スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
(STAR WARS Episode III: Revenge of the Sith) 」
ジョージ・ルーカス監督/アメリカ/2005年/141分
観客にいちばん近いヒーロー・R2-D2。スターウォーズシリーズという壮大な宇宙SF大作の世界に参加するとっかかりを提供して、作品世界の中で活躍さえさせてくれるキャラクター。それがR2-D2だ。
物語の紹介
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グリーバス将軍率いる分離主義勢力が勢いを増すなか、共和国のパルパティーン最高議長が誘拐される。オビ=ワン・ケノービと、その弟子アナキン・スカイウォーカーが救出に向かう。見事に議長を救出するが、アナキンは次第に暗黒面に惹かれていく。
やがて宇宙に散らばっていたジェダイの騎士たちが次々と倒れていく。暗黒面に堕ちたアナキンとオビ=ワンは苦悩しながらも死闘を繰り広げる。
主な登場人物の紹介
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△オビ=ワン・ケノービ
ジェダイの騎士。将軍。
△パドメ
元老院議員
△アナキン・スカイウォーカー
オビ=ワンの弟子
△ヨーダ
ジェダイの騎士
△パルパティーン最高議長
元老院最高議長
△C-3PO
通訳ロボット
△R2-D2
ロボット
コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
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観客にいちばん近いヒーロー・R2-D2。スターウォーズシリーズという壮大な宇宙SF大作の世界に参加するとっかかりを提供して、作品世界の中で活躍さえさせてくれるキャラクター。それがR2-D2だ。
スターウォーズシリーズのキャラクターの中でいちばん観客に近いのはロボットのR2-D2だ。
彼(?)はロボット語のようなものを話すので、なにを言っているのかわからない。しかしその時の状況からしてたぶんこんなかんじのことを言っているのだろうという想像はできる(ようになる)。
なぜなら、オビ=ワンやC-3POがシリーズR2-D2の通訳をしてくれるからだ。この通訳はスターウォーズシリーズ全体で行われている。こうした通訳に慣れた観客は、シリーズを追うごとにR2-D2がどんなときにどんな反応をみせるのか想像できるようになるのだ(キャラクターの確立)。
ここで、R2-D2がエピソード1~6のすべてに登場していることを改めて意識してほしい。そうすれば、あるエピソードを観てそこのR2D2が登場したときに、まるで親しい身近な友人に会ったときのような感覚を味わっていることに気がつくはずだ。
ちょっと想像してみてほしい。自分とはあまりにかけ離れた才能の持ち主や財産の持ち主と親しい友人関係を続けていくことができるだろうか。
たとえばこんな友人だ。運動能力抜群でセリエAのクラブで活躍するサッカー選手。かつては水泳選手であり、金メダルもとっている。さらに事業を興していまでは年商100億の会社の社長でもある。ハーバード大卒で語学堪能。トランペットの腕はプロ級で、発売したCDはミリオンセラー。
そんな友人がいたら自慢にはなるだろうが、親しい友人として付き合いつづけることは容易だろうか。
すくなくとも、この彼と自分を重ね合わせてみることはあまりしたくないだろう。
R2-D2はジェダイの騎士でもなければ、特殊プログラミングがされているわけでもない、どこにでもいる量産型ロボットのひとつに過ぎない。
でも、いつもルークやオビ=ワンやアナキンたちジェダイの騎士をサポートしている。
どのエピソードでも、必ずといっていいほどこんなシーンがあるだろう。それは、はじめは調子が良かったジェダイの騎士が徐々に追いつめられてピンチ陥るといったものだ。このときジェダイの騎士は通信機を取り出して次のように呼び掛けるのだ。
「聞えるかい?R2-D2 すぐに○○にアクセスして○○をしてぼくらを助けてくれ。時間がないんだ。ねぇ聞えるかいR2-D2!」(ルーク調)
ここでR2-D2の相棒C-3POについて考えてみよう。C-3POは幼いアナキンによって作られてたロボットだ。類稀なフォースを持つアナキンによって作られたのだから、もしかしたら特別な能力をプログラミングされているかもしれない。そんな想像もしたくなる。だが作品におけるC-3POの役割は、程よいテンポと間を作り出すことにある。これはこれでとても大事な役割であるが、作品世界の中で主人公を直接サポートするといった種類のものではない。
一方R2-D2はジェダイの騎士によって作られたわけでもなく、限定生産ロボットでもない。数あるロボットの中のひとつに過ぎないのだ。
そんなR2-D2は、だれかに似ていないだろうか? そう、観客に似ているのだ。
スターウォーズシリーズのメインキャラクターはジェダイの騎士やお姫様や元老院議員だ。
庶民には程遠い存在である。人には遠い世界の物語に想いを馳せて楽しむ能力がある。
しかし、どんなに程遠い世界の登場人物の中にも、どこかしら自分と共通する部分を見出さないと、感情移入がしづらいのだ。
もちろんジェダイの騎士の苦悩の中に共感するものもあるだろう。だがより身近で、より直接的に自分を重ね合わせることができるキャラクターが必要だ。
それはなにもメインキャラクターでなくてもいい。作品世界の大切な場面で主人公をサポートする脇役であってもかまわないのだ。スーパースターではない自分も、偉大なプロジェクトの一員としてなにかお手伝いできる可能性を観客に与えること。これがポイントだ。
R2-D2の言葉は直接理解できない。これがいいのだ。喋っている内容がわからなくても、徐々にそれが理解できるようになってくる。直接は理解できない言語を使うというのは、観客のキャラクターへの感情移入の敷居を低く広くしていることを表している。
どこにでもいるロボットであったR2-D2が、スターウォーズシリーズに欠かせないキャラクターになったとき、そこには量産型ロボットではないただひとつのR2-D2が誕生するのだ。
スターウォーズシリーズという壮大な宇宙SF大作の世界に参加するとっかかりを提供して、作品世界の中で活躍さえさせてくれるキャラクター。それがR2-D2だ。
(R2-D2が空飛びます! 必見だよ)
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Comments
こんにちはTBありがとうございました。こちらからもさせて頂きました。R2-D2にこれだけ思い入れがあり深く語っている方を初めて拝見しました!確かに観客に一番近い存在なのかもしれませんね。
Posted by: masu | 08/23/2005 09:28
>masuさん
コメントありがとうとざいます。
レビューではもっとほかのキャラクターにもついてもコメントしようと思っていたのですが、長くなりすぎそうだったのでR2-D2だけになってしまいました。う~む、皆さんもそうでしょうがスターウォーズを語りはじめたらあれもこれもでとまらないんですよね。もっと神話的なストーリーの面からレビューしたいのですが……。
ヨーダとチューバッカが仲良しってなんかほのぼのしますね☆
また寄ってくださいね。
Posted by: わかスト@管理人たか | 08/23/2005 20:05