May 26, 2006

ダ・ヴィンチ・コード

監督:ロン・ハワード
アメリカ/2006年/150分
原作:ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード」

原作のおもしろいところがごっそり抜けている。原作を読んだ人が復習がてら観るか、映画をきっかけに興味を持って原作を読みはじめるのが無難な観方。「24」みたいな構成の連続ドラマにすればもっと良かった。「普通」のトム・ハンクスが見れる貴重な作品かも?

ストーリー(概要)
―――――――――――――――――――――
ルーブル美術館館長が死体が発見された。そこにはいくつもの暗号がちりばめられており、そのなかに宗教象徴学専門のラングドン教
授の名前があった。
ラングドンは現場に呼び出され、暗号解読官ソフィーと共に真犯人を探しながら暗号の謎を解こうとする。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ロバート・ラングドン
ハーヴァード大学教授。宗教象徴学専門。

▽ソフィー・ヌヴー
暗号解読官。

△ジャック・ソニエール
ルーヴル美術館館長

△リー・ティービング
英国人の宗教史学者。

△マヌエル・アリンガローサ
オプス・デイの代表。司教。

△ベズ・ファーシュ
フランス司法警察中央局警部


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――
原作のおもしろいところがごっそり抜けている。原作を読んだ人が復習がてら観るか、映画をきっかけに興味を持って原作を読みはじめるのが無難な観方。「24」みたいな構成の連続ドラマにすればもっと良かった。「普通」のトム・ハンクスが見れる貴重な作品かも?

■ 映画は観るべきか?

映画は原作を読んでいないとわかりづらいという声がある。ほぼその通りだ。

映画だけを観たら、ラングトン教授だけが暗号解読に長けているかのように思えてしまうだろう。しかし暗号解読官はソフィーなのだ。

原作ではふたりが暗号について会話をして共に解読していくというスタンスだった。映画ではなにもわからない若いフランス娘をアメリカ人のインテリおっちゃんが知識とヒラメキで助けてあげるという図式が強調されているかのようだ。

フランス人に対してコンプレックスを持っているアメリカ人にとっては悪くない。

さらにあんなにちっちゃいスマートカーなんかに乗って町中をバックで走らせるなんて、ああいう無茶をする役はアメリカ人というイメージ通りにはなっておらず、ちいちゃくて滑稽な車で未熟なフランス娘が無茶してるのを鼻で笑えるという貴重な体験をアメリカ人に提供している。

いかにもアメリカ人が作ったな、みたいな感じ方といったあたりが、カンヌで失笑がおきた理由の一部かもしれない。

それで、映画は観るべきかどうかといえば、原作を読んでいなくて、キリスト教には大して興味なく、世間の盛り上がりにも感心が薄くて我が道をゆく、という人はパスしていい。なぜなら観てもおいてきぼりをくらうだけだからだ。

もちろん、この作品をきっかけにキリスト教や歴史に興味を持てるならばじゅうぶんに作品を観る価値はある。


■ 「ダ・ヴィンチ・コード」のおもしろさとは

原作の良さは、暗号を解く醍醐味とウンチクのおもしろさと巧みなストーリーテリングで物語の謎でぐいぐいと読者を引っ張っていくところにある。

映画ではこのうち「暗号を解く醍醐味」と「ウンチクのおもしろさ」がすっぽり抜け落ちている。

限られた時間内におさめるために暗号をスィスィ解いて次から次に突っ走っていくので、どんどんおいてけぼりをくらう観客多数になってしまう。

原作のおもしろいところが抜けてしまっているので、映画は原作を読んだ者が映像で復習がてら、といった観方がもっともベターだ。


■ ひとこと

やはり、いろいろなところでもいわれてることだが、ある程度のキリスト教と世界史(西洋史)の予備知識がない者が映画だけを観て楽しむというのは難しいだろう。

原作を読んである程度楽しめた者がおさらいの意味で観るのが無難な観方だ。

とはいっても、話題作なので観ておいたほうがいい。

原作を読んでいない、キリスト教にはあまり馴染みがない、という方の中には映画だけを観てもイマイチわかりづらいという声があるので、「ダ・ヴィンチ・コード」を観る際の重要なポイントだけは抑えておいたほうがいい。

重要なポイントとは「M」、つまりマグダラのマリアだ。

これについてはこちらにまとめてあるのでどうぞ。

『ダ・ヴィンチ・コード』ガイド~重要な「M」が7倍わかるレポート~

じつは「▼」←この形にも意味が隠されている。それは小説のなかで説明されている。

原作を読んだうえで映画と比べると、いろいろなところが目につく。そうして映画を観る目を養うことにもなるので、とりあえず観ておこう。


俳優ファン △ 俳優たちの味が活かされていない。
ファミリー  × 子供にはわかりにくい
デート    × ふたりとも宗教・歴史好きでないならば避けたほうがいい。
フラっと   × ふらっと観るような作品ではない。 
脚本勉強  △ どこを見せる(魅せる)べきかは反面教師的に勉強になる
笑い     ×
リアル追求 × フィクションである。
謎解き    △ 残念ながら映画はその魅力が原作の10分の1
人間ドラマ  △
社会     ○ キリスト教文化への興味を持つきっかけになれば
映像     △ CGも使ってます


∇無料レポート限定配布中

「ダ・ヴィンチ・コード」を読み解く最大・重要なポイントは「M」の理解にある。
『ダ・ヴィンチ・コード』ガイド~重要な「M」が7倍わかるレポート~

「想いを寄せるあの人との距離をもう1歩縮める方法」
遠くの存在と思えるあの人との距離を劇的に縮めるには?
その方法を、まさに「劇(恋愛映画)」を例にあなたに伝授します。

「愛されたいなら嫌われろ!~共感を得る究極の方法~」
愛される第一歩「共感」を得る究極の方法を、宇宙一の嫌われ者が
愛を得た、あの有名映画作品を例にわかりやすく伝授します 

アスランは誰を表している? 暗闇の森をアスランと共に歩くだけのシーンの意味とは?
「ナルニア国物語」に秘められたキリスト教文化を大
解説~これを知れば7倍楽しめる~

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July 01, 2005

ダニー・ザ・ドッグ(UNLEASHED/DANNY THE DOG)

ルイ・レテリエ監督/フランス・アメリカ・イギリス・香港/
2005年/103分

物語の紹介
―――――――――――――――――――――
幼い頃に誘拐されたダニーは闘犬のように育てられました。取り立て屋のバートに首輪を外されて命令されると、相手を叩きのめします。
ある日、倉庫で盲目のピアノ調律士サムに出会います。
後日、怪我をして意識を失ったダニーはサムに助けれ、家族の一員として暖かく迎え入れられます。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ダニー
 男性。戦うためだけに育てられる。

△サム
 ピアノ調律士

△ヴィクトリア
 高校生。サムの養女。

△バート
 取り立て屋。ダニーに首輪をして利用する。


作品案内(ガイド)
―――――――――――――――――――――
【おおまかに言うとどんな作品?】

愛を知らない男がピアノ(音楽)をとおして家族を得て、これを守ろうとする物語。


【見どころ・特徴は?】

‡ 新ヒーロー誕生 ‡

ダニー役のジェット・リー(リー・リンチェイ/李連杰)中国出身のアクションスターです。11歳で中国武術大会で総合優勝(以後5度優勝)した彼のアクションの「キレ」はスバ抜けています。

