企業博物館――「日本郵船歴史博物館」
〈カテゴリ:マーケティング〉
●博物館見学のススメ
博物館見学は、会社・企業の歴史や理念や事業内容などをPRする際のヒントになる。
博物館の役割のひとつは、多くの人々に、あるテーマについてわかりやすく知ってもらうことだ。そういうわけで、博物館の展示方法から学ぶことは多い。
自分の会社があると仮定して、自社の企業博物館を建てる場合を想定してみよう。何をテーマに何をどう伝えたいのか。展示の目玉になるものはなにか。これらの要素を考えると、自社になにが足りないのか、ないが弱いのかが見えてくる。
また、企業博物館は大事なPRの場であるが故に、つい自社のことばかりの展示内容になってしまいがちだ。そいういった展示は、企業博物館だとわかっているはずの来館者にとっては、予想どうりの展示内容といえよう。予想どうりとは「しょせん会社の自慢だろ」といったものだ。
こうした予想をよい意味で裏切る展示を考えてみよう。来館者が会社自慢の雰囲気をほとんど感じることなしに、知的好奇心を刺激されて、興味深い内容を展示模型や実物品や映像機器を通してわかりやすく学ぶことができる。そんな博物館はどうだろか。
理想的な企業博物館とは、そこが「企業博物館であることを忘れさせてくれる博物館」である。
そのためには、企業(会社)の事業内容が社会や環境にとってプラスな影響と役割を担っており、しっかりした企業理念と行動が伴っていなければならない。
企業の歴史を展示する場合、歴史的、社会的に振り返ってみると決して誉めれたことではないような事柄も正直に、正確に提示する。そうしたうえで、これについてその後どのような対応と対策を行って、その後どう改善したのかを提示すること。
そうすれば、多くの人に「誠実」という印象を持ってもらうことができるだろう。
オススメの企業博物館を紹介しよう。
∇「日本郵船歴史博物館(NYK MARITIME MUSEUM)」
地の利(横浜、島国日本)・業務内容(海運業)・歴史(ペリー来航以来の日本の海運の歴史)。これらを映像と音声を上手に利用して、年代順にわかりやすく展示している。
(博物館サイトの「ご優待」ページで「ご優待券」を印刷して持っていけば入場料が割り引きになる。そのほか、入場者にはちょっとうれしいサービスがある。ちょっと一息つけて、勉強になる企業博物館。横浜へお越しの際は寄ってみてはいかがだろう)
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