファー。

▽美咲
 女子高校生。薫の親友。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
すれ違うことさえ無いはずだった出会いが二人の世界を広げる、女性目線の恋愛環境を持ったYUIプロモーションのサラっと系音楽青春物語。音楽界のポスト浜崎か? 売ろうという意気込みと、売れようというYUIの根性と意志を魅せてくれる。恋の吊り橋理論の実践も見どころ。二人の純愛というより、薫をとりまく家族・友人・恋人の「愛の輪」といったほうがいい。

■ 予備知識

主人公・薫は色素性乾皮症(XP)です。これは紫外線によって傷ついたDNAの修復機能が著しく弱いという難病で、太陽が出ている日中は外出することができません。活動時間帯は夜に限られます。


■ 恋の吊り橋理論を実践!?

幸治クンは薫ちゃんのどこに惚れたのでしょう。

幸治クンにとって、薫ちゃんとの出会いはドキドキです。といっても恋心のドキドキではなく、身の危険を感じて心臓がドキドキしたことでしょう。

なぜなら、とある夜に歩いて駅から住宅街を通って踏み切りにさしかかった幸治クンは突然背後から何者かに突き飛ばされるからです。線路に倒れた幸治クンは、見ず知らずの女の子に唐突に自己紹介されます。

幸治クンにとってみれば、はじめはその少女が何を言っているのかわからなかったことでしょう。こっちへ近づいてきながら「彼氏はいません」と繰り返す見ず知らずの少女に、

もしかしてストーカー? → 逆恨み →線路に突き飛ばされて →江ノ電に轢かれる? 

という図式が一瞬で頭に浮かんだかもしれませんね。

そんなドッキリ系の危険を感じるドキドキとは、恋愛における現象を心理学で説明するところのいわゆる「恋の吊り橋理論」です。

これはカナダの心理学者ダットンとアロンによって1974年に発表された「生理・認知説の吊り橋実験」によって実証されたとする学説で、人が恋愛を認識するのは生理的な興奮によるというもの。

揺れる吊り橋を一緒に渡った男女が、揺れによる緊張感を共有することで恋愛感情に発展する(揺れてこわい、というドキドキを異性への恋愛ドキドキと混同する)場合があるというものです。

こうして身の危険のドキドキを恋のドキドキと混同した幸治クンが、後日の夜、原チャリに乗っていつも利用するバスの停留所にさしかかったときのことです。ベンチに自分を突き飛ばした少女を見つけたのです。思わず原チャリのブレーキをかけてしまうのでした。

それは、あの踏み切りの夜のドキドキ感が何だったのかを確かめたいという思いから相手へ興味を持ったためです。
ここまでは、恋の吊り橋理論作戦はひとまず成功したといっていいでしょう。


■ 歌に惚れた?

知らないところで女を惚れさせていたなんておれって罪な男。――と幸治くんが思ったかどうかはわかりませんが、それが若くてかわいい娘ならまんざらでもないのが男というもの。

しかもそんな可愛い子が積極的かつストレートにアプローチしてくるなんて、恋の駆け引きを楽しむなんて輩が多いなかでは、昨今ではなかなかみかけない斬新さを感じたのかもしれません。

薫ちゃんが路上ライブをやっているということを知った幸治クンは夏休みになったら歌を聴きにいくと約束します。
そして路上で歌う薫ちゃんを観客の最前列で見て聴いた幸治クンは感動します。

歌という才能に感動した高揚感のまま、海辺で薫ちゃんに付き合ってほしいと告白します。

この流れに少しだけ「?」が浮かぶとすればこんななんじです。

つまり、吊り橋理論でのドキドキを恋のドキドキと混同(→興味が湧いて会う →歌の才能に感動 →恋と混同?)というかんじになります。

これが、幸治くんが電車に轢かれずに(終電後だったのかな)なぜ薫ちゃんには惹かれたのかがはっきりしない作りとなっている要因です。

でも、それでもいいんです。なぜなら「タイヨウのうた」は女性目線の恋愛モノだからです。


■ 女性側に立った恋愛環境

湘南・鎌倉。サーフィン。恋愛。
これらのキーワードを使った作品では他に「キャッチ・ア・ウェーブ」という作品があります。これは現役男子高校生が書いた小説を映画化したもので、いわゆる男性目線の純愛青春物語です。

「キャッチ ア ウェーブ(CATCH A WAVE)」作品レビュー

一方「タイヨウのうた」は女性目線の純愛青春物語です。

いつの時代も自分だけの白馬の王子様が現われることを願う女性はいるもの。そんな白馬の王子様に象徴される理想の異性は、けっして毒を吐きません。

「アメリ」で主人公の女性・アメリが思いを寄せる男性がどんな人だったかを思い出してみてください。また「キャッチ・ア・ウェーブ」で主人公の少年が思いを寄せる女性・ジュリア(加藤ローサが演じる)がどんな人だったか思い出してください。

どちらも絵に描いたような、こんな人がいたらいいなという理想(妄想)で作り上げられたキャラクターです。

男性目線の理想で出来たキャラクターが「キャッチ・ア・ウェーブ」のヒロイン・ジュリア(加藤ローサ)で、女性目線の理想で出来たキャラクターが「タイヨウのうた」の幸治くんなのです。


■ 幸治くんの夢

幸治くんはサーファーですが、けっして波乗りが上手とはいえません。自分が好きで打ち込めるものがまだ見つからない彼は、同年代の薫ちゃんがすでに自分の才能(歌)を活用することで他人と関わっている姿を横浜の広場の路上ライブの様子を間近から見ることで実感・感動します。

そして薫ちゃんが難病にあるということを知って、オリジナルCDの制作資金を調達するためにサーフボードを売って、肉体労働のアルバイトをはじめます。

これは愛する人のためになにかをしてあげたい思いからというよりも、自分が感動したもの、いいと感じたものを広めるという「やっとみつけた夢」を叶えるための行動の表れのように見えます。

もちろん、お約束の踏み切りでの告白シーンとキスシーンはあるのですが、ふたりの恋愛が盛り上がって命のかぎり愛し合ったことを想像させるようなシーンはほとんどありません。

ということで、薫ちゃんと幸治くんの恋愛物語というのではなく、薫ちゃんをとりまく家族・友人・恋人の「愛の輪」の物語といったほうがいいでしょう。


■ 世界を広げる

昼は活動して夜は寝るもの。それがまっとうな生き方だという人もいます。
でも、誰かが夜に働いてくれているからこそ、昼に安心して働ける人がいるのです。

1日という時間の流れの中には太陽の両方があります。

さて薫ちゃんは4時~5時ぐらいに寝ます。幸治くんは4時に起きて海にサーフィンに行きます。

すれ違いです。いえ、すれ違いさえもないのです。なぜなら、薫ちゃんは寝る前のわずかな時間に自宅の部屋の窓から、名前も知らない意中の彼をそっと見ることしかできなかったのですから。

そんな、普通だったらすれ違うことさえ無い二人の出会いが、お互いの世界を広げるのです。


■ 言葉の力を信じる、セルフプロデューサー・YUI

薫ちゃん役のYUIさんはシンガーソングライターです。中学生から詩を書きはじめ、16歳でギターをもって上京しました。
Sony Musicのオーディションで注目され、デビュー曲が月9ドラマ「不機嫌なジーン」で主題歌となって知名度が上がり、セカンドシングルの「Tomorrow'sway」は映画『HINOKIOヒノキオ』のために書き下ろしたということで、新人としては異例の活躍をしてきました。

「タイヨウのうた」のなかでもそうですが、あぐらをかいてギターをかき鳴らして歌うという自分のスタイルをSonyMusicのオーディションのときに披露しています。

若くかわいいだけでは他に埋もれてしまう。若くてかわいくて歌がうまくても、デビューはできるかもしれないけどすぐに埋もれてしまう。

そこで言葉を音楽にのせて、それも自分のスタイル(あぐらにギター)を確立して上京するあたりに、強い意志を感じます。

逆にいえばそういった強い意志が歌とスタイルになって表れ、ある種のオーラとなって聴く者を魅了するのです。

浜崎あゆみさんが若者の心情を日本語のみで綴った歌詞でデビューし、多くの共感を得ました。手法としては演歌ですが、演歌だと感じさせない売り方はとても上手ですね。

その浜崎あゆみさんもそろそろ二十代後半。音楽業界は新たなスターを誕生させようと(誕生を待っているのではなく)必死にその原石を探しています。

そこへ16歳で福岡からギター1本で上京という、まるでNANAのナナ(ナナは二十歳で北国から上京)みたいなスター誕生のお約束話の基礎をしっかりおさえて自分のスタイル(あぐらにギター)も持って現われたYUI。これこそついに見つけた逸材だということになったのではないでしょうか。