アクションシーンにおいて最近の映画によくみられる、複数のカメラによる細かいカットを素早く繋ぎ合わせて画面に迫力を出すといった方法を使わなくても、ジェット・リーのアクションは十分に迫力があります。

そんな彼がこれまで主演した映画では、寡黙で強くてだれかを守る孤高のヒーロー、といった役どころがほとんどでした。

しかし「ダニー・ザ・ドッグ」では、孤独な戦闘マシーンとして首輪をつけられた、少年ほどの知識と語彙しか持たない男として登場します。
そして盲目の調律士に助けられるのです。

いままでのジェット・リー主演作とは正反対ともいえる役どころです。「ダニー・ザ・ドック」ではジェット・リーの新たなヒーロー像が確立されています。


‡ 戦うことに共感できる意味がある ‡

家族を得たダニーは、バートの金儲けのためにはもう他人を傷つけたくないと言って戦いません。しかし相手が複数になって武器も使うようになると、自分の身を守るためにしかたなく戦います。

そして自分の家族に危機が迫ると、これを守るために戦います。

家族を得る前は、首輪を外されて命令されることで、条件反射のように目の前の相手を倒していました。

でも家族を得た後は、自分の気持・感情で戦いたくないと言い、己の身を守るために、いたしかたなく戦います。
そして家族を守るために戦います。

ただ強いだけの男がすばらしいアクションを繰り広げるだけではないのです。

戦うことに、観客が共感できる動機がしっかりとあるのです。


‡ ピアノ ‡

ピアノはダニーの過去を取り戻すためのキーアイテムになっています。また、ダニーが人とコミュニケーションをしていく助けにもなっています。

たとえ言葉ではうまく通じ合えなくても、音楽を通してコミュニケーションをとることができる、そんな様子をピアノで表現しています。


【その他】

愛を知らない男。ピアノ。音楽。家族。アクション。

それぞれの要素はありきたりで、その組み合わせもベタといえばベタです。でも、こうした基本要素を組み合わせてうまくエンタテインメント作品をササッと作れる腕のいい職人さんがいるんです。

それは、製作・脚本のリュック・ベッソンさんです。彼とジェット・リーは「キス・オブ・ザ・ドラゴン KISS OF THE DRAGON (2001年)」でも組んでいました。

リュック・ベッソンさんは素材をどのように組み合わせて、どのように料理すればその旨味をよくひきだせるかを知っています。

作品の状況や設定に多少無理はありますが、それは作品世界を損なうものではなく、十分に許容される範囲であって、むしろフィクションのおもしろみと魅力を増す助けになっています。

ジェット・リーの新ヒーロー像を堪能したい方。特徴あるホームドラマを観たい方。リュック・ベッソンの職人技を勉強したい方。これらの方におすすめです。

アクションシーンだけを観たい方。完璧なカンフーアクションを期待する方(今回はどちらかというとストリートファイト系のアクションです)。暴力的なシーンを見たくない方。これらの方には向かないでしょう。


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June 27, 2005

バットマン ビギンズ(BATMAN BEGINS)

クリストファー・ノーラン監督/アメリカ/2005年/134分

物語の紹介
―――――――――――――――――――――
幼い頃に古い枯井戸に落ちた少年ブルースはそこに巣くっていたコウモリを恐れるようになる。
ある夜、強盗に両親を殺害されたブルース。青年になった彼は旅に出ます。闇から闇へと渡り歩いて悪の知識と手口を習得します。
やがてヒマラヤである男に出会い、武術、柔術、剣術等を身につけます。
故郷ゴッサムシティに戻ってきたブルースは、表向きは大富豪のプレイボーイを演じならが、裏ではバットマンとして悪を罰して退治します。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ブルース・ウェイン/バットマン
 大富豪。

△デュカード
 ブルースの師

△アルフレッド・ペニーワース
 ウェイン家の執事

△レイチェル・ドッドソン
 検事。ブルースの幼馴染の女性。

△ラーズ・アル・グール
 ヒマラヤの組織のボス

△ジム・ゴードン
 警官。バットマンと協力する。


作品案内(ガイド)
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【おおまかに言うとどんな作品?】

「ソドムとゴモラ」をベースに、人間ドラマタッチにした笑いもタップリのバットマン誕生物語。


【見どころ・特徴は?】

‡ バットマンのできるまで ‡

アメリカンコミックが原作の「バットマン」映画シリーズ第5作目です。
アクション映画というよりも、ブルース青年がいかにしてバットマンになったのかというその過程を、人間ドラマという手法で描いた作品です。


‡ アクションではバットモービルが主役? ‡

バットマンのアクションシーンというのは、最近よくある「なんかすごい戦いの応酬がなされているんだろうけどよくわからない」といったような撮り方と編集をしています。

ブルースは特訓をしていろんな武術をマスターしていますが、あくまで生身の人間です。なので、自社開発のハイテク機器を装備して悪と戦います。

ということで、アクションシーンにおいては、実はこれらハイテク機器のほうが主役といってもいいでしょう。

そんなハイテク機器の総大将みたいなものが「バットモービル」です。まるで戦車みたいなバットマンの専用車が、あらゆるものをなぎ倒したり、ぶつかったりしながら猛進していきます。

こんな派手なカーチェイスシーンが撮れるのは米国ならではですね。

バットモービルが走行するのは道路だけではありません。屋根から屋根へ飛び移りながら走り続けます。
いざというときには運転席が変形します。運転者がとるべき態勢としては「ありえねぇ~」といった形に変化するのです。

とっても遊び心溢れるバットモービルですね☆


‡ 「ソドムとゴモラ」 ‡

聖書の創世記にあるソドムとゴモラは、天からの硫黄と火によって滅ぼされました。
ソドムとゴモラはキリスト教文化圏の国や地域はもちろんのこと、それ以外の場所でも有名です。

無秩序で腐敗した街や状態を指して「まるでソドムとゴモラだな」というように使われます。

まるでソドムとゴモラのようなゴッサムシティでひとり(相棒はいますが)悪に立ち向かって街と街の良き住人を守ろうとするのがバットマンなのです。

ちなみにゴサムとは、New York Cityの異名でもあります。
また英国にあったとされる愚か者の住む村、という意味もあります。


【その他】

アメリカ的ジョークや笑いがタップリです。他のバットマンシリーズと比べると人間ドラマ風の作風ですが、わいわいキャッキャしながら楽しみましょう。

ポップコーン食べながら大口あけて楽しめる、そんな作品です。


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June 25, 2005

ザ・インタープリター(THE INTERPRETER)

