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常識を破る

〈ディズニー&ピクサー魔法のヒント/マーケティング〉

ビジネスコンサルタントと名乗る人が、こんなことを言っているのを聞いたこ
とがあるでしょう。

「ビジネスで成功したければ常識を破れ!」

(こう言ってる人ほど、いつもあたりさわりのない黒か紺のスーツ姿だったり
するかも^^;)

「常識を破る」とは「他の多くの人とは違うことをする」ということでもあり
ます。そのためには「他の多くの人はどうしているのか」を知る必要がありま
す。

普通はこうするよ。普通はこう思うよ。という「普通」のラインがどこ辺りに
あるのかを知らなければなりません。
「普通」のラインを図で表してみましょう。


  「やりすぎ」「余っている」
↑↑ここから上が「普通以上」
----------------------------------------
☆☆ここが「普通」とみなされるライン☆☆
----------------------------------------
↓↓ここから下が「普通以下」
  「もっとするべき」「足りない」


「普通」のライン、つまり「常識」がわからなれければ、それを破ることが
できません。

たいていの人は、自分は「常識」がわかっていると思っています。しかし、
Aさんにとっての常識はBさんにとっての非常識である場合があります。

例えば駅やデパートなどにあるエスカレーターで、急いでいる人のために、
あなたは左右どちら側を空けておくでしょうか。

右側を空けておく(急いでいない自分は左側に寄る)と思った人は関東圏に
お住まいか、馴染みのある人でしょう。

左側を空けておく、(急いでいない自分は右側に寄る)と思った人は関西圏
にお住まいか、馴染みのある人でしょう。

このように、常識とは国や地域でさまざまに違うものなのです。常識がわか
っているとしている範囲は、たいていは自分が属している生活文化圏に限ら
ています。

山の東側に家を建てた人に見える範囲は、東側の景色だけです。
山の西側に家を建てた人に見える範囲は、西側の景色だけです。

東西両方面の景色を見るためには、山の頂上に家を建てて、ぐるりと周囲を
見回さなければなりません。

たいていの人は頂上に家を建てようとはしません。自分の家から見える範囲
の常識だけわかっていれば、生活に困ることはないからです。それに、自分
にとっての常識の範囲は限定されていればいるほど都合がよいのです。なぜ
なら、人には安全・安心の欲求があるからです。

自分が属するコミュニティの常識をよく知っていれば、それに合わせてうま
くやっていくことで、グループに受け入れらて、安心して暮らすことができ
るでしょう。また、グループやコミュニティの常識を破ることなく、だれか
の助けになる活動に参加すれば、尊敬され、感謝される確率が高くなります。
これは尊敬・自尊の欲求に関連してくることでもあります。

しかに世の中には、常識を破ろうとする人がいます。常識を破るとそこには
「間」「空間」「隙間」といったものが生まれます。これらの「間」を、走
り幅跳びに例えてみましょう。「間」とは、競技者がジャンプする「地点」
といえます。

走り幅跳びをする場合、まず競技者は一定の加速度で走ります。これは常識
の世界が続いていることを表します。やがて加速度が最高潮に達した瞬間の
地点で、競技者はジャンプします。

「常識という走り」のある一点で、走るという常識を破ってジャンプするの
です。この、ジャンプする瞬間の地点が常識を破る「間」なのです。「間」
は新しい変化(走り→ジャンプ)を生み出します。地上を移動していたのが、
空中を移動します。ジャンプした競技者はやがて重力によって地面に着地し
ます。このとき、走り続けていく場合よりも大きなエネルギーが着地点に発
生するのです。

もちろん、「常識を破る走り幅跳び」ですから、ジャンプ地点を踏んだ瞬間
に前方へ跳ばずに、競技者が地中に吸い込まれてもよいでしょう。これは、
いわゆる「落とし穴」ですね。

また、前方にジャンプせずに、垂直方向にジャンプしてもよいでしょう。実
際には慣性の法則で垂直にジャンプすることはありませんが、これこそまさ
に常識を破るということなのです。

スキーのジャンプ競技で、さまざまなジャンプの仕方を楽しめるDVD作品があ
あります。「え? そんなジャンプってあり!?」といった驚きと、次にど
んなジャンプをするのか、という期待を持てる、常識を破ったエンタテイメ
ント作品です(架空のスキー競技を扱ったパロディCG作品です)。
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「スキージャンプ・ペア オフィシャルDVD + 公式ガイドブック 」
(初回限定生産) 」
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世の中には「常識を破る達人たち」がいます。しかも、みなさんの意外と近
くにいます。これについては次回にお話しましょう。

今回は「常識を破る」について参考になる映画作品をご紹介します。
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「メメント(MEMENTO)」
監督・脚本:クリストファー・ノーラン/2000年/アメリカ/1時間53分
2001年サンダンス映画祭・最優秀脚本賞
ロンドン批評家賞 ALFS最優秀脚本賞
カタロニア国際映画祭・批評家賞

ストーリー(Story)
短期記憶が失われる“前向性健忘症”の男(レナード)が、ポラロイ
ド写真のメモと全身に彫った刺青(タトゥー)を手がかりに、妻殺し
の犯人を探す。
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レナードは、10分間という短時間の記憶しか保つことができません。そのため、
作品は独特の構成になっています。
独特の構成とはつまり、逆回転(リバース)です。10分間ほどのシークエン
ス毎にストーリーが過去へ遡って進行していきます。10分間ほどのシークエ
ンス内は順行して、ひとシークエンス終わると、ひとつ過去のシークエンスに
遡行するのです。


     ←遡行(シークエンス2番)←遡行(シークエンス1番)
時間軸(過去)―――――――――――――――――――――順行→(未来)


つまり、主人公レナードの短期記憶(約10分)がひとつのシークエンスに
なっていて、その提示順序が1番、2番と過去へ遡行しているのです。

普通の映画作品の場合、ストーリーは過去→現在→未来という時間軸に沿って
進行します。

これを常識とするならば、「メメント」はこの常識を破っているのです。もち
ろん、常識を破るだけの必然性(主人公レナードの前向性健忘症)があります。

ストーリーの時間軸を巧みに配置・展開する監督にクェンティン・タランティ
ーノ監督がいます。
この監督は、基本となる時間軸に沿ったストーリーをしっかり構築したうえで、
観客の興味を惹きつけてキャラクターに感情移入させるという達人技をもった
人です。
時間がない方は、「レザボア・ドッグス(Reservoir dogs)」と「パルプ・フ
ィクション(Pulp Fiction)」のどちらかだけでも観てみるとよいでしょう。
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クェンティン・タランティーノ監督作品(一部)

「レザボア・ドッグス(Reservoir dogs)」
「パルプ・フィクション(Pulp Fiction)」
「ジャッキー・ブラウン(Jackie Browon)」
「キル・ビル(Kill Bill) Vol.1 & 2 ツインパック 」
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【まとめとポイント】-------------------------------------------------

●常識を破るためには「普通」を知らなければならない

●さまざまな地域やコミュニティやグループの「常識」を見渡せる位置に立つ
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