おそらく、そういったことをすべてわかっていて、いかに自分を売り込むかを考え抜いて行動したYUIは、いうなればセルフプロデュースを中学の頃にはすでにはじめていたということになります。

得意なことや打ち込めることをみつけるのは早ければ早いほどいい。さらにそれを有利に展開するための戦略もしっかりと練ることが必要です。というようなことをYUIさんは教えてくれます。


■ ヒット量産ROBOTと25歳小泉監督

監督の小泉徳宏さんは25歳。映画好きで短編作品で腕を磨いて、数々のヒット作で有名な制作会社ROBOT所属です。
この制作会社の有名作といえば『踊る大捜査線』シリーズに『海猿 ウミザル』シリーズに『ALWAYS 三丁目の夕日』。「売れるものづくり』に特化した環境で培った小泉監督は日韓難病純愛ブームという波に流されることなくふわっといい波だけを選んで乗ってみせてくれます。

また、青春モノは出演者も作り手もワカモノに、という宣伝にもなる人選に、ヒット量産会社としての巧みさがみえます。

また、ココログさんでは(お世話になっています)「『タイヨウのうた』公式感想ブログ」を運営しています。
感想というコチコミは、たとえるなら有線の読者リクエストなどでじわじわとヒットしていく効果が期待できますね。


■ ひとこと

薫ちゃんの両親役には、麻木久仁子さんと岸谷五郎さん。特に岸谷五郎さんがいいですね。キュッとスパイスを利かせて作品に緩急を付けています。これができるのは役者の技量でしょう。

シンガーソングライターYUIさんのプロモーション作品という性格があるためでしょう、あえて内容に凝らずに直球勝負にしています。

物語内容で勝負するなら、例えば幸治くんには既に彼女がいて、実はそれは薫ちゃんの親友・美咲ちゃんだった。という設定があってもおもしろいですがいちおう「純愛」というキーワードとYUIさんのプロモーションを軸としているのでここは「直球」で正解でしょう。

薫ちゃんが高台に建つ自宅の2階の部屋から、幸治くんがいつもやってくるバス停留所をみています。でも、停留所の標識がちょうど邪魔になって幸治くんが隠れてしまいます。そこで薫ちゃんが夜中のうちにその停留所の標識をえっこらせと横に1、2メートルほど移動させます。
このシーンは言葉でなく、行動で薫ちゃんの気持ちを表すとても上手な良いシーンですね。

また、夜に鎌倉駅前の広場で歌う薫ちゃんが、駅から歩いていく幸治くんをみつけると歌を止めて後を追い、踏切で突然自己紹介するシーンがあります。先にも書いたように幸治くんにとっては突然の出来事でびっくりですが、病気のために学校に通えずに、小学校以来男の子としゃべっていない薫ちゃんにとって、次はないかもしれない千載一遇のチャンスなのです。普通だったらストーカーと思われて避けられてしまうであろうことまで考えが及ばない純粋さを表現した、リアルちっくなシーンですね。

でも、もしかしたら薫ちゃんは「恋の吊り橋理論」をチャンスがあれば実践しようと狙っていたのかもしれないとチョットだけ思わせるところが、シンガーソングライターYUIのセルフプロデュース力とシンクロさせているのかも……って深読みをしすぎかな。

純愛物語として観るよりも、シンガーソングライターYUIあっての、歌があっての作品だと認識して観るとよいですよ。

韓流やセカチュー純愛ブームにどこかしらいやらしさを感じて疎遠だった方でも「タイヨウのうた」はヘーキだと思います。

クドくない、サラッと系の音楽恋愛青春物語といったかんじで好感が持てました。

なにはともあれ歌がいいのでおすすめです。


俳優ファン  ◎
ファミリー   ○
デート    ◎
フラっと   ◎
脚本勉強  △
笑い     -
リアル     ○
謎解き    -
人間ドラマ  ○
社会     -
アクション  -
音楽・歌   ◎ 

ドラマ「タイヨウのうた」 記事はこちら

YUI in YUI in "A Song to the Sun" Good-bye days 映画『タイヨウのうた』YUI写真集
YUI

タイヨウのうた×YUIと薫のうた タイヨウのうた―A Song to the Sun Invitation Book タイヨウのうた オリジナル・サウンドトラック Good-bye days タイヨウのうた

by G-Tools


| | Comments (5) | TrackBack (29)

06/22/2006

ステイ(STAY)

監督:マーク・フォースター
アメリカ/2005年/101分

ラストにグッとくる、感動を呼び起こす装置としてイリュージョンを使った作品。ズボン丈が短かったり、双子や三つ子がよく出現するのにも意味がある。

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
精神科医サムの患者ヘンリーは21歳の誕生日の真夜中に自殺すると予告して姿を消した。
サムは残された3日間、ヘンリーを探す。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△サム・フォスター
 男性(精神科医)

△ライラ 
 女性(画家)

△ヘンリー・レサム
 男性。学生。美術専攻。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
ラストにグッとくる、感動を呼び起こす装置としてイリュージョンを使った作品。ズボン丈が短かったり、双子や三つ子がよく出現するのにも意味がある。

■ なかなか直球(正直)

この種の作品はなにを語ってもネタバレになってしまうので、深いことは書けない。

ではどこから「ステイ」の魅力を語ろうか。ということで宣伝文句からいこうと思う。

「ステイ」は「感動のイリュージョン・スリラー」と宣伝している。これはなかなか直球というか正直だ。

イリュージョンとは幻影・幻想。その名のとおり、作品の約8~9割ほどは幻影・幻想としか思えないような映像が淡々と続く。

そこでこう考えてみよう。
アナタはあるショーを見に行く。そのショーがマジックショーだとわかって観るのと、マジックショーだとは知らずに観るのとではショーの楽しみ方や満足度が違ってくるにちがいない。

これを「ステイ」と「ジャケット」とを比較することでご説明しよう。


■ 注目すべきは「予告」

「ジェケット」を読み解く有力な説に「死人の見た夢の話だった」というのがある。
これについては以下の関連記事を参照願いたい。

目からウロコの「ジャケット」解説

マニア向け? 謎解きのスッキリ感を得にくい「ジャケット」

とはいえ、これはひとつの説であって、その「夢度合い」については観る者によって変化する。これは作り手が、観客がいかようにも解釈ができるようあえて「あいまい」な表現をしている箇所が多々あるためで、鑑賞後の推測・会話の楽しみを提供しているといえよう。

そして、今回注目していただきたいのは予告である。

「ジェケット」の宣伝では「未来と過去を行き来しながら繰り広げる予測不可能な物語」とある。これを読んですぐに思い浮かぶのはタイムリップだ。

しかしながら、人間の意識もまた未来と過去を行き来する。すると、過去という記憶と未来への願望を織り交ぜてあたかもタイムスリップ作品かのように観客に思わせて如何様にも解釈ができるように作ったのが「ジャケット」といえるのである。

一方「ステイ」の宣伝には先ほども触れたように「感動のイリュージョン・スリラー」とある。イリュージョンと言い切っている。

「ジャケット」がミスリードを仕掛けるかのようにタイムスリップを匂わせたのとは正反対に、はじめから「イリュージョン」だと宣言・予告しているのだ。

「ジャケット」の予告 → タイムスリップを匂わせる

「ステイ」の予告   → イリュージョンだとはっきりいう

なんのショーだかはっきりとはわからずに観るか、マジックショーだとわかって観るか。
もちろんそれぞれの楽しみ方はある。

(そういえば物語中においてもヘンリーは自分の自殺を予告する)


■ あなたはどっち派?

「ジャケット」と「ステイ」。両作品を理解するポイントは「イリュージョンの使い方」にある。

「ジャケット」はイリュージョン自体を謎に設定するという使い方をした。

「ステイ」は感動を呼び起こす装置としてイリュージョンを使った。

・イリュージョンだとバレないようにする隠れマジシャン。

・イリュージョンで観客を楽しませるマジシャン。

さて、あなたはどちらのマジシャンのショーを観たいだろうか?