シドニー・ポラック監督/イギリス/2005年/118分

物語の紹介
―――――――――――――――――――――
国連通訳のシルヴィアはある日、アフリカ・マトボ共和国大統領の暗殺の話を耳にします。その話はクー語という、国連でも数人しか使うことができない言語でなされていました。アフリカ出身のシルヴィアはクー語を話すことができたのです。
マトボ共和国大統領は近々国連本部での演説のためにアメリカ合衆国にやってくる予定です。そこでシークレット・サービスのトビンはシルヴィアからくわしく
話を聞きます。
シルヴィアとトビンは国連を舞台に、マトボ共和国に関する陰謀の渦中に入りこんでいきます。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△シルヴィア・ブルーム
 国連職員。通訳者。

△トビン・ケラー
 シークレット・サービス

△ズワーニ
 アフリカ・マトボ共和国大統領


作品案内(ガイド)
―――――――――――――――――――――
【おおまかに言うとどんな作品?】

愛する人を失い、川の両岸にそれぞれ立つふたりが、復讐と悲しみの渦の中で苦しみもがきながらも、やがて同じ岸に立つまでの物語。


【見どころ・特徴は?】

‡ 国際情勢や国際問題に関心を持ってもらう ‡

映画を楽しむとは? 
映画の楽しみ方にはいろいろあります。興味を抱く。新しいことを知る。知識を深める。新しい視点を得る。
もしあなたがこれらのどれかひとつにでも楽しみを見い出すなら「ザ・インタープリター」はその期待によく応えてくれるでしょう。

「人は自分の半径10メートル以内ことさえ知っていれば生活に事足りる」
半径10メートルというのはその人の世界の大きさを表現するための例えですが、自分の家族、親戚、友人、また会社、クラブ、地域さえ知っていれば日常生活には困りません。

でも、あの山の向こうにはなにがあるんだろう? どんな人がどんな生活を送っているんだろう?

そんなふうに思ったことがあるなら、たとえたまたま通りかかった鳥が「あの山の向こうにはおまえと同じことを考えている奴がいるだけだよ」としゃべったとしても、あなたはこの映画を観る価値はじゅうぶんにあるでしょう。

自分の世界を広げるために、まずは世界で起こっていることに関心をもつこと。その大切さに気づかせてくれる作品です。


‡ 実物の国連本部内で撮影 ‡

監督が国連のアナン事務総長にお願いして、特別に撮影許可が下りたそうです。
ニューヨーク・マンハッタンにある実物の国連本部のロビーやスタッフ通路や会議室などを見ることができます。


‡ 人と人との心が通じ合うまで ‡

シルヴィアとトビンのいわゆる恋物語でも愛物語でもありません。
お互いに考え方が違ってるために、両者が川の両岸に立っている。急流のため同じ岸に立つことはないだろうと思えるような、そんなふたり。

ふたりとも愛する人(家族)を失った過去を持ち、悲しみの深い淵にいます。

お互いの間を流れる川の流れが徐々に緩やかになり、その幅が縮まっていく過程が、国連を舞台に緊迫感あふれる展開で描かれます。


‡ その他 ‡

オスカー女優ニコール・キッドマンとオスカー男優ショーン・ペンが主演です。監督はアカデミー監督賞に輝くシドニー・ポラックです。
つまり、豪華なキャストとスタッフで作られた作品なのです。

手に汗握る緊迫の展開とシーンがあります。その一方で、シルヴィアとトビンの心の交流が深くじっくりと描かれます。

年に数本しか映画を観ない人、また、何を観ようかと迷っている人で、ちょっとでも世界に関心がある方に、そして見応えのある作品を観たい方におすすめです。


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June 12, 2005

フォーガットン(THE FORGOTTEN)」

ジョセフ・ルーベン監督/アメリカ/2004年/96分

物語の紹介
―――――――――――――――――――――
8歳のひとり息子(サム)を飛行機事故で亡くした母親(テリー)。やがて精神科医や夫に告げられる。子供はおらず、君は流産したショックから想像上の息子を作り上げていたのだ――と。
テリーは愛する息子のぬくもりと、一緒に過ごした記憶を信じて、同じ飛行機事故で子供を失ったアッシュと共に数々の困難に立ち向かっていく。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△テリー・パレッタ
 女性。本の編集者

△アッシュ・コレル
 元ホッケー選手

△ジャック・マンス医師
 セラピスト

△ジム・パレッタ
 テリーの夫

△サム
 テリーの息子

△ローレン
 アッシュの娘


作品案内(ガイド)
―――――――――――――――――――――
【おおまかに言うとどんな作品?】

前半での語りの巧さが光る、母子の絆の物語。


【見どころ・特徴は?】

‡ グイグイとひき込まれる語りの巧さ ‡

それってあるある、がいっぱい詰まっています。
息子を失ったショックのため、セラピストの面会を定期的に受けているテリー。
ちょっとした記憶違いや思い違い。流産した悲しみから想像上の記憶を作り上げる。
これらがあるかないかということになると「あるある!」とまではいなかなくても「あり得る」ぐらいにはなります。

そんな「あるかもしれない」出来事が、あり得そうな展開とタイミングで起こります。

そのため、テリーが流産のショックと悲しみから、サムという架空の息子の記憶を作り上げたのではないかという推測が確かなものに思えてきます。

このあたりの題材の配置とストーリー展開が「巧い」んです。なので作品世界にグイグイと引き込まれていきます。


‡ 愛する者を取り戻す共通の目的を持った二人――相棒(バディ) ‡

だれもがサムは元からいなかったというなかで、テリーだけは息子の記憶を持ちつづけ、そのぬくもりの記憶も持ちつづけます。

この気持の強さがやがて元ホッケー選手のアッシュの記憶(娘の存在)を掘り起こします。

アッシュは、テリーは息子の記憶を持ちつづけていたのに、自分は愛する娘の記憶を失っていたことにショックを受け、アルコール依存から抜け出せないでいます。

そんな気持があることから、いざという時になるとアッシュは元ホッケー選手として培ったその体力と行動力と機動力をフルに活かしてテリーをサポートします。

やがてアルコールを絶ったアッシュ。同じ悲しみを背負った者同士の絆がうまれ、息子・娘を取り戻すという困難に二人で立ち向かいます。


‡ 一瞬のビックリ演出が衝撃(笑劇)的! ‡

急にドンッ! とくるビックリ演出・映像があります。とはいってもそんなに期待しないでくさい。あくまで演出という範囲内ですが、一瞬ビックリする個所がいくつかあります。

ビックリ。ミステリアス。サスペンス。うま~く組み合わせてテンポよく展開していく。そんな前半なのです。


【その他】

衝撃の展開とラスト! というような宣伝がありますが、過度な期待はしないほうがいいでしょう。

これは「母子の絆の物語」です。

私の感想は「えぇー! 予想はしてたけどそんなオチかいっ(笑)」ってなかんじです。

この作品のすごいところは「それ」を直接見せずに「それ」を意識させて、観客の頭の中に「それ」の存在を限りなく確信させるところです。

「『それ』ってなんだよ?」ですって?

