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02/15/2005

ボーン・スプレマシー(THE BOURNE SUPREMACY)

ポール・グリーングラス監督/2004年/アメリカ/108分
原作:「殺戮のオデッセイ」ロバート・ラドラム著

●新アメリカンヒーロー物語。記憶喪失で自分の本名さえわからない男がどう生き抜くか。個のあり方・生き方をみつめ直そうとする「時代の空気」を象徴している

Story(ストーリー)
―――――――――――――――――――――
記憶を喪失した元CIAトップエージェントのボーンはインドのゴアで恋人のマリーと暮らしていた。ある日、殺し屋に襲われてマリーが亡くなる。ボーンは夢でみた記憶の断片と共にひとり旅立つ。


Main Character(主な登場人物)
―――――――――――――――――――――
△ジェイソン・ボーン
 元CIAトップエージェント。記憶をなくしている

△マリー
 ボーンの恋人
 
△ランディ
 CIA諜報員。作戦指揮担当

△アボット
 CIA高官

△ニッキー
 トレッドストーン計画で連絡・管理等のサポートを担当

△キリル
 殺し屋。ボーン抹殺を請負う


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
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●新アメリカンヒーロー物語。記憶喪失で自分の本名さえわからない男がどう生き抜くか。個のあり方・生き方をみつめ直そうとする「時代の空気」を象徴している

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前作(第1作)の作品レビュー
「ボーン・アイデンティティー(THE BOURNE IDENTITY)」
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だれでも自分が何者か知りたいと思ったことは一度はあるでしょう。どこからきてどこへいくのか。この答えをいろいろうまいぐあいに提供している人がいますよね。そういう人のもとには答えを求めてたくさんに人々が集まるものです。そのなかから自分に合った答えを選ぶこともできますよね。

でも自分で見つけ出そうとする人もいます。みんな自分で見つけ出せればそれに越したことありません。そういうわけでジェイソン・ボーンはみんなのヒーローなんです。なぜってボーンは自分が何者なのかを自分で知ろうと行動するのですから。

前作で危機を一緒に乗り越えたボーンとマリーはインドのゴアの海辺の家で一緒に暮らしています。レンタルバイクかなにかのお店を経営しています。愛するマリーと静かな生活を送っているボーンは、しばしば夢で過去の記憶の断片をみます。しかもいつも同じ内容の夢なのです。

夢をみる度に書きとめているのですが、何度も見るくらいですから自分にとって重要なことなのだろうとは思いますが、それが何なのかはわかりません。いまひとつだけ確かなこと――わかっていることはマリーを愛しているということ。

なんてロマンティック☆こんなこと言われちゃっうマリーって幸せ者ですね。でも!そこへ殺し屋がやってきてマリーは命を奪われてしまいます。

こうしてボーンはCIAのお金にまつわる事件に巻き込まれていくのです。


‡ボーンのためのボーン映画‡

題名にもあるように作品はボーンの物語です。前作を観たお客さんはすでにボーンに感情移入していますので、今作ではボーンが自分の過去を必死に探しながら過去と向き合って力強く歩んで行く(ほとんど走っていますが)様子をアクションシーンをたくさん入れて描いています。


‡カーチェイス‡

ボーンシリーズの特徴ってなんでしょうか。醍醐味とでもいいましょうか。それはなんといってもカーチェイスです。今回はインドのゴアとロシアのモスクワでカーチェイスするのです。

このシリーズではアメリカではロケしていません。アメリカ国内でのカーチェイスってハリウッド映画にたくさんありましたよね。そういうのに見慣れた人たちにはボーンシリーズのカーチェイスは新鮮でしょう。

たぶんアメリカ以外の国でカーチェイスシーンを撮影するにはたいへんな準備が必要だし、お金もたくさんかかるでしょう。それにもかかわらずカーチェイスシーンはとってつけたようなものではなく、時間も長くて迫力満点です。