■ ひとこと

観客に謎解きを委ねるという性格の作品に「隠された記憶」がある。これは、はっきりと観客の解釈に委ねるとしている作品である。

観る人の数だけストーリーが存在するという意味ではどんな映画作品であれ、解釈は観客に委ねられているのであるが「ジャケット」と「ステイ」の比較に限って言えば、解釈を委ねる前の根本となる前提に違いがある。

例えるならば、マジシャンであること、イリュージョンであることをショーの前に知らせるのかどうか、ということだ。

マジックショーならばその内容を楽しめばいい。

ショー自体が謎ならば、ショーの正体をめぐってあれこれ想像を膨らませて楽しめばいい。

「ジェケット」と「ステイ」。どちらが好きかといえば、個人的には感動を呼び起こす装置としてイリュージョンを使った「ステイ」だ。

それは「the EYE」(←パート1)が感動を描くためにホラーの手法を使ったのと同じように、「ステイ」が手段としてイリュージョンを用いることで、描きたい・提供したい・体験してもらいたいものは「感動」であるというところが私好みだからである。

さて「ステイ」を観ている最中に思ったことがある。

サムのズボンの裾が短いのは、それってオシャレ? 

双子や三つ子がよく出てくるのはなぜ?

サムとヘンリーが瞬間移動した?

これらにもちゃんと意味があるのでお見逃しのないように。

「隠された記憶」作品レビュー

「the EYE」作品レビュー


俳優ファン ◎
ファミリー -
デート    ○
フラっと   ◎
脚本勉強  △
笑い     -
リアル追求 -
謎解き    ◎
人間ドラマ  ◎
社会     ○
アクション  -

| | Comments (3) | TrackBack (20)

06/21/2006

青田典子さんの花婿探し

元CCガールズの青田典子さんが一般人から結婚相手を探すという企画のテレビ番組を観た。

中年の星(?)として再びブレイクした青田典子さんを密かに応援していた私としては、最終選考に残った二人の男性のうち、どちらを選ぶのか注目していた。

ひとりは青田さんより1歳年下の出版社営業部長。もうひとりは25歳の飲食店経営者。

出版社営業部長さんのVTRでは、休日の過ごし方として高級車を運転したり、自宅の大型薄型テレビかなにかで映画を楽しんだりする様子が紹介された。

飲食店経営さんのVTRでは、経営する飲食店のカウンターに立ってお客さんと笑顔で接している様子が紹介された。

一見すると、バブル期に派手に活躍していた印象が強い芸能人である青田典子さんの結婚相手としては、年齢も近く、収入も高く蓄えも豊富そうで安定していそうな出版社営業部長さんが合っているように思うだろう。

しかし青田さんは25歳飲食店経営さんを選んだ。

島田紳助さんも25歳飲食店経営さんのほうがいいという考えだった。紳助さんと青田さんによると、飲食店経営という芸能界と比較的近いお仕事をされていることで、芸能人という仕事に対する理解もありそうでスムーズにいきそうだからというものだった。

タレントとしてやってきた青田さんは、これからも芸能人としてがんばっていくつもりなので、お金は自分で稼ぐものという意識があるのだろう。自分の仕事のことを理解してくれる人を、というのには充分にうなづける。

そういえば、出版社営業部長さんは母親から「青田さんのことをひとりの女性としてしっかり見てあげなさいよ」という意味のことをを言われたそうだ。

地位もお金もそこそこ手に入れて、歳もそこそことっていくと、それに見合ったネームバリュー(芸能人)を求めてしまうのかもしれない。

出版社営業部長さんの紹介VTRは、そこに映っていた高級車と高価な大型テレビといった「記号」のひとつとして「元CCガールズ青田典子」が並べられていくことを予感させるようでもあった。

バブル期をCCガールズという「記号」として駆け抜けてきた青田典子さんが、近頃は「青田典子」でバラエティ番組で活躍して、歌手としては「バブル青田」で活躍をはじめた。そんな彼女は結婚をしたい。けれどもそれはだれかの「記号」のひとつになりたいのではなく、ひとりのタレントとしてより一層輝いて仕事をがんばっていくための人生のパートナーを得たいということが、25歳飲食店経営さんを選んだことからひしひしと伝わってきた。

25歳飲食店経営さんは、明るい性格で人と接することが好きで、人に喜んでもらうことが自身の喜びだという。。笑顔で店のカウンターに立ってお客さんをもてなす姿に、テレビを通して視聴者に喜んでもらうサービス業としてのタレント業との共通点を見つけるのはたやすい。

飲食店経営さんは20代だ。その気になればいくらでも若い女性と付き合えるだろう。にもかかわらず、紳助さんもおっしゃっていたが、38歳のほかの女性ではダメで、青田典子だからお付き合いしたいと応募してきたのだ。

25歳という年齢から、おそらく青田典子さんがCCガールズとして活躍していた当時をリアルタイムで知っているわけではないだろう。

にもかかわらず、とりあえずはテレビでしか観たことがない女性ではあるが、真剣にお付き合いしてみたいという飲食店経営さんに、CCガールズという記号からひとりのタレントとして歩み始めた青田典子(またはバブル青田)さんは、自分のよきパートナーになりうる方だという可能性を感じ取ったのだろう。

そして出版社営業部長さんは「俺の何が足りなかったんだろう」とおっしゃっていたが、なにかが足りなかったのではなく、今回のケースでは青田さんが自分に合うと判断した方がたまたま飲食店経営さんだった、ということなのだ。

もちろん、出版社営業部長さんも、そのほかの多くの応募者の方々も時間と交通費を使ってテレビに映ることを了解した上で参加され、皆真剣に結婚を前提としたお付き合いを青田さんとしたいと願っていらっしゃったすばらしい方々だ。そのなかで、だれかに何かが足りなかったということではなく、今回の青田さんとのお付き合いというケースでは、たまたま25歳飲食店経営さんに決まったということなのだ。

映画というプロジェクトでも似たようなことがいえる。

映画に限らずとも、とあるプロジェクトでもいい。そのプロジェクトに参加したいとう希望者に不採用だと告げなければならない場合、アナタならどう伝えるだろうか?

――ご縁がなかったということで。

これではお見合いの返事みだいだ。

――君はすばらしい能力を持っている。けれども今回のプロジェクトに限っては君の能力を有効に発揮できる環境にはない。たまたま今回のプロジェクトには合わなかっただけだ。

こういえば、相手は納得してくれるだろう。そしてもし次回のプロジェクトで必要になれば声をかけることもできる。

足りないのではなく、今回はたまたま合わなかっただけ――。

多くはタイミングとマッチングである。

青田さんをはじめ、応募された皆様の更なる幸せを願いたい。

(まぁテレビ番組なので演出上の仕掛けが多々あるだろうが、それを楽しみながらいろいろ考えてみるのもまた楽しみでもある)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

06/18/2006

リンク集(子供・教育・・語学・自己啓発・ダイエット)

子供・教育・環境・語学・自己啓発等のリンク集です。


【子供・教育】

子供環境改善案
子どもが生きている世界をいい世界にしよう。

子育てネットカウンセリング
頭と心のバランスを。子育てをもっと楽しみたい人のためのサイト。子育ての工夫・情報のシェアをめざす。
メールマガジン「親子の絆を12倍強くする 子育てネットカウンセリング」
無料レポート「親子のコミュニケーションをアップ 子供の成績もアップする一石二鳥の凄い方法」

幼児教育・育児・子育ての新しいカタチ
幼児教育のプロによる子育て講座。こどもの才能と可能性を引き出すには? 自由で豊かで幸せな成功へ導くには?
メールマガジン「コドモ塾」


【環境】

日常的エコロジー研究 greennote
環境問題のわかりやすい解説がある

エコロジストでいこう
日常の中の環境問題


【語学 (英語・日本語・言語)】

英語の7つ星レストラン
英語のイディオム・スラングで英会話、TOEIC、TOEFL、英検、留学、海外旅行にも。
アメリカ人のダーリンと共に、ネイティブが使う極上の英語表現、英語の雑学、アメリカの生活事情などを、盛りだくさんにご紹介。
メールマガジン「英語で人生を37倍楽しむ!英語の7つ星レストラン」
無料レポート「★知らなきゃ赤恥!カタカナ英語のミステイク」

英語の7つ星レストラン2号店
英語に関するあれこれをわかりやすく紹介。読めば英語通に!

