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05/30/2005

バタフライ・エフェクト(THE BUTTERFLY EFFECT)

B000AM6R00バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション
アシュトン・カッチャー エリック・ブレス J・マッキー・グラバー
ジェネオン エンタテインメント 2005-10-21

by G-Tools

エリック・ブレス、J・マッキー・グルーバー監督/アメリカ/2004年/114分

「時間」と「記憶」を題材に「日常」という海に「感動」という波をおこした斬新SFラブストーリー。運命に取り組む日米の違いを「いま、会いにゆきます」と比較。日常のワンシーンに込められたストーリーで感動の波を起こせるかどうかを「愛してる、愛してない...」との比較でみてみよう。

物語の紹介
―――――――――――――――――――――
少年の頃にときどき記憶がなくなって失神することが度々あった大学生のエヴァンは、7歳からつけはじめた日記を読んでいるときに、運命の分かれ目である過去の一部を変更する方法を発見します。
エヴァンは最愛の人、家族、友人を救うために何度も過去を書きかえていきます。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△エヴァン・トレボーン
 心理学専攻の大学生

△ケイリー
 エヴァンの幼馴染。エヴァンが愛する女性

△トミー
 ケイリーの兄

△レニー・ケイガン
 エヴァンの幼馴染の友人

△アンドレア
 エヴァンの母親


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
「時間」と「記憶」を題材に「日常」という海に「感動」という波をおこした斬新SFラブストーリー。運命に取り組む日米の違いを「いま、会いにゆきます」と比較。日常のワンシーンに込められたストーリーで感動の波を起こせるかどうかを「愛してる、愛してない...」との比較でみてみよう。


‡ 過去や未来に対する取り組み方~日米の違い~ ‡

ハリウッド映画で「運命は自分で切り開くものだ」「未来は変えられる」といったコピーをよく聞きます。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズや「ターミネーター」シリーズでは、過去を変えることで良い未来を手に入れようとします。

ハリウッド映画の登場人物は、自分にとって良い未来を築くために茨の道を切り開いていきます。

「運命」が自分によい影響を及ぼすときはこれを「ギフト」として受けとめ、悪い影響を及ぼすときはこれに「運命に呑まれずに道を切り開い」ていくのです。

一方、日本の映画作品「いま、会いにゆきます」では「自分の未来」という「運命」を知った女性(澪)は「運命」を受けとめて、残された時間を大好きな夫と息子と共に精一杯生きることを選びます。

「いま、会いにゆきます」作品レビュー

澪は自分の未来を垣間見たことで、自分が長生きするかもしれない道を選ぶこともできました。でも、たとえ自分の命の灯火が弱くなろうとも、愛する人と一緒にいることを選んだのです。

ここに日米の違いが表れています。澪は自分が長生きしないという「負」の運命をあえて受け入れることで愛する夫とまだ見ぬ息子と生きる決心をしたのですが、これがハリウッド映画だったらまた違っていたでしょう。

どう違っているかというと、主人公の女性が愛する人と一緒に「長生きしないという負の運命」に立ち向かい、やがてそれに打ち勝って共に末永く幸せに暮らすというハッピーエンドにする、というのが基本です。

では「バタフライ・エフェクト」はどうなのでしょう?


‡ 愛する彼女や大事な家族や友人、自分の将来を取り戻すために ‡

まず「喪失」があります。愛する人を失ってしまうのです。その原因が自分にあると感じたエヴァンは、愛するケイリーを取り戻すために奔走します。

ここでも焦点は「未来」です。失ってしまった愛するケイリーの将来という「未来」を取り戻す物語なのです。

「いま、会いにゆきます」が「2択」なら「バタフライ・エフェクト」は「何度でも」です。

ひとつの運命を受け入れて精一杯生きることを決意した「いま、会いにゆきます」の澪。

愛する人の未来を取り戻すために何度でも過去を書き変えるエヴァン。

だれかを深く愛するということでは同じでも、決断と行動ではこんなにも違いがあるんですね。

でもエヴァンは何度も過去を書き変えてわかったこと――つまり、最善の方法はなにかということ、を知ります。

それは「いま、会いにゆきます」の澪の二択のうちのひとつと同じものでした。

でも! 「バタフライ・エフェクト」のせつな過ぎるハッピー・エンドには新たな未来への一筋の希望の光が射し込んでいます。

「バタフライ・エフェクト」のエンディングは、どうやら当初のものとは違っているようです。いわゆるディレクターズカット版というものがあるようです。それには「新たな未来への希望」へ繋がるシーンがいくつかあるらしいのです。