ボーンはいつも庶民が乗る一般車でカーチェイスします。いっぽう敵の殺し屋はベンツに乗って追ってくるのです。この対比がいいですね。ボーンって庶民派なのね。CIAを離れたのでチームのバックアップはありません。いつも一人です。頼れるのは己の機転と身体能力と行動力。武器もほとんど使いません。近くにある物を利用して身を守ったり戦ったりします。ときには地下鉄の路線図と時刻表を瞬時に読みとって行動します。ケガをしたらスーパーマーケットに入ってアルコールを調達。車に乗って傷を消毒しながら地図を開いて道を調べながらカーチェイスするのです。

常に先の先を読んで今必要なことを確実に行いつつ、状況をよく判断して周囲から情報を収集してテキパキと動くんです。

そんなボーンが今回、主に乗るのは黄色いタクシー。車体がボコボコになりながらベンツをかわしてひた走るその姿は前作以上にパワーアップしています。カーチェイスのシーンはこのシリーズの見せ場なので気合が入りまくっていますヨ。


‡過去を見つけ、受けとめ、向き合うボーン‡

ボーンがなぜヒーローなのかっていうと、自分を知ろうと行動するだけじゃなくて、知った過去を受けとめてきちんと過去に向き合うからなのです。

内容は観てのおたのしみなので具体的には書きませんが、ボーンは夢に見た過去の出来事を知ってそれに向き合うのです。ロシアに行き、ケガをしてカーチェイスして体がボロボロになりながらも、ある人物に会いにいきます。このシーンが作品の最も良いところです。その人物に会った後にロシアの巨大アパートメントの中庭みたいなところをボーンが歩いていくその後姿……。このシーンのために撮った映画といってもいいでしょう。


‡ちなみに‡

「戦火の勇気」という作品でデンゼル・ワシントンが演じる戦車隊長が、部下が乗った味方の戦車を誤爆したことを亡くなった部下の両親に報告しにいくシーンがあります。隊長は黙っていればことなきを得るのですが、苦悩しながらも自分の過去と向き合って自分の意思で両親に報告にいくのです。このあたりはボーンの行動と似たところですので「戦火の勇気」をまだ観ていない方はご覧になてみてくださいね。

「戦火の勇気」は湾岸戦争を題材にしたヒューマンドラマです。メグ・ライアンが女性将校役で出演しています。ラブコメ系の作品出演が多い彼女ですのでファンの方にとってはある意味で貴重な作品かもしれません。ドラマがよくできています。おすすめです。
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前作↓

ボーン・アイデンティティー
マット・デイモン
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2004-07-07


by G-Tools

戦火の勇気
ジョゼフ・M.カラチオーロ デブラ・マーティン・チェース
20世 紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2004-10-22


by G-Tools

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「基本3分!映画レビュー わかりやすい映画案内」ってどんなの?
チラっとみてもよいという方だけにしてね。
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Comments

TBありがとうございます♪
前作はあまり面白くなかった印象なのですが、今作はすごく楽しめました。特にカーチェイスはすごかったですね!

Posted by: 奈緒子と次郎 | 02/16/2005 at 15:57

>菜緒子と次郎さん
コメントありがとうございます。
カーチェイスは前作よりもパワーアップしていまし
たネ。
ボーンの記憶喪失を擬似体験しながら作品を観れた
というのは臨場感が増してより楽しめたでしょう☆
原作は3部作らしいので、映画も次回作がありそう
ですヨ。

Posted by: わかスト@管理人 | 02/16/2005 at 16:12

戦火の勇気・・・
なるほど、似た感じのコンセプトですね。
今度観てみます。

Posted by: hary | 03/11/2005 at 12:51

>haryさん
「戦火の勇気」は社会派ドラマですが、おすすめです。カーチェイスはありませんけどね(^^)

Posted by: わかスト@管理人 | 03/11/2005 at 15:41

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