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03/29/2004

ウェディング・シンガー(THE WEDDING SINGER)

cover
「ウェディング・シンガー(THE WEDDING SINGER)」
フランク・コラチ監督 1998年 アメリカ

○時代、場所、小道具(音楽)、ユーモア、配役。これらが物語の雰囲気と進行に
 絶妙にマッチしたラブコメディ

〈時代〉TIME     1985年
〈場所〉LOCATION アメリカ郊外の町、リッジフィールド。

〔1〕コンセプト(Concept)
 ストーリーの中心となるアイデア(着想)やトピック(出来事)を意味する。

―――――――――――――――――――――
友情から愛情へ。恋と結婚のラブコメディ。


〔2〕ストーリー(Story)簡略に
―――――――――――――――――――――
ウェディングシンガーのロビーは自分の結婚式でフィアンセに逃げられる。
ヤケを起こして仕事の結婚パーティを台無しにしてしまう。そんなロビーを同
じ職場で働く新人ウェイトレスのジュリアが心配して様子をみにくる。ロビー
はジュリアの式の準備を手伝うことになる。そうしているうちに、ロビーは、
グレン(ジュリアの婚約者)がジュリアを裏切っていることを知る。やがてふ
たりは惹かれ合うようになるが、勘違いやすれ違いでふたりはなかなかうまく
いかない。それでも心やさしい友人たちの助けに支えられ、ロビーは告白する
ためにジュリアのもとへ急ぐ。


〔3〕Main Character(主な登場人物)
―――――――――――――――――――――
△ジュリア・サリバン
 新人ウェイトレス
 
△ロビー・ハート
 ウェディングシンガー。プロのミュージシャンを目指している。

△グレン
 ジュリアの婚約者。証券マン。

△リンダ
 ロビーの花嫁になるはずだったが、結婚式に現れなかった。


〔4〕・1 シーン 
―――――――――――――――――――――
ジュリアが自宅2階の部屋でウェディングドレスの試着をするシーン。結婚式
を控え、ウェディングドレスを着て姿見(鏡)の前に座るジュリア。ジュリア
は母に、ほんとうにグレンと結婚していいのか、と不安を口にする。母は、結
婚直前には花嫁はみんな同じ不安を持つものだから大丈夫よ、といった意味の
ことを言ってジュリアを安心させようとする。

その後、母が去った部屋で、ジュリアはウェディングドレスを着たまま、姿見
の前に立って自己紹介をしてみる。
「こんにちは。わたしはジュリア・グレンです。ジュリア・グレンです」
どうも言いにくい気がする。しっくりこない。次に、こう言ってみる。
「こんにちは。わたしはジュリア・ハートです。ジュリア・ハートです」
今度はしっくりくる。口に出してみると自然と笑顔が溢れてくる。

カメラは、そんなジュリアから部屋の窓を写し、窓の外へ焦点を合わせる。
家の外の夜道をジュリアの家へ向かって歩いてくるロビー・ハートが映し
出される。

ロビーは自分の気持ち(ジュリアを愛していること)に気づきつつも、どうし
ていいかわからず、友人に「おれは今日からナンパな男になる」と宣言する。
だが、心やさしい友人は自分のさみしさやわびしさを話して聞かせ、愛する人
を得ることの大切さを説く。ロビーは告白することを決心し、すぐにジュリア
の家へ向かう。

ジュリアの家の前まできたとき、2階の窓のカーテンが閉まっておらず、ウエ
ディングドレスを着たジュリアが姿見に向かって笑顔で何か言ってうれしそう
にしている姿を見る。
ロビーは道を引き返して歩き出す――。
 

〔5〕Comment(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
時代、場所、小道具(音楽)、ユーモア、配役。これらが物語の雰囲気と進行
に絶妙にマッチしたラブコメディである。

ロビーとジュリは結婚パーティで仕事の同僚として出会い、お互いに結婚を控
えていることを知る。こうして、二人の出会いは友情ではじまった。
その後、ロビーが花嫁に逃げられてしまう。ロビーを心配するジュリア。そし
て、ロビーはジュリアの結婚式の準備を手伝うことにする。やがてふたりはお
互いに恋するようになる。

友情ではじまった出会いが、やがて恋へと変化していく過程がうまく描かれて
いる。例えば、ロビーが自作の曲をジュリアに歌ってきかせるシーンだ。花嫁
に振られた直後に作った曲なので、かなり自虐的な歌詞なのだが、涙まじりに
力づよく歌うロビーの姿に、ジュリアは少し心を動かされる。

また、式がせまったある日、ジュリアはルームメイトと、式でのキスの仕方に
ついて話し合っていたところにロビーが現れる。ロビーはキスのリハーサルの
相手をすることになる、ふたりはキスをする。ルームメイトはふたりのロマン
チックなキスにドキリとする。

こういったシーンで、観客はロビーとジュアリが互いに惹かれ合っていること
がわかる。そしてジュアリのルームメイトとデートしたロビーは、ルームメイ
トに「あなたはジュリアに恋しているのね」といった意味のことを言われて、
あらためて自分がジュリアのことが好きであることを自覚する。また、ルーム
メイトに「ジュリアが結婚する理由のひとつは、婚約者がお金持ちだから」と
いった意味のこと言われたロビーは、音楽をやめて銀行で働こうとする。

こうして互いにすれ違い、二人の間はなかなかうまくいかない。観客はふたり
の仲がなんとかうまくいってほしいと願う(ルーティング・インタレスト〈思
わず応援したくなる気持〉)

この作品は1998年制作だが、物語の舞台設定は1985年のアメリカ郊外である。
そう遠くない昔、ほんの一昔前の80年代。当時のヒット曲を取り入れて、ちょ
っとしたノスタルジックを感じさせる舞台設定になっている。舞台設定だけで
なく、セリフ、音楽、小道具などもうまく使っている。
 
この作品はひねりに乏しいとも言える。だが、ラブコメディという作品の性質
を考えると、シンプルな物語構造のなかで、友情から恋、そして愛へと変化す
る登場人物たちの姿を、セリフや演出技術を用いてうまく表現している。そう
いった意味で「ウェディング・シンガー」はラブコメディの傑作である。
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ウェディング・シンガー(1)
ザ・プレジデンツ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ カルチャー・クラブ ポリス スミス ザ・サイケデリック・ファーズ トンプソン・ツインズ
ワーナーミュージック・ジャパン
1999-02-05


by G-Tools

ウェディング・シンガー(2)
カジャグーグー カーズ スパンダー・バレエ フロック・オブ・シーガルズ THE B-52’S フライング・リザーズ
ワーナーミュージック・ジャパン
1999-02-05


by G-Tools

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∇参考・用語引用図書 
「ストーリーアナリスト」 
1999フィルム アンド メディア研究所 愛育社
「ハリウッド・リライティング・バイブル」 
2000 フィルム アンド メディア研究所 愛育社
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