試験に出ぬ雑学ENGLISH
試験には出ない英語。しかしその興味深い英語の世界を紹介します。英検やTOEIC の勉強から少し離れて
リラックスするのに最適!
メールマガジン「英語の???試験に出ぬ雑学ENGLISH」

ネイティブに負けるな! 英会話学習ポータル
英語・英会話の学習のための情報。 勉強方法、教材、講座等の選択の助けに。
メールマガジン「日本人が誰も知らない?!海外ネットビジネス速報」
無料レポート「■アメリカ発■ 無料で使える チョットおもしろい インターネットサイト 第1集」

英語で日本を紹介しよう!
日本を英語で説明するためのヒントを提供。日本文化、歴史、社会。通訳案内業2次試験対策にも効果あり!
メールマガジン「目指そう通訳ガイド!1分で説明!日本文化」


【自己啓発・スキル】

簿記3級の僕が凄腕会計コンサルタントと呼ばれる訳
会社の経理は簿記3級の知識があれば決算までできる。日々の経理から貸借対照表・損益計算書等の財務諸表作成の決算まで。簿記3級は必要かつ十分な経理のルールです。あなたも凄腕会計コンサルタントに!
メールマガジン「簿記3級の僕が凄腕会計コンサルタントと呼ばれるワケ」

【恋愛】

初デートでの会話をはずませるコツ
初デートでの心配。それは会話。初デートで緊張してうまく会話できなかったらどうしよう……。実は、だれもが心配する、初デートでの会話をはずませるコツがあります。


【ダイエット】

YouTubeでダイエットしほうダイエット!
YouTubeで動画を観るだけでダイエットの一歩が踏み出せる。動かすダイエット、刺激するダイエット、食べるダイエット、おもしろダイエットなど。


| | Comments (0) | TrackBack (1)

マニア向け?謎解きのスッキリ感を得にくい「ジャケット」

「ジャケット」作品レビュー

さて、記事「目からウロコの『ジャケット』解説」において「シカゴ発 映画の精神医学」さんによれば、タイム・スリップという先入観を持たずに、死人の見た夢だと解釈すれば自然で首尾一貫している、というのを紹介した。

なるほど夢だとわかれば「ジャケット」はとてもよくできた非常におもしろい作品だという評価・感想になる。

つまり、作品を楽しむキーワードに気づくと、断然おもしろくなるということだ。

しかし「ジャケット」を一見すると、なんだかよくわからない作品という感想を持つ者が多いようだ。よくわからない部分をあれやこれやと考えはじめると、特に違和感を覚えるのは唐突に主人公たち(ジャックとジャッキーが)が愛し合ってしまうところだ。

なぜだろうと一生懸命に謎を解こうとがんばって考えれば考えるほど、仮説を立てれば立てるほど、次から次に辻褄の合わないことが起きてお手上げだと思いはじめる。

例えば、謎を解こうといろいろ考えていけばいくほど不可解な状況が次から次に起きて収拾がつかないのではないかという絶妙なタイミングに謎が明らかになる作品に「アイデンティティ」がある。

▼ 「アイデンティティー」

では「ジャケット」においては謎が解けるように丁寧に作られているかというと、そうでもない。

結局「ジャケット」は主人公の夢の話だとわかった者だけがそこそこ楽しめる作品なのだ。

実は「ジャケット」はこんな楽しみ方があるのだ、というのが口コミでじわじわと広がっていく頃には上映は打ち切られてしまった後の祭り、というかんじで日本でもあまり話題にならなかった。

つまり、明確な謎解きの楽しみが提供されないので、観客の多くに「?」という感想を持たれてしまうのだ。

タイムスリップでなく夢であった、ということに気づいたならば、物語の辻褄が合うので「なるほど!」と思う。しかし、結局はいわゆる「夢オチ」である。

小説作法や脚本作法の基本に、夢オチは避ける、というのがある。

どんなにすばらしい作品であっても、物語の終わりに「いろいろあったけどこれはすべて主人公の夢のお話でした」となれば、ドリフじゃなくてもズッコケるしかない。

そういった意味で、映画のヒットという視点から「ジャケット」を観るならば、成功には程遠い。

夢だと気づけた者には謎を解いた達成感という楽しみがある。しかしながら多くの人々が映画を観る動機の大部分は、ただ楽しみたいと思っているのであるから、謎解きという楽しみを広くわかりやすく提供してあげていないという意味で、やはり「ジャケット」はマニア向けといわざるを得ない。

「ジャケット」は、懲りすぎると観客が付いてこない(これない)作品例だ。

「謎」が重要な作品では「しかるべきタイミングでわかりやすい謎解き」がされることがヒットの秘訣である。


○謎を明確に解き明かす     → 広く一般のヒット狙い

○謎のヒントを提示してそのまま → マニア狙い


タブーの「夢オチ」に挑んだという意味では、チャレンジャー精神溢れる作品である。


| | Comments (0) | TrackBack (0)

06/17/2006

インサイド・マン(INSIDE MAN)

監督:スパイク・リー
アメリカ/2006年/128分

引っ張り(宙吊り=サスペンス)力がスゴい! 変遷する人種問題。旨い汁を吸う者とは? アメリカ社会を映す縮図の風刺作品。


ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
マンハッタンの銀行で人質をとった立てこもり事件が発生。NY市警のフレイジャーは犯人と交渉を試みるが失態を晒して担当を外される。
しかし、犯人たちの巧妙なトリックの一部に気づいたフレイジャーは事件解決による自身の出世を目論む。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ダルトン・ラッセル
 銀行襲撃犯。

△フレイジャー
 NY市警刑事

▽マデリン・ホワイト
 女性。弁護士。

△アーサー・ケイス
 マンハッタン信託銀行取締役会長


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
引っ張り(宙吊り=サスペンス)力がスゴい! 変遷する人種問題。旨い汁を吸う者とは? アメリカ社会を映す縮図の風刺作品。

■ 銀行強盗の美学

死傷者を出さずに1セントも盗らない。銀行からなにも盗っていないのだから銀行強盗とはいえないかもしれな
い銀行襲撃を扱った今作は、エンタメだけど一般的なエンタメじゃぁないんです。

有名俳優さんが出演しているので大味なエンタメ系クライムサスペンスかと思うかもしれませんが、どちらかというと映画好きや人種問題に関心がある(風)の方々がアメリカ社会の縮図にも似た作品内容にニンマリしちゃうような種類のエンタメ作品なんです。


■ 際立つサスペンス

古今東西、映画の題材としてよく描かれてきた銀行強盗には「頭脳」と「スマートさ」が求めれました。だれに求めらたかっていうと、脚本家や監督や演出家といった作り手のほうにです。

銀行という「場所」と、立てこもりという「時間」を限定する題材に「交渉という駆け引き」が加わったのが銀行強盗の典型です。「インサイド・マン」ではこのほかに「犯人の動機という謎」を全面に押し出すことで「サスペンス=謎を知りたいという願望を宙吊りの状態にさせておく」を盛り上げています。


■ 金と出世。旨い汁を吸うには?

大韓民国の恋人たちには、いくつもの記念日があるそうです。

ふたりが付き合いはじめてから22日目、100日目、1000日目といった日にはイベントがあり、他にもバレンタインデー、ホワイトデーの他にも毎月イベントがあります。ダイアリーディ、ローズディ、キスディ、ハグデー……。

イベント毎に物を贈りあったり、どこかへ行ったり、食べたり飲んだり。

イベントが多ければ多いほど費用がかかります。恋人とのイベントにお金を惜しむのは相手への愛情が薄いからだと思われないよう、特に男性はせっせとイベントにお金を使うことでしょう。

たとえ「恋人」というふたりの関係においても、そこにイベントを設定すればお金の流れが生じます。恋人たちの記念日というイベントならまだかわいいものですが、もっと大きくお金の流れを変えて自分のほうへ入ってくるようにするには、大きなイベントが起きたときに素早く動いて自分の畑に水が沢山入ってくるようにしなければなりません。

さらに、イベンドが起こるのを待っているだけではなく、場合によっては自分で大きなイベントを起こしたり、起こるようテコ入れをすることも必要です。

マンハッタン信託銀行取締役会長のケイスは自分の銀行が襲撃されたことを知ると、凄腕で名を馳せるホワイト弁護士に連絡をとります。公になっては困る、ある物を守りたいう願いを叶えるためです。

ケイスはどうやってマンハッタン信託銀行を興したのか? 

これが今作の重要なメッセージのひとつです。


■ ひとこと

特徴は「人種問題」「旨い汁を吸う者」。

人種問題では、変遷する人種偏見(アラブ系)の有様が、開放された人質のアラブ系の男性にみてとれます。

そのあたりはホワイト役のジョディ・フォスターが主演した「フライトプラン」でも、乗客のアラブ系男性が誘拐犯だと決めつけられるシーンがありましたね。

▽「フライトプラン(FLIGHTPLAN)」作品レビュー

有名俳優が出演しているけど、気軽なデートムービーのつもりで観るような作品じゃぁありません。

かといっておもしろくないかというと、そんなことはありません。

犯人たちはどうやって銀行を出るの? 犯人の目的は? 動機は?