‡ 親近感あふれる「過去を書き変える方法」 ‡

愛する人を取り戻すために過去や未来を旅した人を描いた有名な作品に「タイムマシン」(サイモン・ウェルズ監督/2002年/アメリカ原作:H・G・ウェルズ『タイムマシン』〈1895〉)があります。これも、未来(夢・希望)の物語です。

「タイムマシン(THE TIME MACHINE)」作品レビュー

題名のとおり、この作品では「タイムマシン」が登場します。SF的好奇心を刺激されて心踊るところですね。

一方「バタフライ・エフェクト」にはタイムマシンは登場しません。時間旅行ができる車(例:「バック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアン」)も登場しません。どこかの大企業が秘密裏に開発したタイムトラベル装置(例:「タイムライン」)も登場しません。

エヴァンが過去を書きかえるために使うのは7歳からつけはじめた日記です。

アルバムやビデオや日記で過去に思いを馳せるというのは、だれにもでもあることでしょう。そんな日常のひとつ――日記を読み返す――で過去を書きかえるのです。

ここでいう過去を書きかえるというのは「過去の空白の一部を未来で埋める」というのがより正確な言い方です。


‡ 日常の風景(すれ違う男女)が感動を与える ‡

道ですれ違う男女。どこにでもある日常の風景ですね。日常の風景で観客に感動を与えるためには、キャラクターへの感情移入とストーリーが必要です。

日常のなにげない風景の裏側に潜む恐怖を描いた作品に「愛してる、愛してない...(A la folie…pas du tout…)」があります。

「愛してる、愛してない...(A la folie…pas du tout…)」作品レビュー

「バラを1本あげる」
「カギでドアを開ける」

こんな日常のワンシーンでさえも、観方を変えることで恐ろしいホラーにもなるというのをよく描いています。

しかし「愛してる、愛してない...」では日常のなに気ないワンシーンで身の毛がよだつことはありますが、ジーンと胸をうつようなことはあありません。

作品は空想と現実のサスペンスホラーなので、身の毛がよだってもらえれば目的は十分に果したことになるのですが、もうひとつの「なにか」はありません。

一方「バタフライ・エフェクト」はSF作品ですので、斬新なアイデアや仕掛けによって非日常の世界を舞台で観客を楽しませることができればOKですが、実はそれだけはないのです。

「バタフライ・エフェクト」には「愛してる、愛してない...」にはない、もうひとつの「なにか」があるのです。

どちらの作品も緻密に脚本が練られています。
脚本とはいわば「頭で絞って」できたものです。そこに「感情」という魂を込めることができれば「頭」と「心」の両方が揃うのです。

「バタフライ・エフェクト」は「時間」と「記憶」という題材で斬新なSF作品を作り上げました。しかし、それだけではなく「日常」という海に「感動」という波をおこしたのです。

この波は観客の心の奥底までじっくりと沁みわたっていきます。

緻密な脚本(よく観るとアラはありますが、作品の「勢い」によってそれはたいしたことがないように思わせる、そんな作品の力がある)と感情が揃っているのです。

緻密な脚本(頭) + 感情(心)


