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06/23/2004

グラディエーター(GRADIATOR)

cover
リドリー・スコット監督/2000年/アメリカ
     
●宗教的、歴史的ストーリーを根底に、最新のCG映像技術を駆使して再現した
  コロシアムで、迫力の戦闘シーンをみせる


〔1〕ログライン(Log line)(ストーリーを述べてある一文)
―――――――――――――――――――――
奴隷剣闘士となった元将軍が、家族の復讐のため、コロシアムで勝ちつづけて
仇の皇帝を追いつめる。


〔2〕ストーリー(Story)簡略に
―――――――――――――――――――――
時の皇帝に信頼されていたマキシマス将軍は、コモドゥスの陰謀により妻と子
を失い、奴隷となる。剣闘士として闘いながら、ローマのコロシアムに乗り込
む。そこで、皇帝となったコモドゥスと再会し、復讐を誓う。
 

〔3〕Main Character(主な登場人物)
―――――――――――――――――――――
△アエリウス・マキシマス将軍
 ローマ帝国将軍

△マルクス・アウレリウス・アントニウス(Marcus Aurelius Antoninus)
 ローマ皇帝。五賢帝最後の皇帝。

△コモドゥス
 マルクス・アウレリウス帝の息子

△ルシラ
 コモドゥスの姉

△プロキシモ
 奴隷商人。剣闘士を養成している。


〔4〕宗教と映画作品
―――――――――――――――――――――
旧約聖書「ヨセフの物語」

「ヨセフの物語」とは?
旧約聖書の創世記に登場するアブラハムの子孫(アブラハム→イサク→ヤコブ
[イスラエル]→ヨセフ)であるヨセフは12人兄弟のなかで、父ヤコブの寵
愛を一番に受けていた。なぜならヤコブが一番愛していた妻ラケル(当時、妻
が複数いることは普通だった)の長男がヨセフだったからである。

ヤコブは長男だけが着る特別な上着をヨセフに着せた。またヨセフも自分が見
た夢を家族に話した。その夢とは「畑で麦刈りをしていると、急にぼくが刈り
入れた麦の束が立ちあがり、兄さんたちの束がぼくの束を取りまいておじぎし
んだ」というもので、ほかの夢では「太陽と月と十一の星が皆ぼくにおじぎし
た」というものだった。
(太陽と月はヨセフの父と母を表す。十一の星はヨセフの兄弟たちを表す)

当然、ヨセフは兄たちから妬まれ、憎まれた。ある日、ヨセフは兄たちによっ
てエジプト行きの商人の一隊に銀二十枚で売られてしまう。
エジプトで奴隷として売られた先はエジプト王朝の役人の家であった。ヨセフ
はよく働き、仕事の管理を任されるようになったが、役人の妻の逆恨みで投獄
されてしまう。
獄中でヨセフは王の給仕役長と料理役長の夢の意味を解いてみせた。そのこと
がきっかけで、2年後に王が見た夢(七年の豊作の後、七年の飢饉になる)を
解き、ヨセフはエジプトの総理大臣になった。

やがて飢饉となって、ヤコブの息子たちはエジプトへ食料を買いにやってきた。
ヨセフは兄弟たちと再会するが、自分がヨセフだとは明かさずに、はたして昔
のままの兄たちかどうか知ろうとする。兄たちは善き人となっていたことがわ
かり、ヨセフは真実を打ち明けた。そして、一族をエジプトのゴセンの地に呼
び寄せ、家族揃って飢饉を乗り越えることができた。
 
それから数百年後、イスラエルの民の子孫は増えて、多くの数になった。これ
に危機感をもった王は、イスラエルの民を虐げるようになる(※)。
 

〔5〕Comments(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
宗教的、歴史的ストーリーを根底に、最新のCG映像技術を駆使して再現した
コロシアムで、迫力の戦闘シーンをみせる。

西暦180年、ローマ帝国――。
マキシマス将軍は優秀な武将で、部下から信頼されている。時の皇帝マルクス
・アウレリウス帝からも信頼され、次期皇帝の座につくように勧められる。
これを知った、アウレリウス帝の息子コモドゥスは父を亡き者として、マキシ
マス将軍を抹殺しようとする。