そういうのが気になってしかたなくって、作品に釘付けになることでしょう。

ひとことでいうと、アメリカ社会を映す縮図の風刺作品です。

俳優ファン ◎
ファミリー -
デート    -
フラっと   ○
脚本勉強  ○
笑い     △
リアル追求 △
謎解き    ◎
人間ドラマ  △
社会     ◎
アクション  -

| | Comments (11) | TrackBack (18)

06/16/2006

リンク集(映画・ドラマ等)

映画やドラマや本のリンク集です。

【映画】

映画学校のニューシネマワークショップ
映画の世界で生きたい人のための本格的ワークショップ

親を見りゃ、僕の人生こんなもの!
映画の感想。八代市の話題も。

映画評論家人生
映画を愛する人たちのための映画評論。演出の立場から映画評論。

映画の感想文
日々観る映画などの感想を記録

映画生活
新作映画試写会、懸賞、ニュース等

DVD生活
DVD販売。「映画生活」の姉妹サイト

シカゴ発 映画の精神医学
最新映画、名作映画の精神医学、心理学的にわかりやすく説明し、「心の癒し」を考えます。

CinemaWave(シネマウェーブ)
インタビュー、コラム、映画公開情報

Movie@nifty
話題の映画、最新DVDの情報や予告編

シネマ・プラス
映画館情報、チケット前売り

minipara(ミニパラ)
日本全国のミニシアター情報 写真、地図、上映スケジュールあり

いいことがたくさんありますように
映画情報。映画館の案内が詳細。

覇王の書斎
映画・漫画の感想ブログ

観た映画メモっとこ
映画とホームシアター

日常と映画の関係
生活視点の映画紹介

まつさんの映画伝道師
愛をもって映画を語る。
深い洞察力と豊富な情報量の映画レビューが満載。読み応え度抜群!

読み読みちゃん
映画、本の感想。簡潔でわかりやすい紹介。

映画レビュー~防人城Blog丸
観た映画の感想

distan日誌
新作・旧作映画レビュー

徒然雑草
映画、エッセイ、コラム、自主制作映像作品。

利用価値のない日々の雑学
詳しい映画レビューが多数

Aloha Days
ハワイ/映画/音楽/本
ネコとおいしいもの。アロハなブログ

えいがの感想文
映画

Akira's VOICE
映画,本,ゲーム,ドラマの感想ブログ

ひらりん的映画ブログ
簡潔に箇条書きで映画を語ります。

自然に生きる 映画に生きる
映画ブログ

いつか深夜特急に乗って
映画館、DVD、衛星放送と3つのメディアを駆使して映画生活。星取りは5つ星が満点

映画熱
映画。魂の直球コメントワールド

タイトルが決まらないブログ(そろそろ決まりそう)
ジャムおじさんを敬愛しているJamさんによる映画レビューサイト。


【ドラマ】

TVグルーヴ・ドット・コム
アメリカンTV 海外ドラマ専門 情報・コミュニティサイト。
海外ドラマのことならココ。海外ドラマ関連情報やアメリカンTV最新ニュースが読める。

雲のゆくえ
韓国ドラマ、映画、旅行、食べ物、ミュージカル、音楽…

JUNKの庭
韓国大好き・雑誌大好き・なによりのんべんだらりの生活


【本】

ぱんどらの読書日記
ぱんどらの読書生活をつれづれなるままに
本の感想と紹介がわかりやすくて程よい分量。

いま、【あの人】の【この本】を読みたい!
世間で話題のあの人を知る1冊をピックアップしてご紹介。


【映像】

ココロに響く映像制作
映像制作プロダクション社長が、ビデオの整理法や、上手な撮影方法などをご紹介。
撮影・編集に関する情報や商品のご案内も。
メールマガジン「幸せ家族のススメ 家庭の感動記録のつくり方」


【お笑い・芸能】

お笑い芸人壱番館-芸能新聞今昔-
漫才・落語・コント・吉本新喜劇・お笑い番組・エンターテイメントまでを網羅。最新芸能ニュース。
マールマガジン「無料でお笑い芸人を10倍楽しむ裏情報!」
無料レポート 驚愕の儲けスパイラル!お笑い王国吉本興業に見る「儲け」の仕組み


| | Comments (10) | TrackBack (1)

06/15/2006

目からウロコの「ジャケット」解説

「ジャケット」作品レビュー

本ブログでも紹介した「ジャケット」。

デザイン画も素材もけっしてわるくないが裁縫職人がまだ修行中、といった印象。という見出しではじまるレビューを書いたのだが、その後、とある記事を読んでハッ! とさせられた。

その記事とは、本誌もたいへんお世話になっているメールマガジン「シカゴ発 映画の精神医学」さんの記事「精神医学の目 ジャケットの心理学」である。

「シカゴ発 映画の精神医学」さんによれば、タイム・スリップという先入観を持たずに、死人の見た夢だと解釈すれば自然で首尾一貫しているというのである。


-----------------------
 そしてこの「ジャケット」は、ジッャクが死んだ後に見た夢、あるいは死の間際、または死を前にして見た夢と考えられる。
(メールマガジン「シカゴ発 映画の精神医学」2005年6月15日発行号「精神医学の目 ジャケットの心理学」より引用)
-----------------------


なるほど! と思わず唸ってしまった。

たしかに夢と解釈すればすべてが納得でき、「ジャケット」が実はスゴい作品だということが明らかになるのだ。

私は映画の記事を書くとき、なるべく他の人のレビューは読まないようにしている。書くまえに多くのレビューを読むと、そこに書かれている解釈・感想に少なからずも影響を受けてしまい、自分が感じたり思ったり考えたりすることが疎かになってしまいがちだからだ。

そういうわけで、レビューを書いてから他の人々の記事を読むことが多い。そのほうがさまざまな解釈や感想を楽しむことができるからだ。

しかしながらどの作品も基本情報ぐらいは目を通す。「ジャケット」もそんなかんじで目を通していたはずだが、タイム・スリップという言葉にいつのまにかどっぷり浸かってしまっていた!

タイム・スリップものだと思われるであろうことが制作者の狙いだとしたれ、まんまとそれにはまってしまったのである。

多少言い訳がましくなるが、本ブログ(メルマガ)の特徴はヒット分析・物語分析・キリスト教文化の3本柱である。そのため、どうしたらより多くの観客に受け入れられるか→ヒットするか、ということを念頭に置いて映画を観てレビューを書いている。

すると「ジャケット」が多くの観客にタイム・スリップものと分類された時点で、高い評判を得ることはむずかしくなる。タイム・スリップものという先入観から自由になれた者だがけが作品のすばらしさを堪能できる、というのが制作側の狙いだとすれば、はじめら大ヒットは狙っていなかったのか、という疑問が起こる。

いやそうではなくて、タイム・スリップという先入観にとらわれなかった者による口コミによってじわじわとヒットしていく、というのが狙いだったのかもしれない。

しかしながら私も含めタイム・スリップという先入観にとらわれたままの観客がほとんどだったので、あまりヒットしなかったようである。

「シカゴ発 映画の精神医学」さんの記事では、名前に関する解説や主人公の生年月日などに聖書的な解釈ができることをとてもわかりやすく解説されている。

聖書的な解釈については本来なら本ブログ(メルマガ)ご紹介できれば良かったのだが、残念ながらそこまで気がつかなかった。まんまとタイム・スリップという先入観にとらわれてしまった次第である(-_-;) 
これに懲りずに今後とも本ブログ(メルマガ)宜しくお願いしたい次第である。


「シカゴ発 映画の精神医学」さんは、シカゴ在住の精神科医さんの発行するメルマガである。メルマガ界でも有名な方で、すでにご存知の方も多いと思う。

アメリカ合衆国の生の情報と精神医学・心理学的解説は実にスリリングかつ知的好奇心を刺激させられる。
その「シカゴ発 映画の精神医学」さんの人気レポートがこちら↓

▼無料レポート

映画「ダ・ヴィンチ・コード」公開記念 ダ・ヴィンチの性格から分析するモナ・リザの謎


▼メールマガジン
シカゴ発 映画の精神医学

いまなら最新号のバックナンバーで「精神医学の目 ジャケットの心理学」が読めるはずだ。(2006.6.15現在)
メルマガの読者登録も忘れずにしておこう!(いうまでもないが私も読者である)


ちなみに「目からウロコが落ちる」とは、なかなか解けずに悩んでいた問題を解決する発端・糸口がつかめることをいう。

実はこの言い方は、新約聖書の使徒行伝第9章18節にあるサウロ(パウロ)の回心の話からきている。

ローマ市民権を持ち、キリスト教徒迫害の急先鋒として活動していたサウロ(パウロ)はある日、迫害をしようと出かけた途中で天からの光に照らされて目が見えなくなってしまう。

従者に手をひかれてたどり着いた、とあるキリスト教徒の家で再び目がみえるようにしてもらうのだ。

これによってサウロ(パウロ)は誤りを覚って、それ以後キリスト教の伝道者になる。

迫害者から伝道者へとなった契機が「目からウロコが落ちる」という言葉の由来になっているのである。

| | Comments (6) | TrackBack (0)

06/14/2006

トランスポーター2(THE TRANSPORTER 2)

監督:ルイ・レテリエ
フランス・アメリカ/2005年/88分

アクション映画(西欧)最新作決定版(ちなみに東洋は「トムヤムクン」)。今度は陸海空すべて制覇だ!

