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03/22/2004

わかりやすいってどういうこと?

わかりやすい文とは以下のようなものです。

「筋が通っていて、一読すればすぐにわかり、ニ通りの意味にとるところのない
文章」

別の言い方をすると、「5歳の子供にもわかるようにする」とも言えます。これを
映画作品を例にお話しましょう。

取上げるのは、主に主にアメリカ合衆国で作られた映画作品です。それらの多く
は、わかりやすいテーマと、シンプルなストーリー構造を持っています。ある映
画作品がどのようなストーリーなのかを表現するのに、「ログライン(Log line)」
という言葉を使うことがあります。ログライン(Log line)とは、ストーリーを述
べてある一文のことです。

ではここでディズニー配給でピクサー(※1)制作のアニメーション作品である
「ファインディング・ニモ (FINDING NEMO)」(アンドリュー・スタントン監督/ジ
ョン・ラセッター製作総指揮/2003年/アメリカ/101分)を例に取りあげます。

「ファインディング・ニモ」のログラインは以下のようになります。

○ログライン(Log line)
「魚(カクレクマノミ)のマーリンが人間にさらわれた息子のニモを探す」

これなら5歳の子供でも、どんな物語なのかすぐにわかるでしょう。ログライン
に関連した言葉で、ほかに「プレミス(Premise)」というのもあります。プレミ
ス(Premise)とは、ストーリーが展開していくための基礎となるアイデアのこと
です。

○プレミス(Premise)
「主人公の父親(魚)が、海の生物たちの助けを得て、人間にさらわれた息子を
探し出す」

主人公が家族を探して旅をするというのはよくあるストーリーですが、ここでは
主人公が魚であることをはじめ、登場キャラクターのほとんどが人間以外の生物
(魚類や鳥類)なのがユニークなアイデアとなっています。

○ストーリー(Story)
「オーストラリア・グレートバリアリーフ。魚(カクレクマノミ)の子供(ニモ)
が人間にさらわれる。父(マーリン)はニモを探しに冒険に旅立つ」

こうした、5歳の子供でもよくわかるログラインやプレミスやストーリーが「わ
かりやすい」ということのよい例なのです。
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※1 ピクサー
 ピクサー・アニメーション・スタジオ。アメリカ合衆国にあるCGアニメーシ
 ョンスタジオで、前身はルーカスフィルムのコンピュータ部門。これまで短
 編CGアニメーションを8本製作。長編CGアニメーションを5本製作(『ト
 イ・ストーリー』『バグズ・ライフ』『トイ・ストーリー2』『モンスターズ・
 インク』『ファインディング・ニモ』)。長編作品すべて全米年間興収ランキ
 ングTOP5に入っている。

「ファインディング・ニモ」竹書房・ピクサー文庫
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∇ストーリー関連の参考・用語引用図書
「ストーリーアナリスト」1999 フィルム アンド メディア研究所 愛育社

「ハリウッド・リライティング・バイブル」 
2000 フィルム アンド メディア研究所 愛育社
…………………………………………………………………………………………………
∇書籍紹介
 わかりやすい文を書くために参考になる書籍を以下に紹介します。

「理科系の作文技術」 木下 是雄 (著) 中公新書

「日本語の作文技術」 本多勝一(著) 朝日文庫 

「日本語で生きるとは」 片岡 義男 (著) 筑摩書房

「日本語の外へ」 片岡 義男 (著) 角川文庫
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メールマガジン→ 「わかりやすい日本語で(Plain Japanese)」

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