ヒーロー―「スパイダーマン2」―
〈カテゴリ:映画で読み解くマーケティング〉
ヒーローはみんなに応援される存在です。応援されるのはなぜでしょう。みん
なが支持してくれるからです。なぜ支持されるのでしょう。それはヒーローの
考えや行動にみんなが共感してくれるからです。
ヒーローは強いからヒーローなのではありません。人より優れた能力を持って
いるからヒーローなのでもありません。
映画作品「スパイダーマンシリーズ」でも、主人公ピーターは人より優れた能
力を持っていますが、それがヒーローである直接の要因ではありません。
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「スパイダーマン2(SPIDER-MAN2)」
サム・ライミ監督/2004年/アメリカ
原作:スタン・リー
作品レビューはこちら
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恋に悩みながら、授けられた特殊能力を正しいことのために使わなければ、と
いう使命感を持ちつつも、普通の人と同じように人生を送りたいという思いも
ある。そんな複雑な思いのなか、最愛の人には自分のことをわかってもらいた
い。しかし、彼女に危険が及ぶことをおそれて、自分がスパイダーマンだとい
うことは話せない。すれ違う二人の想い……。
青年の人生と恋の苦悩の物語に、観客は共感するのです。観客はピーターの特
殊能力のすごさに拍手を送るのではなく、特殊能力を正しいことのために使う
ピーターに拍手を送るのです。つまり、支持して応援するのです。
ディズニー/ピクサーの新作映画作品「Mr.インクレディブル」ではスーパーヒ
ーローが主人公です。
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「Mr.インクレディブル」(2004年12月4日公開)
ディズニー/ピクサー映画作品
スーパーヒーローとしての活動を禁じられたMr.インクレディブルと彼の家族
の活躍を描いた冒険物語。
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この作品は、超人的な能力をもっているが故に、その能力を使うことを禁じれ
たス―パーヒーローの家族の冒険物語です。
どんなにすばらしい能力(商品やサービス)を持っていても、それだけでは真
のヒーローにはなれません。そのすばらしい(商品やサービス)をどう使うか
? これによって人々の共感を得られるかどうかが決まるのです。
うちの店(わが社)の商品は、競合他社と比べても頭ひとつ抜きん出ている
すばらしい商品があるのに、なぜ人々に支持されないのか? そんなふうに
思ったことがあるなら「ヒーローの資質」はなんなのかを上記2作品を観て
考えてみてください(「Mr.インクレディブル」は2004年12月公開)。
【まとめとポイント】-------------------------------------------------
●強く、優れた能力を持っているからヒーローなのではない。
●ヒーローになれるかどうかは、人々の共感を得ることができるかどうかに
かかっている。
☆すばらしい能力(商品やサービス)をどう提供するのか。それによって、
ブランドはなにをするのか。が明確に伝わらなくてはならない。
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