ネーミング~宇多田ヒカルの全米デビューアルバム~
〈ディズニー&ピクサー魔法のヒント/マーケティング〉
宇多田ヒカル(歌手)の全米デビューアルバムが発売された。
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Exodus [FROM US] [IMPORT] Utada
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日本国内では絶大な知名度がある宇多田ヒカルだが、全米では無名の新人だ。
全米デビューアルバムでは、名前の表記を「宇多田ヒカル」や「UTADA HIKARU」
とはせずに「UtaDA」としている。
なぜ「UtaDA」としたのか。「HEY! HEY! HEY!」という歌番組に出演した本人
が説明していたところによるとこうだ。
これは性別がわからないようにするためだという。「UtaDA」だけだと、男か女
かわからない。そして「UtaDA」というネーミングは、それ自体がブランド名の
ようにも聞こえて(見えて)きたらいいな――と。
「UtaDA」は、例えば「ICHIRO」のように母音が3つあって、かなり特徴的だ。
一人でも多くの人に強い印象を与えるために、独特(ユニーク)で比較的短い
ネーミングを使うというのはなかなか有効だ。
欧米人にとって日本人の名前は覚えづらいらしい。例えば欧米人が初対面で、
富岡誠一郎という名前を聞いて、はたして次回会ったときまで、この名前を覚
えていることができるだろうか。
こういった場合、富岡誠一郎さんは自己紹介の際に「please call me Tom(ト
ムと呼んでくだい)」と付け加える。そうすると、呼びやすくて覚えやすいの
で、気軽に声をかけてもらいやすくなる。こうして少しでも会話すれば、人の
記憶に残りやすくなるのだ。
トムというのはどこにでもたくさんいるので、これに説明の言葉が付くように
なると、なお覚えやすい。たとえば「カラテマスタートム」だ。富岡さんは学
生時代に柔道をやっていたと話したところ、なぜかこう呼ばれるようになった
としよう。たとえそれでも、とりあえず人々の記憶に残りやすいだろう。カラ
テマスタートムと紹介されるたびに、カラテの構えをちょっと真似してみせた
あと、いや実は柔道なんですよ~とつづければ、会話のとっかかりができてな
にかと便利だ。
CDアルバムの場合は、消費者ひとりひとりと話すわけにいかない。そういうわ
けで、ネーミングは覚えやすく、特徴がなければならない。
【まとめとポイント】-------------------------------------------------
●ネーミングは覚えやすくする
●ネーミングは特徴的にする
●ネーミングは強く深く印象に残るようにする
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