こうして将軍の座を追われ、愛する妻と子を失ったマキシマスは、奴隷として
売られる。奴隷剣闘士(グラディエーター)として勝ちつづけ、観衆から声援
を受けるようになる。

ローマ帝国の最盛期には、ローマ市民権をもつ人々は、かなりの特権階級であ
った。ローマ市民には「パンと見世物」が与えられることになっていた。
皇帝は市民に「見世物」を提供して、皇帝への支持をとりつける――こうした
「見世物」の最も人気のあるもののひとつが剣闘士たちによる決闘だった。
 
マキシマスはひとりの剣闘士として小さなコロシアムで、家族の復讐を果すた
め、生き延びるため(サバイバル)に闘い、勝ちつづけてゆく。

将軍から奴隷剣闘士へ、というのは「ベン・ハー」に似ている。また、マキシ
マスが嫉妬や妬みによって将軍の座を追われ、奴隷になるというのは、旧約聖
書のヨセフの物語と似ている。(マキシマスが商人隊に連れられ、砂漠を進む
シーンは、まさにヨセフが商人の一隊に売られるという話をなぞらえたものだ)
 
ストーリーラインに目新しさはなく、むしろ、過去の有名なストーリーの骨格
を忠実に作品に取り入れている。そうすることで、キリスト教徒やユダヤ教徒
や、歴史に興味ある者が知っているヨセフの物語を重ねることで、幼い頃から
繰り返し聞かされてきた物語を聞くように、自然と馴染んで観ることができる
ようになっている。

作品の特徴は、迫力と緊張感ある戦闘・決闘シーンだ。「ベン・ハー」では騎
馬戦車レースのシーンがあるが、「グラディエーター」では、10人程の奴隷剣
闘士と騎馬戦車隊の戦闘シーンがある。見世物としての目的は、騎馬戦車隊が
奴隷剣闘士たちをなぶり殺しにする、というものだったが、兵士の経験がある
奴隷剣士たちは、マキシマスの卓越した戦闘能力を知っており、マキシマスの
戦術指揮で一致協力して陣形を整え、騎馬戦車隊を撃破する。
 
観衆はこの快挙に大歓声を送り、皇帝となったコモドゥスは民衆の意向に逆ら
えずに、マキシマスを生かすよう指示する。

この騎馬戦車隊との戦闘シーンは圧巻である。戦況によって一瞬で陣形を変え、
騎馬戦車の急所に攻撃をしかける。馬が疾走する蹄――。轟音を響かせる戦車
の車輪――。

黒澤明監督の「七人の侍」でも、野武士の集団が村に攻めてくるやってくるシ
ーンで、疾走する馬たちが土をける蹄の音が、迫りくる危機感と恐怖感を存分
に表現していた。

「グラディエーター」や「七人の侍」を観ると、馬の蹄の音は人に独特の恐怖
感を与えるものだというのがよくわかる。

どちらの作品もストーリーはシンプルである。
日米の騎馬戦闘シーンを見比べてみるのもいいだろう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
(※)この時期にモーゼが現れ、イスラエルの民を約束の地カナンへ導く。
  (旧約聖書出エジプト記)
  このモーゼの物語を元にした作品が、「十戒」(セシル・B・デミル監督)
  である。他にドリームワークス作品「プリンス・オブ・エジプト
  (The Prince ofEgypt)」
もある。
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「グラディエーター」 ソニー・マガジンズ文庫 
 デューイ グラム (著), 大野 晶子 (翻訳)
「モア・ミュージック from グラディエーター」 サントラ
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∇参考・用語引用図書 
「ストーリーアナリスト」 
1999フィルム アンド メディア研究所 愛育社
「ハリウッド・リライティング・バイブル」 
2000 フィルム アンド メディア研究所 愛育社
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ネットでかりてポストでかえす「オンラインDVDレンタル」ぽすれん
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