‡ 少年時代 ‡

エヴァンの少年時代のいくつかの出来事がさまざまな未来へ繋がる分岐点になっています。この少年時代の出来事のひとつは、かなりダークなかんじなんです。

子供にとってはちょっとしたイタズラの延長だったのですが……。

子供には無邪気なところがありますが、それゆえに大人からみると残酷に思えることもあったりしますよね。

皆さんも、子供の頃に遊びのつもりでやっていたことを、大人になってから思い返してみると、ずいぶんなことをしたなぁっとふと思ったりすることもあるでしょう。

大人の描き方にしても子供の描き方にしても、美化していません。

このあたりは「いま、会いにゆきます」が子供を無邪気に美化して描いているあたりとは違うところですネ。

子供をはじめとするキャラクターの描き方について「いま、会いにゆきます」が「精進料理」なら、「バタフライ・エフェクト」は「バイキング料理」です。

世界各国の料理のバイキング(食べ放題)では、さまざまな食べ物がああります。なかにはコレストロールたっぷりで健康にはよくないものもあるかもしれませんが、そいういうものほどおいしくて人気があったりもします。

様々な料理のなかから何を選んで食べるかは、それぞれが決めることなのです。


‡ その他 ‡

健康にいい精進料理を食べたいなら「いま、会いにゆきます」をどうぞ。
食べ方によっては健康を損なうおそれがあっても好きなおいしいものを食べたいなら「バタフライ・エフェクト」をどうぞ。

過去を書きかえることのよって、登場人物たちの境遇が大きく変わります。それに伴って体型や服装やメイクも大きく変化します。

ひとりの俳優さんのいろんな役どころを1本の作品で楽しめますよ。


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05/13/2005

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

作品名「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
    (LEMONY SNICKET'S A SERIES OF UNFORTUNATE EVENTS)」

ブラッド・シルバーリング監督/アメリカ/2003年/93分

原作:レモニー・スニケット「世にも不幸なできごと」

映画作品は、書籍のシリーズ最初の三作品
「最悪のはじまり」
「爬虫類の部屋にきた」
「大きな窓に気をつけろ」
を合わせた内容となっています。

第77回アカデミー賞メイクアップ賞受賞作品

偶然に頼らずに偶然を匂わす、生きる力に溢れたお伽風物語
偶然という便利なアイテムを極力使わずに「不幸」を発生させ、また「不幸を乗り越え」させている。これを可能にするのは「心の隙間」に入り込むオラフ伯爵の並外れた才能と行動力。作り込まれた世界観と雰囲気にマッチするとかなりハマりそうだ。


物語の紹介
―――――――――――――――――――――
海辺で遊んでいるときに家が全焼して孤児となった姉弟妹に、さらなる
不幸がふりかかります。
姉弟妹は力づよく生き抜いていきます。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△オラフ伯爵
 役者。ボードレール姉弟妹の第一番目の法的後見人。
 
△ヴァイオレット・ボードレール
 14歳。ボードレール家の長女。発明の才能がある。

△クラウス・ボードレール
 12歳。ボードレール家の長男。読書家。

△サニー
 乳幼児。4本の鋭い歯で噛むのが好き。まだしゃべれずに声を出すだ
 けだが、ヴァイオレットとクラウスにはその言葉がわかる。

△ミスター・ポー
 銀行家。ボードレール家の遺産管財人。

△モンティおじさん(モンゴメリ博士)
 爬虫類学者。ボードレール姉弟妹の第二番目の法的後見人

△ジョセフィーンおばさん
 寡婦。文法の正確さを大切にしている。ちょっと変わった恐怖心を抱
 いている。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
偶然に頼らずに偶然を匂わす、生きる力に溢れたお伽風物語
偶然という便利なアイテムを極力使わずに「不幸」を発生させ、また「不幸を乗り越え」させている。これを可能にするのは「心の隙間」に入り込むオラフ伯爵の並外れた才能と行動力。作り込まれた世界観と雰囲気にマッチするとかなりハマりそうだ。


‡ HOMEの築き方 ‡

日曜大工で家族が住む家を建てよう! っていうのではありません。
アメリカ人がいうときの「ホーム」とは、大好きな家族や友人と共に過ごせて精神的な安らぎを得られるところ、という意味です。

姉弟妹は火災で建物としての家(お屋敷ですネ)を失います。そしてご両親も。
場所、建物としての「家」と、家族が集まるところとしての「HOME」の両方を失いました。

屋敷の骨組みだけになった焼け跡に足を踏み入れる姉弟妹たちのシーンは、もう戻る場所としての「家」がないことを表していると同時に、家族みんなが集まる「HOME」がないことも表しています。

