視点(パラグラフ)
〔1〕例文
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「ケイタは学校の廊下でマナミが楽しそうにノブオと話しているのを目撃した。
マナミにとってケイタは兄みたいな存在だった。マナミが話している相手のノブ
オのことをナオミがとてもうれしそうに話すのをケイタは思い出した。マナ
ミのことを思うとき、彼の心の中には小さな痛みが走るのだ」
〔2〕問題点
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視点 〔パラグラフ(段落)での視点の混在〕
〔3〕解説
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ひとつのパラグラフ(段落)のなかで、視点が幾度もかわっている。
視点変化の順序
(1)ケイタが目撃する
(2)マナミにとってケイタは兄みたいな存在
(3)ケイタはマナミがとてもうれしそうにノブオのことを話していたのを思い出した。
■第3者の視点でナレーションする場合でも、ひとつのパラグラフのなかで視点が
幾度もかわる(ケイタ→マナミ→ケイタ)と読み手に負担をかける可能性がある。
★解決策 ⇒パラグラフ(段落)中の視点を統一する
〔4〕書き直し(リライト)例
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「学校の階段をのぼりきったケイタは、廊下の先でマナミが楽しそうにノブオと
話しているのを目撃した。ケイタはふと思い出した。以前マナミがノブオのこと
をとてもうれしそうに話していたことを――。 『おれは兄ぐらいにか思われて
いないかもしれない』などどマナミのことを思うと、彼の心の中には小さな痛み
が走るのだ」
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∇書籍紹介
わかりやすい文を書くために参考になる書籍を以下に紹介します。
「理科系の作文技術」 木下 是雄 (著) 中公新書
「日本語の作文技術」 本多勝一(著) 朝日文庫
「日本語で生きるとは」 片岡 義男 (著) 筑摩書房
「日本語の外へ」 片岡 義男 (著) 角川文庫
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