それをいっちゃあうんぬんってやつです。

まぁ予告編を観た方のうちの多くの予想=「それ」ってところでしょう。

そうそう、一瞬のビックリ映像は衝撃的であり、笑劇的でもあります。

テリー役のジュリアン・ムーアという俳優さんが奥行きのあるいい演技をしています。前半の巧みな語りの効果もあります。そしてあのオチ。そのため、なんとも不可思議な雰囲気の作品になっています。


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June 10, 2005

ミリオンダラー・ベイビー(MILLION DOLLAR BABY)

クリント・イーストウッド監督/アメリカ/2004年/133分

F・X・トゥールの短編集「Rope Burns」におさめられた短編を元にして
いる。

第77回アカデミー主要4部門受賞作品

作品賞(クリント・イーストウッド、アルバート・S・ラディ、
    トム・ローゼンバーグ)
監督賞(クリント・イーストウッド)
主演女優賞(ヒラリー・スワンク)
助演男優賞(モーガン・フリーマン)


物語の紹介
―――――――――――――――――――――
実の娘に縁を絶たれた初老のトレーナー(フランキー)が、家族の愛に恵まれない女性ボクサー(マギー)に出会う。
マギーはフランキーをボスと呼んで慕い、信頼する。
フランキーは当初マギーを拒絶するが、やがて彼女のトレーナーとなって数々の試合で勝ち続けていく。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△フランキー・ダン
 ボクシングトレーナー。ボクシングジム経営者。

△マギー・フィッツジェラルド
 女性ボクサー。

△スクラップ
 ボクシングジム住み込みの雑用係

△ビッグ・ウィリー
 ボクサー

△ミッキー・マック
 やり手マネージャー

△サリー
 マネージャー

△アーリーン
 マギーの母

△“青い熊”ビリー
 ドイツ人ボクサー。汚い手を使うことで知られる。


作品案内(ガイド)
―――――――――――――――――――――
【おおまかに言うとどんな作品?】

家族を失い、深い傷を負って苦しみの中にある男女の、絆と愛の物語。


【見どころ・特徴は?】

‡ 作品を包む「オーラ」と「匂い」 ‡

ストーリーはシンプルです。シンプルすぎるぐらい。でも、作品には「オーラ」と「匂い」があります。

「オーラ」は目に見えないし、「匂い」だって嗅覚が感知するわけではありません。でも、だからこそこの2つを醸し出すことができる作品というのは滅多にありません。

これはクリント・イーストウッド監督の撮影手法によるところも大きいのでしょう。

最近流行りの短いカットを連続して繋げる、という撮り方をしていません。

ボクシングの練習をするシーンでも、言葉少なげに会話するフランキーとスクラップのシーンでも、画面が落ち着いていつつ、重みがあってしっかりしている印象を受けます。

撮影技術に凝るわけでもなく、突拍子もない設定をするわけでもありません。
だからこそかえって、ひとつひとつのシーンが「匂い」を持つようにななるのです。


‡ アイリッシュ―キリスト教カトリック、緑、ゲール語― ‡

フランキーもマギーもアイリッシュです。

フランキーはアイルランドのゲール語の本をいつも読んでいます。ゲール語はアイルランドの公用語ですが、英語しか話せない人が増えてています。ゲール語はいまではあまり使われなくなっています。

またフランキーは教会のミサにも通っています。神父とキリスト教の三位一体論(父と子と聖霊)の解釈について議論したりもします。三位一体を作品に重ね合わせてみると、フランキー(父なる神)とマギー(子なるイエス)とスクラップ(聖霊)という観方もあります。

とにもかくにも、アイルランドの大多数はカトリック教徒なのです。

フランキーは生粋の江戸っ子ならぬ、生粋のアイリッシュなんですね。

キリスト教カトリックは妊娠中絶や尊厳死を認めていません。キリスト教宗派のなかでも命に関して厳格なのです。

フランキーはアイリッシュであることを誇りに思っており、キリスト教カトリックであるのですが、かつてボクサーを助けることができなかったという思いや、実の娘と縁を絶たれていることから、宗教・生き方について苦悩しています。これが後にフランキーがマギーに起こる出来事をどう受けとめ、そしてどのような決断と行動をするのかということにつながるのです。

アイリッシュカラーといえば緑。いくつかのシーンは緑かかった色をしています。
またイギリスチャンピオンとの試合での入場でマギーは「モ・クシュラ」というゲール語の刺繍をほどこした緑のガウンを着て登場します。このときフランキーも緑のジャンパーを着ています。

そんな姿をみたアメリカ在住のアイリッシュ・アメリカンは応援にも熱が入ります。またヨーロッパを転戦したともマギーは大人気です。世界中のアイリッシュに熱狂的に応援されます。

移民としてアメリカ合衆国にやってきたアイリッシュ系の人々はたくさん苦労しました。移民ですから、よそ者扱いされたんですね。

これについて参考になる映画作品はマーティン・スコセッシ監督の「ギャング・オブ・ニューヨーク」です。ネイティブズ(アメリカ生まれの住人たちの組織、イギリス系)とデッド・ラビッツ(アイルランド移民たちの組織)の対立を軸に主人公の生き様が描かれます。

「ギャング・オブ・ニューヨーク(GANGS OF NEWYORK)」作品レビュー

移民であるアイリッシュの人々は、肉体労働系の仕事に就くことが多かったのです(警官や消防士)。

そしてアメリカ合衆国の主流というか、いわゆるマジョリティはアングロサクソン・白人・キリスト教プロテスタントです。

こういった宗教・宗派という面から、マギーが英国チャンピオンと対戦するシーンを次のような図で表してみましょう。

マギー(アイルランド・カトリック)
       ↓
       ×
       ↑
英国チャンピオン(イギリス・プロテスタント)

アイルランドとイギリスって歴史的にみても、いろいろあるんです。そのあたりの背景を基にした作品にブラッドピットがIRAの闘士役、ハリソン・フォードがアイルランド系の警官役のアラン・J・パクラ監督「デビル(THE DEVIL'S OWN)」があります。

そんなこんなで、マギーの試合は超盛り上がるんですネ。


【その他】

監督のクリント・イーストウッドはいわゆるマカロニウェスタンという西部劇で活躍して名を売りました。その後「ダーティーハリー」シリーズで人気を不動のものとします。監督業にも進出して「許されざる者」「パーフェクト・ワールド」
「目撃」「ミスティック・リバー」など多数撮りました。

マギー役のヒラリー・スワンクはアメリカンドラマ「ビバリーヒルズ青春白書」でシングルマザー役もしていました。映画「ボーイズ・ドント・クライ」主演でオスカー女優になりました。

スポーツ・根性・サクセス・アクションを期待すると、はずします。

これはボクシング映画ではありません。絆と愛の物語です。

実の娘に絶縁された男と、父を失って母の愛がほしくてもそれが叶わない娘が出会い、お互いにかけがえのない存在になっていく愛の物語なのです。

こちらアイリッシュについて詳しくわかりやすく解説していらっしゃいます。参考にさせていただいています。↓

シカゴ発 映画の精神医学 「ミリオンダラー・ベイビー」

基本レビューはここまで↑

これより下はネタバレもアリです↓


【アイリッシュ関連】

∇アイルランド共和国

首都タブリン。立憲共和制。北アイルランドはイギリス領。
19世紀の大飢饉で世界中へ続々と移民する。


∇北アイルランド

北アイルランド紛争。アイルランドへの帰属を求めるカトリック系住民と、イギリス領にとどまるとするプロテスタント系住民の対立から発展。
カトリック系の反英武装組織アイルランド共和軍(IRA)の闘士役をブラッド・ピッドが演じたのがアラン・J・パクラ監督「デビル(THE DEVIL'S OWN)」です。
「デビル」では北アイルランドのベルファーストでイギリス軍(おそらく特殊空挺部隊SAS)とIRA闘士との銃撃戦のシーンがあります。