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
マイアミにやってきた運び屋のフランクは、裕福な一家の少年ジャックの送り迎えの仕事をしている。
ある日、少年ジャックが誘拐される。フランクは約束を果たすため、少年ジャックの救出に奔走する。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△フランク
 運び屋

△ジャック
 6歳の少年

▽オードリー
 ジャックの母親

▽ローラ 
 殺し屋

△タルコーニ
 警部


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
アクション映画(西欧)最新作決定版(ちなみに東洋は「トムヤムクン」)。今度は陸海空すべて制覇だ!

■ 今回の依頼は?

運び屋――。それは世間一般でいいますところの運送業者と申し上げたいところですが、訳有りの品を依頼人の希望通りに届ける、いわゆる「運び屋」であります。そのフランクが欧州から亜米利加のマイアミにやってきて臨時で受けた仕事というのがジャック少年の送迎運転手の職でありました。

普段はこの種の仕事は受けないのだ。というフランク運転手でありますが、その表情にはどこか観る者を和ませてくれる雰囲気が何処かしら漂っております。それは安全・確実に送り届ける依頼品が6歳の少年であるからやも知れません。

このジャックという少年。送迎にやって来た自動車に素早く乗り込むやいなや、なぞなぞだして! とおねだりするほどフランク運転手を慕っているようであります。

フランク運転手のほうはといいますと、ジャックに乗車の決まり事を今一度確認させつつも、お望みどうりになぞなぞ遊びに興じながら依頼品を時間どうりに送り届けるべく彼の住む豪邸へと一路自動車を走らせるのでありました。


■ 海を越えて相棒がやってきた!

前作「トランスポーター」において成り行き上で関わることになったとはいえ、うら若き女性を助けたフランク運転手。

今回もすっかりジャック少年と心打ち解けている様子であった、その矢先の出来事でありました。

なんと! ジャック少年が悪者一味に誘拐されたのであります!

ジャック少年を救出すべく孤軍奮闘するフランク運転手。

いよっ! 一匹狼! と声援を送りたいところではありますが、今回は少しばかり勝手が違うようであります。

実のところ今回は一匹狼では無いのです。遠く仏蘭西から亜米利加のマイアミへ遊びにやって来た、前作に登場したタルコーニ警部が、ジャック少年救出を情報面で支援することになるのです。


■ 高度な運転技術と華麗な格闘技術を惜しげも無く披露

主人公が運転士でありますから、その運転技術に定評があるのは御尤であります。しかし乍このフランク運転手、前職は特殊部隊かどこかの隊長をしていた経歴の持ち主で、その身体能力の高さと俊敏かつ強力な運動神経と類稀なる格闘センスと技術を持っている凄腕なのでありました。

それが如何なく発揮されるのが悪者一味との決闘であります。

悪者一味はジャック少年の誘拐という目的のためには手段を選ばぬ悪党揃いでありまして、至極当然のように銃器によって武装しており、時と場合と場所を構わず派手に発砲します故、建物に過大な損害が生じ、幾度もフランク運転手の身に危険が迫るのです。

しかしながら娯楽活動劇のお約束とでもいいましょう、主人公に弾は当たらず(多少の掠り傷有り)、更にフランク運転手の自動車に仕掛けれた爆弾も超人的運転技術によって取り外しに成功。絶体絶命の境地から見事に脱するのであります。

そんなご都合主義の無茶苦茶な解決方法が有るものか! と腹を立てては勿体無ぉ御座います。皆々様方御忙しい中、御時間を工面なさって活動写真を観にいらしたですから、奇想天外摩訶不思議な現象・事象を殊更可笑しく楽しむのが清く正しい鑑賞法というもの。

さぁ、肩の力を程良く抜いてフランク運転手の活躍に心躍らせ共に応援せようではありませぬか。


■ ひとこと

フランク運転手は劇中で銃を手にしても一発も発砲しない事にご注目いただきましょう。

(一回も銃を使わない主人公が登場する西部劇に「無法の拳銃」(1959)というのも御座います)

「トランスポーター2」は、お気楽にご鑑賞いただければきっと程良い御満足を得られることで御座いましょう。

▼前作「トランスポーター(LE TRANSPORTEUR)」作品レビュー

俳優ファン ○
ファミリー -
デート    ◎
フラっと   ○
脚本勉強  △
笑い     ○
リアル追求 -
謎解き    -
人間ドラマ △
社会     -
アクション  ◎

| | Comments (0) | TrackBack (12)

06/09/2006

ブギーマン(BOOGEYMAN)

監督:スティーヴン・ケイ
アメリカ/2005年/90分

映画マーケティングでヒットを飛ばすプロデューサー、サム・ライミ製作のショッキングホラー。ホラーとデートムービーの組み合わせが米でヒットの秘訣。押し入れ文化と直球恋愛モノが主流の日本ではヒットは難しい。需要と供給、マーケティング、アメリカ合衆国、演出法、カメラワーク、笑いが大いに勉強になる。ぜひ「呪怨シリーズ」「輪廻」とセットで鑑賞しよう。

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
15年前の夜。幼い子供だったティムは自室のクローゼットから出現した怪物ブギーマンに父親をさらわれる。
それ以来クローゼット恐怖症になったティムだったが、青年となった彼は編集者として仕事も順調で、結婚を考える恋人もいる。
ある感謝祭のホリディシーズンに母親が亡くなり、田舎に戻ったティムは怪物ブギーマンと対峙する。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ティム
 20代男性。編集者。

▽ジェシカ
 ティムの恋人。

∇ブギーマン
 アメリカにおいて有名な想像上の化け物(お化け)
 『ハロウィン』シリーズの殺人鬼とは関係ナシ。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
映画マーケティングでヒットを飛ばすプロデューサー、サム・ライミ製作のショッキングホラー。ホラーとデートムービーの組み合わせが米でヒットの秘訣。押し入れ文化と直球恋愛モノが主流の日本ではヒットは難しい。需要と供給、マーケティング、アメリカ合衆国、演出法、カメラワーク、笑いが大いに勉強になる。ぜひ「呪怨シリーズ」「輪廻」とセットで鑑賞しよう。

■ 万人にウケるように作るとモンスターズインクになるネタ

クローゼットやベッド下に潜んでいるかもしれないお化けのことをアメリカ合衆国ではたいてい「ブギーマン」と呼んでいるそうです。

子供がいうことをきかないと親は「ブギーマンがやってくるゾ」と言ってよい子になるよう諭すような使い方をされるのが一般的らしく、それは日本の東北・秋田県の地方でいうところの、わるい子はいねか~、でおなじみの「なまはげ」みたいなものと思えば近いかもしれません。

「なまはげ」は年末や陽暦一月一五日あたりに出現すると決まっていますが、ブギーマンはいつ現われるかわかりません。

部屋のクローゼットの扉が少し開いていることに気づいてしまったら、いつブギーマンが現われてもおかしくないのです。

似たような話をどこかで聞いた(観た)ことはありませんか?

そう、ピクサーの『モンスターズインク』です。子供部屋のクローゼットからモンスターが現われるというあのヒットCGアニメーション作品です。子供の悲鳴をエネルギーとして採取するという会社の成績トップ社員が主人公のこの作品も、ブギーマンという下地があるからこそあんなにヒットしたのかもしれませんね。


 日本ではウケにくいショッキングホラーと思えるが、
   実は日本とは相性がいい。

子供の頃、自分の部屋にクローゼットがあったという人は手ぇあげて!

