« 下妻物語 | Main | ブランドメッセージとその伝え方―「リロ&スティッチ」― »

06/05/2004

バンディッツ(BANDITS)

バンディッツ〈特別編〉
ブルース・ウィリス
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2004-04-02


by G-Tools

バリー・レビンソン監督/2001年/アメリカ/

●バディ(相棒)もの+逃亡者もの+トリックスター

〔1〕プレミス(Premise)
(ストーリーが発展していくための基礎となるアイデア)

―――――――――――――――――――――
銀行強盗のグループに平凡な主婦が参加する。うまくいっていた銀行強盗たち
の関係に変化が生まれる。


〔2〕ストーリー(Story)簡略に
―――――――――――――――――――――
共に刑務所を脱獄したジョーとテリーはメキシコで事業を起こす計画をたてる。
そのために銀行強盗を重ねていく途中で、平凡な主婦であるケイトが加わるこ
とで、ジョンとテリーのコンビ関係に変化が起こる。そうしたなか、ジョーと
テリーは最後の大勝負(銀行強盗)に挑む。
 

〔3〕Main Character(主な登場人物)
―――――――――――――――――――――
△ジョー
 脱獄囚でタフガイで行動派。

△テリー
 脱獄囚で慎重派で頭脳派。神経質。

△ケイト
 平凡な主婦

△ハーヴィー
 ジョーの従兄弟。スタントマン志望。ジョーとテリーの銀行強盗を手伝う。


〔4〕アーキタイプ(ARCHETYPHS)あるパターンやタイプを持った人物
―――――――――――――――――――――
∇トリックスター(混乱を引き起こし、平和や秩序を乱す)
 平凡な主婦であるケイトはテリーとジョーに出会い、退屈な日常から逃亡
 することを決意する。こうしてテリーとジョーの仕事を手伝うことになる。
 ケイトが現れたことで、それまでうまくいっていたテリーとジョーの関係
 がうまくいかなくなる。


〔5〕Comments(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
バディ(相棒)もの+逃亡者もの+トリックスター

ケイトはトリックスターの役割をもっているが、けっして機知や狡猾さで目的
を達成しようとする人物としては描かれておらず、非日常の出来事を経験する
なかで、いつのまにか二人の男を好きなってしまった、という役どころである。
 
ケイトはお金やその他のなにか特別な目的を達成しようとしてテリーとジョー
に接近したわけではなかった。平凡な主婦であるケイトは退屈な日常から逃亡
したいという願望があった。そんなときテリーとジョーに出会い、彼等と行動
を共にする決意をする。そして、行動を共にしているうちにケイトはテリーと
ジョーの二人を愛してしまう。

このことで、それまでうまくいっていたテリーとジョーの相棒関係に狂いを生
じさせることになるのだ。

こうしたケリーの動機と行動が、純粋さや無垢の表れだと観客に受けとめられ
れることを狙ったのだろう。

だが、どんなに「嫌味のない、いい女」を設定しても、二人の男から愛され、
それが原因で男たちが言い争いになる、という状況を観るのは、女性の観客と
しては、ケイト・ブランシェット(※)のファンでないかぎり、あまりおもし
ろいものではないだろう。

ケイトがテリーとジョーと仲良くなる過程のほとんどは、二人だけの会話で盛
り上り、急接近するというものだ。会話がうまくかみ合うかどうかというのは、
ふたりのフィーリングにとって大切なことである。欧米ではとくにウィットや
ジョークを巧みに用いた話上手な人は出世しやすいといわれる。恋や愛をささ
やきあう男女にとっては、会話の大切さはそれ以上かもしれない。

しかし、アメリカ人とってはわかりやすい会話の内容と盛り上がり方だとして
も、他の国の人達にはピンとこないかもしれない。銀行強盗で逃亡中という非
日常の体験を共有している仲ということを考慮しても、二人が急接近する過程
を、動きのある映像として観せたほうがよかっただろう。

作品の終盤の銀行強盗のシーンで、テリーとジョーが仲間割れを起すあたりは、
ペイオフ(Pay off 初めに使われて後に劇的に使われる情報)がわかりやすす
ぎるために、劇的という程には至っていない。

こう考えてみるといいだろう。
はたして、テリーとジョーとケイトの配役に全く無名の俳優を起用したとして
も、観客を惹きつける充分に魅力的な作品になるだろうか――と。
これはどんな作品にもあてはまることだ。
--------------------------------------------------------------------------
(※)ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)
   女優。1969年オーストラリア・メルボルン生まれ。『エリザベス』でアカデミー
   賞主演女優賞候補に。ほかに『ギフト』『リプリー』等に出演。
-------------------------------------------------------------------------- 
∇参考・用語引用図書 
「ストーリーアナリスト」 
1999フィルム アンド メディア研究所 愛育社
「ハリウッド・リライティング・バイブル」 
2000 フィルム アンド メディア研究所 愛育社
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ネットでかりてポストでかえす「オンラインDVDレンタル」ぽすれん
――――――――――――――――――――――――――――――――――
メールマガジン→「ストーリー・アナリシス (Story Analysis)」

|

« 下妻物語 | Main | ブランドメッセージとその伝え方―「リロ&スティッチ」― »

Comments

I blog quite often and I truly appreciate your information. This great article has truly peaked my interest. I am going to bookmark your blog and keep checking for new details about once per week. I subscribed to your RSS feed too.

Posted by: loft bed queen size plans | 04/24/2015 at 19:35

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21326/718249

Listed below are links to weblogs that reference バンディッツ(BANDITS):

« 下妻物語 | Main | ブランドメッセージとその伝え方―「リロ&スティッチ」― »