江ノ島の茶屋
〈カテゴリ:マーケティング〉
神奈川県藤沢市に江ノ島という、弁才天がまつられている観光名所がある。島の裏側の岩場では釣りや礒遊びができる(台風や満潮時は岩場に下りれないことがある)。
この岩場へいくには、急な階段を降りなければいけない。帰りには(船に乗って本土へ戻る方法もある)またこの急な階段を登るのだが、これがけっこうキツイ。急な階段がいくつも続くのだが、その途中に茶屋がある。茶屋の席からは海を眺めることができる。
息を切らし、少し汗ばんで登ってくると、茶屋の入り口でお姉さん(おばちゃん?)が、「どうぞ休憩なさっていってください~。冷たいお飲み物ございますよ~」と客を呼び込んでいる。
ふつうの温泉地のみやげ物屋通りなどで客呼び込みにあっても、よっぽどお腹がすいるか、だれかへのみやげものを買おうとおもっているのでなければ素通りすることがほとんどだ。だが、呼び込みの声につられて茶屋のほうに目をやると、茶屋の窓の先に青い水平線がチラリと見えるのだ。
階段を登り、すばらしい景色に出会う。ここでちょっと一服。これこそ、客の状況に合わせて適切なモノやサービスを提供するというコンテクストマーケティングのわかりやすい例だ。
江ノ島の茶屋――そこは人、場所、状況に合ったモノやサービスを提供する基本を、汗と筋肉痛によって実感できる場所だ。
神奈川県へお越しの際は行ってみてはいかがだろう。
ちなみに、参道の突き当たりの朱の鳥居を右に行く裏参道は、島の裏側への近道だ。途中の景色もなかなかよい☆
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