兄弟(姉妹)一緒の部屋でした。
クローゼットってなぁに?

そんな声も聞こえてきそうです。

最近でこそウォークインクローゼットなんて言葉が聞かれるようになったけど、そもそも日本の収納といえば押入れですよ!

押し入れはたいてい上下二段にわかれています。だから大人が立った状態で中に入ることはできませ~ん。上段か下段に座るようにして入り込むしかないのですから。

そういうわけで押し入れのなかにいるかもしれないと想像できるものといえば座敷わらし黒猫ドラえもんぐらいなもの。

清水崇監督作品「呪怨」で、はじめに押入れにいたのは猫でしたね。そして押し入れから天井裏に入ったところに死体があったはず。

とはいっても日本の現代一般住宅は欧米の家に比べると小さいので、ウサギ小屋と比喩される日本住宅自体をクローゼットと捉えてみましょう。すると「呪怨」に登場した日本家屋自体がブギーマンが潜んでいるクローゼットと考えることもできるわけです。

クローゼットからやってくるブギーマンによって人が消える(さらわれる)のは、四谷怪談の「仏壇返し」を連想させますね。


■ 「呪怨」でわかる、理不尽な恐怖。

「ブギーマン」では、主人公ティムに関わる人は次から次にブギーマンに襲われていきます。子供の頃からブギーマンの話は知っていても、べつに作り話でしょ、ぐらいにしか思っていなかった人たちでも、ティムの知り合いというだけで襲われていくのです。

「呪怨」では、ある一軒家に足を踏み入れた人はだれでも幽霊に遭遇(襲われる)します。

両作品とも、お化けに襲われる所以(理由)が見当たらないのです。ここに、アメリカンホラーに共通する「恐怖」の根本があります。

なぜ自分が襲われければならないのか。これこそが「恐怖」の根本なわけです。

得たいの知れない理解不能なもの=恐怖なのです。

ということで、ブギーマンが何者なのか、どこから来て、どうしてクローゼットベッド下から現われて人を襲うのかは明らかになりません。それでいいのです、なぜなら「恐怖」=「理不尽」なのですから。


■ 映画マーケティングとデートムービー

デートで観るならどんな映画?

教科書的な答えをするなら、最近の日本映画では「LIMIT OFLOVE 海猿」。韓流でいうなら「連理の枝」。デートだから恋愛映画というのは定番ですが、どうやらアメリカ合衆国では他に「ワーキャー絶叫ショッキングホラー」というのがデートムービーとして堂々たる地位を得ているようです。

デートでホラーを観る目的はズバリ、盛り上がるため。

恋愛で盛り上がるのは当人たちにまかせておいて、2人の話題を活発にしたり、テンションを盛り上げたりして楽しませる映画という意味でのデートムービーというジャンルにホラーという枠がアメリカ合衆国にはあることを「ブギーマン」は教えてくれます。

よく考えてみましょう。公園にひとりで散歩に行ったアナタは、ベンチに座って抱き合ってイチャイチャしている熱々カップルが目にとまります。それを見てあなたは心の底からうれしいですか? 恋や愛情のボルテージが上がりますか?

テレビの旅番組でタレントが高級ステーキを食べているを見て、自分も食べたいとは思うかもしれませんが、他人が食べているのを見てあなたは心の底からうれしいですか?

公園の熱々カップルも、高級ステーキを食べるタレントも、あなたにとってはしょせん他人です。

ではスクリーンの中の俳優さんが恋をしてやがて結ばれる。こんな恋愛してみたいなぁと思っても、それはしょせん映画の中のお話であり、他人事です。

「恋愛はスクリーンの中でするもんじゃない。君の隣の彼・彼女とするものだ!」(なんちゃって織田クン)

そうです! 恋愛は自分達がするものです。デートするふたりが映画に求めるものは、彼・彼女との時間を盛り上げてくれるものです。

映画を観てワーキャーいって楽しむ。そして観終わった後には、まるで手をつないで一緒にお化け屋敷を体験した達成感を得られるかのような体験を提供するのがデートムービーの役割のひとつなのです。

また、デートムービーにはビックリ箱効果だけでなく、笑いの要素も必要です。笑いは「隙間」に生まれます。日常=常識をズラした隙間に生まれる脳の働き。それが笑いです。

恋愛においては、ふたりの関係に生じる隙間をすこしづつ埋めていく作業によって愛情が育まれていきます。もし、相手が完璧な人間だったら? ふたりの関係にはじめから隙間などないとしたらどうでしょう?

自分は必要とされていないし、相手を必要ともしていないと感じてしまうことでしょう。そうなれば、ふたりが一緒にいる利点・理由はなくなってしまいます。

もっと単純にいっても、映画のなかにツッコみどころがあれば、観終わったあとにふたりでシーンのボケをツッコんで盛り上がれるという効果もありますよね。

では、デートというシチュエーションにおける「需要」に対して確実・丁寧な仕事ぶりで作品を「供給」できる有能なマーケッターともいえる人物とはいったいどんな人物なのでしょう。

▼関連記事
アメリカ合衆国でなぜヒットしたか?
「みんなでワイワイ―『THE JUON/呪怨(THE GRUDGE)』―」


■ サム・ライミという有能なプロデューサー(マーケッター)

「ブギーマン」の製作は、ホラー専門レーベルの「ゴーストハウス・ピクチャーズ」です。「ゴースト・ハウスピクチャーズ」は清水崇監督の『呪怨』をリメイクしたハリウッド版「THE JUON/呪怨(THE GRUDGE)」をおくり出したところです。このレーベルの第二弾作品が「ブギーマン」なのです。

製作は『死霊のはらわた』でデビューした『スパイダーマン』の監督サム・ライミさん。彼は「呪怨」をたいそう気に入って日本人監督の清水崇さんにハリウッド版を作らせて全米NO.1ヒットさせました。

「呪怨」の演出法は「ブギーマン」にも共通しています。それはお化け屋敷的ドッキリ法ともいえるものですが、こうした演出法の集大成として「ブギーマン」はたいへん勉強になる作品です。

出るぞ出るぞ、という緊張感をあおる方法。
ビックリさせる方法。
ドキドキさせるカメラワーク法。
どれもたいへん上手です。洗練されたプロの職人技がキラリ☆と光っております。

考えもみてください。マーケティングと演出が上手でなければ、一軒家とクローゼット(とベッド下)だけで作った映画『ブギーマン』で初登場1位のヒットを記録することはできなかったでしょう。

あなたは家の押し入れだけで全米NO.1作品を撮れますか?


■ ひとこと

「呪怨」シリーズおよび「輪廻」と、「ブギーマン」とをセットで観ることで「空間と時間」の使い方がレーベルとしての作品の特色となっているのがよくわかります。

ちなみに清水崇監督のスゴさは、サム・ライミさんと共通するびっくり箱お化け屋敷の演出に加えて、そこにストーリー性を融合させているところです。それがよくわかるのが「輪廻」という作品です。

そもそもサム・ライミさんは、おそらくとても「おちゃめ」な方だと思います。マーケティングがしっかりできて、演出が巧くて、笑いもできるおちゃめな人。それは監督した『スパイダーマン』の大ヒットで証明されていますね。

恐怖と笑いは表裏一体。そこにマーケティングという視点・感覚を持ったサム・ライミさんは私のお気に入りの監督さんのひとりです。

でも、日本ではクローゼット文化に馴染みが薄いことや、デートムービーとしてのホラーの認知度・利用度がアメリカ合衆国に比べると低いことから、日本でのヒットは難しいでしょう。

サム・ライミさんの監督作品や製作作品を観ることは、アメリカ合衆国というマーケットをよりよく知るよい勉強になります

映画を通して社会を知るのは、映画を楽しむ醍醐味のひとつです。まさにそのよき例となるのがサム・ライミという人物なのです。

今回は映画作品というより、サム・ライミさんについてのレポートみたくなりましたね^_^;

そうそうサム・ライミ監督作『死霊のはらわた』は笑えますヨ!