∇聖パトリック祭

アイルランド系の祭です。アイルランドにキリスト教カトリックを伝えた聖パトリックを祝う祭りです。
アメリカのシカゴではアイリッシュ系が多いので盛大に行われています。この日
ばかりはアイリッシュ系でなくても、緑色のものを身につけるのが習慣になっています。
映画「逃亡者」では外科医キンブル役のハリソン・フォードが聖パトリック祭のパレードに紛れて危機を脱します。


∇映画「アンジェラの灰」

大恐慌時代の1930年代のアイルランドの街リムリックで極貧のなか逞しく生きる少年の物語。少年はやがてアメリカへ渡る。


∇食事

フィッシュアンドチップスにギネスビール(ハープ)。
(マギーの試合入場シーンではアイリッシュハープを演奏している)


【関連ニュース記事】

≪アイルランド≫

和平達成を確信 アイルランド大統領会見
 2005年03月09日(水) gooニュース

IRAが武装解除案を撤回、北アイルランド和平に打撃
 2005年02月03日(木) gooニュース


≪尊厳死≫

植物状態の米女性が死去、尊厳死めぐり依然対立残る
 2005年04月01日(金) gooニュース 

テリ・シャイボさん死去、栄養チューブ撤去から13日後
 2005年3月31日/HealthDayNews Yahoo!ヘルスケア コラム

シャイボさんの両親、州知事に延命介入求める
 2005年03月29日(火) gooニュース

新ローマ法王にラツィンガー枢機卿
 2005年04月20日(水) gooニュース


【参考・関連WEBサイト】

北アイルランド和平
 ニュース漂流 News Drift 
 
アイルランド系移民
 CHEEKY'S GREEN EIRE

日本ケルト協会


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May 25, 2005

キングダム・オブ・ヘブン(KINGDOM OF HEVEN)

リドリー・スコット監督/アメリカ・スペイン・イギリス/2005年/145分

物語の紹介
―――――――――――――――――――――
12世紀。鍛冶屋のバリアンは父が騎士だと知ります。バリアンは十字軍の騎士としてエルサレムへ行きます。
バリアンは押し寄せるサラセン軍から愛する王女と民を守るためエルサレムの都で戦います。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△バリアン・オブ・イベリン
 鍛冶屋。騎士となってエルサレムへいく。
 
△シビラ
 王女。バリアンと恋におちる。

△ゴッドフリー
 騎士。バリアンの父。

△ボールドウィン4世
 エルサレム国王


作品案内(ガイド)
―――――――――――――――――――――
【おおまかに言うとどんな作品?】

誠実味あふれる青年が愛する人と民を守るために戦う物語です。


【見どころ・特徴は?】

‡ お金かかってます! ‡

制作費150億! 庶民にはイメージできない数字です。早い話がとてつもなくお金かけて作っているってことですね。
比較的多くの制作費をかけているアメリカ映画(スペインとイギリスも参加してます)でも、この額はかなり多いです。
「グラディエーター」という歴史スペクタクル映画を大ヒットさせたリドリー・スコットが監督するということ
で、お金をたくさんかけることができたのでしょう。

エキストラ3万人。爆発シーンに使ったプロパンガス12万リットル。エルサレムの城壁を作るために使ったセメント6000トン。
とにかくスケールがおっきい! 
「グラディエーター(GRADIATOR)」作品レビュー


‡ 巨大な投石器 ‡

サラセン軍がエルサレムの都を攻撃するのに使う投石器は、とてもおっきくてビュンビュンと巨石を飛ばします。

投石器が登場する映画ではほかに「タイムライン」があります。でも「タイムライン」よりも多くの数の投石器が登場します。l

どしゃぶりの雨のように降り注ぐ矢と、次から次に連続して投げ飛ばされる巨石の数々(燃える巨石も)。大迫力です。
「タイムライン(TIMELINE)」作品レビュー


‡ スター街道まっしぐらオーランド・ブルーム ‡

主人公バリアン役はオーランド・ブルームという男前の俳優さんです。「ロード・オブ・ザ・リング」での弓矢の達人(というかエルフ)役で一躍大人気となりました。その後「トロイ」というギリシャ戦争の映画で若き王子役も務めましたが、これはあまり格好良くない役どころでした。ちなみに「パイレーツ・オブ・カリビアン」でも鍛冶職人役でした。

なにはともあれオーランド・ブルームは人気の上昇と共にスター(にしきのじゃないよ!)街道をモーレツな勢いで駆け上がっています。
「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」作品レビュー


【その他】

作品はかなり史実に正確なようです。
この作品で描かれるエルサレム包囲戦の時期は十字軍の第2回と第3回の間の 1187 年という設定で、実際にこの年にイスラム勢力はエルサレムを奪還しています。

オーランド・ブルームのファンの方にはたまらない作品です。ものすごく豪華な、スターのグラビア写真集をめくっているかのようで、どのシーンでもオーランド・ブルームがカッコ良く撮られています。

でも、主人公バリアンがある意味で「誠実」すぎるところがあります。そこが主人公の魅力でもあるのですが、視点を変えると、ある意味自己チューかも。はたしてほんとうに民を守ることを第一に考えていたのか。父が思い描いた、平和と愛に満ちた世界という理想郷を実現するためにどこにもいない「真の騎士」になろうとしたのではないか。バリアンは理想・理念を体現するキャラクターともいえます。
バリアンはあまり悩んだり、弱音を吐いたりしません。まるで「タイタニック」のディカプリオのように……。

そいういうわけで主人公に感情移入しずらいかもしれません。最近の映画にみられるヒーロー像とは違っています。つまり、憎めない強いヒーローなんです。悪いやつじゃない、いやむしろいい奴すぎるぐらいで、まがったことが大っきらいでひとつの道を決めたらくよくよ悩まずに突き進む強いヒーローってかんじです。

また、聖地奪還という名のもとに行われてきたのは、結局は富と土地のためだった、という解釈もあることから、キングダム・オブ・ヘブン(天の王国)とは人の心の中にある、というのがメッセージのひとつでしょう。


∇おすすめレビュー

(まつさんの映画伝道師)さん 「キングダム・オブ・ヘブン」

(利用価値のない日々の雑学)さん 「キングダム・オブ・ヘブン」

(ラムの大通り)さん 「キングダ・オブ・ヘブン」


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May 18, 2005

バタフライ・エフェクト(THE BUTTERFLY EFFECT)

