砂丘でサンドボード
〈カテゴリ:マーケティング〉
鳥取砂丘を滑り降りるスポーツとしてサンドボードが好評らしい。
サンドボードはスノーボードとほぼ同じ形のボードに両足(素足)を乗せて固
定して、砂の斜面を滑り降りるというものだ。
サンドボードがオースラリアから日本に入ってきたのは2001年で、スノーボー
ダーの夏の遊びやトレーニングとして競技人口が増えているという。
鳥取砂丘には一度行ったことがある。ずいぶん昔のことなので今はどうなって
いるかわからないが、そのときはスキー場にあるようなリフトに乗って砂丘へ
渡った。
海辺の砂浜を歩いたことがある人はわかると思うが、砂の上というのは予想以
上に歩きにくいものだ。まして走るとなると、アスファルトの上を走るよりも
何倍も筋力と体力を使う。
「はじめの一歩」(森川ジョージ著)という大人気のボクシング青春漫画があ
る。鴨川ボクシングジム所属のボクサーたち4名ほどが夏の合宿に海へ行くと
いう話が載っている。
はじめて合宿に参加した主人公の幕ノ内一歩は、先輩たちと一緒に砂浜でラン
ニングするのだが、いつのまにかみんなから遅れてしまう。
海に来て女の子をナンパして遊んでばかりいた先輩たちだったが、砂浜で一緒
に走ってみて、実は過酷なトレーニングをこなしているとわかり、一歩は先輩
たちの凄さに感心する。
浜辺を走ったことがない方でも、ボクサーがよく砂浜でランニングするという
のを聞くと、砂の上を走るのはかなりの体力を消耗するということを想像しや
すいだろう。
私が砂丘に行ったときも友人たちと走り回って遊んだのだが、やはり走りにく
くて何度も転んだ。砂が口に入ってジャリ(←「砂利」とかけたわけではない
が……)っとした感触を味わったものだ。
おまけにローカットの運動靴を履いていたので靴の中はすぐに砂だらけになっ
た。
そんなとき友人のひとりがどこからかダンボールの切れ端をみつけてきて尻を
乗せて丘を滑りはじめたのだ。その圧倒的な降下速度には目を見張るものがあ
り、みんなこぞってダンボールに乗ったが、切れ端は小さく、滑り降りる途中
で転んで砂だらけになっていた。
そのときだれもが、もっと大きなダンボールがほしい、もっとたくさんダンボ
ールがほしい、と思っていたにちがいない。そうすればみんなで滑り降り競争
をして遊べただろう。
砂と海しかない(観光用のラクダもいた)鳥取砂丘で1番ほしいものはなにか
といえば、あのときはダンボールの切れ端だったのである。
もちろん鳥取砂丘でなければ、ダンボールの切れ端などいらない。ダンボール
ならモノを入れたりできるが「ダンボールの切れ端」など使いようがないから
だ。
そんな「いらないモノ」でも、場所が違えば皆の羨望の的になるのだ。
鳥取県のスキー場といえば「大山」だが、全国的にみれば中国地方はスキー場
が少ない。だが鳥取には砂丘という天然資源がある。サンドボードは夏のスポ
ーツとして大いに楽しめるだろう。
サンドボードの良い点はなんといっても気軽にできること。ウェアもブーツも
いらない。でもゴーグルはあってもいいかもしれない。
鳥取砂丘に行ったらぜひ挑戦してみたいものだ。
【まとめとポイント】………………………………………………………………………
●なんの役にも立ちそうにないものでも、どこかで役に立つことがある
(ダンボールの切れ端)
●たとえ魅力がないように思えるものでも、場所や時が違えばたいへん
に魅力あるものとなる
●アウトドアスポーツをしてみよう。自然を活かすスポーツは、すでにある
ものと、なにかの組み合わせによって、たのしみときもちよさを与えてく
れる。
(砂 + ダンボールの切れ端 = 滑走の楽しさ・気持よさ)
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「はじめの一歩―The fighting! (1)」森川ジョージ 講談社
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Comments
This is my first time pay a visit at here and i am really pleassant to read all at alone place.
Posted by: acai pills | 12/12/2014 06:57