▼サム・ライミ関連(監督もしくは製作、ほか影響を与えた)作品レビューの一覧

「ザ・ギフト(The Gift)」

「ダークマン(DARKMAN)」

「スパイダーマン2(SPIDER-MAN2)」

「THE JUON/呪怨(THE GRUDGE)」

「輪廻」


俳優ファン   -
ファミリー   -
デート     ◎
フラっと    ○
脚本勉強    ○
笑い      ◎
リアル追求   -
謎解き     -
人間ドラマ   △
社会      ○
センス     ◎
演出      ◎
マーケティング ◎

「ブギーマン」のレーベルの前作が「THE JUON/呪怨(THE GRUDGE)」です。

ですから「THE JUON/呪怨(THE GRUDGE)」と「ブギーマン」には恐怖の元ネタとビックリ演出において類似点があります。

サム・ライミさんがなぜ日本映画「呪怨」を気に入ってリメイクさせてアメリカ合衆国で「THE JUON/呪怨(THE GRUDGE)」を公開させたのか。

その秘密は「ブギーマン」を観て、このレビューを読めばだいたいわかります。

もっとくわしくはっきりと知りたいという方はこちらのレポートをお読みください。

「THE JUON/呪怨(THE GRUDGE)」徹底解説
  ~ハリウッドがジャパンホラーを買いたがる理由~
 

これを読めば清水崇「輪廻」のスゴさを理解する助けにもなりますヨ。


| | Comments (5) | TrackBack (4)

06/07/2006

温泉風物詩

監督:木村次郎
日本映画新社/17分


北海道の登別、群馬の草津川原湯、山形の蔵王青根、小野川、和歌山の白浜


日本各地にあるこれらの温泉地の、昭和戦前期の様子をナレーションと映像で構成された作品です。


これは旅客の誘致を目的として、鉄道省が製作・監修した温泉紹介観光PR映画で、横浜都市発展記念館 で観ることができます。


こうした観光PR映画が鉄道省によって作られたというのが興味深いですね。


全国に線路を敷く鉄道を現代のインターネットに例えるならば、こうした温泉紹介観光PR映画は、特定のテーマを持つ無数のウェブサイトの中からおすすめのものを紹介する特集ページといったものでしょう。


鉄道とは、ネットにおける検索エンジンのようなものだと考えることができます。


鉄道も検索エンジンの利点とはなんでしょうか。その最も基本かつ最大のものは「集客」です。


日本という世界に鉄道を敷き、各テーマ(例:温泉)に沿って旅客を目的地に誘致する。


インターネットという世界に検索という線路を敷き、核テーマに沿ってユーザーを目的のウェブサイトに誘致する。


時代は変ったというけれども、今も昔も集客と誘致の基本は変らないのですね。


横浜都市発展記念館

| | Comments (0) | TrackBack (0)

06/06/2006

ジャケット(THE JACKET)

監督:ジョン・メイバリー
アメリカ・ドイツ/2005年/103分

過去の無い男が未来を生きる生まれ変わりの物語。例えるなら、デザイン画も素材もけっしてわるくないが裁縫職人がまだ修行中、といった印象。


ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
1992年。湾岸戦争で頭部を負傷したジャックは、記憶障害のために殺人事件に巻き込まれたことで精神病院に送られる。
そこで受けた実験的治療法の最中に、15年後の2007年ににタイムスリップした彼は自分の死を知り、その原因を突き止めようとする。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ジャック
 退役軍人。

▽ジャッキー
 1992年にジャックが会った少女。
 2007年には、ウェイトレスをする若い女性。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
過去の無い男が未来を生きる生まれ変わりの物語。例えるなら、デザイン画も素材もけっしてわるくないが裁縫職人がまだ修行中、といった印象。

■プレミスは魅力的だが……。

死んだことがある人の言葉を、目の前にいる死んだ本人から聞いたことはあるだろうか?

早い話が死人と会話したことがあるかということだ。

主人公が捜し求めるものが自分の死因だというのはありえなさそうであるが、それに近いことはある。

自分はいつ運命の人とめぐり会うのか。いつ結婚するのかというのは占い師に訊きたいことの上位にあがることからもわかるように、自分について知りたいことをあげていけば、いつしかたどり着くこと。それは自分がいつどのように死ぬのかということだ。

そんな誰しも少しは興味ある事柄をプレミスにしたまでは良かった。

Premise:(ストーリーが発展していくための基礎となるアイデア)


■SFだからといってなんでもアリにはならない

SFだからタイムマシンが存在したっていい。しかし、人間関係を何でもアリにしてはマズい。SFのウソはあくまで時代設定や状況設定やモノ設定に限られるべきだ。

人間の「気持」ちにウソがあるとSFのウソさえ台無しになってしまう。


■ウソが通用しない、人間の気持ちの部分に「?」がある

幼い子供の頃に数回会っただけのオジさん(お兄さん)のことを覚えているだけでなく、その死因を調べているというのは、いくらなんでもありえなく思えてしまう。

この会った回数についてもタイムトラベルのパラドックスによって変動するので曖昧になるのだが、なんにせよ、幼い頃に数回会っただけの相手が15年後に現れてわずかの間一緒にいただけで、もう愛し合ってしまうのである。
実際の日常では惹かれあう2人に時間は関係ないともいえるかもしれない。だが映画ではそうはいかない。ふたりが惹かれあうきっかけと過程をちゃんと描かなければ観客は納得(感情移入)できないからだ。

ジャックの死因というミステリーよりも、ふたりがなぜ惹かれあったのかのほうがミステリーに思えてしまうのだ。


■ 過去の無い男が未来を生きる生まれ変わりの物語

ジャックについては湾岸戦争に兵士として派遣されていたことぐらいしか情報がない。

ジャックがどのあたりの階級の兵士だったのかはよくわからない。
例えばベトナム戦争におけるアメリカ軍では若い10代後半の兵卒が多かったという。

国にいても良い待遇の仕事にありつけない若者の多くが兵士として最前線に送られるというのは、はおそらく湾岸戦争でもあったことだろう。

士官でもなさそうなジャックも、そうした多勢の例にもれず、どこにでもいる若者だったのだ。いうなれば、特に他人に語れるほどの人生を歩んできたわけでもない、どこにでもいるごくありがちなアメリカの若者のひとりであったということだ。

過去が語られない、過去のない男が未来において、たとえ未来では自分は既に死んでいようとも、新たな一歩を踏み出そうとする、ひとりの名もなき(厳密には名前はあるが)男の生まれ変わりの話なのである。

それは、大多数の人々のことであり、わたしやあなたのことかもしれない。


■ ひとこと

いろいろ見たり読んだり聞いたりする、若くて好奇心旺盛な者は次から次に「こんなんあったらおもろくない?」とアイデアがいくらでも浮かんでくる。

そこから先は、これはおもしろいかも! というアイデアを形にするセンス技術があるかないか、が分かれ道となる。

「ジャケット」については、魅力的なアイデアが浮かんだのはいいがそれを形にする技術がもうあと2,3歩といったところだ。

センスはけっしてわるくない。俳優たちだって今一番COOLな面々だ。

タイムトラベル作品が好きな方。
アイデアはあるがどのように形にすればいいのかと考えている方。
脚本を勉強している方。
こういった人はそれぞれに楽しめるだろう。

例えるなら、デザイン画も素材もけっしてわるくないが裁縫職人がまだ修行中、といった印象の作品である。

俳優ファン ◎
ファミリー  ×
デート    △
フラっと   ◎
脚本勉強 ◎
笑い     -
リアル追求 -
謎解き   △
人間ドラマ ×
社会     △
センス   ○

▼関連記事
目からウロコの「ジャケット」解説

マニア向け? 謎解きのスッキリ感を得にくい「ジャケット」


∇無料レポート限定配布中

「ダ・ヴィンチ・コード」を読み解く最大・重要なポイントは「M」の理解にある。
『ダ・ヴィンチコード』レポート「マグダラのマリア」版はここでしか手に入りません。
『ダ・ヴィンチ・コード』ガイド~重要な「M」が7倍わかるレポート~

「想いを寄せるあの人との距離をもう1歩縮める方法」
遠くの存在と思えるあの人との距離を劇的に縮めるには?
その方法を、まさに「劇(恋愛映画)」を例にあなたに伝授します。

「愛されたいなら嫌われろ!~共感を得る究極の方法~」
愛される第一歩「共感」を得る究極の方法を、宇宙一の嫌われ者が
愛を得た、あの有名映画作品を例にわかりやすく伝授します 

アスランは誰を表している? 暗闇の森をアスランと共に歩くだけのシーンの意味とは?
「ナルニア国物語」に秘められたキリスト教文化を大
解説~これを知れば7倍楽しめる~


| | Comments (1) | TrackBack (19)

« May 2006 | Main | July 2006 »