ボロボロで荒れ放題のオラフ伯爵の屋敷に住むことになって、家事や雑用にこき使われる毎日の姉弟妹。

弟のクラウスは、こんな境遇にならないようにと両親がぼくらの将来のことを考てくれていてもよさそうなのに、とふともらします。

姉のヴァイオレットはこんなふうに答えます。むかし旅行に出かけた両親が一通も手紙をくれないときがあってさびしさを感じたけど、外国郵便のゴタゴタで手紙が行方不明になってしまったことをあとから知って、両親を信じきれなかった自分を悲しく思ったときがあったでしょ。

姉弟妹はボロボロの部屋の中で、シーツかなにかでテントを張ります。そのなかに3人仲良く入って影絵をして遊びます。

たとえどんな境遇にあろうとも、家族が一緒にいればそこがHOMEだということにあらためて気づいて前向きに生きていきます。


‡ 知識と発想とチームワーク。それに前向きな心 ‡

ピーンチ! ここは私に任せて!「チチンプイプイのプィイー」。な~んて都合のいい魔法はありません。

ピンチ → 都合のいい仕掛け(魔法)

という図式ではなく、

人間洞察に優れた仕掛け(不幸の連続) → ピンチ

という図式なのです。

フィクションなのでどこかで「都合のいい登場人物・展開・シーン」という便利なアイテムを使っていいのですが、アイテムを使いすぎても、また使うタイミングを間違えてもうまく作用しません。

「都合のいい○○」というアイテムをどの程度使えるかというのはつまり、どの程度のフィクションが観客に許容されるかということです。これは、作品の世界観の完成度の高さと内容に比例します。

世界観がしっかり確立されていて、キャラクターにじゅうぶん感情移入できるなら、主人公が特殊能力で空を飛んだり、過去にタイムスリップできたりしてもOKです。

姉弟妹は魔法使いではありません。他の人たちよりもいくらか有利なのは、かなりのお金持ちの家に生まれたことと、キュートな容姿に恵まれたことです。

まぁこれは物語をおもしろくする設定のうちの典型的なもの(登場人物のひとりがお金持ち・美人)ですのでいわゆる普通の範囲内です。

では姉弟妹が持っているものとはなんでしょう。
それはヴァイオレットの発想力。クラウスの知識。3人のチームワーク。それに前向きな心です。

発想力と知識とチームワーク。これだったらがんばればワタシ(ボク)だって持てそう(使えそう)と思えるところがポイントです。

ところでこの作品では「都合のいいアイテム」は使われているようで、実はあまり使われていません。
これについてはまずジョセフィーンおばさんの不安から読み解いていきましょう。


‡ 対比のうまさ~ジョセフィーンおばさんの不安~ ‡

ジョセフィーンおばさんはいい人です。ヴァイオレットたちを暖かく家に迎えいれてくれます。でも寒いんです。暖かいのに寒い? 気持では暖かく家に迎え入れてくれるのですが、家の中は寒いんです。
ストーブを使うと火事になるかもしれないので火を使いません。火を使わないので温かいスープも作れません。ジョセフィーンおばさんは家の中で寒さに耐えながら生活しているのです。

それだけではありません。キッチンにもあまり近寄りません。だっておっきな冷蔵庫が倒れてきて潰されてしまうかもしれないからです。ドアのノブも回しません。ノブが壊れて粉々になって目に刺さってしまうかもしれませんから。

こうしたジョセフィーンおばさんの不安は「前フリ」になっています。不安が的中するようなことが起きるであろうことを観客に予感・期待させているのです。

それはさておき、ジョセフィーンおばさんの不安というのは、その可能性を考えはじめたらきりがありません。どんなことだって起きる可能性がゼロとはだれもいいきれないからです。
でも、だからといって不安の元になりまそうなことを避けて生きていると、寒さに凍えながら冷たいスープを啜る日々になります。

