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July 01, 2005

ダニー・ザ・ドッグ(UNLEASHED/DANNY THE DOG)

ルイ・レテリエ監督/フランス・アメリカ・イギリス・香港/
2005年/103分

物語の紹介
―――――――――――――――――――――
幼い頃に誘拐されたダニーは闘犬のように育てられました。取り立て屋のバートに首輪を外されて命令されると、相手を叩きのめします。
ある日、倉庫で盲目のピアノ調律士サムに出会います。
後日、怪我をして意識を失ったダニーはサムに助けれ、家族の一員として暖かく迎え入れられます。


主な登場人物の紹介
―――――――――――――――――――――
△ダニー
 男性。戦うためだけに育てられる。

△サム
 ピアノ調律士

△ヴィクトリア
 高校生。サムの養女。

△バート
 取り立て屋。ダニーに首輪をして利用する。


作品案内(ガイド)
―――――――――――――――――――――
【おおまかに言うとどんな作品?】

愛を知らない男がピアノ(音楽)をとおして家族を得て、これを守ろうとする物語。


【見どころ・特徴は?】

‡ 新ヒーロー誕生 ‡

ダニー役のジェット・リー(リー・リンチェイ/李連杰)中国出身のアクションスターです。11歳で中国武術大会で総合優勝(以後5度優勝)した彼のアクションの「キレ」はスバ抜けています。

アクションシーンにおいて最近の映画によくみられる、複数のカメラによる細かいカットを素早く繋ぎ合わせて画面に迫力を出すといった方法を使わなくても、ジェット・リーのアクションは十分に迫力があります。

そんな彼がこれまで主演した映画では、寡黙で強くてだれかを守る孤高のヒーロー、といった役どころがほとんどでした。

しかし「ダニー・ザ・ドッグ」では、孤独な戦闘マシーンとして首輪をつけられた、少年ほどの知識と語彙しか持たない男として登場します。
そして盲目の調律士に助けられるのです。

いままでのジェット・リー主演作とは正反対ともいえる役どころです。「ダニー・ザ・ドック」ではジェット・リーの新たなヒーロー像が確立されています。


‡ 戦うことに共感できる意味がある ‡

家族を得たダニーは、バートの金儲けのためにはもう他人を傷つけたくないと言って戦いません。しかし相手が複数になって武器も使うようになると、自分の身を守るためにしかたなく戦います。

そして自分の家族に危機が迫ると、これを守るために戦います。

家族を得る前は、首輪を外されて命令されることで、条件反射のように目の前の相手を倒していました。

でも家族を得た後は、自分の気持・感情で戦いたくないと言い、己の身を守るために、いたしかたなく戦います。
そして家族を守るために戦います。

ただ強いだけの男がすばらしいアクションを繰り広げるだけではないのです。

戦うことに、観客が共感できる動機がしっかりとあるのです。


‡ ピアノ ‡

ピアノはダニーの過去を取り戻すためのキーアイテムになっています。また、ダニーが人とコミュニケーションをしていく助けにもなっています。

たとえ言葉ではうまく通じ合えなくても、音楽を通してコミュニケーションをとることができる、そんな様子をピアノで表現しています。


【その他】

愛を知らない男。ピアノ。音楽。家族。アクション。

それぞれの要素はありきたりで、その組み合わせもベタといえばベタです。でも、こうした基本要素を組み合わせてうまくエンタテインメント作品をササッと作れる腕のいい職人さんがいるんです。

それは、製作・脚本のリュック・ベッソンさんです。彼とジェット・リーは「キス・オブ・ザ・ドラゴン KISS OF THE DRAGON (2001年)」でも組んでいました。

リュック・ベッソンさんは素材をどのように組み合わせて、どのように料理すればその旨味をよくひきだせるかを知っています。

作品の状況や設定に多少無理はありますが、それは作品世界を損なうものではなく、十分に許容される範囲であって、むしろフィクションのおもしろみと魅力を増す助けになっています。

ジェット・リーの新ヒーロー像を堪能したい方。特徴あるホームドラマを観たい方。リュック・ベッソンの職人技を勉強したい方。これらの方におすすめです。

アクションシーンだけを観たい方。完璧なカンフーアクションを期待する方(今回はどちらかというとストリートファイト系のアクションです)。暴力的なシーンを見たくない方。これらの方には向かないでしょう。


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