エリック・ブレス、J・マッキー・グルーバー監督/アメリカ/2004年/114分

物語の紹介
―――――――――――――――――――――
少年の頃にときどき記憶がなくなって失神することが度々あった大学生のエヴァンは、7歳からつけはじめた日記を読んでいるときに、運命の分かれ目である過去の一部を変更する方法を発見します。
エヴァンは最愛の人、家族、友人を救うために何度も過去を書きかえていきます。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△エヴァン・トレボーン
 心理学専攻の大学生

△ケイリー
 エヴァンの幼馴染。エヴァンが愛する女性

△トミー
 ケイリーの兄

△レニー・ケイガン
 エヴァンの幼馴染の友人

△アンドレア
 エヴァンの母親


作品案内(ガイド)
―――――――――――――――――――――
【おおまかに言うとどんな作品?】

過去を書きかえる能力を持った青年が幾通りもの人生をかけて、愛する者の未来を取り戻そうとする、せつなすぎる愛の物語。


【見どころ・特徴は?】

‡ ひとつのシーンの裏には無数の物語がある ‡

人通りが多い街中で男女がすれ違います。どこにでもある日常の風景のひとつだといっていいでしょう。このシーンひとつだけで、とてもせつなくなりました。

ひとつのシーンが観客の心をこれほど強く揺り動かす映画はめったにありません。

歩んできたいくつもの過酷な人生という道のりの果て。そこでエヴァンが決断して歩み出した道。その過程をエヴァンと共に歩んできた観客は「道ですれ違う男女」というひとつのシーンに詰まった「せつなさの意味」を痛いほど感じることでしょう。


‡ 幼少期に記憶を喪失 ‡

小学校で描いた絵。ロビンフッドのビデオ映画撮影。友達とのいたずら。ケイリーたちと行った映画館。廃材置き場。

エヴァンはこれら幼少期の出来事の一部の記憶を喪失しています。そのときなにがあったのか?

想いを寄せている人との過去の出来事を知ったとき、エヴァンはかけがえないものを失います。愛する人の未来を失ってしまったのです。そんなときエヴァンは7歳からつけはじめた日記を手がかりに過去の一部を書きかえる方法を発見します。

幼少期の出来事を分岐点に、いくつもの人生(世界)が枝分かれしていきます。
映画を観ながらあくびをしている暇も余裕もありません(主人公はあくびどころじゃなく、何度も鼻血を出しますけど……まぁそれも無理もありません)。


‡ 「世界で最も美しい50人」に選ばれたカッチャー ‡

主演の青年エヴァン役はアシュトン・キャッチャーという人です。彼は2003年のピープル誌で「世界で最も美しい50人」に選ばれています。

カッチャーはこの作品の脚本に魅了されて制作総指揮にも参加しています。


【その他】

題名の「バラフライ・エフェクト」は有名なカオス理論のひとつです。それは「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こる」というもの。つまり、はじめの小さな違いが、将来の結果に大きな差を生み出すという意味です。

けっこう展開が早いです。ホッと息をついてくつろぐ……なんてところはありません。作品のはじまりから一気に惹き込まれ、緊張感を持ってエヴァンと共にいくつもの人生を駆け抜けていきます。

「ゆった~りのほほ~ん」とした映画や雰囲気がお好みの方には向きません。

せつないラブストーリーで心を揺り動かされたい方。いくつものクライマックスと緊張感を存分に味わいたい方におすすめです。

たかの今年のNO.1です(5月時点で)。ここ数年でも上位! かなり期待して公開を待っていましたが、期待以上の出来でした!

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May 11, 2005

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

作品名「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
     (LEMONY SNICKET'S A SERIES OF UNFORTUNATE EVENTS)」

ブラッド・シルバーリング監督/アメリカ/2003年/93分

原作:レモニー・スニケット「世にも不幸なできごと」

映画作品は、書籍のシリーズ最初の三作品
「最悪のはじまり」
「爬虫類の部屋にきた」
「大きな窓に気をつけろ」
を合わせた内容となっています。

第77回アカデミー賞メイクアップ賞受賞作品


物語の紹介
―――――――――――――――――――――
海辺で遊んでいるときに家が全焼して孤児となった姉弟妹に、さらなる不幸がふりかかります。
姉弟妹は力づよく生き抜いていきます。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△オラフ伯爵
 役者。ボードレール姉弟妹の第一番目の法的後見人。
 
△ヴァイオレット・ボードレール
 14歳。ボードレール家の長女。発明の才能がある。

△クラウス・ボードレール
 12歳。ボードレール家の長男。読書家。

△サニー
 乳幼児。4本の鋭い歯で噛むのが好き。まだしゃべれずに声を出すだ
 けだが、ヴァイオレットとクラウスにはその言葉がわかる。

△ミスター・ポー
 銀行家。ボードレール家の遺産管財人。

△モンティおじさん(モンゴメリ博士)
 爬虫類学者。ボードレール姉弟妹の第二番目の法的後見人

△ジョセフィーンおばさん
 寡婦。文法の正確さを大切にしている。ちょっと変わった恐怖心を抱
 いている。


作品案内(ガイド)
―――――――――――――――――――――
【おおまかに言うとどんな作品?】

不幸満載で可哀想な三人の子供たちが知識と発想と勇気を持って力強く生きる物語


【見どころ・特徴は?】

‡ 生きる姿勢と力 ‡

これはサバイバルの物語です。世の中はいいことばかりではなく、たくさんの困難に満ちています。いうならば「毎日がサバイバル」です。

なにを困難と捉えるかでなにを不幸と感じるかは変わってきますが、不幸を感じる程度の大小の差はあっても、どんな不幸にも立ち向かっていく姿勢と行動が大事だということにあらためて気づかせてくれます。

「不幸続き」というマイナスだからこそかえって「生きる姿勢と力」がより一層輝いています。


‡ キャラクターが立ってる! ‡

登場するそれぞれのキャラクターがくっきりと際立っています。それぞれの特徴と専門(爬虫類学者・英文法愛好者・役者等)がはっきりしているのです。

登場人物の子供たちは発想の転換によって、出会った相手の特徴と専門に合った対応をしたり、知識をもって謎(暗号)を解いたりといった「見せ場」を存分に発揮しています。

一見すると、突拍子もなく滑稽にもおもえるキャラクター設定ですが、物語を進めていくうえで、とても重要な役割を果すようにうまく計算されています。


‡ おとぎ話風の映像 ‡

不幸な出来事が次々起こり続けると、いくら映画とはいえ観客としてはちょっと辛いですね。

そこで、次々に起こる不幸な出来事が満載となっている作品の雰囲気を、おとぎ話風な世界観に統一しています。

どんな世界観か、どんな雰囲気に近いのかというと、ジョニー・デップ主演のゴシックホラー作品「スリーピー・ホロウ」のスタッフが映像を担当しているそうですので、この作品を観たことがある方はなんとなくイメージできるかと思います。

独特の「おとぎ話風の映像世界」を維持するために大切なのは、登場人物です。作品の雰囲気に合った俳優さんでないと、せっかく作り上げた映像世界が台無しになってしまいかねません。

