「ハウルの動く城」と「Mr.インクレディブル」の違い
「ハウルの動く城」は観た人が様々な解釈ができるよう、説明をあえてしていないという話をきいた。観た人の数だけストーリーがある。それもまた映画の楽しみだが「ハウルの動く城」を語ろうとすると解説っぽくなってしまいがちだ。解説が必要なのはマニアな作品要件のひとつである。
たとえば北野武氏の作品は説明ナレーションといったものはないのだが、それでも大まかなところはわかる。解説が必要というほどでもない。映画を見終ったあと、作品についていろいろと「会話」ができる。この「会話」ができるというのがよい作品かどうかのひとつのポイントだ。
観終わったらすぐ忘れてしまうお気楽作品もそれはそれでよいが、やはり心に残るものがなにかある作品もまたよいものだろう。
一方「Mr.インクレディブル」はキャラクターやストーリーの内容や方向を丁寧に紹介・説明している。アメリカ合衆国の作品なので、なんとなく意味を汲み取ってもらえるだろうから説明は省いてもいいだろう、なんてことは一切ない。説明っぽくならずにストーリーの流れに乗せてスマートにわかりやすく情報を提示している。
スタジオジブリとピクサー社はよき友好関係だというから、それぞれスタイルが違ってもお互いを尊重しあって、よき刺激を受け合っているのだろう。お互いに違うからこそいいのかもしれない。
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