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03/07/2004

ニューシネマパラダイス(NUOVO CINEMA PARADISO)

cover
「ニューシネマパラダイス(NUOVO CINEMA PARADISO)」
ジュゼッペ・トルナーレ監督 1989年 イタリア・フランス

○情に流されない真の友情をみせてくれる

〔1〕テーマ(Theme)
―――――――――――――――――――――
友情 


〔2〕ストーリー(Story)簡略に
―――――――――――――――――――――
映画好きの少年(トト)が島の映写技士(アルフレード)と友人になる。
青年に成長したトトは恋をするが、兵役から帰ると恋人は行方不明で、映写技
師の仕事もなくなっていた。トトはアルフレードのすすめで島を出ることにする。
30年後、アルフレードの葬式のため、トトが島にかえってくる。


〔3〕Main Character(主な登場人物)
―――――――――――――――――――――
△サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(トト)
 シチリア島の少年(青年・大人)。映画館に通いつめている。

△アルフレード
 島の映写技士

△エレナ
 青年になったトトの恋人


〔4〕・1 バリア(障壁)
―――――――――――――――――――――
少年期のトト。家においてあった映画のフィルムが発火して、あやうく妹が
オオヤケドを負うところだった。母は映画とアルフレードの話しかしないトト
に苛立ち、映画館への出入り禁止を言い渡す。
トトはアフルレードの奥さんからお弁当を受け取り、それを口実に映写室へ
いく(機転)。

青年期。エレナに恋したトトは愛を告白する。だが、断られてしまう。しかし、
アルフレードから、ある恋の話を聞いたトトは、エレナのもと毎日通う(一途
・一生懸命さ)。
 

〔4〕・2 ヘルパー(主人公に対しアドバイスや助けをもたらす人物)
―――――――――――――――――――――
アフルレード。トトに映写技術を教える。だが、トトの才能や人柄をよく
知っているアルフレードは、ほかのもっと重要な仕事が待っていると助言
する
 

〔4〕・3 ダイアニサイアック(Dionysiac)夢中になる、主人公に共感を得る。
―――――――――――――――――――――
兵役から帰ってきたトトは、アルフレードへ会いにいく。映画館の火災で視力
を失ったアルフレードは年をとり、ほとんど外出もしなくなっていた。アルフ
レードはトトに島を出るように言う。

ひさしぶりに会えた大好きなトトと、これからはずっと一緒にいたいとアルフ
レードは思うだろうことは、だれの目にも明らかだ。だが、アルフレードは
トトの将来を考え、島から出るようにという。


〔4〕・4 シーンにおける「間(マ)」・ユーモア(笑い)
―――――――――――――――――――――
映画の後編を待ちつづける観客たち。「映画の後編をみせろ」と口々に叫ぶ
なか、1人の男が立ち上がって言った。「おれは後編を観たことがあるから、
ストーリーをみんなに話してやるぞ!」……観客たちからブーイングが上がる。

映画館前の広場で寝泊りする男。「ここはおれの広場だ」が口癖である。ある
晩、映画館に入りきらない観客を残したまま、オーナーが閉館してしまう。
そこでアルフレードが広場の壁に映画を映してあげる。それをみたチケット係が
みんなの前に出て言った「チケットを買ってくれ」。すると観客から「ここはみ
んなの広場だ」「そうだそうだ」と声があがる。そこへすかさず広場の男が叫ん
だ。「ここはオレの広場だ!」

焼けた映画館を、立ち尽くして茫然とみつめる街の人々。その後ろをヤギの一群
が通り過ぎる。


〔5〕Comments(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
アルフレードとトトの友情は多くの人の涙を誘うだろう。アルフレードはトト
の頭の回転のはやさや、学業の優秀さをよく知っている。火災のために引退し
たアルフレードのかわりにトトが映写技士になったときもアルフレードは、い
まは映画館とお前の関係をうまくいっているが、長続きはしない。お前にはほ
かの仕事が待っている、と言う。

兵役から帰ってきたトトに対しても、村を出て帰ってくるな、と言う。

年をとり、目も不自由になったアルフレードにしてみれば、ほんとうはトトに
ずっと傍にいてほしい気持があったろう。だが、自分がさびしいという理由だ
けで、若く才能あふれるトトをつなぎとめておくことは絶対にできない。そん
な強い意思でアフルレードは幾度も、村を出て帰ってくるな、と言う。

トトもそんなアルフレードの気持をわかっているので、村を出ることにする。

ローマで成功したトトはベンツに乗り、映画監督になった。だが、エレナ以上
に心から愛する人に出会えていない。

そんなトトがアルフレードの葬式の報を受け、30年ぶりに故郷に帰る。

映画を介して歳が離れているトトとアルフレードの友情が生まれる。時代の変化
(ビデオの普及)のなかにあって、「情」に流されることなく強い意思で友人に
助言する。
 
(いじわるな人だったら、出て行こうとするトトの邪魔をするかもしれない。
 普通の人だったら、せめて邪魔はしないだろう。友人なら、トトの背中を
 押すだろう)
 
 有名な作品のため、観たことがある人も多いだろう。現代の日本においてこそ、
 多くの人に観てもらいたい作品のうちのひとつだ。

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∇参考・用語引用図書 
「ストーリーアナリスト」 
1999フィルム アンド メディア研究所 愛育社

「ハリウッド・リライティング・バイブル」 
2000 フィルム アンド メディア研究所 愛育社
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メールマガジン→「ストーリー・アナリシス (Story Analysis)」

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Tracked on 05/02/2004 at 21:49

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