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11/19/2004

客と話す

〈カテゴリー:ディズニー&ピクサー魔法のヒント/マーケティング〉

あるお店に人(生活者)がやってきます。
なにか買いたい物があってやって来たかもしれません。または時間つぶしにち
ょっと立ち寄ったのかもしれません。

どちらにしても、そのお店にたとえ少しではあってもなんらかの興味や用事が
あることは確かです。

「ちょっと興味があるのでとりあえず店をのぞいてみよう」そんな生活者と話
すことができれば、ユーザー(客)になってもらえるかもしれません。やがて
は顧客になってもらえるかもしれません。

店に来てくれた生活者は、店が扱う商品や店のテーマや理念や方向性
などにちょっぴりでも興味を持っている人です。または何かの縁がある人
です。

興味を持つという「きっかけ」があって来店しているのです。まずは店に足を
運んでくれたことに感謝しましょう。そして店側としての今回の目的は「店に
来てくれてありがとう」という気持を伝えることだけに絞るのです。

「来店してくれてありがとう」という気持を伝えて「良し」とするのです。も
ちろん、初回で店の商品を買ってもらえればそれも「良し」です。しかし最初
から、買ってもらって「良し」というハードルを掲げておくと、たとえ店員に
そのつもりがなくても、商品を買うよう強く勧めていると受け取られてしまう
かもしれません。

ここで紅茶専門店をご紹介しましょう。
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「THEIER」
世界の紅茶の専門ブランド
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友人のお供で「THEIER」のショップにはじめて行ったときのことです。そこ
には数百種類はあろうかというお茶の葉の種類が揃っていました。葉の匂い
を嗅いで香りを楽しむこともできます。さらに、併設したレストランではお
茶を飲むこともできます。

友人の連れでたまたま寄った店にすぎませんでしたが、お茶を飲むのは好き
ですので、茶の葉の説明が書かれたキャプションを眺めたり読んだりしなが
ら、いくつかの葉の香りを楽しんでみたりしていました。

しばらくするとお茶の葉が並んでいるカウンターの向こうの店員さんが「そち
らはミルクティーにとても合うんですよ」と笑顔で教えてくれました。

そうしていろいろ説明してくれました。葉の種類、おいしい紅茶の入れ方。さ
らに、年に限られた量しか採れない貴重な葉がちょうど入荷したので、ぜひ香
りだけでもと、奥の棚からその葉を出してくれました。

店員さんの丁寧な説明と案内を聞いているうちに、いつしか小1時間程経って
いました。店に入るまで、そこで買い物をするとは考えていませんでしたが、
茶の葉を2種類ほど、50グラムずつ買うことにしました。それは値段がお求め
やすい(安めな)値段で、なおかつ1番少ない量である50グラムという買い物で
したが、会計が終わると店員さんは、もしよろしければこちらにご記入くださ
い、とノートのようなものを差し出しました。

それがいわゆる顧客ノートといったものだったらしく、それから毎月1回、紅
茶葉のサンプルが郵送で送られてくるようになりました。

毎月送られてくるので、気がつくと紅茶のサンプルの袋がたまり、いつしかビ
ニール袋いっぱいになっていました。

そうなると、あれから一度もあの店のお茶を買っていないのに、なんだか申し
訳ないような気もしてくるものです。

あのノートはおそらく、何度も買い物をしてくれたお得意様用のリストだった
のかもしれないと思ったりもします。

もちろん、買ったお茶はおいしくいただき、紅茶と聞けば「THEIER」のことを
ふと思い浮かぶようになっていました。

そのうち、知り合いにちょっとした贈り物をすることになり、ふと浮かんだの
は「THEIER」です。

お店には、紅茶の葉と共に茶器とお菓子が入ったギフトセットがありました。
その後も幾度か「THEIER」でお茶葉やギフトを買っています。

私がはじめてショップに行ったときは比較的空いていたので、店員さんはじっ
くり説明してくれたのでしょう。それでも「なんとしても買わせる」という雰
囲気は感じられず、「紅茶のお話をしている」という雰囲気でした。

「THEIER」がどんな販売方針をとっているのかはわかりませんが、ひとりの客
として感じた限りでは、

「来店してくれてありがとう。せっかく来てくださったのですから、いろいろ
なお茶に触れて楽しんでいってくださいね」

といった声が聞こえてくるかのように感じました。

【まとめとポイント】-------------------------------------------------

●店に来てくれた生活者は、店が扱う商品や店のテーマや理念や方向性などに
 ちょっぴりでも興味を持っている人です。または何かの縁がある人です。

●まずは「来店してくれてありがとう」という気持を伝えて「良し」とする
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