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手本は身近にある

☆ディズニー&ピクサー魔法のヒント☆
【INDEX】
 ■【手本は身近にある】
 ■【ピックアップ事項/「アップルシード」「糸井重里の名刺」】
 
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 ■手本は身近にある
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●身近にある有用な手本、それは「ストーリー」であり「映画作品」だ。

「~すれば売り上げが簡単に10倍になる!」「絶対儲かるマーケティング!」
こんにち、書店のビジネス本のコーナーに行くと、こういった類のタイトルの
書籍が平積みになっている。商売をしている人にとってはどの本も魅力的に映
り、これらの本をまとめ買いしたくなるだろう。

これらの書籍には、いくつかの売上アップに役立つ情報が書かれていることだ
ろう。こうした本を何十冊、何百冊と読み、コンサルタントを雇って詳細なレ
ポートを作成してもらうこともまた有用な方法のひとつだ。

だが、本を何十冊も読む時間的余裕がなく、コンサルテタントを雇う金銭的余
裕もない、という人はどうすればいいのか。試行錯誤を繰り返しながらゆっく
り時間をかけて事業を軌道に乗せ、徐々に発展させていくしかないのか。

試行錯誤を繰り返し、失敗から多くを学び、やっとの思いでみつける一筋の光
ほどの貴重で有用なものはないだろう。

だれしも最初から失敗しようとなどと思っていなくても(最初からうまくやろ
うとしても)、多かれ少なかれ失敗するものだ。

ならば、その失敗が致命的なものにならないために、また同じ失敗を犯さない
ために、なるべくお金をかけずに、なるべく時間を有効に使って、ビジネスの
戦略を練れないものだろうか。そんな魔法のような方法があるのだろうか。

基本的には、なにかすばらしい仕事をしようとする場合、お金をかけられない
ならば、時間をかけるしかない。逆に、時間をかけられないならば、お金をか
けるしかない。

「移動」を例に考えてみるとわかりやすい。
東京から大阪まで行くとしよう。

〈1〉お金がない ⇒鈍行列車に乗って行く
〈2〉時間がない ⇒飛行機あるいは新幹線に乗って行く

お金もないし、時間もない。でも大阪まで行かなくてはならない。だからとい
って飛行機や新幹線をヒッチハイクするわけにはいかない。

もし、魔法のようなことが起きるとすれば……たまたま道を訊いた相手の紳士
が、これから自家用ジェットで大阪に行くという。自分も大阪に用があると言
ってみたところ、紳士は「よかったらご一緒にどうぞ。一人増えようが飛行機
が飛ぶことにはかわりませんから」と言ってくれた。

なんてツイているんだ!☆お言葉に甘えて同乗させてもらったはいいが、エン
ジントラブルで自家用ジェットは山林に不時着。こうなったらはたして紳士に
出会ったのはラッキーだったのか、アンラッキーだったのか。
うまい話には裏があるという以前に、そんな紳士に偶然めぐり会うことはまず、
ない。

ならば、どこかのハイテク企業に勤めている知り合いを頼って、最近試作機完
成までにこぎつけたという、例の極秘の機械を使わせてもらえるよう頼んでみ
ようか。そう――それは、瞬間移動装置。ドラえもんの「どこでもドア」みた
いなものだ。

こうなると、現代では現実味はないといっていいだろう。だが、ここにヒント
が隠れているかもしれない。

「どこでもドア」――。あなたを瞬時に大阪に送ることはできないが、ほかの
ものだったらどうだろう。あなたの代わりに、同僚の鈴木だったら? 猿やチ
ンパンジーだったら? いや、生き物ではなく、バッグやスーツだったら? 
たぶん書類だったら可能だろう。FAXだってあるし、いまは電子メールだってあ
る。それに、パソコンにWEBカメラを付ければ、テレビ電話のようにして大阪に
いる相手とテレビ会議をすることだってできる。

そう考えると、なにもあなたが大阪に行く必要はないかもしれい、ということ
に気付くかもしれない。

そもそも、はたしてあなたが大阪にどうしても行かなくてはならないのななぜ
か? という、基本かつシンプルな問いをしてみることだ。もっとほかの有効
な方法を思いつくかもしれない。