この点、子供たちの容姿は物語世界の雰囲気によく合っています。どの作品でも子役選びはたいへんでしょう。子役が観客に受け入れられるかどうかにすべてがかかっているといえるほど、子どもが重要な役割を果す作品では慎重に選ばなければなりません。

ハリーポッターシリーズに負けず劣らず、子役がとてもいいと思います。


【その他】

作品は、原作者のレモニー・スケットが音声でナレーションを担当しているという作りになっています。
物語の語り手(神の視点)がテンポよく、わかりやすくナレーションしてくれるのです。

幸せ満載の映画を子供に観せるのもいいですが、こうした不幸せ満載の作品を観せるのもまたいいと思います。

不幸満載というのは、力づよく生きていく姿を映し出すための「仕掛け」のひとつだからです。

原作はとても有名だそうですが、読んでいません。是非とも読みたくなりました。

勧善懲悪なハッピーエンドな物語が好きな人には向かないでしょう。水戸黄門や典型的なディズニー映画が大好きな人はちょっと違和感を抱くでしょう。

でも、不幸せというマイナスなイメージではじまる物語ながら、その内容と進む方向は生きる力に満ちたプラスなものです。

「シンデレラ」に観られるように、不幸に見まわれた美しいものを人は応援したくなりますから、そいういう意味で原作者はかなりのストーリリーテラー(物語る人)ですね。

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April 27, 2005

ハイド・アンド・シーク(HIDE AND SEEK)

ジョン・ポルソン監督/2005年/アメリカ/102分

物語の紹介
―――――――――――――――――――――
仲の良かった母が浴槽で手首を切って自殺した。ショックを受けた娘のエミリーは心を閉ざしたように寡黙になる。

父デビッドは娘エミリーとともにニューヨーク郊外の緑豊かな町へ引っ越す。娘が新しい環境で新しい友達を作るよう願うのだがエミリーはデビッドには見えないチャーリーとかくれんぼをして遊ぶようになる。

チャーリーとは、エミリーが心の傷を癒すために作り上げた空想上の友人ということで、その様子をしばらく見守ることにしたデビッド。しかしチャーリーの仕業だという数々の異変はデビッドとエミリーを危険に晒してゆく。
デビッドはエミリーを守るために、見えないチャーリーに立ち向かう決心をする。


 主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△デビッド・キャラウェイ
 男性。心理学者。
 
△エミリー・キャラウェイ
 少女。9歳。デビットの娘。

△キャサリン
 女性。児童心理学者。

△エリザベス・ヤング
 女性。離婚間もなく、引っ越してきたデビットとエミリーを歓迎し、
 デビットとは親しい友人となる。

△アリソン・キャラウェイ
 女性。デビットの妻。エミリーの母親。

△ハファティ
 男性。保安官

▽チャーリー
 エミリーがかくれんぼをする相手。


作品案内(ガイド)
―――――――――――――――――――――
【おおまかに言うとどんな作品?】

日常のふとした隙間から忍び込んで心の底で熟成される、愛する者を想うくるおしいほどの愛情の物語。


【見どころ・特徴は?】

‡ 森という異世界への招待状 ‡

「白雪姫」「ロビンフッド」「ビレッジ」。どの作品にも森という異世界が登場します。森は未知の世界です。一歩そこへ足を踏み入れたら何が待ちうけているかわかりません。そんな世界として描かれるのが森なのです。

最近の作品では「クライモリ」というスプラッター系ホラー作品があります。これは近道をしようと山道に入った車が動かなくなって森のなかで殺人者に追われるという物語です。

西欧において「森」とは、人間が支配できない場所、なにが起こるかわらない場所として位置付けられます。

キャラウェイ父娘が引っ越してきた家のすぐ隣は森です。エミリーは森の中で新しい友達・チャーリーに出会います。

森では常識では考えれない現象が起こると考えられています。そんな森で出会ったチャーリーとは果してどんな人なのか?


‡ サスペンスとミステリーの職人芸が詰まっています ‡

チャーリーとはいったい誰なのか? いったい何なのか?
提示された謎が解けるまで観客は映画から目が離せません。

またミステリー作品に使われる技術をいたるところでうま~く用いています。

これはいわゆるミスディレクションと言われるものです。謎がすぐには解けないように、観客の注意を他へ逸らさせることをいいます。こうした技術がさりげないようでしっかりと組み込まれているのです。どのように? その例をあげたいのですが、これをするとネタバレになってしまうのでお話できましぇ~ん。

ミスディレクションのための要素は、ちょっとした深層心理心の片隅をうまく利用したもので、言い知れぬ不安感を上手に膨らませています。


‡ エミリーが描く絵 ‡

子供の絵はときにあまりに率直な表現で、大人をびっくりさせることがあります。エミリーはチャーリーのことをあまり話したがりません。でも絵をよく描きます。絵を描くことでメッセージを送っているのです。チャーリーの絵をよく
観てください。そこにはヒントとメッセージが込められているのです。


【その他】

「ハイドアンドシーク」といった性格の作品は、何を書いてもネタバレになってしまいそうで、具体的にお話できないというもどかしさがあります。

いわゆるコアなミステリーファンやサスペンスファンには、作品の中の早い段階で謎がわかるでしょう。ミステリーでは有名でかつ古典的とも言われる手法を使っているからです(あわわ、もうネタバレっぽくなってるぅ(>_<))

でも、俳優さんの演技がとてもいいのと、しっかりとした演出が功を奏しています。

トリックや謎解き命です! という方にはちょっと物足りないかもしれません。

逆にいうと、一般的な映画好きでホラーちっくなドキドキ感を味わいたいという方はじゅうぶんに楽しめるでしょう。

すこし開いたドアの隙間から漏れる光でこんなにも心臓バクバクしちゃうなんて! 
ドアはしっかり閉めましょう(^_^;)

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April 25, 2005

エターナル・サンシャイン(ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND)

ミシェル・ゴンドリー監督/2004年/アメリカ/108分
第77回アカデミー賞脚本賞受賞

新型SFミステリー恋愛冒険物語。恋した人ならよく知っている感情をSFという仕掛けと凝った脚本で描いた作品。

物語の紹介
―――――――――――――――――――――
ジョエルは喧嘩別れした恋人が嫌な記憶を消してしまったことを知るります。自分も記憶を消そうと恋人が利用したラクーナ社(Lacuna Inc.)を訪れるジョエル。この会社を利用すると一晩自宅で寝ている間に消し
たい記憶だけを消去できるというのです。
こうして喧嘩ばかりの日々を消していきますが、その過程で恋人クレメンタインへの愛を再確認したジョエルは記憶の中の恋人を守ろうとします。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ジョエル・バリッシュ
 男性。照れ屋で物静かだが愛情豊か。内向的な性格。