「寒さ」、つまり天気・気候というのは、ふつうは人間がコントールすることはできません。そこで、暖かいほうがいいという人にとっては「寒さ」は「不幸」になります。「寒さという不幸」から逃れるために家を建て、部屋の中をストーブで暖めることはできます。でもストーブから出火して火事になったら家を失うかもしれないし、そうなればまた寒い外に放りだされてしまいます。もしかしたら焼け死んでしまうかもしれません。

寒さという不幸から逃れたいけど、火事にはあいたくない。両方を避けるためにはどんなに寒くてもストーブと使わずに家の中にいることです。これを実践しているのがジョセフィーンおばさんなのです。

幸せを掴む期待感よりも、不幸が襲いかかるという不安感のほうが大きいと、寒さという不幸を凌ぐことさえもできなくなります。

だれでも不安を抱きます。不安を全く抱かないというのも困りますが、不安に呑まれてしまってはなりません。

ジョセフィーンおばさんはとてもいい人なのですが、行動の基準を「不安」に置いているので、ヴァイオレットたちをほんとうの意味で受け入れているというわけではないのです。

また、不安に呑まれた人は、心の隙間に入り込まれやすいのです。なぜなら不安を埋めてくれるものには心を開きやすいからです。この隙間に見事に入り込むのがオラフ伯爵です。彼はジョセフィーンおばさんの不安と大切にしているもの(文法)をよく研究して、それに合わせることで、不安によってできた心の隙間にスッと入り込むのです。

ジョセフィーンおばさんと姉弟妹たちは対比されています。不幸に呑まれてしまっている人と、不幸に見舞われながらもそれを乗り越えていこうとする人(たち)との対比です。
対比することで、姉弟妹の生き方がより鮮明に強調されているのです。


‡ 「心の隙間」に入り込む才能を持つオラフ伯爵 ‡

さて、都合のいいアイテムをあまり使っていないというのはどういうことなのでしょう。

それは、不幸を作り出すために偶然にお屋敷が火事になった、というわけではないということです。これはネタバレになりますので「お屋敷の火事」についてはこれ以上触れません。

ポイントは「偶然という都合のいいアイテム」を使わないというところです。

姉弟妹は後見人の家を渡り歩くのですが、遺言執行人も含めて皆たいていはいい人ばかりです。でも不幸に見舞われます。これはオラフ伯爵が原因です。

オラフ伯爵は人をよく観察・研究します。そして心の隙間にスッと入り込みます。その技量は相当なものです。なぜなら変装していても一目で姉弟妹に見破られてしまうにもかかわらず、標的としている人物の心の隙間には見事に入り込むことに成功しているからです。

偶然という都合のいいアイテムを使わずに、人の心の隙間に入り込むことで不幸というイベントを連続発生させているのです。

(1)偶然という便利なアイテムに頼らないで「不幸というイベント」を発生させる

(2)偶然という便利なアイテムに頼らずに「不幸というイベント」を乗り越える

これはすごい技です。原作者は人間を深く洞察してそれを物語にするたしかな才能と技量をもっているのがわかります。


‡ ハーマイオニーを超えるか ‡

ハリーポッターシリーズの登場人物のハーマイオニーは大人気ですね。

ヴァイオレットも独特の雰囲気を持っています。ファンがたくさんできそうですね。彼女は日本の歌手・タレントのソニンに似ていますネ。黒っぽい衣装が作品の雰囲気と合っています。


‡ ビッグスターも! ‡

ジュード・ロウがレモニー・スニケットの声を担当しています。メリル・ストリープもハマり役ですネ。


‡ 影絵 ‡

作品のエンドロール(クレジット)も影絵を使って凝っています。クレジットが流れ終わるまで作品の余韻に浸れます。


‡ 子供向けと思いきや、実は大人も楽しめます ‡

古今東西の子供向けの作品には、社会の風刺や人生の教訓や大事なメッセージが多く詰まっています。
これらがより効果的に観客(読者)に伝わるようにと、作品では原作者レモニー・スニケットがナレーションするという手法を採用しています。

易しい語り口のナレーションには、実は人生の深い洞察とヒントとメッセージがたくさん込められていて、大人が共感するものがたくさんあります。

お子さんと一緒に観に行って、親も楽しめる数少ない作品のうちのひとつですヨ。

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