◇なにかすばらしい仕事をしようとする場合、お金をかけられないならば、時
 間をかけるしかない。逆に、時間をかけられないのならば、お金をかけるし
 かない。

そのとおりだ。だが、2つに1つではなく、やとうろしている仕事の目的、達
成方法などを多角的に検証すれば、もしかしたら、ほかの方法も浮かんでくる
かもしれない。

売上アップの本を数十冊読むか。コンサルタントに依頼するか。2つに1つで
はなく、もっとほかに自分の目的に合った方法はないものか、考えてみるとい
よい。

「ほかに考えることができそうないくつかの有用な方法」のうちの、あるひとつ
の方法を紹介しよう。

それは、意外と身近にあるものを参考にする、というものだ。

身近にあるもの、それは「ストーリー」であり「映画作品」だ。

特にアメリカ合衆国のハリウッド映画には、人々の注目を集め、観客の共感を
得て、上映時間(2時間)のあいだ楽しませる技術を磨いてきた。

アメリカ合衆国は様々な民族・人種・宗教が入り混じって形成している国なの
で、映画は、アメリカ人としてなにを大切に思い、どこへ向かおうとしている
かを、内と外へ向けて発信しつづける役割の一端を担っている。

こうして、ハリウッド映画は、より多くの人々に受け入れられるよう研究とマ
ーケティングとを重ね、数多くの作品を制作してきた。

そこには、観客の心を掴み、感動させるヒントがたくさん詰まっているのだ。

もちろん失敗作も多い。だが、過去の失敗から多くを学び、次の作品づくりに
役立て、多くの人々の関心と興味を集めていまもなお、観客の心をつみ続けて
いる作品がある。これらの作品のうちの多くがディズニーやピクサーの作品だ。

「アニメーションなんて子供だましにすぎないさ」

そんなふうに思っている人もいるだろう。
だが、100歳のおじいさんやおばあさんでも、かつては子供だったのだ。大人
になっても、かつて子供だった頃の「心」や「想い」はどこかに残っている
ずだ。

だれもが経験したワクワクドキドキが詰まっている映画作品をじっくり観るこ
と――こんなにもすばらしい手本が身近にあるのだ。

映画作品が、どうやって人々(生活者)の注目を集めるのか。どうやって観客
(顧客)を得るのか。

それを知るには、主に映画作品の構造にスポットを当てて考えてみよう。きっ
と有用なヒントをたくさん見つけることができるだろう。

だが、ここでひとつ大事なことを言っておこう。

●ヒントを元に「あなたの事業や人生」にどう活かすかを考えるのは「あなた」
 なのだ。

人の数だけ人生があるように、ヒントをどのように活かすかは、人それぞれだ。

「絶対にこうならなければならない人生」というものがないように、こうすれ
ばだだれでも絶対儲かる、といった、唯一絶対のものはない。

ただひとつ確かなことは、「すべての事業や人生に当てはまる絶対はない」と
いうことだ。

これは、公開するまえから絶対にヒットすることがわかっている作品は存在し
ないのと同じことである。

絶対はないが、ある程度のヒットの傾向を研究することはできる。そうするこ
とでヒットの確率を高めることはできる。

次号からはハリウッドのストーリー工学の、やや聞き慣れない単語や用語が出
てくることになるが、どれもむずかしくはない。

なぜなら、ハリウッドの娯楽作品を観て、さっぱり意味がわからなかったとう
経験を持つ人はあまりいないだろう。普通の娯楽作品を、普通に観たことがあ
る人なら大丈夫だ。――つまり、だれにでもわかりやすい話なのだ。

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 ■【ピックアップ事項】
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∇映画作品「アップルシード(APPLESEED)」

CG・アニメーション作品と聞いて、一部のマニア向けの作品かと思われる方も
いるだろう。だがそうではなく、広く外へ向けて作られた作品であり、ここか
ら学ぶことは多い。
強みを活かして比較的新しい技術と組み合わせ、世界の注
目を集めている。また、より多くの人々の共感を得るために、今日的なテーマ
を持たせつつ、人間の感情を描いている。強みを最大限に活かして、既存のも
のと新しいものを組み合わせ、新たな境地を切り開く――。広く外に向けて作
られた数少ない日本産の作品だ。


∇フジテレビ木曜深夜放送の新番組「ニューデザインパラダイス」
 ○「糸井重里の名刺」

第2回のテーマは「名刺」。コピーライターの糸井重里氏が新たにデザインし
た名刺は「パンフレットにもなる折りたたみ名刺」。8面裏表のパンフレット
を折りたたみ、名前が書かれた透明なケースに入れと名刺サイズになるという
もの。限られたサイズに多くの情報を載せることで、なりすまし防止にもなる
という。基本情報(名前)から、より詳細な情報(会社、扱ってる商品等の紹
介)へと繋がるスムーズな流れを実現させている。
商品やサービスの内容をわ
かりやすく伝えることは、ビジネスに限らず、今後ますます重要になるだろう。
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∇参考・用語引用図書 
「ストーリーアナリスト」1999フィルム アンド メディア研究所 愛育社

「ハリウッド・リライティング・バイブル」 
2000 フィルム アンド メディア研究所 愛育社


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