広告マン(ウーマン)になったつもりで
〈例文〉
「新商品を発売します。商品名は「ひと拭きキラリン」。いままでのお掃除はなにかとたいへんでした。まず汚れを落としてから水拭きして、それからワックスを塗って、乾拭きして磨く。そんなたいへんな作業をしなくてはなりませんでした。でも新発売となる「ひと拭きキラリン」ならそんな面倒な作業は必要ありません。なぜなら、このたび新開発された特殊な布を使えば汚れを落とすためにゴシゴシとこすらなくてもいいのです。 ではこの新開発した布についてご説明いたしましょう、まず ~~~」
これは新商品発表にありがちな商品アピールですね。発表している側、つまり製造・発売するほうにとってみれば、新製品がいかに画期的で便利なものかを知ってもらいたいという思いがあるでしょう。
だって研究開発にお金をたくさんかけて、研究員は睡眠不足になりながらも一生懸命開発したんですから。
でも「買うかもしれない側」にとってはそんなことはどうでもいいのです。それよりも、知りたいことは例えばこんなことです。
それは必要か?
それは使いやすいか?
それを使えば従来の品と比べてなにが有利(得)になるのか?
それは買う価値があるか?
↓
よし「買うぞ」または「買わないよ」(決意)
決意までの時間は人それぞれです。買うか買わないかを考えるときに知りたいのは、例えばこんなことです。
それで、いつ発売するの?
それで、値段はいくらなの?
それで、一袋に何枚入っているの?
それで、どこで売るの?(どこで買えるの?)
これらは基本情報です。新商品発表の際には、配布される資料に書いてある事柄です。
でも、資料に目を通さずに発表会だけを見る(聞く)人もいるでしょう。その方々のために、基本情報をスクリーンに映し出しておきましょう。
広告では、あえて発売日や値段を知らせないことがあります。詳細はこちらのウェブサイトへ。という方法で、興味を持ってくれた人にだけ情報を提供したり、お得なキャンペーン価格を適用したりといったことをします。
このように広告では「人が知りたいこと」を予測して、それをあえて伝えないことで、興味をもってくれた人(買いそうな人)を集めているのです。
たとえみなさんが商品を売ろうとしておらず、持っている情報を正確にわかりやすく相手に伝えたいだけだとしても、この広告の「視点・考え方」を利用しましょう。
なぜなら「相手が当然に知りたいと思うこと」を予測できるようになれば、的確なタイミングでその情報を提供することができるからです。
知りたいと思ったときにすぐに知ることができないと、人はそれを後回しにすることが多いでしょう。「あとで」としたものが、どうしても必要ならば「もう一度」ということになりますが、重要度や必要度や関心度が低いものなら「もう一度」(つまり二度目)はないでしょう。
ほとんどの「あとで」は「もうこれ以上いらない」だと考えていいのです。
知りたい事柄とタイミングは人によってさまざまです。どんな人のどんなタイミングにも対応できるよう、基本情報はひと目でわかりようにまとめて、目立つところに提示しておきましょう。
★広告の視点・考え方を持つ
★相手の「知りたい」を予測する
★基本情報は、ひと目でわかるようにまとめる
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