△クレメンタイン
 女性。好奇心旺盛で解放的だが繊細な心を持つ。
 衝動的かつ積極的な性格。

△ハワード・ミエルズウィアク
 博士。ラクーナ社 Lacuna Inc. の医師。

△メアリー(キルステン・ダンスト)
 ラクーナ社の受付嬢

△パトリック(イライジャ・ウッド)
 ラクーナ社の技術者


作品案内(ガイド)
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【おおまかに言うとどんな作品?】

新型SFミステリー恋愛冒険物語です。


【見どころ・特徴は?】

‡ 映像作品でできることが満載 ‡

映画はたいていフィクションですから、なんでもアリです。映像は一度に多くのことを観客に示すことができますから、やろうと思えば現実味のないことでもなんでもできます。

でもそれではリアリティがなくなってしまうので、映像の特性を活かすにはそれなりの仕掛けが必要です。

この「仕掛け」というのがこの作品ではSFです。ジョエルは自分の脳の中を冒険するのです。脳の中――記憶の中です。


‡ 逆から辿る恋人との日々 ‡

ジョエルは記憶の中を旅します。しかも恋人クレメンタインとの日々を後ろから前に向かって進みます。
だれでも付合いはじめは仲良しですネ。でも時には喧嘩も。やがて喧嘩ばかりするようになって別れてしまいます。もう相手のことを忘れたいと思うまでになります。それほど辛いのです。

その辛いときを出発点としてジョエルは自分の脳の中を旅します。はじめは辛いことばかり。でもあらためてこうして見てみると、喧嘩のときには気付かなかった自分の振舞いや彼女の振舞いを、いままでとは違った視点で見直すことができます。

彼女への愛を再確認したジョエルは、彼女を助けようとします。それでも脳の中の旅はつづき、どんどん付合いはじめのラブラブなときをもう一度体験していくのです。


‡ 凝った脚本 ‡

時間を逆から辿る旅。しかも脳の中の旅。こんな仕掛けを物語にするにはかなりの技量を必要とします。ちょっとやってみるか、ぐらいの気持ではとても映画は完成しません。
脚本を書いたチャーリー・カウフマンという人は凝った脚本を書くのが得意な方として有名です。
さらに今回は恋愛物語ということで、脚本の技量が最もよく発揮されているなぁと感じました。


【まとめると?】

恋した人ならよく知っている感情をSFという仕掛けと凝った脚本で描い
た作品です。

ジョエル役のジム・キャリーはアメリカで有名なコメディアンです。ほかの作品ではものすごいキャラクターを演じています。どのすらい凄いかって? 半分以上アドリブ、仕草、動き、顔芸、すべてがコメディアンの鏡のような凄い演技(?)です。でも「エターナル・シャンシャイン」ではふつーの地味~なにぃちゃんに徹しています。なので、配役を知らないで観たら、ジム・キャリーだと気がつかないかもしれません。

恋人役のクレメンタイン約のケイト・ウィンスレットは「タイタニック」のヒロイン役をした人です。最近の作品では「ネバーランド」で未亡人で3人兄弟の母親という役でした。

「エターナル・シャンシャイン」は凝っています。そのためSFの仕掛けを理解して受け入れれば楽しめます。
でも逆にSFの仕掛けをあり得ないとして受け入れられないと、突拍子もない変な映像が次から次に出てきてわけかがわからんよ~なるでしょう。

オーソドックスでシンプルな物語が好きな方には向きません。
新しいものが好きで、仕掛けを受け入れられる人は大好きな1本になる
でしょう。

時間が入れ代わる構成ですので、時間という地図に迷わないようにするヒントはヒロイン・クレメンタインの髪の色に注目することです。

もう少し詳しいレビューはこちら

∇トレジャーマップの読み解き方・映画レビュー編
(映画で読み解く人生とビジネスのヒント)はこちら↓
あなた自身の物語の作り方―「エターナル・サンシャイン」―

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ナショナル・トレジャー(NATIONAL TREASURE)

ジョン・タートルトーブ監督/2004年/アメリカ合衆国/131分

アメリカ国内の歴史名所をめぐって競う、先にみつけたチームが勝ちの宝探しゲーム

物語の紹介
―――――――――――――――――――――
太古の秘宝がアメリカ独立戦争時に行方知れずになりました。歴史学者のベン・ゲイツは伝説の秘宝のありかの謎を解く鍵がアメリカ独立宣言書にあることを知り、相棒と博士と共に秘宝を探しもとめます。


主な登場人物の紹介
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△ベンジャミン・フランクリン・ゲイツ
 歴史学者。冒険家。

△ライリー・プール
 ベンの相棒。コンピュータの専門家

△イアン・ハウ
 イギリス富豪。冒険家

△アビゲイル・チェイス
 国立公文書館の女性の博士


作品案内(ガイド)
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【おおまかに言うとどんな作品?】

アメリカ国内の歴史名所をめぐって競う、先にみつけたチームが勝ちの宝探しゲームです。


【見どころ・特徴は?】

‡ アメリカ国内限定の宝探し ‡

主人公は作品の冒頭に南極に行きますが、それ以外はアメリカ国内でお宝を探します。お宝の手がかりは、アメリカ合衆国内の歴史名所隠されているのです。ジャングルの奥地ではなく、アメリカ人にとっては意外と身近にお宝が眠っているというのです。
日本なら山の中ではなく、東京や大阪のどこかに徳川埋蔵金が! といったところでしょう。


‡ 言葉遊びと謎解き ‡

主人公で歴史学者のベンはお宝の手がかりの言葉に隠された意味を解読します。ある言葉に関係する言葉を連想していくのです。それまるでクロスワードパズルを上手に解いていくかのようです。アメリカ人ってクロスワードパズルの類が大好きです。子供もクイズ形式で楽しみながら語彙を増やしていきます。
日本の「いろはにほへと」にも「とかなくてしす」という暗号が隠されていたという話もありますが、ベンもこのように言葉に秘められた謎やヒントを解き明かしていきます。


‡ 登場人物がおちゃめ ‡

言葉の謎解きが中心なので、ライオンや蛇と戦うといったことはありません。ライバルチームとのカーチェイスもあるのですが、従来のトレジャーハンティング作品と比べるとアクションはとても少なめです。

そのかわり「笑い」があります。主人公のベンはニコラス・ケイジという俳優さんです(フランシス・コッポラの甥)。この方はただそこにいるだけでなんとなく笑えてしまうという、とてもチャーミングな人です。
そしてベンの相棒ライリーがベタではありますが好感のもたれる笑いを提供しています。


【まとめると?】

文科系トレジャーハンティング(宝探し)です。
「インディ・ジョーンズ」のセリフに似たようなものがありますが、本来歴史学の研究というのは98%は文献とにらめっこです。でもそれではおもしろくないので映画作品ではジャングルや秘境を冒険します。

そういう意味ではどの宝探し作品も文科系なのですが「ナショナル・トレジャー」ではあえて文科系を前面に出しています。そして「笑い」と「ユーモア」で味付けしています。

「インディー・ジョーンズシリーズ」や「トゥーム・レイダーシリーズ」のようなアクションは期待しないでください。登場人物たちのチームワークや会話を楽しみましょう。
ちなみにベンのチームの女性博士は映画「トロイ」でトロイ戦争のきっかけになった美人姫様役を演じていた女優さんです。

もう少し詳しいレビューはこちら

∇トレジャーマップの読み解き方・映画レビュー編
(映画で読み解く人生とビジネスのヒント)は↓
人はないものねだり―「ナショナル・トレジャー」―

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