独自性を意識する――映画「マッハ!!!!」
〈カテゴリ:映画で読み解くマーケティング〉
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作品名「マッハ!!!!!!(ONG-BAK)」
プラッチャヤー・ピンゲーオ監督/2003年/タイ/108分
[ストーリー]
村の守護神である仏像の首が奪われた。村の青年が都会(バンコク)へ仏像を
取り戻しにいく。
作品レビューはこちら
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「マッハ!!!!」はタイの格闘アクション映画だ。
タイと聞いてあなたはなにを思い浮かべるだろうか。
バンコク、渋滞、プーケット島、アユタヤ遺跡、ムエタイ、トゥクトゥク……。
なかには、ニンジャ、サムライ、ゲイシャ、フジヤマを思い浮かべた人も……
あまりいないだろう。
だれでも、タイについてのイメージがある。人によってイメージはさまざまだ
が、タイと聞いて真っ先に思い浮かぶイメージが、ちょんまげ姿の侍が日本刀
を構えている姿だとうのは普通はあり得ない。
欧米諸国の人のなかには、アジアの国々のイメージはどこも一緒で、タイと日
本の違いをイメージすることが難しく、すべて同じになっている人もいるかも
しれないが……。
イメージとは漠然としものだが、大きな力を持っている。人が抱くイメージを
上手に受けとめることができれば、あとはそれをどうズラしたり、入れ替えて
みたりすれば魅力的になるのかと、いろいろと研究できるのだ。
「マッハ!!!!」の主人公の青年は古式ムエタイの達人だ。ムエタイはタイの国
技で、世界最強の格闘技とも言われている。
人々がもつタイのイメージのうち、ムエタイを使い、CGもワイヤーもスタント
マンも早回しも使わずに撮影したこの作品は、しっかりと戦略が練られている。
コンピュータの発達によってCGなどの映像特殊効果技術が映画作品に取り入れ
られることが多い最近の流れをしっかり観察して、あえて流れに乗らずに、ア
ナログな手法を使っている。これによって宣伝がしやすく、注目も集めやすく
なったのだ。
二番煎じの真似事では人々の興味や注目は集められない。真似することは悪い
ことでない。真似は対象を分析・研究する有効な方法だ。それによって自社や
商品の独自性はなんなのかが明確になるからだ。
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【まとめとポイント】-------------------------------------------------
●独自性を意識する。
(自社の独自性はなにか。商品の独自性はなにか。)
●差別化ではない。差別化とは、ちょっとした「差」だ。わずかな「差」はす
ぐに縮まる。
★真似は対象を分析・研究する有効な方法。それによって自社や商品の独自性
はなんなのかを明確にする。
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