無料はどこまで?
〈わかりやすく(読物)〉
「愛車の無料点検と修理をいたします」
こんなチラシがあるとしましょう。
ある人が車でこのチラシを配ったお店に乗りつけました。店員にチラシを見せ
て言いました。
「これ、お願いします」
出された珈琲を飲んで40分ほどすると店員がやってきました。点検結果シート
を見せながら店員は言いました。
「ブレーキ制動装置がかなり消耗してますので、こちらのチェックが入ってい
る項目についてはすぐにでも修理が必要です」
客 「じゃ、それお願いします」
店員「かしこまりました。ではとりあえず見積もりをすぐに作りますので」
客 「え! 無料じゃないの?」
お客さんは「愛車の無料点検と修理をいたします」というチラシを見て、
「無料で点検をしてくれて、さらに無料で修理もしてくれる」と思いました。
「無料」が「点検」と「修理」の二つにかかっていると解釈したのです。
一方、チラシを作ったお店の人は「無料で点検をします」というつもりだった
のです。「修理」については別に修理代金をいただきますということです。
たいていは、修理も無料だったら、お店はいったい何で儲けるのだろう、と思
いますから、無料なのは点検だけと思うでしょう。点検でみつかった個所につ
いて修理の依頼を受けたいと考えていることは、予想がつくでしょう。
ですが、ある人は「修理も点検も2つとも無料だ」と思うかもしれません。
そこで、多少くどいかな、と思うぐらいの詳しい書き方をするほうがよいでし
ょう。
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「愛車の無料点検と修理をいたします」
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↓ ↓ ↓
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「愛車の点検を無料でいたします。
修理の場合は通常の修理費の10%引きにて受けたまわります。」
(※)200×年×月×日~×日までの期間限定です。
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